「こういう家を造ってください」「はい、わかりました」
家を建てる際には、最初に造り手とお客さんがこのような話し合いをします。
しかし、これは本当に建設的な「対話」でしょうか?
住まい手の方が現在と将来をしっかりと考え、暮らしを具体的にイメージできないと、お家づくりの話し合いは意味のあるものになりません。
本記事でご紹介するアトリエハレトケさんは、具体的な暮らしのイメージを共有し、住まい手との対話を深めていくことを重視されています。
また、現在の生活だけでなく、未来までを見据えた設計を一緒に考えてくれる設計事務所さんです。
今回は、そんなアトリエハレトケの代表である長崎さんにインタビューを伺ってきました。
長崎さんの「暮らし」への想いや、社会までを考えた建築観をご覧ください。
東京大学で学んだ建築のイロハ
スタッフ
長崎さん
自分が高校生の頃、プロボクサーから独学で建築家になられたという経歴を知って、建築って面白そうだなと思いました。
長崎さん
3年生から建築を本格的に勉強して、4年生になる頃には建築が面白くなり、もっと建築を学びたいという思いから大学院に進学しました。
スタッフ
長崎さん
私は最初、材料研の友澤研究室に進んだのですが、教授がとても柔軟な方で「材料に絡んでいれば何を掘り下げてもいいよ」と言われました。
なので、材料をテーマに絡めて建築や都市に繋がるような研究をしていましたね。
長崎さん
そこでは毎週勉強会を開いたり、毎月小論文を発表したりして、優秀な先輩たちに囲まれる恵まれた環境で勉強をさせていただきました。
自身の建築観を育んだ、2人の恩師
スタッフ
長崎さん
建築家は構造やデザインを重視する人が多いのですが、岡部先生はそれに加えて使う人々に寄り添った設計をされていて、非常に魅力を感じたんです。
長崎さん
人々の生活をサポートする建築の在り方について、倫理的な観点でお話をされることもありました。
いまだに岡部先生からは多くの学びをいただいています。
長崎さん
内海先生は、「建築家っていうのはふんぞり返って指示をするだけじゃなくて、なんでもやっていかないと生きていけないよ」と仰っていて、自分自身で手を動かすのがとにかく好きな方でした。
溶接工事や施工も好きで、設計以外も自分でなんでもやってしまうんです。
スタッフ
長崎さん
例えば内海先生は、本当に絵が上手いんです。お客さんとの打ち合わせ中、何も見ずにサラサラとパースを描くのですが、それが実物と寸分違わないクオリティで。
建物以外の樹木とか外構に関しても、全く絵と同じになります。お客さんからしたら、驚きと安心感が違いますよね。
長崎さん
そこで、海外のエンジニアの絵の上手さに衝撃を受けました。
画家のような上手さではなく、絵を通じて人に意図を伝えるのが非常に上手いんです。
長崎さん
一枚の絵に多くの人の意志が集まってくる。建築は国境をも超える素晴らしい文化なんだと学びました。
スタッフ
長崎さん
暮らしを描いて住まい手との対話を深める
スタッフ
長崎さん
「対話くらい、どこの設計事務所もやってるだろう」と思われるかもしれませんが、他の設計事務所とは対話の仕方が違うかもしれません。
長崎さん
具体的には、ヒアリングシートをもとに「こういう設計になっていると、こういう暮らしができますよ」という絵を必ず描いています。

長崎さんが描かれたイラスト。
「どういう風に暮らせるか」が細かく描きこまれています。
スタッフ
長崎さん
建築には「技術」と「芸術」という2つの軸があります。私は、技術と芸術が交わるところにこそ、良い建築が生まれると考えています。
長崎さん
通り土間や縁側、雨樋。あれらは「日常というアート」なんです。
スタッフ
長崎さん
長崎さん
私たちが仕込んだことを活かして、お客さまだけの空間の使い方を発見したり、発明してくれたら嬉しいですね。
「見せる住宅」で世の中を元気にしたい
スタッフ
長崎さん
空間が全て繋がっていて、間取りが緩やかに仕切られているような造りが多いです。
あとは、地形や周囲の環境を活かすようにしています。土地の段差や木陰などを積極的に活かしたいですね。
スタッフ
長崎さん
簡単に言うと、お店みたいな。イエとミセが混在しているような造りがこれから求められるのかなと思っています。
長崎さん
要するに、「自分が社会に対してどういう役に立つのか」を、本業とは別のベクトルで考えてる人が多いんです。
なので、自分の得意なことを近所との交流や、小さくても経済活動として利用できるようなお家の需要は増えると考えています。
スタッフ
長崎さん
そういうきっかけを仕込んであげるのが大切なのかなと。イエもマチも元気になれる。これからの正しい家の在り方のひとつになると思います。
スタッフ
長崎さん
でも、今は家で仕事をしたり、経済活動が出来たりします。
長崎さん
それぞれの生き方をプレゼンテーションできる場があると、世の中がもっと元気になるんじゃないかなと思います。
家づくりを通じて、人生と生活を見直してほしい
スタッフ
長崎さん
現在の生活にだけ目を向けて、ライフステージの移り変わりを考えない方が結構多い気がしています。
長崎さん
今の生活だけを考えるんじゃなくて、ある程度未来にボールを投げた家づくりを一緒に考えていくのが良いと思います。
家づくりをきっかけとして、人生や生活を見つめなおしてほしいです。
スタッフ
長崎さん
ハウスメーカーは、お客さんが求めるものに対して、自社の設計ルールの中で最大限実現しようとします。
でも我々は生活を一から見直して、お客さんが気づいていないニーズや将来起こり得る問題についても一緒に考えていくことができます。
スタッフ
長崎さん
見てみると、建物の性能や見た目は建築家とそこまで大きな差は無いんですよ。
スタッフ
長崎さん
生活と建築の在り方を考えなおすプロセスは大事にしていますし、お客さんにも大事にしてほしいですね。
まとめ
長崎さんは絵の力や素晴らしさを熟知されているからこそ、暮らしを描いて伝えるスタイルを確立されているのだと感じました。
生活や将来を見つめ直し、本当に住みやすいお家を建ててほしい方は、ぜひアトリエハレトケさんへご相談ください。
会社名 | 株式会社アトリエハレトケ一級建築士事務所 |
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代表者名 | 長崎 辰哉 |
住所 | 〒145-0062 東京都大田区北千束3-13-14 |
電話番号 | 03-6316-7227 |
公式HP | http://haretoke.co.jp/ |
営業時間 | 9:00~18:00 |
主な業務 | 建物企画・設計・設計監理 |
対応エリア | 全国および国外も対応可(交通費・宿泊費別途) |