子どもたちへ贈る家づくり、建て替え時の相見積りのすすめ

家族との相談

ライフスタイルの変化は、建て替えの一つのタイミングです。

親元をはなれていた息子が、両親の老後を気づかって、いっしょに暮らすことになった。
結婚することになった娘が、安心に子育てをするため、住み慣れた我が家に戻ってきた。

子どもたちの成長をともに見守ってきた我が家も歳をとり、新しい世代にバトンタッチをするときがやってきます。
子どもたちへ新居を残してあげたい、このように考えている方も少なくないでしょう。

しかし、新居は、けっして安い買い物ではありません。
本記事では、建て替え費用の相場や内訳をご紹介しています。
また、見積もり時の注意点も載せておりますので、あわせてご参考にされてください。

建て替え費用の相場は、建て替えの工法によって変わる

まずは、建て替え費用の相場を確かめてみましょう。

住宅面積(床面積) 建設費(土地代なし)
30坪 2,653万円
38.36坪(全国平均) 3,392万円
40坪 3,537万円
50坪 4,421万円
参考 フラット35利用者調査:住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)フラット35利用者調査:住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)

たとえば、30坪の新居に建て替えるときは、約2,650万円が相場になっています。

1坪ってどのくらい

1坪(坪数) = 3.31㎡(平米数) = 約2畳(畳数)

ただし、建て替え費用は、建て替えの工法によって変わり、工事に手間がかかるほど高くなります。
一般には、木造<鉄骨造<RC造(鉄筋コンクリート造)、といった順序で高くなる傾向にあります。

一戸建てなら、木造がおすすめ

高温多湿の日本では、古くから木造住宅が建てられてきました。

木造住宅は通気性に優れており、建て替え費用も安く抑えられます。
現在の建築基準法では、厳しい耐震基準がもうけられているので、倒壊の不安もありません。

一戸建てでしたら、木造住宅の割合は、88.5%にのぼります。

参考 住宅関連産業について(国土交通省)https://www.mlit.go.jp/common/001098411.pdf

ちなみに、木造は、木造軸組工法(在来工法)とツーバイフォー(2×4)工法といった2つの工法があります。

木造軸組工法とは

木造軸組工法とは、柱や梁を組み立てる工法であり、日本での伝統的な工法になります。

木造軸組工法は、柱や梁で建物を支えるので、将来的に間取りを変更しやすいといったメリットがあります。

ツーバイフォー工法とは

ツーバイフォー工法とは、工場であらかじめ2インチ×8インチの角材と合板をつくり、現場でこれらを組み合わせて、柱や梁の代わりにする工法です。

ツーバイフォー工法は、建物が箱型に組まれるので、耐震性が高まるといったメリットがあります。

建て替え費用はこうして決まる、内訳を解説します

建て替え費用の内訳

建て替え費用は、本体工事費、付帯工事費、諸費用といった3つの費用から決まります。
さきほどの相場は、あくまでも本体工事費のみを指しています。
実際の費用は、付帯工事費や諸費用もかかりますので、予算を組まれるときはご注意してください。

建て替え費用の割合は、本体工事費70%付帯工事費20%諸費用10%程度になります。

建て替え費用の割合

本体工事費 : 付帯工事費 : 諸費用 = 70% : 20% : 10%

本体工事費とは

本体工事費とは、新居本体の建築費用のことです。

本体工事費は、坪単価に坪数をかけて計算します。
建物本体の材料費や人件費が含まれています。

付帯工事費とは

付帯工事費とは、本体工事費以外の工事費のことです。

新居本体の工事とはべつに、解体工事や仮設工事が必要になります。

付帯工事費の種類 金額の目安
解体工事費 100~200万円
地盤調査費 3~8万円
地盤改良費 100万円
屋外排水、電気、ガス工事費 75~120万円
仮設工事費 20万円
外構工事費 50~150万円
インテリア工事費 100~200万円

まずは古家の解体から、解体工事費について

解体工事費とは、古家を解体するときにかかる費用のことです。

解体工事費も、古家本体の解体費用である本体工事費と、本体工事費以外の費用である付帯工事費がかかります。
以前に、解体工事に関する記事も書いておりますので、あわせてご参考にされてください。

参考 木造住宅の解体費用と相場のまとめ - 解体工事の情報館解体工事の情報館
解体工事は分離発注して、費用を節約する
建て替え工事は、解体工事と新築工事にわけられます。
解体工事を、解体業者さんへ直接に依頼することを、分離発注と呼びます。

ハウスメーカーさんや工務店さんへ一括発注すると、解体業者さんを紹介するときに中間マージンが発生します。
しかし、分離発注であれば、ご自身で解体業者さんを探す手間はかかりますが、中間マージン分の費用を節約することができます。

震災にそなえる、地盤調査費と地盤改良費について

地盤調査費とは、地盤がどのくらいの重量に耐えられるのかといった地耐力を調査するときにかかる費用のことです。

地耐力が弱いと、地盤が沈下して家が傾いてしまい、ドアが閉まらないといった日常生活への支障がでてきます。

これまで古家が建っていた敷地内であっても、まったく同じ位置に新居を建てるわけではありませんから、地盤調査が必要になります。

参考 建替え前に必要な地盤調査とは?地盤調査の内容と注意点 - 解体工事の情報館解体工事の情報館

そして、地盤調査の結果、地耐力が弱いと判定された場合は、地盤の改良工事が必要になります。
このときにかかる費用のことを、地盤改良費と呼びます。

ライフラインをつくる、屋外排水、電気、ガス工事費について

お住まいで、水道や電気、ガスを使えるようにするためには、配管や回線の引込工事が必要になります。

工事には欠かせない、仮設工事費について

仮設工事費とは、足場や養生、仮設トイレといった工事中に必要な設備をもうけるときにかかる費用のことです。

養生費とは
養生費とは、工事の途中でできあがった床や壁に、シートをかぶせて、傷やペンキの付着を防ぐときにかかる費用のことです。

新居のお庭づくり、外構工事費について

外構工事費とは、カーポートやお庭といった建物の外周りを工事するときにかかる費用のことです。

外構は、カーポートやフェンスといった機能的なものから、お庭やテラスといった嗜好的なものまで、さまざまな種類があります。
デザインや位置によっても、お住まい全体の印象ががらりと変わりますから、あらかじめ予算に組みいれておきましょう。

空間をデザインする、インテリア工事費について

インテリア工事費とは、その名のとおり、室内にインテリアを取りつけるときにかかる費用のことです。

いまある家具や照明を、新居でも引きつづき使うのであれば、インテリア工事費を抑えることができます。
ですが、カーテンのように、窓の大きさが変わると、寸法がずれてしまい使えないものもあります。

諸費用とは

諸経費とは、本体工事費や付帯工事費といった工事費以外のすべての費用のことです。

諸費用の種類 金額の目安
住まい関連 120万円
登記関連 25万円
税金関連 20万円
ローン関連 50万円
保険関連 40万円
儀式関連 15万円

建て替え中の借り暮らしにあたって、住まい関連の費用について

建て替え中に一時的に暮らすアパートやマンションの賃料や、引っ越し費用が必要になります。

賃料は、短期賃貸借になるので、割高になる傾向にあります。
建て替えは、早くても半年程度はかかりますので、しっかりと準備しておきましょう。

また、引っ越し費用も、古家から仮住まいへの引っ越しと、仮住まいから新居への引っ越しの2回分の費用がかかります。
少しでも引っ越し代を抑えたい方は、以下の記事も、あわせてご参考にされてください。

参考 荷物の一時保管は引越し業者へ…建て替えの引越し費用を安く抑えよう | コノイエコノイエ

役所での手続が義務づけられる、登記関連の費用について

建て替えにあたって、建物滅失登記、建物表題登記、所有権保存登記、抵当権設定登記といった4つの登記をします。

登記の種類 意味
建物滅失登記 解体後に、建物がなくなったことを示すために行う登記
建物表題登記 新築後に、所在地や床面積といった新居の物理的な状況を示すために行う登記
所有権保存登記 建物表題登記後に、新居の所有権を示すために行う登記
抵当権設定登記 ローンを組むときに、貸主の抵当権を示すために行う登記

このうち、建築基準法で登記を義務づけられているものは、建物滅失登記建物表題登記だけです。

しかし、所有権保存登記は、新居の所有権を公示する機能があるので、登記をしないと、将来的にトラブルに発展するケースも少なくありません。

抵当権設定登記も、ローンを組むときは、新居に抵当権を設定するのが普通ですので、登記をしないと、融資を受けることができません。

登記は自分で行って、費用を節約する
建物滅失登記と建物表題登記は土地家屋調査士さんに、所有権保存登記は司法書士さんに代行してもらうことができます。
しかし、法務局へ書類を提出して、ご自身で登記を行れば、代行依頼分の費用を節約することができます。

やはり気になるところ、税金関連の費用について

建て替えにあたって、登録免許税、不動産取得税、印紙税といった3つの税金がかかります。

税金の種類 意味
登録免許税 所有権保存登記と抵当権設定登記を行うときに課される税金
不動産取得税 購入や建築によって、新たに土地や建物を取得するときに課される税金
印紙税 工事請負契約書やローン契約書といった一定の書面を作成するときに課される税金

税金について詳しくお知りになりたい方は、べつに記事を書いておりますので、あわせてご参考にされてください。

参考 マイホーム建替えでかかる税金は?建替え時の固定資産税はどうなる? | コノイエコノイエ

まとまった資金を確保する、ローン関連の費用について

高額な建て替え費用を、ご自身の預貯金のみで支弁できる方はほとんどいません。
そこで、住宅ローンを組んで、金融機関から融資を受けることになります。

また、住宅ローンは新居が完成してからでないと組めませんから、それまでの資金はつなぎ融資を受けることになります。

リスクマネジメントの基本、保険関連の費用について

建て替えにあたって、団体信用生命保険、火災保険、地震保険といった3つの保険にはいります。

保険の種類 意味
団体信用生命保険 ローン契約者がローンを返済できなったときにそなえる保険
火災保険 新居が火災したときに備える保険
地震保険 新居が被災したときに備える保険

ほとんどの住宅ローンでは、団体信用生命保険火災保険への加入が求められます。

工事の安全を祈願する、儀式関連の費用について

古家を解体するときは、これまで見守ってくれた家の守り神に感謝を伝える、解体清祓を行います。

新居を建てるときも、工事に着手するまえには、工事の安全を願って地鎮祭を行い、骨組みが完成すると、新居の完成を願って上棟式を行います。

相見積もりによって、希望に優先順位をつけてみる

新居の希望

建て替えを始める前に、複数の業者さんから、相見積もりをもらうことは鉄則です。

各見積もりを比べれば、建て替え費用の見通しをつけることができます。
そのためには、同じ条件で、見積もりを依頼するようにしてください。

じつは、相見積もりの意味は、これだけではありません。

細部にまでこだわれば、建て替え費用は青天井で高くなりつづけます。
しかし、用意できる予算には、もちろん限界がありますよね。
ですから、見積もりの内訳を参考にしながら、これから暮らす新居に欠かせない、ご自身やご家族にとってゆずれない希望を考えてみてください。

希望をしっかりと伝えれば、業者さんにとっても新居をイメージしやすくなるので、最適なプランを提案してもらうことができます。

まとめ

家族

建て替え費用がどのようにきまっているのかはわかりましたでしょうか。
まずは、複数の業者さんから、相見積もりをもらうところから始めてみましょう。

ぜひ、世代をこえて長く愛される、居心地が良い家づくりを考えてみてください。