忘蹄庵建築設計室

石灯籠と蹲(つくばい)と堀社長

良い素材や優れたデザインで形づくられたお家に憧れ、住みたいと思う方は多いでしょう。
ただ素材やデザインも大切ですが、心から安らげる空間こそお家にとって必要だとは思いませんか?

東京都文京区にある忘蹄庵(ぼうていあん)建築設計室さんは、和風建築や和と洋を融合した建築などを手掛けていらっしゃる事務所です。忘蹄庵さんは茶事も行っており、手掛けるお家にも茶室のような和の落ち着きが感じられるのが特徴です。

日本人にとって居心地の良いお家をお求めなら、茶室のような「和」の空間を取り入れるのがオススメです。
そこで、忘蹄庵建築設計室さんの家づくりについて、代表の堀様に伺ってみました。

和をベースにしつつ、洋のテイストも取り入れる

和洋折衷テイストの内装

スタッフ

忘蹄庵さんは、社名からも和風建築をウリにしていらっしゃると分かります。何がきっかけで、和風建築を手掛けようと思われたのでしょうか?

堀様

大学に在学中、様々な茶室を見たのがきっかけですね。大学4年のときに茶道部へ入って、週末ごとに各大学が他校を招いて開くお茶会に参加していたんです。
お茶会は寺・神社・美術館・博物館など、いろいろなところで開かれました。ですから、新旧さまざまな茶室を見られたのです。それで、数奇屋に興味をもつようになったんですよ。
数奇屋(すきや)とは?
母屋などとは別に建てられた、茶の湯を楽しむための建築物などを指します。「数寄屋」とも書きます。
参考 &Reno「数寄屋」とは何か?|誰でもわかるリノベ用語集

スタッフ

堀様は、もともと和風建築には興味があったのですか?

堀様

興味はありましたが、最初は近代的な建築物ばかり見ていましたね。でも、そのうち日本人にとって落ち着くものは何かを考えるようになり、だんだんと和の勉強も必要だと感じ始めたのです。

スタッフ

日本人なら、やっぱり日本の伝統的な建築物に落ち着きを感じますからね。

暖色系の内装のリビング

スタッフ

話はさかのぼりますが、いつごろから建築に興味を持ち始めたのですか?

堀様

子どものころから大工さんになりたいと思っていました。工作・ブロック・模型作りなど、ものづくりが好きな子供でしたからね。
ですから、ものづくりの延長で大学卒業後は工務店に就職しました。

スタッフ

就職された工務店さんは、どんな会社でしたか?

堀様

吉田五十八の流れをくむ工務店です。
吉田五十八(よしだいそや)とは?
近代から昭和を代表する、数奇屋を手掛けた建築家。吉田茂や岸信介など総理大臣経験者が住んだ旧邸宅のほか、イタリア・ローマのローマ日本文化会館、アメリカ・ワシントンの在米日本国大使公邸など、数々の建築作品を世に遺しました。
参考 おにわさん吉田五十八

堀様

工務店には7年間いて、現場監督を務めました。そのとき、資格が必要だったので建築士になったんです。
木造・鉄骨、住宅・店舗を問わず、さまざまな建物を手掛けましたね。和式住宅やお寺のほか、和風ではない建物も担当しました。

スタッフ

堀様ご自身が、工事に携わっていらっしゃったんですね。現場を熟知している設計士さんだと、お客様も安心できると思います。
ところで、洋風建築については工務店のお仕事として学んだのですか?

堀様

工務店でも学びましたが、主には工務店を退職したあとですね。アメリカやヨーロッパなど各国の建築を見学するために、3年かけて旅行したんです。
それまでは日本の建築ばかり見ていたので、他国の建築を見て回りたかったんですよ。光の取り入れ方、スケール感なんかも、現地で見た経験が活きています。

スタッフ

なるほど、洋風建築についても本物に触れながら学んでいったんですね。
ちなみに、いつごろから独立しようと考え始めたのですか?

堀様

実は、最初は独立しようとは考えていなかったんです。工務店での勤務はいろいろと経験する機会に恵まれていたので、やりがいもあったし楽しかったですからね。
でも、工務店側の人間として設計事務所の方と打ち合わせを重ねるうちに、自分で設計した建物ができあがっていくのを見てみたいと思うようになりました。それで、独立しようと決めたんです。

スタッフ

堀様が一番やりかったのは設計だったんですね。

お客様が求める、本物の和風建築を提供する

簾(すだれ)を通して屋内に差しこむ光

スタッフ

独立したてのころは、どんな依頼を受けましたか?

堀様

不思議な縁で、ちょうど私が独立したときに、お店をつくって独立したいという相談があったんです。
お客様は、よく私や私の両親が食べに行っていた料理屋さんに勤めていらっしゃった方でした。

スタッフ

そのとき、堀様に依頼した決め手は何だったんでしょうか?

堀様

日本料理屋なのに、そば屋みたいな感じになるのが嫌だったそうです。ほかのところに頼もうとすると、日本料理屋らしい感じが出ないと。
それで、試しに私がスケッチした図案をお見せしたら、これでお願いしますという話になりました。

スタッフ

日本料理屋とそば屋とでは、同じ和風建築とはいえないのでしょうか?

堀様

そば屋の和風建築、料亭の和風建築、それぞれに違いがあります。
たしかに一見すると似ているので、しっかりとした違いを出すためにはデザイン力と経験が必要になるんです。

スタッフ

和風建築の違いが分かる堀様だからこそ、受けられた依頼だったんですね。

堀様

和室や和風建築をこなすためには、細かい知識やルールをよく知っておく必要があります。
世間では単に畳が敷いてある部屋を和室とうたっているケースがよく見られますが、それは悲しいと思うんです。ですから心地よくて趣のある、真に日本的な雰囲気や空間を、私はお客様に提供したいと考えています。

中庭から見上げた空

スタッフ

今までで、特に印象に残っている依頼は何ですか?

堀様

茶室だけ残して建て直した依頼が印象に残っていますね。丁寧に解体しなければならなかったので、ちょっと大変でした。

スタッフ

部分的に残しながら解体工事をすると、手間がかかってしまいます。やはり費用がかさんだと思うのですが。

堀様

もちろん、部分残しをすると費用がかさみますよ、とは案内しました。ですが、すでにお客様ご自身でプランをつくっていらっしゃったんです。
それだけ思い入れの強い茶室なんだな、と思いましたね。

スタッフ

お客様ご自身でプランをつくるとは、驚きですね。

堀様

どういう生活がしたい、どれくらい荷物がある、その茶室をどういうタイミングで使いたいか、といったことはお客様のプランからよく伝わってきましたね。
住みやすさを考えると、お客様のプランにはだいぶ手を加える必要がありました。そこで、不便なところを解消できるように、なんとかプランを練り直していったんです。

スタッフ

堀様が一から考えるよりも、大変だったのではないでしょうか?

堀様

私はお客様の気持ちをくみ取りながら仕事をしていきたいと思っていますから。
どのご依頼にも、何かしらお客様の思い入れがあるんです。私としても、それぞれの依頼で得られるものがあるので、たとえ時間がかかってもムダにはなりません。
どういう新しい発見があるか、どうやってトラブルを解決していくか。楽しいし、やりがいを感じます。

スタッフ

お客様の気持ちを大切にしながら、設計に取り組んでいらっしゃるのですね。

堀様

どんな依頼でも、どうしたら最善な状態にできるかを考えています。
妥協が必要な場合でも、納得のいく落としどころを探す。それでも無理な場合は、一から考え直すこともあります。
どんなときも、どうやったらお客様の気持ちに応えられるのかを考え抜くことが大切ですね。

設計の力を通して、お客様に豊かな空間を提供する

和風建築の内装

スタッフ

お客様に対応するときは、どんなところに気を付けていらっしゃいますか?

堀様

要望をじっくり聞いて、何をどこまで望まれていらっしゃるのかを考えます。
相談しようと思った時点で、何かしら気になるコトがあるはずです。お客様が気にされているコトをきっかけに、求められているモノを考えるようにしていますね。

スタッフ

そうなると、やはり大事なのはヒアリングですよね。
何回くらい打ち合わせをされるんですか?

堀様

お客様によりますが、少なくとも5回くらいは行いますね。打ち合わせが10~20回以上にのぼったケースや、期間が1年以上にわたったケースもありました。
家は建ててしまうと取り返しがきかないので、お互いが納得するまで徹底に打ち合わせますよ。

スタッフ

ですが、打ち合わせが増えたからといって、料金を上げるわけにはいきませんよね?

堀様

もちろん料金は変えられません。
それでも、相談していただいた内容や求められるモノより、もう少し上の提案をしたいと思っています。お客様の満足が私の喜びになりますから、お一人お一人、すべてのお客様に満足していただきたいのです。

スタッフ

お客様の満足がやりがいにつながっているんですね。

堀様

はい。ですから、家づくりを楽しんでいるのはお客様だけではありません。私も楽しみながら設計しています。
お客様から「実はここにお金をかけたい」「ここが一番肝だ」といった要望があれば、私もどんどん最善を追求していきます。
お客様と一緒に材料を見に行ったりもしますよ。色々な提案ができると楽しいですからね。

椅子に腰掛ける堀社長

スタッフ

最後に、お客様に伝えたいメッセージはありますか?

堀様

お金をかけなくても良い設計ができる可能性はあるということですね。
お金をかければ良い設計がしやすくなるのは確かです。ただ、必ずしも良い設計にお金がかかるわけではないんです。

スタッフ

どういうことでしょうか?

堀様

たとえば、2畳の狭いスペースであっても、豊かな空間は十分つくれるんです。
ちょっと極端なケースですが、元があばら家だとしても、工夫しだいで居心地のよい豊かな家にできますからね。

スタッフ

堀様のお考えは、まさに茶室に通ずるモノがありますね。
設計の力を借りれば、豊かな空間をつくり上げられるのですね。

堀様

その通りです。
私は、設計を通して豊かな空間をつくり上げたい。設計を通してお客様に満足していただくことで、私も喜びを感じたいのです。

まとめ

忘蹄庵という名前は、古代中国の思想家である荘子(そうじ)の著書に由来するそうです。

「忘蹄」の意味するところは、目に見える現象よりも、内に秘められた本質の方が大切だということ。
茶道でいえば茶道具や所作よりも精神の方が、建築にあっては形よりも中身の方が、より重要なのです。

お家づくりに一番必要なモノは、良い素材や優れたデザインではなくて、住む方が本当に望む暮らしができるように考え抜かれた設計なのでしょう。
素敵な外観はもちろん、心から安らげる空間をお家に求める方は、ぜひ忘蹄庵建築設計室さんにご相談ください。

会社名 忘蹄庵建築設計室
代表者名 堀 紳一朗
住所 〒112-0006
東京都文京区小日向2-20-7
電話番号 03-5940-5712
公式HP http://bouteian.rer.jp/
営業時間 9:00~17:00
主な業務 建物企画・設計・監理
対応エリア 東京・神奈川・千葉・埼玉