andfujiizaki一級建築士事務所

藤井さんと井崎さん

地方の過疎化・高齢化が進行している昨今の日本においては、空き家の増加が問題視されています。
そんな中で注目を集めているのが、空き家となった古民家を改修し、宿泊施設として再生する動きです。

東京都中央区にあるandfujiizaki一級建築士事務所さんは、藤井千晶さんと井崎恵さんがお二人で運営されている設計事務所です。
お二人は東京に拠点を置き注文住宅の設計を手掛ける傍ら、新潟県佐渡島(さどがしま)にて空き家を改修し宿泊施設を運営する活動をされています。

andfujiizaki一級建築士事務所さんのお二人がお仕事で大切にしている想いを、インタビューにてお伺いしてきました。

そこにいるだけで季節の移り変わりを感じられる家をつくりたい

スタッフ

andfujiizaki一級建築士事務所さんは、藤井さんと井崎さんの共同主宰ですよね。
お二人はもともとお友達か何かだったのでしょうか?

井崎さん

私たちは理科大の建築学科の同級生で、学生時代から設計課題を一緒に取り組んだりしていました。
卒業後の就職先も一緒だったんですよ。私が学生の時にアルバイトをしていた設計事務所に藤井を誘って、二人ともその設計事務所に就職したんです。
そこに6年半勤めた後、二人で独立しました。

スタッフ

学生時代からの仲なんですね!
設計に対する想いやこだわりも、お二人は同じなのでしょうか?

藤井さん

そうですね。
ホームページに「家づくりについておもうこと」というコンセプトが書かれたページがあるのですが、それは独立したときに二人で一緒に考えたもので、今でもずっと貫いています

スタッフ

ホームページ、拝見しました。
「心地の良い空間をつくりたい。」というコンセプトが、とても素敵だなと思いました。

藤井さん

ありがとうございます。
自然の中に身を置くことを「心地良い」と感じる人は、多いと思います。日を浴びたり、風を感じたり。
私たちは、そういった感覚が生活の中に当たり前にあるような家をつくりたいと思っています。
つまり、そこにいるだけで季節の移り変わりを感じられる家です。

藤井さん

でも、それが全ての人にとって心地良い空間であるとは限らないとも思っています。
なので、きちんとお話をして「この人にとっての心地良さは、こういうことなんだな」ということを感じ取って、その人に合わせた家をつくっていきたいです。

インタビュー中のお二人。
仲の良さが伝わってきました。

スタッフ

「自然を取り入れたい」という想いをベースに持ちつつも、最終的には住み手に合わせた家をつくる。
すごくバランスの取れたコンセプトだと思います。
お施主さんとの打ち合わせは、どのくらいされますか?

井崎さん

基本設計2回、実施設計2回、が基本です。
ですが「やっぱり、もう少し打ち合わせしましょう」と、何ヶ月もかかる方もいらっしゃいます。
逆に、初回からお施主さんのツボにはまれば「これでいきましょう」と、打ち合わせが少なくなることもあります。

井崎さん

打ち合わせとは別で、食事をしながらざっくばらんにお話する時間を取ることもあります。「ご飯行きませんか?」という感じで。
緊張感をもった状態での打ち合わせでは、お施主さんが「何にこだわっているのか」が、分からないことがあるんです。
でも、食事をしながらお話しすると「そういう風に考えていたんですね!」「じゃあ、こうしましょう!」と、考えていることがよく分かるんです。
工事の直前になって「やっぱりこうだった」ということがないよう、早い段階でお施主さんが本当に考えていることを知ることが大切だと思っています。

地域活性化で大切なことは、外からの目線で魅力を伝えること

スタッフ

お二人は、新潟県の佐渡島(さどがしま)で地域活性化のお仕事をされていると伺っております。
空き家となった古民家を改修して、島外の方々が宿泊できるような宿を運営されていらっしゃるとか。
ですが、その場所としてなぜ佐渡島をお選びになったのでしょうか?

藤井さん

きっかけは、大学の同級生が佐渡市の市議会議員に当選したことです。
その同級生は「空き家の改修で佐渡島を元気にする」という考えを持っていて、私たちもその考えに賛同していました。
当選のお祝いのため佐渡島に行った際に、佐渡島を案内してもらったり色んな人を紹介してもらったりして、自然の心地良さや人の温かさを感じたんです。
それで、すっかり佐渡島の虜になりました。

スタッフ

東京では感じることの出来ない「心地良さ」がありそうですね。
ところで、お二人は東京にいながら、どうやって遠方にある宿の運営をされているのでしょうか?

井崎さん

私たちの運営する宿は佐渡島の松ヶ崎という集落にあるのですが、集落のお母さんたちを中心に「空いてる時間に宿のお手伝いしてもらえませんか?」と声をかけさせてもらっています。
そうやって、現地にいる方々にアルバイトとしてご協力頂きながら、宿を運営しています。
佐渡ヶ島の宿

お二人が運営されている、佐渡島の宿の外観です。

スタッフ

なるほど。現地の方々が手伝ってくださってるんですね。
松ヶ崎という集落は、どのような場所なんですか?

藤井さん

松ヶ崎は、島内でも古い歴史のある湊街で、家々の玄関先には古民具や屋号看板を掲げていたりと、タイムスリップしたような雰囲気のある街並みを楽しめる集落ですが、およそ100世帯あるうちの半数が空き家という、いわゆる限界集落でもあります。
宿ができたことに対して地元の方から「嬉しい」という声が聞こえてくると、私たちもとても嬉しいです。

スタッフ

こんなに素敵な宿ができて、集落の皆さんは本当に嬉しいでしょうね。
この松ヶ崎という集落では、お二人の名前は知れ渡っているのでしょうか?

井崎さん

ご存知ない方もたくさんいらっしゃると思います。
この宿の名前は「カネモ」といって、改修したお家のもともとの屋号を使わせて頂いてます。
なので、私たちの名前を知っているというよりは「カネモの宿をやってる東京の女性2人組」という印象の方々が多いかもしれませんね。
でも、私たちが松ヶ崎に行くと「おかえりー!」と声を掛けてくださったり、本当にみなさんよくしてくださるんですよ
すごく居心地が良いんです。

スタッフ

佐渡島には、宿以外のお仕事もあるのでしょうか?

藤井さん

いくつか設計の依頼をいただいています
例えば、こちらの住宅の改修では、時代を経て段階的に増築を繰り返し変形な形状となったLDKや混在する設備配管などが悩みの種でした。
そこで「ミニマムに直すもの」「もう少し直すもの」「さらに全体的に直すもの」の3パターンを提案したのですが、お話を伺っていくうちに「ついでにロフトもつくりたい」「やっぱりロフトじゃなくて2階をつくりたい」とご要望が膨らんでいき、結果的には大規模なリフォームになりました。
リフォームの施工事例

お話に出てきた住宅の改修後のお写真です。

スタッフ

素敵な家になりましたね。佐渡島の皆さんも、東京からお二人のような建築家が来てくれることで、助かることも多いと思います。
実際にお二人が地域活性化のお仕事をされてみて、感じたことはありますか?

井崎さん

地域活性化は、私たちのような外からの目線も役に立つのだということです
というのも、私たちが「いいな」と感じることに、地元の方々が気づいていないんです。
普段東京にいる私たちが感動するような綺麗な空や山や海は、皆さんにとって当たり前のことなんですよね。

藤井さん

とくに「星」に対しての感覚の違いにはびっくりしましたね(笑)
松ヶ崎は、夜は本当に真っ暗闇なんです。
だからこそ、見たこともないほど綺麗な星空があって、流れ星や天の川まで見れるのですが「星が見えるなんて当たり前」という感じなんです。
地元の方々からすると自分たちの住んでいる場所は「何もないところ」なのですが、本当は「魅力がたくさん詰まった場所」であることを外からの目線で伝えていけたらと思っています。

家づくりに住み手が関わることで、愛着や思い出を共有したい

事務所の写真

スタッフ

これから新築の家を建てようとお考えのコノイエの読者に、お二人からアドバイスをお願いします!

井崎さん

私は、住みながら手を加えたり、住み手も一緒につくれる家をつくるのがいいと思っています。
というのも、家は経年変化しますし、お子さんが汚したり傷めてしまうこともありますよね。
そうやって暮らし続けて行く中で「出来上がった時=完成」としてしまうと、家が変化していくことをマイナスに捉えてしまうと思うんです。
ですから、家づくりに関して「大工さんにつくってもらう」という感覚ではなく、「一緒につくっていく」という感覚を持って頂きたいと思います

井崎さん

例えば、住み手が自分たちでペンキを塗れば「ペンキはここで買えば良いんだな」というメンテナンスの方法が分かるようになりますよね。
家が変化したときに嘆くのではなく「次は色を変えてみようかな」とポジティブな気持ちになれたり、つくる過程で実際に触ることで愛着が湧いたりすると思うんです。
出来上がった時がゴールではないんですよ。
DIYをしている様子

住み手の方々が、ご自身でDIYをされている光景です。

スタッフ

確かに、自分たちで手を入れることは愛着に繋がりますよね。

藤井さん

松ヶ崎の宿をつくった時も同じことを考えていて、ワークショップという形で集落のみなさんにご協力頂いたんです。
空き家って、残念ながら忘れられてしまっている存在ですよね。
でも、例えばホコリを取る作業一つでも皆さんに関わって頂くことで、「みんなでつくった宿だ!」という愛着や思い出を集落の皆さんに共有していただけたらいいなと思ったんです。
DIYをしている様子

地元の方々にも、宿づくりにご協力頂いたそうです。

スタッフ

ただ「つくる」だけでなく「つくった後」のことまで考えてくださるなんて、さすがです。

藤井さん

あとは、家づくりの相談に行く前に「どんな家に住みたいか」ではなく「どんな生活をしたいか」ということを、思うままに箇条書きにしてみることが大切です
そこから派生して「こんな部屋が欲しい」と書いてもいいですし、前後関係がバラバラでもいいので、とにかく思いつくことを書くんです。
それを整理するのが私たちの仕事ですから。
ぜひ、お気軽に相談にいらしてくださいね。

値段感と坪単価

坪単価:木造70~100万円
    RC造100~130万円

まとめ

藤井さんと井崎さん

藤井千晶さんと井崎恵さんは、東京に拠点を置き注文住宅の設計を手掛けられる傍ら、佐渡島にて空き家を改修し宿泊施設を運営する活動をされています。

インタビュー中のお二人のお話からは、建築家としての枠を越え社会が抱える問題に向き合おうとする、高い志を感じました。

お二人に家づくりをお願いしたい方は、andfujiizaki一級建築士事務所さんにお問い合わせください。

会社名 andfujiizaki一級建築士事務所
代表者名 藤井千晶/井崎恵
住所 〒103-0006
東京都中央区日本橋富沢町4-5-1F
電話番号 03-3527-2678
公式HP http://andfujiizaki.jp/
営業時間 10:00~18:00
主な業務 注文住宅の設計
対応エリア 全国対応、佐渡市