新築の資金計画を立てる時におさえておいてほしいポイント

一般的に家を建てるときの予算は年収の7倍が目安といわれています。しかしながら、「具体的にどういった内訳なのか」、また「頭金はどれくらい必要なのか」といった不安をお持ちの方は多いと思います。

そこで、この記事では家づくりの専門家の意見をもとに、新築の資金計画を立てる際のポイントをいくつかご紹介していきます。

ご協力いただいた家づくりの専門家
この記事は、東京都府中市を中心に手厚いサポートで家づくりをしている「伊藤ハウジング」の諸原さんに伺った内容をもとに作成しています。

諸原さん

「資金計画」は、家づくりにおいて最も重要な項目のひとつです。
ぜひ、ポイントをしっかり押えて、無理のない資金計画を立てましょう。

調達できる資金から予算の目安を立てる

家づくりの資金計画では、はじめにご自身が調達できる資金の目安を立てて、予算感をつかむことが大切です。

土地付き戸建ての平均的な予算

注文住宅を土地付きで購入した方、約2万3千人を対象にした調査によると、平均年収627万円であるのに対して、建設費の平均価格4,256万円(建物2,874万円、土地1,382万円)と、年収の約7倍であることがわかりました。(2019年度資料)

土地付き戸建住宅の平均価格
データ参照:2019年度 フラット35利用者調査|住宅金融支援機構

プロの目線からアドバイス

諸原さん

住宅ローンで借り入れをして無理なく返済をしていくには、少なくても年収300万円以上、都内で一戸建てを検討するのであれば年収800万円以上が必要だと言われています。

調達資金の内訳は、「住宅ローン」などの借り入れが平均で3,621万円続いて「手持資金」が443万円、その他「親知人」や「民間の融資」などが192万円という結果でした。

調達資金の内訳
データ参照:2019年度 フラット35利用者調査|住宅金融支援機構

また、同調査によると、毎月の返済額の平均は11万7,000円だということが分かっています。

住宅ローンの選び方

しかしながら、住宅ローンの破綻率は約4%だといわれており、およそ25人に1人は途中でローンの返済ができなくなってしまっているのが現状です。
家さがしを始めると、つい色々なものが良く見えて予算をオーバーしてしまいがちです。そのため、毎月の返済額を現在お支払いの家賃と比べながら、無理のない返済計画を立てることが大切だといえます。

参考 住宅ローンが払えなくなる人の特徴と対策|最新の住宅ローン支払い状況は?不動産スタディ|不動産売却・賃貸の情報誌 データ参考:リスク管理債権|住宅金融支援機構

また、家づくりで利用できる住宅ローンは1,000種類以上あるとも言われており、条件や内容はさまざまです。中には保険などのオプションがついているものもあります。

その中で、住宅ローンを選ぶ時に最も重要なのは「金利」す。これだけは絶対におさえておきましょう。

プロの目線からアドバイス

諸原さん

例えば、同じ金額で住宅ローンを組んだ場合でも、金利の違いで完済までに500万円以上の差が生じるといったケースは珍しくありません。

【35年で3,800万円の住宅ローンを組んだ場合の返済例】

金利 毎月返済額 支払い総額
2.47% 13.6万円 5,680万円
3.05%(↑0.58) 14.8万円 6,187万円(+507万円)
3.45%(↑0.98) 15.6万円 6,550万円(+870万円)
参考 借入希望金額から返済額を計算:【フラット35】借入希望金額から返済額を計算:【フラット35】 なお、一般的にはメガバンク」と言われる大手の銀行ほど金利が低く、審査が厳しい傾向にあるといわれています。
不動産屋さんによっては「審査が通り易いから」といって、提携している住宅ローンを勧めてくるところがありますが、いかなる場合でも金利をしっかり確認して冷静な判断をするようにしてください。

変動金利と固定金利はどっちがお得?

住宅ローンを組むにあたって「変動金利」と「固定金利」のいずれかを選ぶ必要がありますが、これも非常に重要な問題です。
ただ、「どちらの方がお得になる」とは一概に言うことができません。それぞれの特徴を把握したうえで自分にあった金利を選びましょう。

なお、「変動金利」は世界情勢や経済の動向によって支払う金利が変わるので、金利が安い時は返済額をおさえられますが、途中で金利が高くなってしまうリスクがあります。一方、「固定金利」の方は金利が変わらず均等に返済を続けられるのが特徴です。
変動金利と固定金利の違い

プロの目線からアドバイス

諸原さん

ここは10年以上は「固定金利」に比べて「変動金利」の方が下がっており、過去最も低い水準になっています。(2022年現在)
【住宅ローンの金利の推移】
変動金利と固定金利の推移

引用:民間金融機関の住宅ローン金利推移(変動金利等)|フラット35

金利の見直しを視野に入れた資金計画

長期間に返済が及ぶ住宅ローンでは、返済の途中で金利の変更をすることで返済の負担を減らせる場合があります。
例えば、変動金利が低い近年では、子供が小さくてお金が掛かるうちに「変動金利」で返済をして、成人して手が掛からなくなったら「固定金利」に切り替えるといった方法が知られています。

プロの目線からアドバイス

諸原さん

他にも、返済がある程度進んで元金が減ってきたら、より金利の安い金融機関に「借り換え」をするのも効果的です。

「なるべく短い期間で返済を終えたいけど、自分たちだけで資金計画を立てるのは不安」という方は、「住宅ローンアドバイザー」などお金の専門家に相談してみるのが良いかもしれません。

ご紹介した方法でも金利の変動によるリスクが全くないとは言い切れません。金利の変更はくれぐれも慎重に検討してください。

「頭金」の目安は予算の1割

頭金とは費用のうち自己資金で賄える範囲のことを指します。
記事の冒頭でご紹介したデータによると、頭金の平均は443万円と建設費の約1.2割程度であることが分かっています。
もちろん、頭金がなくても家を建てることは可能ですが、頭金があった方がメリットは大きいです。

参考:2019年度 フラット35利用者調査|住宅金融支援機構

頭金で住宅ローンの金利が下がる

頭金の有無で最も影響が大きいのは住宅ローンの金利です。
ご存知の通り、住宅ローンは借り入れなので「信用」が関わります。そのため、頭金があった方が返済能力が高いと評価してもらえるので、頭金がない時に比べて金利が低くなる場合があります。
とはいえ、「頭金を貯めるのにも時間がかかるし、家賃を払い続けるなら新築を建てた方がが良い」といった意見もあるので、必ずしも頭金があった方が金額的に安くなるとは限らない点はご理解ください。

「諸費用」がローンに含まれないケース

頭金があった方が良いと言われるもう一つの理由は、「諸費用」の支払いが関係しています。
諸費用とは、「設計費」や土地の「申請費用」、借り入れに必要な「補償費」、「引っ越し費用」などの建設費に含まれない細かい項目のことです。
この諸費用を自己資金で賄えると、支払いがスムーズに進められるだけでなく「つなぎ融資」などの余分な借り入れをする必要がなくなります

つなぎ融資とは?
基本的には、諸費用も合わせて支払いができる住宅ローンがほとんどですが、中には諸費用のみ他の融資で調達しなければならない住宅ローンがあります。その際に、本融資の住宅ローンとは別で組まれる融資を「つなぎ融資」といいます。

つなぎ融資は住宅ローンに比べて、返済期間が短く金利が高い傾向があるので、最終的には割高になります。

プロの目線からアドバイス

諸原さん

諸費用に関する項目や資金の調達方法については、意外と工務店や不動産屋だけでは十分に説明してもらえない場合があるので、ご自身でも事前に調べておくか専門家に相談してみるのが良いと思います。

まとめ

この記事では、新築の資金計画で押えておいて欲しいポイントについていくつかご紹介しました。特に住宅ローンの金利は長い目で見ると非常に重要なポイントだというのがお分かりいただけたと思います。ぜひ、余裕をもって慎重に資金計画に取り組みましょう。

今回ご協力いただいた会社さんの詳細

東京都府中市を中心に家づくりをされている「伊藤ハウジング」さんは50年以上つづく老舗の工務店さんです。家造りの資金計画に関するセミナーなども開催しているので気になる方はぜひ問い合わせてみてください。