マイホームの間取りで後悔しない方法|専門家のアドバイスも紹介

マイホームの間取りで後悔しない方法

マイホームの購入にあたり「間取りの後悔だけは避けたい」とお悩みのあなた。
もしかして、ネットの情報を頼りにみんなが選んでいる間取り』を探そうとしていませんか?

理想的な間取りは、家族ごとに異なります。
そのため、大衆の意見を参考に間取りを決めてしまうと、結果的に後悔する可能性が高いのです。

そこで本記事では、マイホームの間取りで後悔しないための方法として「家族で話し合うポイント」「間取りを話し合うための手順」を解説していきます。
また、他では聞くことのできない「家づくりの専門家からのアドバイス」もご紹介していきます。

マイホームの間取りで後悔したくない方は、本記事を参考にうちの家族にピッタリの間取り』を見つけてくださいね

家族にとっての『理想の暮らし』を話し合おう

結論から言うとすべての人が後悔しない絶対的な間取り」は存在しません

ですがうちの家族が後悔しない間取り」を見つけることは可能です

そのためには、家族単位で「どんな暮らしをしたいか」を話し合う必要があります
家族で話し合うポイントは、以下の6項目です。

ポイント1.「家族の距離感」

1つ目は、家族の距離感です。

家族の距離感については「常にコミュニケーションを取っていたい」「いつも一緒にいるべきだ」と考える人がいます。
一方で「一人になれる場所が欲しい」「家族にもプライバシーは必要」「子供の独立心を育てたい」と考える人もいますよね。

こういった考え方の違いは、下記のように間取りに影響します。

間取り よかった 後悔した
オープンキッチン ・対面キッチンにしたおかげで、料理中のお母さんとリビングにいる家族みんながコミュニケーションを取れる ・料理の臭いがリビングに充満して気になる
・キッチンから聞こえる音で、リビングのテレビの音が聞こえにくい
・リビングに来客が来た際に、キッチンやダイニングの生活感を見られるのが嫌
リビングにある階段 ・子供が個室に行く際に必ず顔を合わせることができるので、自然とコミュニケーションが増える
・子供の非行防止になる
・子供が友達を連れて個室に行く際にLDKを必ず見られるので、いつも綺麗にしておかねばとプレッシャーに感じる
個室が少ない ・家族同士のコミュニケーションが密に取れる ・プライベートな空間がほとんどないので、たまに一人になりたい時に居心地が悪く感じる
大きなLDK ・広々とした気持ちの良いLDKに家族が自然と集まりコミュニケーション増えた ・思った以上にLDKにいる時間が短く、使う時間が長い寝室や個室のほうを広くすればよかった
LDKの吹き抜け ・明るく開放的
・2階にいる家族の気配をリビングに居ながら感じられる
・冷暖房効率が悪くLDKの居心地が帰って悪くなった
・LDKの物音が2階に響いてうるさい

ポイント2.「個人の生活リズム」

2つ目は、個人の生活リズムです。

起床時間や就寝時間、帰宅時間といった生活リズムは、人それぞれ異なることがほとんど。逆に、朝の支度をする時間だけは全員重なるケースも珍しくありません。
また、年齢や体質によって夜中のトイレが多い人もいます。

個人の生活リズム違いは、下記のように間取りに影響します。

間取り よかった 後悔した
玄関と寝室が近い ・玄関の真上に寝室をつくったおかげで、設計がうまくおさまった ・帰宅が遅い家族がいる場合、鍵の解錠やドアの開閉音で寝ている家族が起きてしまう
トイレと寝室が近い ・夜中にトイレに行く際、寝室とトイレが近いと便利 ・他の家族が夜中にトイレに行く度、流水音や扉の開閉音で目が覚めてしまう
洗面所が小さい ・洗面所は長時間過ごす場所ではないから、小さくても良い ・通勤や通学で、朝は洗面所の奪い合いになる

ポイント3.「人の動線」

3つ目は、人の動線です。

日常生活の中では「洗面所からベランダに洗濯物を運ぶ」「玄関からキッチンに食材を運ぶ」といった、部屋から部屋への移動がつきものです。家事の方法や頻度は家庭によって異なるため、ベストな動線も家庭ごとに異なります。

人の動線は、下記のように間取りに影響します。

間取り よかった 後悔した
キッチンが2階にある
または、玄関から遠い
・採光が取りやすい
・道路からの視線が気にならない
・買ってきた食材を運ぶのが大変
ベランダと洗濯機が遠い
または、階が違う
・設計の都合上、ベランダと洗濯機を離すしかなかった ・洗い終わった洗濯物を干すために運ぶのが大変
ウォークインクローゼット
の奥にある夫の書斎スペース
・スペースを有効活用して書斎をつくれたのでよかった ・書斎への通り道を確保しなければならずあまり収納ができない
コンセントの数と位置 ・使用する家電に合わせてコンセントの位置を決めたので、配線が目立たない ・コンセントが足りなくて、タコ足配線だらけ

ポイント4.「荷物の量」

4つ目は、荷物の量です。

うちにはスニーカーがたくさんある」「休日に使う大きなキャンプ用品や釣具がある」と、家庭ごとに荷物の量が異なります。そのため、荷物の種類ごとにメリハリをつけて収納をつくることが大切です。

荷物の量は、下記のように間取りに影響します。

間取り よかった 後悔した
収納が少ない ・収納をつくらないほうが部屋を大きくできる
・荷物が増えなくて良い
・アウトドア用品など大きな物を買った際に置き場がない
・子供の部活などで必要な荷物が増えてきた時に困る
パントリー ・たくさん食材をストックしておけるので安心 ・棚の奥行きが深すぎて奥に置いたものを取り出せない
階段下収納 ・デッドスペースが有効活用できるのでつくってよかった ・荷物が少ないので、収納ではなく別の空間にすればよかった
シューズクローゼット ・夏物~冬物まで全ての靴を仕舞えるので、衣替えが必要ない
・玄関が散らからない
・靴磨きの道具やペット用品なども細々としたものも全て仕舞える
・あまり靴を持たないのでスペースが無駄になってしまってる
・靴が仕舞える程の奥行きしかないので、他の使い道がない

ポイント5.「外に対するプライバシー」

5つ目は、外に対するプライバシーです。

人の視線はあまり気にならないから、道路側に大きな窓をつくりたい」「多少日当たりが悪くなっても良いから、外から中が見えないようにしたい」と、プライバシーに関する価値観はご家庭ごとに大きく異なります。

また、外に対するプライバシーは、人通りの量や隣家との距離感など、周辺の環境によっても感じ方が異なります

外に対するプライバシーは、下記のように間取りに影響します。

間取り よかった 後悔した
道路に面した大きな窓 ・日当たりが良くて大満足 ・人通りが多く、視線が気になってカーテンをいつも締めている
・日当たりが良すぎて家具が日焼けする
ベランダが隣家の窓の目の前 ・隣家はほとんどカーテンを閉めているので、気にならない ・洗濯物を干す時に隣人と目が合うことがあり、とても気まずい
・女性物の下着を干すのがはばかられる
道路と逆側の庭 ・人目が気にならないのでプライベート感が増した ・日当たりが悪くて薄暗い

ポイント6.「家族の20年後、30年後…」

6つ目は、家族の20年後、30年後です。

家は、20年、30年と長く暮らし続ける場所です。時が経てば、今はまだ手のかかる子供も巣立ち、ご自身も歳を重ねて体力が落ちていくかもしれません。
ですから、間取りを決める際は将来を見通した設計をすることが重要です。

家族の20年後、30年後は、下記のように間取りに影響します。

間取り よかった 後悔した
家族全員分の個室 ・全員平等に部屋があるので、不平等なことがない ・子供が巣立っていき、残った空き部屋の管理に困る
2階のLDK ・日当たりが良くプライバシーも守られる ・足腰が悪くなると階段の上り下りが大変

後悔しない間取りを話し合うための手順

後悔しないマイホームの間取りは家族ごとに異なるため、家族単位での話し合いがとても大切です。

とはいえ、普段あまり考えることがない「理想の暮らし」について、何をもとに話し合えばよいのか分からない家庭が大多数かと思います。

話し合いは次のような手順で行うとスムーズに進みますので、ぜひ参考になさってください。

【step1】これまでの暮らしの不満を知る

まずは、いま住んでいるお家の中で不満に感じている部分を家族みんなでリストアップしてみましょう。

これまでの暮らしを思い返しながら浮かんできた不満を家族みんなで書き出すことで、家族が間取りに対し何を求めているかが見えてきます。

ここで出てきた不満を、新しいマイホームの間取りでは解消すると良いでしょう。

【step2】近隣の環境をリサーチしてみる

次は、これから家を建てる土地の周辺を知ることです。

実際に現地に行き、家の前は人通りが多いかどうか近所に済んでいる人はどんな人かを把握します。すると、窓の向きや大きさなどがおのずと決まってきます。

他にも、スーパーが近くにない場合は一回の買い物でまとめ買いをするかもしれません。すると「食材をストックしておけるパントリーがあったほうがいい」「玄関の近くにキッチンをつくろう」といったことも決まってきます。

【step3】これからのより良い暮らしをイメージする

最後は、これから始まる新しい暮らしをイメージすることです。

マイホームが建ったあとの暮らしを想像することで「ウッドデッキでコーヒーを飲みたい」「リビングにお友達をたくさん呼びたい」といった、間取りに対する新たな希望が湧いてきます。

また、イメージが湧かない場合はモデルハウスの見学もおすすめです。モデルハウスで様々な間取りを見ることで、インスピレーションを得ることができるでしょう。

必見!家づくりの専門家からのアドバイス

本サイト『コノイエ』では、ハウスメーカー、工務店、建築家・設計事務所といった家づくりの専門家の方々に、家づくりに関するインタビューを行っています。

その中で、家づくりにおいて大切なことや間取りに対するアドバイスも数多く頂戴していますので、一部をご紹介いたします。

コノイエでしか聞けない貴重な専門家の意見を、ぜひ参考になさってください。

「人によって間取りの可能性は様々」

一級建築士事務所 渡辺泰敏建築設計事務所の代表・渡辺さんは、お客様とのコミュニケーションを大切されている建築家さんです。
渡辺さんはインタビューの中で「人によって間取りの可能性は様々」と語られました。

渡辺さん

例えば、何か理由があって「子供がある程度大きくなったので夫婦の寝室を別々にしたい」というケースはよくある話なのですが、そういった場合も間取りの可能性は色々あります。廊下から各々の寝室に直接入るようにするのと、どちらかの部屋に一度入ってから中で部屋が分かれるのでは、夫婦の関わり方が全然違ってきますよね。

渡辺さん

ヒアリングをしてみて「イビキがうるさいから、寝る時だけ部屋を別々にしたい」「部屋は別々にしたいけど、一部繋げておきたい」とか、そういったことを伺った上で間取りを考えます。「寝室でパソコン作業をしているので、それを見られたくない」という場合は、寝室を分けるのではなくワークスペースを別でつくったほうが良い場合もありますよね。人によって間取りの可能性は様々です。
アイキャッチ一級建築士事務所 渡辺泰敏建築設計事務所

「毎日の生活習慣の積み上げが家を形づくる」

村上建築設計室さんは、村上治彦様と村上有紀様がご夫婦で運営されている設計事務所です。
お客様の思いを残さず汲み取ってくださる頼もしいお二人は、インタビューの中で「毎日の生活習慣の積み上げが家を形づくる」と語られました。

有紀様

今の暮らしや、新しいお家で何をしたいのかをヒアリングするようにしていますね。ですから「収納はどこに配置しますか?」と間取りを聞くのではなくて「これはどこに置きますか?」とお客様の行動についてお尋ねします。

治彦様

毎日の生活習慣の積み上げが、家を形づくるからです。ハウスメーカーで相談されてから事務所にいらっしゃる方のほとんどは、何LDKという間取りから考えることが多いのです。ですが、外枠を作ってから中身を詰め込む考え方では、自分の生活に合わない家になってしまいます。

有紀様

ですから、生活シーンが想像できるような質問を繰り返し行って、その答えをもとに間取りを提案していきます。すると、単なる間取りではなくて、ご自身の生活シーンに合った平面図ができ上がっていくんです。お客様の生活シーンに合うお家の形を、一緒に探していくイメージですね。
インタビューに応じる治彦様村上建築設計室

「他の誰かではなく自分の価値基準を持つことが重要」

志田茂建築設計事務所の代表・志田さんは、住む人が本当に理想とする暮らしを汲み取って設計することを徹底されています。
志田さんはインタビューの中で「他の誰かではなく自分の価値基準を持つことが重要」と語られました。

志田さん

ネットにはいろんな情報があります。でも「これは自分にとって本当に必要?」と判断できる基準を持っていないと、次第に他の誰かが「良いよね」と言っているもを、自分にとっても良いものだと思い込んでしまう恐れがあります。すると、最終的には良いと思って集めていた情報が、実は違ったなんてことになりかねません。だから、最初はあんまり一生懸命になって情報を集め頭を固くしてしまう前に、一度くわしい人に相談をしてみるのもいいと思います。

志田さん

新築にしてもリフォームにしても、形は何であれご自身の理想の生活を実現することが重要です。家づくりに取り掛かる前には、ご自身の好きな事と、嫌いな事を改めて理解して欲しいです。それが価値基準になります。誰かが良いと言ったから良いと思い込んでしまわないように、自分の価値基準を持って取り組んでください。
志田茂社長志田茂建築設計事務所

「家族それぞれが要望を紙に書き出すのがおすすめ」

株式会社あくと総合計画さんには得意分野に特化した設計士さんが揃っており、チームで設計をされています。
代表の廣田さんはインタビューの中で「家族それぞれが要望を紙に書き出すのがおすすめ」とアドバイスをくださいました。

廣田さん

例えば、「オシャレだからアイランドキッチンが欲しい」のではなく、なぜアイランドキッチンがいいのかをご自身の暮らしと照らし合わせてみることをおすすめします。生活しやすい空間にしてあげたいので、「実際使ってみると使いにくい」と後悔してほしくないんです。

廣田さん

なぜそれがしたいのかを考えるとともに、家づくりを家族全員でしてほしいです。これから建てる家に対して、家族で話し合いをしても無意識に遠慮しちゃうかもしれないので、まずは家族それぞれが優先順位をつけて要望を紙に書き出すことをおすすめします。家族の人数分だけ求めるものは違うので、家族全員が住みやすい空間を実現してほしいと思います。
株式会社あくと総合計画

「今だけでなく先のことを考えることが大切」

アーキネットデザイン合同会社の代表・市川さんは、人の営みを何よりも重要視して設計を行っています。
市川さんはインタビューの中で「今だけでなく先のことを考えることが大切」と語られました。

市川さん

設計を依頼されるお客様の多くは「今」を中心に家づくりをしようとお考えの方が多いんですね。例えば、今子供がいるからこども部屋が欲しい。今赤ちゃんがいるからオモチャの棚がほしい。今は重要かもしれませんが、先のことを考えると本当に必要なのかと思いますよね。

市川さん

それとは別に、夏の暑い日に断熱の話をすると「暑すぎる」冬にすると「寒すぎる」実はこれらも一緒で「今」だけのことなんです。ですのでその長い期間は、この先のことをしっかり考える時間にしてもらいたいです。同時に改めて季節感を知る機会にもしてもらいたいですね。
市川さんひきアーキネットデザイン合同会社

まとめ

本記事では、マイホームの間取りで後悔しないための方法として「家族で話し合うポイント」「間取りを話し合うための手順」を解説してきました。

また、他では聞くことのできない「家づくりの専門家からのアドバイス」もご紹介いたしました。

後悔しないマイホームの間取りは、家族ごとに異なります。そのため、大衆の意見を鵜呑みにするのではなく、家族でよく話し合うことが大切です。

この機会にしっかりと意見を交換し合い、家族みんなが後悔しないマイホームの間取りを見つけてくだいね