新築の頭金はいくら必要?リスクの少ない金額の設定方法について解説

憧れのマイホームを購入しようと心に決めた時、これから始まる素敵な暮らしを想像するだけで、ワクワクしますよね。

一方で「家は人生最大の買い物」と言われるように、購入には高額な費用がかかるもの。
頭金をどのくらい用意すれば良いのか、悩まれている方も多のではないでしょうか?

本記事では、新築の購入に必要な頭金における、リスクの少ない金額の設定方法について解説します

金銭的な事情や価値観は人それぞれです。
ご自身の収入や現在の預金と照らし合わせながら本記事をご覧頂き、頭金を決める際の参考になさってください

新築の購入に必要な頭金

住宅の購入は、多くの方にとって人生で初めて経験することです。

支払いの仕組みがよく分からなかったり、お金の面では何かと不安がつきものです。
まずは、頭金が何のために必要なお金なのかを、ご説明していきます

頭金とは現金で支払う購入代金の一部

住宅の購入代金は高額なため、一般的には住宅ローンを組み、長期に渡って分割払いをします。

しかし、住宅ローンを組む際には、購入代金の一部を予め現金で支払う場合があります。

つまり、頭金とは、新築の購入代金のうち、住宅ローン以外に手配する分のお金のことを指します

新築の購入代金
頭金+住宅ローン借入金

頭金を支払うメリット

頭金に対しては「高額な現金を用意しなければいけない」という不安により、ネガティブな印象をお持ちの方もいるかもしれません。

しかし、頭金を支払うことには購入者側にも様々なメリットがあります

まずは、頭金の存在意義を知ることで、頭金に対する捉え方が変わるかと思います。
頭金を支払うことにどのようなメリットがあるのか、一つずつチェックしていきましょう。

【メリット①】総支払額が下がる

住宅の購入代金は、頭金と住宅ローン借入金から構成されています。
その中で利息がかかるのは、住宅ローン借入金のみで、頭金には利息がかかりません

頭金を支払うことで借入金を減らすことが出来るので、頭金を支払った分、利息も減ります。
つまり、総支払額を減らすことが出来るのです。

下記の表は、物件価格4,000万円の家を購入する際の、頭金ゼロの場合と頭金1割(400万円)を支払った場合の、それぞれの総支払額です。

どのくらい総支払額に差が出るのかを見てみましょう

例:金利1.5%で35年ローンを組んだ場合

頭金 金利 総支払額 差額
0円 1.5% 約5,140万円  
400万円 1.5% 5,030万円
(約4,630万円+頭金)
-約110万円

このように、たったの1割でも頭金を支払うことで、総支払額を減らすことが出来ます

【メリット②】適用金利が下がる

住宅ローンを組む金融機関によっては、借入額が物件価格の9割を下回った場合、適用金利が下がることがあります

例えば、物件価格4,000万円の家を購入する場合、全額を住宅ローンで組んだ場合の金利が1.5%だったとしても、頭金を1割支払った場合の金利は1%になることがあります。
(※金利は金融機関によって異なります。)

下記の表は、物件価格4,000万円の家を購入する際に、頭金ゼロで金利が1.5%の場合と、頭金1割(400万円)を支払い金利が1%の場合の、それぞれの利息です。

どのくらい利息に差が出るのかを見ていきましょう。

例:借入金が全額の場合→金利が1.5%
  借入金が9割以下の場合→金利が1%

頭金 借入金 金利 利息 差額
0円 4,000万円 1.5% 約1,140万円  
400万円 3,600万円 1% 約670万円 -約470万円

このように、頭金を支払うことで借入額が減り、適用金利が下がるため、利息が少なくなります

【メリット③】住宅ローンの返済期間を短く出来る

住宅ローンの借入期間は、20代、30代で住宅を購入する場合、一般的には最長借入期間である35年で組む場合がほとんどです。

しかし、住宅を購入する時期は人によって様々です
収入が安定した40歳を超えた頃に購入する方も珍しくありません。

40歳を超えてから購入をした場合に問題となることは、35年でローンを組んだ場合に、ローン完済が定年退職の65歳を超えてしまうことです。
月々のローンの返済は、安定した収入が入ってくるお勤め期間中に済ませたいと思うのは、当然のことでしょう。

そこで、頭金を支払い借入金を減らすことで、定年までの期間に合わせて返済期間を無理なく調整することが出来ます

頭金を払うメリット
・利息がかかる借入金を減らすことで総支払額が下がる。
・借入額が物件価格の9割を下回ると適用金利が下がる。
・住宅ローンの返済期間を無理なく調整出来る。

頭金を支払うタイミングは様々

頭金を支払うタイミングで、一般的に最も多いのは契約時と言われています。
しかし、会社によっては、着工時、引渡時など正確なタイミングが異なりますので、担当者への確認が必要です

頭金は、ある程度まとまった金額の現金を用意することになりますので、直前に慌てることのないよう必ず事前の確認と準備をしておきましょう。

頭金は自由に金額を設定できる

これまで、頭金を支払うことで購入者側にどのようなメリットがあるのかをご説明してきました。

次は、どのくらいの金額を頭金として用意するべきなのかについて、ご説明していきます

基本的に、頭金はご自身の経済状況によって自由に金額を設定する事が出来ます

年収や預金、金銭的な事情、家族構成や今後のライフプランは様々で、頭金として用意できる金額も一様ではないためです。

しかし、そうは言っても、新築を購入する方々が頭金にいくら支払っているのかは、気になることかと思います
どのようなパターンがあるのかご紹介しますので、ご参考になさってください。

頭金の支払いパターンで最も多い金額は200万円未満

頭金の金額について、かつては「物件価格の2割以上が理想的」と言われることがしばしばありました。

この場合、物件価格の2割以上の頭金を用意するならば、4,000万円の住宅を購入する場合、800万円以上が必要になります。

かなり大きな金額ですので「そんな預金は持ってない」と思われる方も多いかもしれません。

しかし、近年は低金利が影響し、頭金の金額は低下傾向にあります
2019年に首都圏で新築を購入した方々が頭金に支払った金額は、200万円未満が全体の約半数を占めます

頭金の金額 全体に占める割合
200万円未満 48.4%
200~400万円 12.2%
400~600万円 8.2%
600~800万円 4.2%
800~1,000万円 1.9%
1,000~1,500万円 7.0%
1,500~2,000万円 3.1%
2,000~3,000万円 3.5%
3,000万円以上 2.8%

参考:株式会社リクルート住まいカンパニー|2019年首都圏新築分譲一戸建て契約者動向調査

このように、頭金の金額は人それぞれ異なり、従来の傾向よりも安くなっていることが分かります

頭金を決める時の注意点

頭金をいくら払うかは、経済事情や価値観によって左右され、ご自身の収入や預金に対して無理のない範囲で金額を設定することが望ましいことが分かりました。

しかし、中には、預金がほとんど無い人や、ご自身の考えているマネープランに不安を抱えている人も多いかと思います。

頭金の金額を決める際に浮上する問題点がいくつかありますので、一つずつ確認していきましょう。

頭金ゼロでも家は買えるのか?

家を買いたい人

そろそろマイホームの購入を考えているけど、頭金として用意できるほどの預金がありません。
頭金ゼロでも新築は買えますか

当協会スタッフ

頭金ゼロでも、住宅を購入することは可能です。

頭金を用意できるほど預金に余裕がない
限られた預金を出来るだけ手元に残しておきたい
といった事情がある中で、新築の購入をお考えの方も多いでしょう。

ですが、ご安心ください。
頭金ゼロでも、新築を購入することは出来ます

ただし、頭金ゼロで新築を購入した場合、物件価格の全額を住宅ローンで賄うことになります
全額ローンの場合、頭金を支払った場合に比べて“支払総額が下がる”“適用金利が下がる”など、費用面でのおトク感がなくなることがデメリットとして挙げられます

また、住宅を購入する際の年齢が高めの場合、月々のローン返済額を高めに設定するなどして、安定した収入があるうちにローン完済できるように調整する必要があります

頭金が貯まるまで購入を先送りするのは得か損か?

家を買いたい人

頭金を払った方がおトクなら、マイホームの購入はお金が貯まってからの方が良いですか?

当協会スタッフ

お金を貯めてる期間の家賃を考慮すると、得策とは言えません

頭金を支払うことによる費用面でのおトク感を得るために、お金が貯まるまで住宅の購入を先送りしようと考える方がいるかもしれません。

しかし、その間に住む賃貸住宅の家賃を考えると、一概におトクとは言い切れません

下記の表は、400万円の頭金を貯めるために5年間マイホーム購入を先送りした場合と、頭金ゼロですぐに購入した場合の、それぞれの総支払額です。

例:4,000万円の住宅を金利1.5%の35年ローンで購入した場合
  (家賃は月々10万円を5年間支払ったとする)

すぐ購入した場合 5年先送りした場合
借入額 4,000万円 3,600万円
金利 1.5% 1.5%
月々の返済額 12万3千円 11万1千円
総返済額 5,144万円 4,630万円
頭金 0円 400万円
家賃 0円 600万円
総支払額 5,144万円 5,630万円
差額   +486万円

頭金を貯めてから購入することで住宅ローンの返済額は減ります。
しかし、お金を貯めている間に支払う5年間の家賃によって、総支払額は5年先送りした方が486万円も増えます

お金を貯めてから購入するよりは、先に購入してしまい、購入後に貯まった預金を繰り上げ返済をすることをお勧めします

また、現在お住まいの家が実家などで家賃がかからない場合は、お金が貯まるまで待つのも一つの手です。

預金を全て頭金に充てても大丈夫?

家を買いたい人

預金が500万円あるので、全額を頭金に充てようと考えてます
問題ないでしょうか?

当協会スタッフ

手元の現金を全て頭金に充てるのは危険です
あらゆる出費を考慮し、いくらかの現金を残しておく必要があります。

住宅ローンのことだけを考えれば、頭金は多ければ多い方が返済額や返済期間を少なくすることが出来ます。

しかし、住宅の購入には諸費用と呼ばれる物件価格とは別の現金が必要になったり、新居への引っ越しにもお金がかかります
また、人生で大きなお金が必要になるタイミングは他にもあるでしょう。

預金の全額を頭金に充てるのではなく、一部を手元に残しておく必要があります

手元に残す現金から頭金を決める

限りある預金の中から頭金に充てる金額を決める時に、最も注意しなければならないことは、必要な現金を手元に残しておくことです

そのためには、今後かかる可能性のある出費について、整理する必要があります

どのような費用がかかる可能性があるか、確認してみましょう。

新築の購入にかかるその他の現金

新築を購入する際に現金は、頭金だけではありません。

頭金とは別に、物件の購入には物件価格のおよそ5%~10%の諸費用が必要と言われています。
諸費用とは、印紙税や登録免許税などの税金類や、仲介手数料、事務手数料などが含まれており、全て現金で支払います

もし、4,000万円の住宅を購入する場合は、100万円~200万円の諸費用がかかることになります。

ある程度まとまった金額が必要になることを想定し、預金を残しておく必要があるでしょう。

新居への引越し費用

新築の購入に際しては、引越しをすることが大前提としてあります。

新居に合わせてカーテンなどのインテリアを揃えたり、引越し業者への依頼をすることもあるでしょう。

引越しに必要なお金は必ずしも現金で支払う必要はありませんが、ある程度まとまった金額が発生することは避けて通れません。

新築の購入後、引越しにかかる費用に関しても、頭の片隅に入れておきましょう

不測の事態に備えた現金

住宅の購入以外にも、人生には様々なお金がかかります。

ご両親の介護や子供の教育、急な事故や病気で、急な出費が必要になる場合もあります。

家族構成やご自身のライフプランを想像しながら、どのくらいの現金を手元に残すかを考え、頭金を決めましょう

手元に残しておいた方が良い現金
・新築の購入時に必要な諸費用
・購入後に必要な引越し代金や家具などの購入費用
・養育費や介護費、病気などに備えたその他の費用

まとめ

これまで新築の購入に必要な頭金における、頭金のメリットや金額の設定方法についてご説明してきました。
頭金をとのくらい払えばいいのか、イメージが湧きやすくなったかと思います。

頭金は、支払うことで住宅ローンの利息を減らしたり返済期間の調整が出来る等のメリットがあります
しかし一方で、預金を全て頭金に充てるなど無理のあるマネープランは、リスクが伴います。

また、低金利の影響により「物件価格の2割以上」という頭金の考え方は薄れ、いくら支払うかは個人の価値観や経済状況に委ねられていると言って良いでしょう。

頭金の金額を決める時にまず必要なことは、ご自身の収入と預金、これからの人生に必要な出費を明確にすることです

無理のない範囲で頭金を設定し、これから始まる新居での暮らしを豊かなものにしましょう。