フルオーダーで建てる家づくりのポイントを専門家に聞いてみた

フルオーダー」の家は、文字通りゼロからプランを練って建てるので、理想のライフスタイルに合わせた自由な設計やデザインが可能です。

この記事では、「フルオーダー住宅を建てる時のポイント」について、専門家の意見をもとに分かりやすく解説していきたいと思います。

ご協力いただいた家造りの専門家
今回は関東圏でフルオーダーの家を多数手がける「加藤建築」の加藤さんにお話をお伺いしました。

加藤建築 加藤さん

家づくりは「何に重きをおくか」というこだわりを持つことが一番のポイントです。フルオーダーなら、特にこだわりを活かした家を建てることができますよ。

フルオーダーってどんな家?

フルオーダーで家を建てる最大の魅力は、何といっても思い描いた暮らし方を形にすることができる「柔軟な設計」にあります。
家族構成や趣味、使い勝手など、住む人に合わせてパーソナルな細かい設計ができるのが特徴です。

例えば、生活動線や家事動線を意識してお風呂やトイレの配置を考えたり、趣味に特化した使いやすさを追求したりするのも良いですね。

引用:有限会社加藤建築

一方、基本的な間取りやデザインが決まっている家は「規格住宅」と呼ばれ、同じ注文住宅でもフルオーダーの家とは区別されます。

プロ目線のアドバイス

加藤建築 加藤さん

なお、注文住宅でいう「セミオーダー」は、「基本的な設計プランが決まっている」という点では規格住宅に近いといえますが、間取りなど部分的な変更ができることから、フルオーダーと規格住宅の中間だと思ってもらうのが良いでしょう。

「自由設計」はコンセプトが大事

フルオーダーの家は設計から素材選びまで、基本的に全てが「自由設計です。
そのため、事前に1つひとつ打ち合わせをして納得をしながら進められるので、満足度が高い家づくりをすることができます。

ただし、その分決めなければならないことは多いです。もちろん、どこまでこだわるかによりますが、一般的な家でも打ち合わせだけで半年、長い人なら数年掛かる場合もあります。

そのため、フルオーダーで家を建てる際は、「どんな暮らしをしたいか」といった具体的なコンセプトが決まっていた方がスムーズに家づくりを進めることができるでしょう。

予算に合わせて取捨選択

特に、水回りなどの設備をショールームで選ぶ際、大抵の方はつい目移りしてしまって予算をオーバーしがちです。

他にも、家が建ち始めると具体的なイメージが形になっていくので、「ここはもっとこうしたい」といった追加工事が多かれ少なかれ発生するといわれています。

なので、コンセプトが決まっていた方が最悪の場合でも、「どこを削るのか」「どこまでこだわるのか」といった判断をする際に迷わなくて済むようになります。

それこそ、どのご家庭でも必ず「予算」があると思うので、優先順位を決めて要望やコンセプトを反映してもらうことは最も重要といえるかもしれません。

判断が滞ってしまうと工期の遅れにも繋がるので、全体的な方針は事前にしっかりと決めておきたいですね。

プロ目線のアドバイス

加藤建築 加藤さん

家は決して「フルオーダーだから良い」というわけではありません。デザインや価格に絞って考えれば、「建売でも満足できる」という方は多いでしょう。最終的にご自身が「家づくりで何に一番こだわりたいか」をイメージしてみてほしいですね。

環境や立地に最適なデザイン構造

フルオーダーの家は設計の自由度が高いとはいえ、制約的な部分が全くないわけではありません。

ご存じの方も多いかもしれませんが、建物の設計ではデザインが「性能」や「構造」に影響を与える可能性があります。もちろん、その逆もしかりです。

例えば、「窓は多い方がなんとなく開放感があって良い」と感じる方は多いと思いますが、実際、窓は熱の移動が激しいので、室内の温度を効率的に管理するなら少ない方が良いといわれています。また、窓が多くなると

また、窓が多くなると建物の躯体が弱くなるので、地震が多い日本では、耐震面を担保するための構造の計算をやり直さなければならないケースも出てきます。

プロ目線のアドバイス

加藤建築 加藤さん

他にも、「建ぺい率」や「容積率」「日照権」といった法律が設計に影響する部分もあり、フルオーダーで設計をするには、その都度、土地に合わせて最適なプランを考えていく必要があるんですよ。

むしろ、様々な条件を網羅的に満たせる「規格住宅」で建てるのに比べて、フルオーダーで建てた方が、「土地ごとのポテンシャルを十分に発揮した家づくりができる」といえるのかもしれません。

設計料の相場

フルオーダーの家は、規格住宅にはない「設計費」が追加で掛かるので、その分費用は高くなる傾向があります。 設計費の相場は建設費用に対して7~10%、3,000万円の家であれば約200万円から300万円です。

長期的な視点を忘れずに

フルオーダーで家を建てる際は、長期的な視点を忘れないことも大切です。

例えば、立地的に日当たりの問題で二階をリビングにする、といったケースがありますが、その場合どうしても階段を上り下りする頻度は多くなってしまいます。 すると、若いうちは良いかもしれませんが歳をとった時のことを考えると心配ですよね。

そんな時、フルオーダーの家なら「あらかじめ階段をなだらかにしておく」といった対策をしておくことができるわけです。

仮に、具体的な方法が決まらないのであれば、後で変更ができるよう間取りに「幅」を持たせておく方法も効果的です。

同じ9畳の部屋でも入口を二つ付けておけば、将来的に子供が自分の部屋を持ちたくなった時に簡単なリフォームで対応することができます。

プロ目線のアドバイス

加藤建築 加藤さん

何でも自由に決められるのがフルオーダーの良いところですが、逆に後で変更ができないところに関しては慎重に決めていく必要があります。 長い目で見るなら「断熱性能」などは、多少こだわってお金をかけておいても良いポイントだと思いますよ。

フルオーダーの家についてのまとめ

家は人生で一番大きな買い物だからこそ、「何でも良い」というわけには行きません。可能な限り理想に近い家を建てられるのが一番です。

その手段として、フルオーダーで建てる家は、自分の思いをいかに反映させるかが一番の醍醐味であり、理想の家を建てるのにピッタリな方法だといえるでしょう。

ぜひ、あなたもフルオーダーの家づくりを検討してみてください。

今回ご協力いただいた会社さんの詳細
木材加工場での話し合い
会社名 有限会社 加藤建築
代表者名 加藤 正夫
住所 〒359-1165
埼玉県所沢市堀之内673-2
電話番号 04-2948-0732
公式HP https://www.katoukenchiku.jp/
営業時間 9:00~18:00
主な業務 新築、住宅リフォームなどの住まいに関する工事
対応エリア 埼玉県エリア:所沢市、狭山市、川越市、入間市、新座市、朝霞市など埼玉県南部全域
東京都エリア:西東京市、清瀬市、東村山市、東大和市など多摩北部全域、杉並区、練馬区
その他地域:要相談

著者情報

コノイエ編集部

コノイエは、東京都港区に本社を置く株式会社アールアンドエーブレインズが運営するオウンドメディアです。累計80,000人以上が利用する「解体無料見積ガイド」の姉妹サイトとして、住宅関連コンテンツを発信しています。人が生活する基本となる「衣・食・住」の中でも、コノイエでは「住」にフォーカスして独自の情報をお届けします。

監修

中野達也

一般社団法人あんしん解体業者認定協会 理事
解体工事業登録技術管理者
公益社団法人 日本建築家協会(JIA)研究会員
一般社団法人東京都建築士事務所協会 世田谷支部会員

静岡県出身。日本全国の業者1,000社超と提携し、約10年間で数多くの現場に関与。自身でも解体工事業登録技術管理者としての8年間の実務経歴を持つ。現在では専門家として、テレビ番組をはじめとする多数メディアに出演。これまでに一般家屋はもちろん、マンション、ビルなど様々な建物の取り壊しに従事し、工事を行いたい施主、工事を行う業者の双方に精通している。また、大手から中小まで様々な規模の住宅メーカーへの販促支援、コンサルティング事業に携わり、住宅購入者心理の理解を深める。家を「壊す」ことと「作る」ことの専門家として、全国の提携パートナーと共に家をとりまく様々な問題に取り組んでいる。

出演メディア
ひるおび!(TBS系列)、情報ライブ ミヤネ屋(日本テレビ系列)、バイキングmore(フジテレビ系列)、他多数...

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