戸田晃建築設計事務所

笑顔でインタビューに応じる戸田様

おじいちゃん、おばあちゃんが住んでいたお家に入ると、何か包み込んでくれるような感じがしますよね。
もし建て替えが必要だとしても、温もりや優しさの感じられるお家を全部壊してしまうのは忍びないものです。せめて、お家の一部だけでも残せたら嬉しいと思いませんか?

東京都八王子市にある戸田晃建築設計事務所さんに新築をお願いすると、建て替え前のお家で使われていた部材を新築に使ってもらえます。
「ご家族の思い出を次世代に引き継いでいただきたい」という想いがあるからです。

そこで、今回は戸田晃建築設計事務所さんを訪問して、代表の戸田様にインタビューしてみました。戸田晃建築設計事務所さんがどのような想いでお家をつくっていらっしゃるのか、ご紹介いたします。

庭を活かして、外にある自然と接点がもてる家をつくる

家の中から眺める中庭

スタッフ

戸田様が独立されたのは、いつごろですか?

戸田様

1991年に33歳で独立しました。ですから、2020年で29年目になりますね。

スタッフ

もう独立してから30年近くにもなるのですね。
何がきっかけで、建築を始めようと考えたのですか?

戸田様

建築に興味をもったきっかけは、24歳のときに経験した4ヶ月間にわたるヨーロッパ旅行ですね。
若いころは絵を描いていましたが、それで食べていくのは難しいと感じたんです。それで、ヨーロッパでバックパッカーをして、商売のヒントを探しました。

戸田様

美術館を100軒以上回って美術作品をひたすら見て回るうちに、だんだんと絵とリンクしてきたのが建築でした。それで、絵と同じようにペン1本で表現できる建築家になろうと決めたんです。

スタッフ

建築と絵には、どんな共通点があったのでしょうか?

戸田様

全体の構成が似ているんです。
絵は中心となるモチーフと周りにある余白が一緒になって生まれます。建築も同じで、中心となる家と周りにある庭が一つの空間なんですよ。

スタッフ

建築を考えるのは、キャンバスに描いていく感覚に近いんでしょうか。

戸田様

そうですね、近いと思います。
絵にとって余白は重要です。モチーフだけあっても、絵は成り立ちません。
なので、余白である庭について、早い段階から注目するようになりました。余白の重要性を知っていたからこそ、家と庭を一体として考えられたんです。

戸田様

ちなみに私の家には中庭があり、庭を取り囲むように家が建っています。そう設計したのは偶然ですが、おかげですぐに庭という空間がもつ重要性に気付くことができましたね。

中庭に生える木々

スタッフ

庭がもつ重要性とは何でしょうか?

戸田様

庭は建築の一部でありながら、自然の一部でもあるという点です。
庭を見ていると、春に花が咲き誇って、夏に草木が生い茂り、秋に紅葉に変わって、冬に枯れて雪が積もります。鳥や蝶もやってきて、私たちを楽しませてくれるんです。

スタッフ

自然に触れられると、心が安らぎますからね。
できれば、自然に癒されながら日々を過ごしたいです。

戸田様

自然と接点がもてる生活は良いものですよ。
お客様にも、家にいながら自然を楽しんでいただきたいと思います。

古くても良い部材は、ご家族の思い出とともに新築に取り入れる

デスクでパソコンに向かう戸田様

スタッフ

24歳のヨーロッパ旅行がきっかけで、建築家になろうと決めたのですよね。
建築の勉強は、いつから始められたのですか?

戸田様

日本に帰ってきてからすぐです。25歳になっていましたね。
当時は何のツテもありませんでしたから、まず建築の学校に通い始めました。

スタッフ

25歳から勉強を始めたとなると、他の建築家さんと比べてかなり出遅れてしまった感じがします。それでも今日までやってこられたのは、なぜでしょうか?

戸田様

古いモノと新しいモノの融合を意識して建築を考えていたからではないでしょうか。
私はアンティークをはじめ、使い込んだものが大好きなんです。だから、古い部材を建築に活かせる方法を提案しつづけてきました。
それが、結果的にパワービルダーなど他社との差別化につながったんだと思います。

スタッフ

今でこそリフォームなどが少しずつ浸透してきましたが、30年近く前のバブル期だと使い捨てが当たり前だったでしょうからね。

戸田様

その通りです。ただ残念ながら、日本では今でも使い捨てを前提に家が建てられていますよ。古い部材を活かすという私の取り組みは、今日にいたるまでメディアに取り上げられるほど珍しいみたいですからね。
一方で、昔の家は築100年といったように長持ちなのが面白いところですよね。

スタッフ

そう言われると、築何十年といった古民家は意外と珍しくありませんよね。住宅以外にも、古いお寺や神社が数多く残っている理由は気になります。
なぜ古い建物は長持ちなんでしょうか?

戸田様

やっぱり良い部材を使っているからでしょう。古い建物に使われている部材は、みんな無垢材でできていますからね。
無垢材とは?
無垢材とは、一本の木から切り出し、ほぼ加工を施さない天然の木材を指します。
強度が高く、吸湿効果や消臭効果など機能面に優れるほか、自然の香りを楽しめる、時間が経つほど風味が増していくといった特長があります。
参考 無垢材(むくざい)とはコトバンク

戸田様

解体工事中の古い家を見ていると、良い部材を使っているな、と思います。
しかも、古い部材にはご家族の思い出が詰まっているでしょうから、捨ててしまうのは本当にもったいないですよね。

スタッフ

築何十年と経っていれば、おじいさんやおばあさん、その上の世代を含めたご家族みんなの思い入れが強いはずですよね。

戸田様

そうなんです。だから、私は今まで使ってきたものを一つでも多く次の世代につなげていきたいと思っています。一つ一つの部材に物語があるので、なるべく大切に残したいんです。
金額面を考えると全部残すのは難しいですが、何よりも気持ちが大事です。建て替えるのなら、古い建具は再利用できないか、壁材や床材は新築で張り直せないか、できる限り考えたいですね。

戸田様が取り上げられた雑誌

戸田様

ただし、古い部材を使うのは大変な仕事です。むしろ、一からつくり直す方が楽なくらいですからね。

スタッフ

古い部材は、どんなところが扱いにくいのでしょうか?

戸田様

築何十年も経つような古民家の部材は、存在感が圧倒的なんです。下手をすると、新築にまったく馴染まないかもしれません。

スタッフ

新築の中で、古い部材だけが妙に目立ってしまう可能性があるのですね。

戸田様

そうなんです。
また、無垢材は暴れ馬みたいに癖が強いんです。湿気や木目によって、いろんな収縮や膨脹を起こすので、特徴を熟知していないと建物全体に悪影響を及ぼしかねないんですよ。

スタッフ

なるほど、古い部材は扱いが難しいのですね。

戸田様

考えもなく新築に古い部材を使ったら、絶対に失敗します。いくら古い部材を捨てるのがもったいないといっても、お客様の家を住みづらく違和感を覚える住宅にするわけにはいきません。
ですから、古い部材を使うには、プロの目線で選択して家に合うように調整する必要があります。

スタッフ

戸田様はどんな工夫をしているのですか?

戸田様

仲間とチームを組んで対応しています。設計の力だけでは解決できませんから、使える部材の見極めなどは仲間の力を借ります。私は仲間に恵まれているからこそ、古い部材を扱えるんですよ。

スタッフ

戸田様がそこまでして古い部材を使うのはなぜですか?

戸田様

やっぱり、お客様に「家族の思い出を引き継いでくれたのが嬉しかった」と言っていただきたいからです。その言葉を聞けるのが、本当に嬉しいんですよ。

戸田様

圧倒的な存在感に負けず、無垢材特有の癖とも戦いながら、古い部材を新築に取り入れていくのが私の使命だと思っています。
どんな部材が出てくるのか、どうやって部材が使われてきたのかを想像するのは楽しいですし、お客様に喜んでいただけるとやりがいを感じますね。

愛着に応えられる、次世代に受け継がれるお家をつくる

白を基調としたお家の外観

スタッフ

戸田様は、どんなお家をつくろうとお考えですか?

戸田様

お客様の愛着に応えてくれる家をつくりたいですね。アンティークのように、キズも愛着になるような家づくりがしたいです。

スタッフ

お客様の愛着に応えられる家とは、どのようなお家でしょうか?

戸田様

30年40年経ってもお客様に使い続けていただけるような、長持ちする家ですね。
外国では手を加えずに部屋全体をそのまま使ったり、家屋をキレイに保存してから再び流通させる仕組みがあったりします。何十年前の物件であっても、メンテナンスして使いつづけているんです。

戸田様

一方で日本では、使い捨てを前提に住宅が建てられています。だから、アンティークとして残る家は、ほとんどないでしょうね。

スタッフ

長持ちする家でないと、愛着が湧いても住めなくなってしまいますよね。

戸田様

その通りです。アンティークは良いモノだから残るんですよ。私はアンティークとして残る家をつくりたいんです。そんな家だけが、お客様が愛着をもって何十年も住みつづけられる家として残ります。

白を基調とした内装

スタッフ

どうやったら長持ちする家をつくれるのでしょうか?

戸田様

住み手が創意工夫でカバーできるように、修理のしやすさを意識してつくれば長持ちする家になります。
昔の車なんかは構造が分かりやすいうえ部品も用意しやすいから、自分で修理できるんです。だから、昔の車は今でも残っているんですよ。
家も車と同じです。シンプルな部材を使って建てればメンテナンスが簡単になるので、長持ちする家になるはずです。

スタッフ

なるほど。たしかに、簡単で扱いやすいものほど、気が付くと長年使っていたりしますからね。

戸田様

私は、機械仕掛けの時計を修理して使いつづけています。その時計ならではの音の良さがあるから、古くなっても大事にしているんですよ。
だから家についても、代々受け継ぐ日本の良さを思い出してもらえるようにつくりたい。建て替えた方が楽だとしても、お客様があえてそのまま残したいと思える家を私はつくりたいんです。

まとめ

戸田晃建築設計事務所の文字

戸田様の事務所兼ご自宅は、どこか秘密基地のような遊び心にあふれています。
デスクのかたわらにロードバイクを置き、休日はバイクに乗って八王子から奥多摩、相模湖、湘南、三浦半島へと出かけるそうです。

お家と趣味との間には、深い関係があります。
余暇の過ごし方や何を好むかといった感覚は、趣味によって変わり、お家のカタチを変えるからです。

ですから、戸田様は「ぜひ家づくりを楽しんでいただきたい」とおっしゃいます。
あなたが心のままに思い描いたお家こそ、あなた自身にぴったり合ったお家になるのです。

戸田様は、キャンバスに絵の具をのせて描くように、お家にお客様の想いを込めて設計します。
これからお家を建てようとお考えの方は、戸田晃建築設計事務所さんと一緒に理想のお家を描いてみませんか?

会社名 戸田晃建築設計事務所
代表者名 戸田 晃
住所 〒192-0902
東京都八王子市上野町64番地
電話番号 042-626-7690
公式HP http://www14.plala.or.jp/akiratoda/
営業時間 9:00~17:00
主な業務 建物企画・設計
対応エリア 全国