建て替えにかかる不動産取得税とその他の必要な税金について徹底解説

本記事では、建て替え時に必要な不動産取得税その他の税金について、金額手続きの方法を詳しく解説していきます。

税金の計算は難しいと思われがちです。
しかし、実は一つ一つシンプルな計算式から成り立っているので、簡単に予測を立てることが出来ます。

また、各税金を安くするための知識もご紹介していきますので、ご参考になさってください。

建て替え時に必要な不動産取得税について

元々ある建物を解体しその土地に新築を立てる事を、建て替えと言います。

建て替えをした際には様々な税金がかかります、その中でも代表的な税金が不動産取得税です。

まずは不動産取得税についての理解を深めることで、その他の税金についても理解がしやすくなりますので、ご参考になさってください。

不動産を取得した際に支払う不動産取得税

住宅の建て替えをすることは、言い換えれば、新しい不動産を得ることです。

不動産取得税とは、新しい不動産を得ることに対して課される税金で、各都道府県が定める地方税です。

建て替え後に送られてくる納付書に従い1度だけ納税する

税金と聞くと、住民税のように、毎月あるいは毎年の定期的な支払いが発生するものを想像する方も多いかと思います。
それに対して不動産取得税は、建て替え時に1度だけ支払いの義務が生じます

支払い方法は、建て替えが完了してから半年~1年程の間納付書が送られてくるので、それに従い納付をします。
なお、後ほど解説する税額の軽減措置によって、もしも税額が0円になった場合は、納付書が送られてきません。

納付書が届いたら、記載されている金額を、指定の期限内に支払います。
多くの場合、支払いの期限は納付書が届いてから数週間以内です。

不動産取得税額は計算式から求められる

税金の多くは、単純な計算によって税額を求めることが出来ます。

不動産取得税の税額は、下記の計算式で求められます。
「不動産取得税=固定資産税評価額×4.0%(原則税率)」

例)固定資産税評価額が1,500万円の住宅の場合
1,500万円×4.0%=60万円

計算に用いる固定資産税評価額について

不動産取得税をはじめとした建て替え時に必要な税金の多くは、計算に固定資産税評価額を用います

不動産の所有者に対して毎年課される税金を固定資産税と言いますが、固定資産税を決めるための基準となる価格が、固定資産税評価額です。
固定資産税評価額は、各市町村が委託した不動産鑑定士の評価に基づき、実勢価格の70%程を目安に決定されます。

固定資産税評価額を調べるには、毎年1月1日の時点で送付される固定資産税課税明細書を確認するか、市役所などで資産税評価証明書を取得するか、固定資産税台帳を閲覧することで確認できます。

なお、固定資産税に関しては、記事の後半で詳細に解説していきます。

不動産取得税は税額の軽減措置を受けることが出来る

数十万円単位の高額な不動産取得税額ですが、税額の軽減措置を受けることで安くすることが出来ます。

不動産取得税の税額の軽減措置について解説していきます。

有期の軽減税率が適用されると税率が3%になる

不動産取得税の税率は、原則として4.0%であることは先にも触れましたが、令和3年3月31日までは軽減税率が適用され、税率が3%になります。
つまり、不動産取得税を求める計算式の税率が4%から3%に変化します。
「不動産取得税=固定資産税評価額×3.0%」

例)固定資産税評価額が1,500万円の住宅の場合
1,500万円×3.0%=45万円

このように、有期の軽減税率によって、税額がかなり安くなります。

住宅と土地で税額の軽減措置の内容が異なる

不動産取得税額の軽減措置は、有期の軽減税率だけではありません。

住宅土地で、それぞれ異なる内容や要件の軽減措置が制定されています。

不動産は、内訳として住宅と土地に分類されるので、軽減措置を適用しして不動産取得税を求める際にも、住宅と土地を分けて計算します。

もともと所有している土地の中に建っている住宅を解体し、そこに新築を建てる場合は、住宅にかかる税額のみを計算します。
土地の購入も同時に行った場合は、土地にかかる税額も別で計算し、合算します。

住宅の不動産取得税額の軽減措置と要件

建て替え後の新築住宅にかかる不動産取得税額の軽減措置と、それを受けるための要件について、解説していきます。

住宅の場合の軽減措置

住宅の不動産取得税額の軽減措置は、固定資産税評価額から1,200万円が控除されます。
「不動産取得税=(固定資産税評価額-1,200万円)×3.0%」

例)固定資産税評価額が1,500万円の住宅の場合
(1,500万円-1,200万円)×3.0%=9万円
例)固定資産税評価額が1,000万円の住宅の場合
(1,000万円-1,200万円)×3.0%=0円

このように、住宅の不動産取得税額の軽減措置を受けると、金額が大幅に安くなり、場合によっては0円になることもあります。

住宅の場合の要件

しかし、この軽減措置を受けるためには、一定の要件を満たす必要があります。

  • 取得者の居住用またはセカンドハウス用の住宅であること(非住宅は対象外)
  • 住宅の延べ床面積が、50㎡以上、240㎡以下であること。
  • 新耐震基準に適合していることが証明されていること。

上記の要件を満たしている場合は、軽減措置を受けることが出来ます。

土地の不動産取得税額の軽減措置と要件

土地を取得した際にかかる不動産取得税額の軽減措置と、それを受けるための要件について、解説していきます。

なお、もともと土地の所有者で住宅の建て替えのみ行った場合は、土地に不動産取得税はかかりません。

土地の場合の軽減措置

土地の不動産取得税額の軽減措置は、令和3年3月31日までに取得した土地に関しては、固定資産税評価額を2分の1にした金額を用いて計算します。

また、下記の2項目のうち、いずれか金額の大きい方が、軽減額として税額から控除されます。
「土地の不動産取得税=(固定資産税評価額×1/2×3.0%)-軽減額」

  • 45,000円(税額が45,000円未満の場合はその金額)
  • 土地1㎡あたりの価格(令和3年3月31日までに取得した土地は、価格を2分の1にした後の額から1㎡の価格を計算する)×住宅の延べ床面積の2倍(200㎡が限度)×税率(3.0%)
例)固定資産税評価額1,000万円で100㎡の土地に80㎡の住宅が建っている場合
  • ステップ1 軽減前の土地の不動産取得税を求める
     1,000万円×1/2×3.0%=15万円
  • ステップ2 軽減額を求める
     1,000万円÷100㎡×1/2×80㎡×2×3.0%=24万円
     (4万5千円よりも24万円の方が大きな金額のため適用)
  • ステップ3 軽減後の土地の不動産取得税を求める
     15万円-24万円=0円

土地も住宅と同様に、軽減措置によって税額が0円になることがあります。

土地の場合の要件

しかし、この軽減措置を受けるためには、下記のいずれかの要件を満たす必要があります。

  • 土地を取得してから3年以内にその土地に住宅を新築し、かつ、住宅が新築されるまでその土地を継続して所有していること。
  • 住宅が新築される前に取得した土地を譲渡した場合、その土地を取得してから3年以内に土地を譲り受けた者がその土地に住宅を新築していること。
  • 住宅を新築してから1年以内に、その住宅を新築した者がその住宅の土地を取得していること。

上記のいずれかの要件を満たしている場合は、軽減措置を受けることが出来ます。

軽減措置を受けるには申告が必要

税額を大幅に少なくするために、軽減措置は有効な手段です。

しかし、各都道府県の条例で定められた期限内に税事務所に申告しないと、軽減前の税額のまま納税通知書が送られてきて、軽減措置を受けることが出来ませんので、注意が必要です。

建て替えが完了し不動産を取得した際は、速やかに各都道府県のホームページなどで期限を確認し、税事務所に申告をしましょう。

建て替え時にはその他に2種類の税金がかかる

建て替え時にかかる税金は、不動産取得税だけではありません。

その他にも、不動産取得税と同様に建て替え時に1回のみ納税する税金がありますので、把握しておきましょう。

登録免許税について

新しい不動産を取得した際にかかるもう一つの税金が、登録免許税です。

登録免許税について解説していきます。

住宅や土地の所有者を示すための登録免許税

建て替えをした時には「この不動産の所有者は私です」の旨を、公的に示す必要があります。

登録免許税とは、この手続きの際に国に納める税金のことです。

登録免許税は登記の種類別に税率が異なる

登録免許税の計算も、不動産所得税と同様に「固定資産税評価額×税率」の計算式で求めます。

登記の内容にはいくつかの種類があり、それぞれ税率が異なります。

建て替えで新築を建てた場合は“住宅用家屋所有権保存登記”と呼ばれ、税率は0.4%です。
「登記免許税=固定資産税評価額×0.4%」

土地の所有権が自分に移った場合は“所有権移転登記”と呼ばれ、税率は2.0%です。
「登記免許税=固定資産税表価額×2.0%」

住宅ローンを借り入れた場合は“抵当権設定登記”と呼ばれ、税率は0.4%です。
「抵当権設定登記=借入額×0.4%」

住宅用家屋所有権保存登記 固定資産税評価額×0.4%
所有権移転登記 固定資産税評価額×2.0%
抵当権設定登記 借入額×0.4%

なお、新築で固定資産税がまだつけられていない場合、法務局で認定した課税標準価格に税率をかけます。

手続きは新築の引き渡し時に司法書士が行う

登録免許税の手続きは、原則として建物の引き渡しの際に行われます

引き渡しは、金融機関の一室に関係者が集まり決済も同時に行われるのが一般的です。
登記手続きは、この決済の後で場所を法務局に移して行われます。

登記手続き自体は、司法書士手数料を支払い行って頂くので、所有者は何もしなくて大丈夫です
なお、手数料の相場は5万円~10万円前後です。

軽減措置は現在は無い

登録免許税額の軽減措置は、現在はありません。
土地は令和元年3月31日、建物は令和2年3月31日で期日が終了しています。

印紙税

これまでに挙げた税金とは納税方法が大きく異なりますが、印紙税について解説していきます。

印紙税=収入印紙代

印紙税とは、簡単に言うと収入印紙代です。
ある一定以上の金額の経済取引について税を課すために、その契約書や領収書には規定の金額の収入印紙を貼る必要があります。
その収入印紙の購入代金が印紙税です。

建て替えにかかる印紙税は下記の3つです。

  • ローン契約の際の“融資契約書”
  • 解体工事の際の“解体工事請負契約書”
  • 新築住宅を建てる際の“建設工事請負契約書”

建て替えの場合、契約金額が数千万円単位と高額になります。
つまり、印紙税も高額になりますので、把握しておきましょう。

印紙税にも税額の軽減措置がある

建て替えにかかる印紙税の中でも建設工事請負契約書に関しては、令和4年3月31日までに作成されるものについては、軽減措置を受けることが出来ます

契約金額が100万円を超える条件がありますが、建て替えの場合はこの要件はほぼ間違いなく満たすでしょう。

建築価格別の印紙税額

印紙税の金額は、住宅の建築価格によります。
ご自身の建て替えにかかる費用と照らし合わせてご覧ください。

建設工事請負契約書 本則税率 軽減後の税率
500万円~1,000万円以下 1万円 5千円
1,000万円~5,000万円以下 2万円 1万円
5,000万円~1億円以下 6万円 3万円

建て替え完了後から毎年かかる2種類の税金

ここまで、建て替え時に1度だけかかる税金をご紹介してきましたが、毎年かかる税金もあります。

毎年かかる固定資産税と都市計画税

新しい不動産を取得すると、固定資産税都市計画税の2つの税金が、毎年かかります

それぞれ意味合いが異なりますので、解説していきます。

固定資産税とは?

所有している土地や住宅などの不動産のことを、固定資産と言います。

固定資産税は、毎年1月1日現在の固定資産の所有者に対し、その固定資産の価格をもとに算定される税額を、市町村が課税する税金です。

都市計画税とは?

都市計画税は、道路や上下水道の整備など、都市計画事業又は土地区画整理事業の費用に充てることを目的として税金です。

固定資産税と都市計画税の計算方法

固定資産税の税率は、原則として1.4%です。
固定資産税の計算は下記の計算式から求めることが出来ます。
「固定資産税=固定資産税評価額×1.4%」

例)固定資産税評価額が1,500万円の住宅の場合
1,500万円×1.4%=21万円

都市計画税の税率は、市区町村によって変わり、上限を0.3%として計算されます。
都市計画税の計算は下記の計算式から求めることが出来ます。
「都市計画税=固定資産税評価額×0.3%」

例)固定資産税評価額が1,500万円の住宅の場合
1,500万円×0.3%=4万5千円

固定資産税と都市計画税にも軽減措置が適用される

固定資産税と都市計画税にも、それぞれに軽減措置が適用されます。

下記の一覧表にまとめましたので、計算の際は該当する軽減措置を当てはめて頂ければと思います。

固定資産税 都市計画税
新築住宅(戸建て) 3年間、固定資産税額の1/2を減額 減額なし
小規模住宅用地 固定資産評価額×1/6 固定資産評価額×1/3
一般住宅用地 固定資産評価額×1/3 固定資産評価額×2/3

住宅に関しては令和4年3月31日まで新築であることが条件になっています。

また、住宅1戸につき200㎡までの土地を小規模住宅用地と言い、それ以外が一般住宅用地です。

毎年4月~6月に届く納税通知書で支払う

固定資産税と都市計画税は、不動産を所有している限り毎年払い続けなければなりません

納税通知書が届いたら、同封されている納付書を使用して記載されている金額を支払います。
年4回の分割払いが一般的です。

まとめ

建て替え時に必要な不動産取得税とその他の税金について、金額や手続きの方法がお分かり頂けたかと思います。

計算には固定資産税評価額を用いるので、正確な金額は建て替え完了まで知ることはできないのが現状です。
しかし、各税金の税額はいくらくらいなのか、例をあげてご紹介しましたので、参考になさってください。
また、それぞれの税金には軽減措置があり、適用されれば、そこまで高額な税金を支払うことがなくなります。

土地や不動産の大きさなどによって金額は変動しますので、大まかな数値が分かるようであれば、ご自身で計算してみましょう。