ハウスメーカーはたくさんあって、何を基準に選んだらいいか迷ってしまいますよね。
そのため、みんなが選んでいるハウスメーカーなら間違いないから「満足度の高いメーカー、人気のメーカーにしよう!」とお考えの方もいるのではないでしょうか?
2021年のオリコン顧客満足度ランキングによると、注文住宅で満足度1位のハウスメーカーは、スウェーデンハウスさん。
2位がヘーベルハウスさん、3位が積水ハウスさんという結果でした。
参考 ハウスメーカー 注文住宅 総合ランキング・口コミオリコン顧客満足度
ただ、この結果はあくまで目安程度に留めていただき、ハウスメーカーは「満足度が高いから」という理由だけで選ばないでほしいんです。
ここでは、そういった満足度の高さでハウスメーカーを選ぶのを推奨しない理由や、ハウスメーカー選びのポイント、客観的に見ておすすめできるハウスメーカーをご紹介します。
ハウスメーカー選びは、新築物件を建てる上で「最も重要」と言っても過言ではありません。
ぜひ、あなたが「任せて正解だった」と思えるハウスメーカーを選べるよう、お手伝いさせてください。
ハウスメーカーを満足度で選ぶのをおすすめしない理由
さっそくですが、なぜ、満足度の高さで会社を選ぶのをおすすめしないか、その理由について解説いたします。
理由1:満足度の高い人が回答しているから
冒頭でもご紹介した、オリコン満足度調査では、アンケートに答えてくれた顧客の「推奨意向」を調査しています。
顧客がその製品やサービス、企業などを他の人にどのくらい薦めたいかを測った、度合いのことです。
一般的に、顧客の満足度が高ければ、この「推奨意向も高い」と言われています。
下記は、オリコン満足度調査の推奨意向、「どの程度その企業のサービスを推奨したいか」についての回答結果です。
どのハウスメーカーでも、Bの「まあ薦めたい」と回答している人が1番多いことがわかります。
つまり、アンケートでは「満足度の低い人より、満足度が高い人が多く回答している」ということです。
評価も高くなりがちで偏った判断になっている可能性があるのが、おすすめできない理由の1つ目です。
理由2:有名なハウスメーカーは相対的に悪い口コミも多いから
名の知られている大手メーカーは、それだけ利用者も多いため、よくない口コミも少なくありません。
試しに、2021年のオリコン満足度調査で、注文住宅ランキング4位にランクインしている「積水ハウス」さんの口コミ評価を見てみましょう。
以下は、利用者の声と専門家が実際に利用した評価を掲載しているサイトから引用したコメントです。良い口コミとは反対に、こんな悪い口コミもありました。
全体的な満足度が高いことには変わりありませんが、上記のようなネガティブな口コミも多く見られるのが、おすすめできない理由の2つ目です。
住宅メーカーを選ぶ上で“みんな”が重視しているポイント
満足度の高さは、そもそもその人が「何を重視しているか」によっても異なります。
そこで、多くの人はどのようなことを重視してメーカーを選んでいるかや、その理由について解説いたします。
なお、メーカーを選ぶ決め手として、下記では3つの意識調査を参考にさせていただきました。
質問項目の数や種類によっても結果は異なるため、「みんなは、どうやってメーカーを決めているのか」参考程度にご確認いただければ幸いです。
信頼性の高さ
サグーワークスが、20代以上の男女150人を対象に行ったアンケート調査によると、「信頼性や評判」が住宅会社を選ぶ決め手で最も多い項目でした。
大手メーカーであれば、ある程度のクオリティは見込めるモノ。
そのため、最終的な決め手は、会社ではなく「人」にあるようです。
営業担当の提案力や、知識の豊富さ、人柄の良さなど、実際に話をして「この人に任せられるかどうか」で判断しているんですね。家を購入される方が、今後1番関わることになるのがハウスメーカーの担当さんです。ですが一方で、彼らの仕事は「売上を上げること」にあります。
そのため、最終的にメーカーを選ぶ際は、「売上を上げることだけに固執していないか」、「しっかりこちらの要望を聞いてくれるか」といったことを確認して、自分と相性のよい担当さんがいるかで判断しましょう。
住宅の性能(耐震性の高さ)
下記はMy House Palette(マイハウスパレット)が、20歳から59歳までの「住宅購入検討者」を対象にした意識調査「住宅メーカーを選ぶ決め手は?」の調査結果です。
1位となっている項目は、「耐震に対する技術力や先進性」です。
住宅メーカーを選ぶ上で「“みんな”が重視しているポイント/信頼性の高さ」で参考にしたサグーワークスさんの調査結果では、この項目はなかったため、もしかすると「信頼性の高さと同等かそれ以上」に、耐震性の高さを重視している人は多いのかもしれません。
その背景には、東日本大震災が関係しています。下記をご覧ください。
セキスイハイムが一般人1,088人を対象に行った「持ち家を取得する際の重視度」ですが、震災前は、「住みごこち」を重視する人が最も多かったのに対し、震災後は「地震・台風時の安全性」が1位にランクインしています。
つまり、東日本大震災を目の当たりにし、国民の防犯意識が高まった結果、耐震性を重視して家を建てる人が増えてきたということです。
住宅の性能(断熱性の高さ)
住宅支援機構が行った2020年度における住宅市場動向調査によると、「住宅事業者選び」で重視するポイントの1位が、「建物の性能」でした。
前述でご紹介した住宅メーカーを選ぶ上で“みんな”が重視しているポイント/住宅の性能(耐震性の高さ)は、建物の性能の“中”で重視するポイントの1つと考えられます。
そう考えると、調査項目にはありませんが、断熱性の高さもハウスメーカーを選ぶ上で多くの人が重視している、したいポイントとも言えます。
理由は、断熱性が高い家は、外気に室内の温度が左右されないため「住みやすい」からです。
家の外や中から、熱が出入りするのを防ぐことです。
日本は、春夏秋冬の季節を楽しめる一方で、「夏は熱く、冬は寒い」という季節の影響を最も受けやすい国とも言えます。
そのため、気候に左右されない「夏でも、冬でも快適な家」を建てることで、多くの方が重視している「住みごこちのよい家」に住むことが可能となるんです。
なお、断熱についてより詳しく知りたい方は、下記でもご紹介しておりますので、よろしければ参考になさってください。
新築で床暖房は必要?暖かい家造りのポイントやおすすめ業者も紹介
ハウスメーカー25社のC値・Q値・UA値一覧|比較時の注意は3点
その他、住宅メーカーを選ぶ上で確認したいポイント
住宅メーカーを選ぶ上で“みんな”が重視しているポイントで、1位、2位にはランクインしませんでしたが、その他住宅メーカーを選ぶ上で重視している人が多い、した方がいいポイントについてご紹介します。
デザイン性
注文住宅の醍醐味の1つが、一から家のデザインを決められることです。外観や内装をどういったデザインにするか考え、好みに合ったデザインで施工してくれる会社を選びましょう。選び方として1番早いのが、会社HPやパンフレットの「施工事例」に多く掲載されている雰囲気のデザインを確認することです。
理由は、「施工事例」の実績が多い内装や外観こそが、「その会社で得意としているデザインだから」です。ある程度目星をつけたら、住宅展示場などに足を運んで実際に目で見て確認しましょう。
HPやパンフレットのみでは得られない雰囲気がつかめる上、より細かな部分までチェックできます。
価格
マイホームは生涯で1番高い買い物とも言われているため、どのくらいの予算で家を建てるかは、多くの方が気になるポイントですよね。
常識で考えれば、お金はかければかけるほど、クオリティの高い家になる確率も上がります。
ですが、よほどのお金持ちでないかぎり、現実的には予算があるのが現状です。
自分たちが家造りで重視したいところ、お金をかけてもいいと思える所と、あまり重視しなくてもいい、お金をあまりかけたくない所はどこか考えてハウスメーカーを選びましょう。
なお、ハウスメーカーより工務店に頼む方が価格は抑えられる場合が多いです。
ハウスメーカー同様、一から家の設計が可能。小規模で、地域密着型の業者のことを指します。
工務店の多くは、地元の業者と直接やり取りをしている場合が多く、その場合は余分な手数料が発生しません。価格以外にも、ハウスメーカーと工務店、それぞれにメリット、デメリットがありますので、気になる方はこちらの記事も参考になさってください。
多くの施工業者から見積りをもらって、その金額は妥当か、そのプランには何が含まれているか、オプションはついているかといった詳細をしっかり確認して、業者を選びましょう。
アフターサービスの充実度
一軒家を建てるのであれば、大半の方はその家に長く定住することになるため、家を建てた後の保証、アフターサービスの内容は確認しておきたいところです。
長く住んでいれば、家にどこかしらの欠陥や修理したい箇所が出てくるものです。
そのため、「保証期間が長く、欠陥が見つかった際無料で修理してもらえる所」や「定期的に家の点検をしてもらえる所」を選ぶのがよいでしょう。
大手ハウスメーカーであれば、アフターサービスも充実している所がほとんどです。
10年間保証は、法律で義務付けられているため、それ以外の保証制度、「初期保証期間の長さ」などを確認して決めましょう。
建築構造を支える骨組みにあたる部分の保証のことで、雨漏りなどの欠陥を無料で直してくれる制度です。
ちなみに、パナソニックホームズは、初期保証期間が35年と業界で最長です。
保証期間の長さなどアフターサービスについては、各社HPで掲載されている場合がほとんどですので、ハウスメーカーを決める際は、こういった家を建てた後の「アフターサービス制度」も確認しておきましょう。
ハウスメーカー選びの決め手から見るおすすめできるメーカー
ここでは、住宅メーカーを選ぶ上で“みんな”が重視しているポイントから、客観的に見て推奨できるハウスメーカーをご紹介します。
注目株!年間販売戸数1位のプライムテクノロジーズ
ハウスメーカーを選ぶ上で気にする方が多かった信頼性。
信頼性の高さは中々客観的に測るのは難しいですが、1つの目安として年間販売戸数が多い会社は、それだけ多くの建設実績があるため人気がある=信頼度が高いと言えるのではないでしょうか?
そこで、今後注目したいのが、プライムテクノロジーズさんです。下記の表をご覧ください。
上記は、住宅産業新聞社が集計した2019年度の大手住宅メーカー戸建て販売戸数ランキングですが、プライムテクノロジーズさんが1位を獲得しています。
プライムテクノロジーズさんは、2020年1月にパナソニックとトヨタ自動車が共同出資して設立された新しい会社で、パナソニックホームズ、トヨタホーム、ミサワホーム、パナソニック建設エンジニアリング、松村組の5社を傘下に抱えています。
ただ、ハウスメーカーのパナソニックホームズ、トヨタホーム、ミサワホームは、親会社をプライムテクノロジーズとして、これまで通り自社で住宅を販売しています。
今後は、この3社統合の強みを活かして、独自のネットワークを活かした住宅の提案や、資材を個々ではなく、まとめて調達することによる販売価格の削減に期待が持てそうです。
つまり、プライムテクノロジーズさんを親会社に持つ、パナソニックホームズ、トヨタホーム、ミサワホームの各社が、今後注目のおすすめしたいハウスメーカーです。
実際にこれらのメーカーでは、独自のネットワークを活かして、どのような取り組みを行っているか見ていきましょう。
保証制度が充実しているパナソニックホームズ
「家は、家族を守るヒーローだ」をコンセプトに、「地震の後も安心して暮らし続けられる家」を販売しているのが、プライムテクノロジーズグループのパナソニックホームズさんです。
東日本大震災と熊本地震での倒壊被害は、対象地域16万戸以上の中で0件。
「倒壊しない家」と自信があるだけに、パナソニックホームズさんでは「地震あんしん保証」という、万が一の地震で全壊、半壊してしまった際の保証制度があります(2020年4月1日から開始)。
その他、アフターサービスの充実度でもご紹介していますが、パナソニックホームズさんは、「35年あんしん初期保証」があるなど、保証制度が充実しているのが特徴です。
最長で60年まで、家の構造部分の欠陥を無料で直してくれる制度です。
あなたが、地震あんしん保証や、35年あんしん初期保証といった保証制度を重視して家を決めるのであれば、パナソニックホームズさんは、ぜひおすすめしたいハウスメーカーです。
クルマ de 給電ができるトヨタホーム
2020年の8月、プライム ライフ テクノロジーズグループのトヨタホームさんは、自然災害に備えた防災・減災をテーマとした新開発の「クルマ de 給電」をリリース。
クルマと家をケーブル1本でつないで、電源として利用する業界初の非常時給電システムです。
クルマから居室に、最大で一般家庭の約4.5日分である1500w(ワット)の給電ができる「クルマ de 給電」があれば、停電時でも電気を使うことが可能です。
「災害にいちばん強い家を。」をコンセプトとしているトヨタホームさん。
クルマをお持ちの方で、地震や豪雨といった「災害時に強い家にしたい」という方は、検討されてみてはいかがでしょうか?
なお、「クルマ de 給電」の対応車種については、下記をご確認ください。
間取りを自由にカスタムできるミサワホーム
プライム ライフ テクノロジーズグループのミサワホームさんは、時代のニーズをいち早くとらえ、在宅ワークに適した間取りで、「感染対策」のための空調システムも導入した、「CENTURY(センチュリー) 蔵のある家」を販売しています。
移動式のパーテーションを設けることで、仕事に集中したいときは、部屋を動かして個室にしたり、子どもの様子を確認しながら働きたいときは、広々としたスペースを取ったりと、ライフスタイルに合せた間取りにすることが可能です。
さらに、フロアセントラル換気システムを導入することで、花粉やウイルスなどの菌が部屋に循環しにくい仕組みとなっています。
外気の暑さや寒さの影響をできるだけ受けないように換気するシステムです。 換気の際、花粉やウイルスが入ってくるのを防ぐフィルターを搭載しています。
テレワークが進んでいる中、今後は「仕事も子育ても、家で」というご家庭も増えてくるでしょう。これから家を建てられる方で、「在宅勤務しながら子育てしたい」、「テレワーク中でも集中して家で仕事がしたい」といった要望がある方は、フロアセントラル換気システムを検討してみてはいかがでしょうか?
耐震性の高さNo.1の三井ホーム
三井ホームさんは、大手メーカーが公表している耐えられる揺れの大きさ、ガル数が1番大きいのが特徴で、最大で耐えられる揺れの大きさは5,115ガルです。
東日本大震災の揺れの大きさは2,933ガル、地震あんしん保証のあるパナソニックホームズさんの最大ガル数が3,831ガルなのを考慮すると、三井ホームさんは、ガル数を公表しているハウスメーカーの中で1番「揺れに耐えられる家」と言えます。
実際に最新の耐震実験では、震度7の揺れに連続で60回耐えぬきました。
耐震性の高い家を目指すなら、ぜひ三井ホームさんも候補に入れてみてはいかがでしょうか?
断熱性の高さNo.1の一条工務店
断熱性の高い家、夏も冬も快適な家にしたいなら、一条工務店さんがオススメです。理由は、一条工務店さんの人気商品である「i-smart(アイスマート)住宅」は、UA値が0.25と圧倒的に断熱性が高いからです。
家の中の熱がどれだけ外に逃げているかを数値化した指標のことです。断熱性が高ければ高いほど、外に逃げている熱が少なく、UA値の値も小さくなります。
下記をご覧いただくと、このUA値が他社に比べ圧倒的に小さいのがわかります。
この断熱性の高さの秘密は、壁や窓の強化によるモノ。
壁には、できるだけ外からの外気が入ってこないよう、断熱材として一般的に使用されている「グラスウール」の約2倍厚い「高性能ウレタンフォーム」を重ねています。
湿気を含みにくく、変形しにくい断熱材のことです。
ガラス繊維でできた綿状の素材のことで、主に断熱材や吸音材として使用されています。
高性能ウレタンフォームを採用した結果、壁の断熱性の高さは、「国土交通省が定めるエネルギー基準の約2.5倍以上」と言われています。
窓の断熱性は、業界トップクラスの断熱性を持つ「防犯ツインLow-E(ろういー)トリプル樹脂サッシ」を使用することで、一般的に使用されているペアガラスアルミサッシに比べて、約5倍です。
2枚のガラスの間に空気層が設けられたガラスのことで、普及率は約70%です。
新築をした後の満足度についてのまとめ
本記事では、満足度でハウスメーカー選ぶのをおすすめしない理由や、選ぶ上で多くの人が決め手となったポイントと確認しておきたい所、おすすめのハウスメーカーをご紹介しました。
人によって、ハウスメーカーを選ぶ基準は異なります。ぜひ今一度、あなたが何を優先して家を建てたいか考えてみてください。
口コミなどの周りの評価に惑わされず、「あなた」にとって最適のハウスメーカーが見つかれば幸いです。