無垢材のメリットとデメリット、良い無垢材は何で見分ける?

「健康」や「快適さ」を意識した家づくりに無垢材を取り入れたい、という方は多いと思います。そこで、この記事では無垢材の魅力や無垢材を使う上での注意点、また家づくりに適した無垢材の選び方などについてもご紹介していきたいと思います。ぜひ参考にしてみてください。

今回ご協力いただいた建築の専門家
この記事は、国産の無垢材をはじめ、自然素材100%にこだわって家づくりをされている小林住宅工業の小林さんにご協力をいただいて作成しています。
手を組む小林様株式会社小林住宅工業

無垢材の魅力と建材としてのメリット

スタッフ

「新築を建てるなら無垢材を使ったほうが良い」と勧められたのですが、そもそも「無垢材」とはどのような建材なのでしょうか?

小林さん

無垢材」とは、一本の木から切り出した状態のまま建材として使われている木材のことです。無垢材には国産から海外産の物まで種類が豊富にあるんですよ。ちなみに、国産の無垢材には主にスギ、ヒノキ、マツなどが使われています。
無垢材の断面

無垢材の断面を見みると木の年輪が見え、切り出した状態のまま建材になっているのが分かります。

無垢材と集成材(合板)の違い

小林さん

対して、板状にスライスした木を何枚も張り合わせて作る建材を「集成材」といいます。集成材は表面に薄い板や木目をプリントした合板を貼りつけるので、一見すると1本の木のように見えますが、実際は何枚もの木が接着剤で張り合わさって作られているんですよ。
集成材の断面

断面を見ると集成材は複数の板が重なって層になっているのが分かります。

スタッフ

しかし、集成材のようにわざわざ木をスライスして貼り合わせるのは面倒ではないですか?

小林さん

集成材のように決まった大きさや形に加工すればその分扱いやすくなり、価格を抑えることができるんですよ。集成材の多くは、規格住宅など決まった間取りのお家で使われる機会が多いようです。
建材に含まれる化学物質に注意
集成材の加工に使われる接着材には、シックハウス症候群などを引き起こす恐れがある、有害な科学物質が含まれているとの意見もあります。

無垢材の触り心地は格別

スタッフ

では、無垢材にはどのようなメリットがあるのでしょうか?

小林さん

無垢材の魅力のひとつは、何といっても「肌触り」ですね。表面がコーティングされた集成材などの合板と比べると、触れた時に暖かみがあるんですよ。
無垢材が持つ暖かさの秘密
空隙が分かる写真

引用:木材博士Dr.矢田の建築士のための木材講座

暖かさの理由は、無垢材の表面にある「空隙(くうげき)」と呼ばれる隙間。この空隙に空気が入り込んで蓄熱作用が生まれる。

小林さん

一方、一般的に今多く使われている「合板フローリング(複合フローリング)」の表面はツルツルとしていて触ると冷たく感じます。
無垢材と集成材の比較

無垢材の床(左)、合板(複合)のフローリング(右)

小林さん

最近ではほとんどのお家で合板(複合)が使われているので、オリエンテーションなどを開いた時に、どちらが自然の木に近いか尋ねてみると、つい見慣れている合板(複合)を選んでしまうお子さんが少なくないんですよ。
でも、実際に触ってもらうと「無垢材の方が心地良い」といってもらえますね。

スタッフ

無垢材からは本能的に木が持つ本来の魅力が感じられるのかもしれませんね。

「フィトンチッド」には癒やしの効果

スタッフ

肌触り以外にも無垢材ならではの特徴があるのでしょうか?

小林さん

それでしたら実際に体感してみるのが早いですね。
小林住宅工業さんのモデルハウス

小林住宅工業さんのモデルハウス

スタッフ

きれいな木目が特徴的な素敵なお部屋ですね。しかし、何より入っただけで分かる木の良い香りに圧倒されますね。まるで、お部屋の中で森林浴をしているような気分です。
小林住宅工業さんのモデルハウス

小林さん

木は切った後も生きている」なんて表現をしますが、実は無垢材は建材になってからも「フィトンチッド」という腐朽菌(ふきゅうきん)や虫を遠ざけるための成分を出し続けているんですよ。

フィトンチッドとは?

本来は樹木が自分自身をまもるために発散するものですが、リフレッシュ消臭(しょうしゅう)・脱臭(だっしゅう)、抗菌(こうきん)・防虫(ぼうちゅう)など人体やくらしに有益(ゆうえき)な効用(こうよう)が知られています。

引用:フィトンチッドについておしえてください。|農林水産省

小林さん

フィトンチッドは虫や菌には嫌がられますが、人間にはすごく優しい成分なんです。「山の空気は美味しい」なんてよく言いますが、森林の空気が澄んでいるように感じるのは、フィトンチッドのおかげだといわれています。
万能成分フィトンチッド
フィトンチッドにはリラックス効果に加えて「抗菌」や「消臭」の効果があるといわれており、フィトンチッドを人工的に作り出す装置などを販売しているところもあります。
参考 フィトンチッドジャパン株式会社フィトンチッドジャパン株式会社

調湿効果で梅雨でも快適

スタッフ

そういえば先程から、エアコンを付けていないのにお部屋の中がサラッとしている気がしますね。

小林さん

それは無垢材が持つ「調湿効果」のおかげですよ。

スタッフ

先程の「空隙」と何か関係があるのでしょうか?

小林さん

そのとおり。無垢は空隙に湿気を取り込んで、部屋の中が乾燥した時に再び放出するという働きをしています。そのおかげで、年間を通してだいたい室内の湿度が丁度人が過ごしやすいと言われている、40~60%に保たれるんです。

スタッフ

梅雨時のジメッとした空気は湿度が大体80%、冬の乾燥した空気は20%くらいといわれてますから、無垢材が持つ調湿効果の影響は大きいですね。

無垢材を使うデメリットと注意点

スタッフ

無垢材の魅力はたくさん伝わりましたが、逆に欠点はないのでしょうか?

小林さん

もちろん、建材として見た時に無垢材にもデメリットや注意点はあります。

合板に比べて価格は高め

小林さん

ひとつは、一般的な集成材などの合板に比べて価格が高くなってしまうところです。また、無垢の種類や産地によっても金額が変わってくるので、「無垢材を使っている」といっても価格が均一にならない点にも注意しておきたいですね。

傷や色合いの変化が気になる人も

小林さん

それから、無垢のフローリングは「キズがつきやすいのが気になる」という方もいらっしゃいます。合板(複合)のようにコーティングがされていないので表面が柔らかく、キズが付きやすいのは無垢材の弱点ですね。
傷がついた無垢床

中型犬と猫を飼っているお宅の無垢床、新築から7ヶ月が経過したお家

引用:傷だらけなパイン無垢床がヤバい。犬猫飼い新築7ヶ月の現状!

小林さん

また、時間の経過と共に色合いが変化していくのも無垢材の特徴です。真っ白な木もゆっくりと時間をかけて濃い茶色へと変わっていきます。アンティーク家具などのように、変わりゆく様子を経年劣化として楽しめるなら良いですが、「キズや色の変化はどうしても気になる」という方にはあまりおすすめできません。

スタッフ

無垢のフローリング材は魅力的な建材ですが、

  • 価格が高くなる傾向にある
  • キズがつきやすい
  • 色合いが変化する

といった注意点があるんですね。

無垢の家は大工の腕が肝心

小林さん

しかしながら、最も注意が必要なのは「無垢材は扱いが難しい」という点です。
というのも、先程ご紹介した調湿効果により無垢材は建材になった後も形状が変化するんですよ。そのため、建材として使うときはその変化も考慮して建てていく必要があります。

スタッフ

仮に目利きを誤ってしまうと、隙間ができたり盛り上がったりしてしまうわけですね。無垢材を使って建てた結果、壁や床の表面が凸凹になったり、隙間風が吹くようになったりするのは避けたいです。
無垢材の変化により床が変化している様子

無垢材が膨張した結果、床の真ん中が盛り上がってしまっている様子

引用:無垢フローリング木魂ブログ

小林さん

また、建てる時期が違えば木材が含んでいる水分量も変わってきます。そのため、無垢材を使ってお家を建てる際は、何より大工さんの腕が頼りなんですよ。
大工の数が減少、業界への不安
最近では集成材やインパクトドライバなどの電動工具が普及したおかげで、ノミやカンナを使った歴史的な工法で建てられるお家が少なくなっています。さらに、人手不足は建築業界でも深刻化な状況です。効率化して良くなった部分もあれば歴史的な技術が失われつつある、という現状にもどかしさを感じる工務店さんも少なくないようです。

スタッフ

すると、お家を建ててもらう大工さんの見極めは重要ですね。
手仕事に頼る部分が大きいと、いわゆる「長年の勘」のような職人技が必要になりそうです。

小林さん

昔は「徒弟制度(とていせいど)」という風習があったおかげで、ある程度職人さんたちの技術力が担保されていました。しかし、最近では昔に比べて楽にお家が建てられるようになったことで、お家の建て方によっては難しい技術が必要なくなりました。

小林さん

とはいえ、無垢材を使う際は職人の技術に頼らなければならない部分が大きいです。お家を建てる際は、職人さんを大事にしている会社さんにお願いしてほしいですね。
職人ならではの技

無垢材を使ったお家では、大工さんならではの技術が色々なところに使われています。

背割りが施された柱
予め、柱に「背割り」という切り込みを入れることで、表面に割れが発生するのを防ぐ技法があります。浅すぎず、深すぎない絶妙な深さまで切り込みを入れるのがポイントです。
新築の吹き抜けの様子
吹き抜けがあると家の耐震性は低くなる傾向にあります。しかし、熟練の大工さんによれば吹き抜けを備えた木造のお家でも十分な耐震性を発揮してくれます。左の写真は小林住宅工業さんのモデルハウスで耐震等級3を獲得。

建材に適した無垢材の見分け方

スタッフ

色々と参考になりました。ぜひ無垢材を使った新築のお家を検討してみようと思います。

小林さん

それはうれしいです!が、ちょっとまってください。実は、無垢材の中には「より頑丈で建材に適した木」があるのをご存知ですか?家族を守るお家だからこそ、最後に無垢材の正しい見分け方についても少し解説しておきましょう。

年輪が多い無垢は構造材に最適

スタッフ

では具体的にどういったポイントに気をつけて木材を選ぶのが良いのでしょうか?

小林さん

最も簡単な見分け方は「年輪の数」です。木は同じ太さでも年輪が多いほうがより大きな荷重に耐えることができるんですよ。
木材の比較写真

集成の角材(左)、年輪が詰まった無垢角材(中)、一般的な無垢角材(右)

スタッフ

なるほど、無垢材なら何でも良いというわけではないんですね。

小林さん

日本は地震が多く、また近年はその規模も大きくなっています。地震の大きさによっては、建築基準法を満たしているからといっても倒壊を免れないケースも発生します。家の構造材は何トンという重さを支えています。建材には、より強度が高い無垢材を選ぶのもおすすめですよ。
無垢材にまつわる歴史的背景
日本では家に限らず、船や家具、桶など生活に関わる多くの物に木が好んで使われてきました。そのため、林業の歴史は古く、同じ無垢でも様々な種類があります。特に「和歌山県の紀州材」は、建物の構造材に最適な無垢材の有名ブランドです。なお、小林住宅工業さんでは栃木県の八溝杉、秋田県の秋田杉なども建材として使っており、日本各地の良材を木材の特性ごとに使う場所を分けているそうです。

スタッフ

小林さん、たくさんのアドバイスありがとうございました。
ぜひ、これからの家探しや家づくりの参考にさせていただきます。

まとめ

無垢材を使ったお家にはたくさんの魅力がある一方で、注意しなければいけないポイントもあります。購入したあとで後悔をしないためにも事前に正しい知識を身につけて、慎重に家探しや家づくりに取り組まれてください。

なお、今回ご協力いただいた小林住宅工業さんは、無垢材の中でもよりすぐりの「本物」にこだわって、素材選びから一切の妥協をせずに家づくりをされている素晴らしい工務店さんです。無垢材を使ったお家づくりでお悩みの方がいらっしゃいましたら、ぜひ相談してみてください。

小林住宅工業さんの詳細情報

手を組む小林様

会社名 株式会社 小林住宅工業
代表者名 小林 栄利子
住所 〒246-0034
神奈川県横浜市瀬谷区南瀬谷2-2-20
電話番号 045-303-1230
公式HP https://www.kobajyu.co.jp/
営業時間 9:00~18:00
※火・水は定休日
主な業務 注文住宅設計・施工・監理、
その他一般土木・建築・リフォーム
対応エリア 神奈川県内
※その他の地域はご相談ください
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