ハウスメーカーとお家をつくるメリットとデメリット・工務店との違いを解説

新築住宅を建てる際、「ハウスメーカーのお家を購入する」ということはきょうびポピュラーな選択肢です。
しかし、お家を一緒につくりあげる相手として工務店等ではなくハウスメーカーを選択することには、相応のメリットとデメリットが存在しています。

ハウスメーカーも地元の工務店も、どちらも得手不得手があるため「どちらが自分に合った相手か?」ということは人によって大きく変わってきますが、端的に言えば「ブランド力と多彩なバックアップで信頼できる方とお家をつくりたい!」「手間をかけず手早く工事を終わらせたい!という方がハウスメーカーとのお家づくりに向いているのです。

今回は、お家づくりの相手としてハウスメーカーを選ぶことのメリットとデメリットをそれぞれ紹介します。

そもそもハウスメーカーと工務店って何が違うの?

新築住宅を建てる時に真っ先に思い浮かぶ“ハウスメーカー”と“工務店”。
業界では当然のように区別して使われている2つの単語ですが、具体的に何が違うのでしょうか?

ハウスメーカーと工務店に定義的な線引きはない!

実のところ、ハウスメーカーと工務店の2つを分ける明確な線引きはありません。その中で、

  • 対応エリアが全国か、地元密着
  • 規格住宅(※1)セミオーダー住宅(※2)までを手掛けるか、フルオーダー住宅(※3)を用いるか
  • 会社規模が大きい小さい
  • 住宅展示場やモデルハウス等がある
  • 工場を持っており、商品の規格や品質が統一されている
※1予め決まったプランから選び建てる住宅
※2設備や仕様等に制限があるものの、間取りなどを好みに設計できる住宅
※3注文後に施主の要望を聞き、いちから設計する住宅

といったような条件と照らし合わせることで、ハウスメーカーと工務店という線引がされています。
また、地元の工務店とハウスメーカーの間の規模に対しては“ビルダー”ということばが用いられることもあります。

ハウスメーカーと工務店、どっちが選ばれてる?

さて、そんなハウスメーカーと工務店ですが、率直なところどちらが選ばれているのでしょう?

エニワン株式会社で2019年に3年~5年以内に家を建てた方1,079人を対象に行われた『一戸建て住宅建築会社の選び方に関するアンケート』によると、
「どこで家を建てましたか?」という質問に対し
ハウスメーカー(58.7%)
工務店(38.5%)
その他(2.8%)
という結果が発表されていました。

現在では、ハウスメーカーを利用してお家をつくる、という方が多くいらっしゃるようです。

ハウスメーカーのメリットとデメリット

ここからは、ハウスメーカーとのお家づくりのメリットと、それに対応するデメリットを紹介します。
ひとつメリットを取ると、もう一方でデメリットも出てしまうもの
現在ハウスメーカーでお家をつくるべきか考えている、という方は参考にしてみてくださいね。

【メリット】展示場やモデルハウスが見られるため、イメージの違いが起きない

規格住宅やセミオーダー住宅が基本となり、使われる設備なども共通化されているため、完成したお家を体感するためのモデルハウスや住宅展示場を見に行けることが多いです。
そのため、お家をつくり始める前にモデルハウス等を見ておくことで、いざ完成した後「想像してた家と違う!」となってしまうことがありません。
見本を多数見ることができるため「お家のイメージがつきづらい……」と悩んでいる方も具体的な完成形を見ることができるのは安心ですね。

【デメリット】設計の制限がある

反面、規格化されたお家のつくりや設備から選択していくことになるため、完成するお家の幅には限りがあります。
「お家にはこのバスタブやキッチンユニットを使ってくださいね」「収納スペースの場所を変更すると追加で料金がかかりますよ」といった条件がつくため、間取りやお家のデザインをバリエーションから選べるようなセミオーダー住宅でも、総合的な自由度は工務店のフルオーダー住宅に比べ一歩劣ります

【メリット】原価や工事のコストが安い。品質も安定しており、工期も短い

大手ハウスメーカーでは備品の量産体制が確立されており、また商品開発も盛んです。
そのため安定して高い品質の材料を提供可能で、ZEHなどの新しい技術を用いた住宅プランも網羅しています。
加えて、工場で完成しているパーツを現場で組み立てるので、工期も早く終わります

ZEHとは
ZEH(ゼッチ)とは、断熱、省エネ、創エネの3つをかかげた新時代のエコな住宅のこと。
環境に優しいだけでなく、その利点を活かし長期的に見たランニングコストも抑えることができます。ZEHって、知ってる?新築するならZEH(ゼッチ)にすべき?|メリットや注意点を知ろう

【デメリット】広告費等の関係で、総額は割高になりやすい

地元密着の工務店等と違い、大手ハウスメーカーの総額には広告費などが含まれます。
また、セミオーダー住宅の場合、プラン外の変更を希望した場合対応のために追加の料金がかかってしまうことも。
そのため、総額は比較的割高になることが多いとされています。
ただし、ハウスメーカーのセミオーダーと工務店のフルオーダーで比較した場合、当然手間暇をかける後者の方が値段は上がりやすいですし、最新の技術を導入した場合や追加オプションを盛り込んだ場合、工務店も総額が大きくなる可能性はあります。
ご自身の希望や条件により「どちらが安く済むのか?」というお悩みへの解答はケースバイケースとなります

ハウスメーカーのローコスト住宅とは
前述の理由により、“高い”というイメージが先行しやすいハウスメーカーの住宅。
しかし、現在では大手ハウスメーカーにもローコスト住宅のプランが数多く存在しています。
それぞれ注力しているポイントが異なるため、低価格で高品質のお家を実現したいという方はこちらも参考にしてみてくださいね。
低価格で住宅を建て替えよう!!おすすめのハウスメーカー6社を紹介
都市部と地方部の価格の違い
全国で住宅販売を展開する大手ハウスメーカー。
寒冷地や温暖地に合わせた仕様の変化、職人の出張費や各支店での利益率、土地ごとの人件費や職人の割合など……。さまざまな理由が絡み合い、同じメーカーの同じようなプランの住宅でも総額が変動します。

【メリット】信頼できる大企業のため、依頼時も完成後も信頼できる。施工能力も安定している

大手ハウスメーカーは経営基盤がしっかりした大企業であり、手掛けている住宅の数が非常に多いです。
デザイナーやプランナー、税理士など建築に携わる方も多く、新築にかかる様々な相談や、手続きの代行も引き受けていただけます。
ゆえにネームバリューやブランドの信頼力が高く、安心してお家づくりをおまかせできます。銀行からの信頼を獲得しているため、無理のないローンも組みやすいです。
また、いざというときの倒産を懸念する必要が薄く、完成後に「お家をつくってくれた工務店がなくなってアフターフォローが受けられない…」と悩むこともありません。

【デメリット】後々、お家の担当者が変わってしまうことも

大企業であるため、人事の異動などが起きやすいハウスメーカー。
完成後、親身に相談に乗っていただいていた今までの担当者が別の方に変わってしまい、新しい方にはご自身の建てた家への思い入れや気持ちを理解していただけない…ということも。

ハウスメーカーにまつわる悪い口コミに流されないようにしよう
インターネットでお家づくりの相手を探しているときに出会う、「あのハウスメーカーは悪いメーカーだ」「ハウスメーカーはみんなダメだ、工務店を使おう」といったネガティヴな口コミ。
こういった情報を鵜呑みにしてしまうことは良くありません。
大手であればあるほど施工数が増え、分母が多ければ多いほど口コミの数も増え、口コミが多ければその中のネガティヴな評価も生まれる。相対的な悪評の増加は自然な現象です。
また、“建築関係者”という立場から見受けられる「地元の工務店のほうがよい」という意見も、『ほとんどの建築関係者は地元の工務店に関係した仕事をしている』『工務店の方がハウスメーカー(※地域ごとの支店を含む)よりも数多く存在している』というふたつの理由があります。
“工務店に働いている方や工務店とお付き合いのある関係者は多く、そんな方たちは自分やその仕事相手を悪く言わない”というしくみが生まれているのです。
工務店もハウスメーカーも、どちらも頼れるお家づくりの味方。ネットの風評や誤情報に惑わされることなく、お家づくりの相手を信頼できるかどうか慎重に判断しましょうアイキャッチハウスメーカーは満足度以外も要確認!理由やおすすめメーカーも紹介建築のプロが語る、ハウスメーカーをおすすめしない理由とは?

どんな人がハウスメーカーに向いているの?

ここまでハウスメーカーのメリットとデメリットを紹介してきましたが、結局の所、どのような方がハウスメーカーとのお家づくりで満足できるのでしょうか?

総じて、

  • ブランド力
  • アフターフォローや建築にまつわる相談の信頼感
  • 工期の早さ
  • 具体的なプランがいくつもある
といったメリットが存在するハウスメーカー。

これを踏まえると、
信頼できるメーカーと一緒にお家をつくりたい、品質を保証してほしい
工事や手続きを手早く終わらせて、新しい環境に移りたい
自分では具体的なイメージが沸かなかったけど、こんなモデルハウスみたいなお家がつくりたい
せっかくお家を建てるなら、新技術をふんだんにつかったお家にリーズナブルな価格で住みたい
といった願望を持っている方が、ハウスメーカーとのお家づくりに向いている方だと考えられます。

工務店に向いている方

対して、工務店に向いている方は
自分のこだわりのお家をいちから実現したい
手間をかけてもいいから、最適なお家を最適な価格で実現したい
ハウスメーカーでは建てられないような特殊な立地条件の土地にお家を建てたい
という、気合いを入れてお家づくりに励むことのできる方となります。

まとめ

ハウスメーカーのメリットをご紹介させていただきました。
メリットとデメリットは表裏一体であり、どんなメリット・デメリットを重視するか、どんなお家をつくりたいか、といった基準は人によって千差万別です。
自分がどんな基準でお家をつくるのか?”という想いを振り返り、お家づくりのパートナーをお探しくださいね。

また、当サイトには信頼できるハウスメーカーの選び方をまとめた記事もございます。
当記事で今までご紹介した内容や関連記事なども併せ、ご自身に合ったハウスメーカーを見つけ出すご一助となれば幸いです。
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