不動産の経営でサブリースを選んではいけない本当の理由

サブリースを利用すれば夢のアパート経営が手軽に始められる!実際、不動産の知識がなくても、土地活用でサブリースを利用している人はたくさんいます。ところが、ネットでサブリースを検索してみると「サブリースで大損した…」「サブリースは集団詐欺だ!」なんて記事を多く見かけます。世間のサブリースに対する印象はあまり良くないようです。
果たしてサブリースは利用しても大丈夫なのでしょうか?サブリースは本当に悪なのでしょうか?

サブリースとは?

まずは、サブリースの仕組みを簡単に紹介します。

サブリースとは又貸しのこと!

サブリースは一般的に一括借り上げと言われます。あまり聞きなれない言葉ですが仕組みは簡単です。サブリース会社があなたのアパートを一括で借りて、別の人に貸すだけです。

いきなりアパートを建てても、空室を作らずに運営できるか不安ですよね?そこで、サブリース会社はあなたの物件を丸ごと借り上げて契約期間内ずっと賃料を払ってくれます。そうすれば空室が出来たとしてもオーナーであるあなたは一切心配する必要がありませんからね。
もちろん、サブリース会社は借り上げたあなたの物件に居住者を集めて賃料を得ます。居住者の賃料とあなたに支払う賃料の差がサブリース会社の利益です。
続いて、サブリースを利用するメリットとデメリットを見ていきます。

サブリースを利用するメリット

サブリースは不動産経営に参加しなくても収益をあげられるのが魅力です。

  • 安定収入
  • 長期保証
  • 面倒な管理を丸投げ

安定収入

サブリースを利用する最大のメリットは安定収入を得られる点です。
サブリース会社が一括してアパートを借りてくれるので、空室の影響を受けません。空室が発生するリスクは全てサブリース会社が負担してくれます。

長期保証

さらに、契約期間は10年~30年間と長期間に渡る場合が多く、安定収入を長期継続して受けられる恩恵があります。

面倒な管理を丸投げ

しかも、不動産の経営はサブリース会社に一括して任せているので、居住者を集める手間や物件の管理も必要ありません。そのため、不動産経営の知識が全くない人でも手軽にアパート経営に参入できるのが人気の理由です。

サブリースを利用するデメリット

サブリースを利用するメリットだけを見ると不動産オーナーにとって有利な条件ばかりですね。でも、実際は違います。サブリースを利用する場合は不動産のオーナーの方にリスクがあります
ここからは、サブリースのデメリットについて紹介します。

  • 敷金・礼金は受け取れない
  • 更新による賃料の値下げ
  • 手数料が高い

敷金・礼金は受け取れない

サブリースを利用した場合、敷金や礼金は全てサブリース会社の収入になります。ちなみに、使われなかった敷金は退去時に返却されるので一時的な預り金ですが、礼金はそのままサブリース会社の収入です。一括してサブリース会社が借り上げているので、当然の収入とも考えられますが、敷金や礼金などのまとまったお金がもらえないのは残念ですね。

手数料が高い

サブリースを利用した場合、賃料から手数料を差し引かれた金額がオーナーに支払われます。サブリース会社は不動産の経営をオーナーに代わって行うので当然手数料が発生します。しかし、手数料は賃料に対して、10%~20%と高額です。

MEMO
不動産経営を委託する方法には管理委託方式があります。管理委託方式の場合、手数料は5%~10%が限度です。ただし、一括借り上げの様に空室が発生した場合のリスクまでを負担するものではありません。

更新による賃料の値下げ

サブリースを利用するデメリットで最も厄介なのが更新による賃料の値下げです。サブリースを利用するメリットでは、長期保証が継続して安定収入を支える要になっていると紹介しましたが、実は長期保証はほとんど機能していません
なぜなら、サブリース契約はほとんどの場合、数年(1年~2年)で賃料の更新が行われるからです。その際、建物の老朽化や周辺物件との競争を考慮して、家賃の値下げが行われる場合があります。そのため、契約当初の賃料を期間満了まで受け取るのは非常に難しいと言われています。

なぜ問題視されているの?

サブリースが社会問題として扱われるのには理由があります。
サブリースが危険だと言われる一番の理由は賃料が減額されるリスクがあるからです。サブリースのメリットでお話したように、サブリースの契約期間は10年以上と非常に長いのが特徴です。しかし、実際には1~2年ごとに賃料の更新が行われてオーナーに支払われる賃料は減額されるケースがほとんどです。最悪の場合、事例の様にローンの返済額を下回る金額まで賃料を減額されてしまいます。

銀行の不正融資が発覚


参考 サブリース トラブルが多発法規制を - YouTubeYouTube

サブリースの問題には金融機関も絡んでいました。
サブリースを対象に融資を行っていたスルガ銀行では、自己資金のない借り手の方に対して審査を通しやすくしていました。不正に預金通帳残高を改ざんしたり、借り手の口座に見せ金を振り込むなどして虚偽の申請を行っていたのです。
さらに、申請を行っていた不動産会社は不動産を過剰に評価したり、入居率を偽って申告するなどして銀行と手を組むような形で審査を通しやすくしていたのです。その結果、本来返済能力のない借り手の方が銀行から多額の融資を受けてサブリース契約を結んでいました。

MEMO
スルガ銀行は業務停止処分、さらに複数の社員が行政処分を受けました。

本来、公共的な立場の強い金融機関が不正にサブリースを後押ししていたのです。つまり、不動産と金融期間が手を組んで、個人を対象に無理やりアパート経営をするよう誘導していたわけです。
ただでさえ、賃料の値下げに関して疑問や指摘がされていたので、銀行がサブリースに加担していた事実が発覚したおかげで、サブリースはさらに大きな社会問題に発展しました。

サブリース問題の原因

では、サブリースが社会問題にまで発展してしまった原因はどこにあったのでしょうか?

アパート経営の競争が激化

サブリースが不動産経営の仕組みとしてしっかりとしたものであれば何の問題もありません。
しかし、2018年には経営破綻したサブリース会社があり、そもそもサブリースの仕組み自体が不完全だったのではないかと指摘されています。

2012年に創業したスマートデイズは、首都圏を中心に女性専用のシェアハウスを運営し、事業を急拡大させた。しかし、2017年10月ころからシェアハウスを所有するオーナーに賃料の大幅な減額を通告しはじめ、2018年1月ごろからはオーナーに保証した賃借料の支払いが停止するようになった。
すると、数多くのオーナーがローンを返済できなくなり、各所への相談が急増して、トラブルが大きく報じられるようになった。ついに運営会社は、4月9日に民事再生法の適用を東京地裁に申請し受理されたと発表するに至った。

引用:SUUMOジャーナル

経営破綻したスマートデイズが運営していたのはシェアハウスタイプのサブリース物件(かぼちゃの馬車)。足立区を中心にかなりの数が建てられていました。
その結果、同じ地域で居住者を取り合う結果になり、賃料を値下げしても空室は増え続けました。

いくら賃料を下げても空室だらけではサブリース会社の収入はありません。最終的にはサブリース会社がオーナーへ支払う賃料が滞ってしまい、サブリース会社は経営破綻に追い込まれてしまいました。

また、新築物件が多いのもサブリース問題の原因です。新築を建てれば、その時点で建設工事が発生するので不動産会社、サブリース会社にある程度のお金が入ります。
最悪、アパートの経営が上手くいかなかったとしても、とりっぱぐれのない利益が必ず発生してしまうのです。そのため、過剰な営業活動を行ってサブリース物件を増やし続けていったのです。
結果、道を挟んですぐ向かいにコンビニが出来るように、あちこちでサブリース物件が量産され、激しい経営争いが行われました。

今回の事例はサブリース会社が破綻し、オーナーには多額の借金と空室のアパートが残りました。サブリースを行う上で考えられる最悪のケースです。

  • リース元が破綻する可能性がある
  • 同じ地域に複数のサブリースが存在している
  • 新築物件が多い

過剰な不動産営業の理由は?

サブリースがこれほど普及した要因は、不動産会社やサブリース会社の営業力にもあります。ただ、強引な営業を行って契約を獲得したのではなく、不動産業界の風習が大きく影響しています。
特に、サブリース問題で話題に上がるのは大東建託です。厳しい掟のもと、営業の方たちは実績を作るため残業時間の上限を超えて働いていました。

賃貸住宅大手の大東建託の支店が、労使協定で定めた残業時間の上限を超えて社員を働かせたとして6月に労働基準監督署から是正勧告を受けた。
・・・
大東建託は、地主らにアパート建築を勧め、一括で借り上げる「サブリース契約」で業績を伸ばしてきた。

引用:朝日新聞

確かに、サブリース契約を獲得していたのは不動産会社やサブリース会社の営業担当の方たちです。しかし、その背景では営業の方たちが膨大なノルマと圧力に押された結果、過剰な営業を行ってサブリース契約を獲得していたのが容易に予想できます。

今後の不安や恐怖

さらに他の原因を考えると、サブリースを始める人の心理状態も見逃せません。
例えば「賢く資産運用をしたい」「上手く土地活用をしたい」「今のうちから税金対策をやっておきたい」と悩みや不安を抱えている方はたくさんいらっしゃいます。

財産を相続するなら「現金」と「不動産」のどちらがお得?節税を巡るポイント

そんな時、やる気まんまんの営業マンが訪ねてきて、低リスクで始められるアパート経営の話を進めてきたらどうでしょう。
さらに、金融機関からの融資も受けやすい状態なら思わずチャンスだと考えてしまうのは仕方ありません。

まとめ

サブリースは各地で爆発的に広がり、今なお運営している会社はたくさんあります。
なので、今後あなたがサブリースに関わらないとは言いきれません。親や家族、親戚や友人など身近な人達にどのような形でサブリースが関与するか分かりません。
もちろん、サブリースを詐欺だとは言いませんが、正しい知識なくして不動産経営に手を出すのは危険です。
もし、あなたの周りで不動産の経営を考えている方がおられるなら、この記事を思い出していただき参考にしてみて下さい。