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神奈川県横浜市に事務所を構え、建物の企画・設計・監理を手掛ける株式会社エルストさん。
代表の市村さんは住宅の設計において「お施主さんがどんな生活環境で育ってきたか」を聞き出す事を大切にされています。
育ってきた生活環境は無意識のうちに体に染みつき、お施主さんにとって一番心地良い空間となっていると市村さんはお考えです。
そんな市村さんが建築家を目指すことになったきっかけや家づくりで大切にしていることを、インタビューにてお伺いしてきました。
「絵を描くこと」と「ものをつくること」が好きだった
スタッフ
市村さんが建築家になろうと思ったきっかけは何ですか?
市村さん
小さい頃から「絵を描くこと」と「ものをつくること」が好きだったんです。
絵を描くことに関しては、幼稚園の時から絵画クラブに通い、小学生の頃には絵画のジュニア展に学校代表で出展していました。
市村さん
それと同時にプラモデルをつくることも好きで、当時流行っていたジオラマのプラモデルをよくつくっていましたね。
「ものをつくる」ということに興味をもったのは、ちょうど私が住んでいた地域が宅地開発で住宅をたくさんつくっていて、実際の現場を近くで見ていたからです。
スタッフ
幼少期の興味関心や得意だったことが、今のご職業に繋がっているんですね。
市村さん
はい、とくに絵は得意でしたね。
小学生の頃って体育館に児童の絵が飾られることがあると思うのですが、僕が授業で描いた絵が飾られたんですよ。
今までは5年生と6年生の高学年の絵が飾られていましたが、僕は3年生で初めての低学年だったんです。
スタッフ
3年生で飾られるなんて、同学年の皆さんが描いた作品とは明らかにレベルが違ったのでしょうね。
どんな絵を描いたんですか?
市村さん
そんなに素晴らしいレベルではありませんが友達の絵です。
その時の先生に「塗るんじゃなくて置いていくんだよ」という筆の使い方を教わったので、それを忠実にやったんです。
市村さんが小学3年生の時に描いた絵を拝見しました。
スタッフ
すごいですね。
それだけ絵がお上手だったのに、なぜ建築の道に進んだのでしょうか?
市村さん
中学校の頃は絵かきになろうと思っていました。
ただ歴代の絵かきを見ていると、描いた絵が何億円もの金額で取引されるのはみんな亡くなってからで、生きてるうちは何億円もの金額で取引されることはないんですよね。
それってどうなんだろうとか、そんな下らないことを考えていました。
市村さん
そんなことも考えつつ、中学3年生の時に写生大会の展示で、そこに「なんだこいつは!」という作品がありました。
あまりにも衝撃的だったので、よく覚えていますよ。
その絵を見て「天才というのはこいつのことを言うんじゃないか」と思いました。
それまで同級生の中で自分が一番だと思ってたのですが、そんな天才が身近に現れたので絵は辞めることにしたんです。
スタッフ
そんなことがあったんですね。
それまで頑張っていた絵を、なぜそんなにすんなり辞めることができたのですか?
市村さん
僕には、絵を辞めても「ものをつくる」という選択肢があったからです。
たまたま近所に設計事務所をやってる人がいて、その人はゼネコンの設計部長の時は海外視察によく行っていました。
なので、設計の仕事をやれば海外に行けるんだと子供ながらに勘違いしていたんです。
それで、最終的には建築の道に進みました。
育ってきた生活環境は体に馴染みやすい
スタッフ
市村さんは、設計をする上でどのようなことを大切にされていますか?
市村さん
お施主さんに「どういう環境で生活してきたか」を聞くようにしています。
というのも、建築というのは育ってきた生活環境の影響がおおきいのです。
例えば「フローリングにソファやガラスのテーブルを置いて生活したい」という人でも、それまでずっと生活してきたところが「畳の部屋」だったら、最終的にはその生活スタイルに落ち着くことが多いです。
スタッフ
たしかにそうかもしれません。
何がきっかけで、そのようなことを考えるようになったのですか?
市村さん
独立してすぐに設計した家が地元の友だちの家だったのですが、その彼と話をしていて気づいたんです。
小学生の頃から彼のことはよく知っていて、近所に住んでいるのでよく家に遊びに行っていました。
だけど当時は一緒に遊んでいただけなので、彼が普段その家でどんな生活を送ってきたのかまでは知りません。
市村さん
それでいざ家を設計するとなったとき、彼に「どういうのが好きなの?」と聞くと「こういうのが好き」と話してくれるのですが、それが全て今まで住んでいた家の話だったんです。
他にも彼は、知識として知ったことの中から「こういうのも良い」と話してくれたのですが、それをさらに詰めて話していくと結局は「自分がこれまで体験したこと」に戻っていったんです。
スタッフ
なるほど。
長年過ごしてきた生活スタイルは急に変わりませんし、育ってきた環境をベースに考えざるを得ないんですね。
市村さん
そうですね。
お施主さんとどんな住まい方がいいのかを話していくと、最終的には「育ってきた環境」がベースとなりやすいです。
もしその住まい方を変えたいという人は、それは勉強をして知識を持っているお施主さんということです。
市村さん
ほとんどの方は育ってきた環境が心地良いことを無意識で感じているので、その住まい方が自分に合っているのかどうか、本当に好きなのか嫌いなのかまでは気がついてません。
ただ、それでもしも「なんとなく生活しにくい」と思うようなことがあれば、プロとしてアイデアを出して改善することは当然しますよ。
話を聞きながら、お客さんに合った家を考える
スタッフ
これまで、お施主さんが最初に「これがいい」と言ったことと、最終的にお施主さんに合っているものが違ったことはありましたか?
市村さん
あります。
先ほどお話しした地元の友だちの家も、奥さんは最初「対面キッチンが良い」と言っていたんです。
でも、「ご飯食べてすぐ片付けますか?」とか普段の使い方をお聞きしているうちに、最終的にクローズドのキッチンに変わりました。
キッチンは最初に言っていたことと変わることがとくに多いですね。
今まで使いやすかったキッチンはどういうのだったかを聞いていくと、今までの自分の家のキッチンに近い形に落ち着きます。
スタッフ
お施主さんは最終的に「使いやすさ」を選ばれるのですね。
市村さん
そうですね。
対面キッチンって「デザインは良いけど、散らかってるのが見える」とか、クレームが出ることも多いんです。
「それでもいいよ」というお施主さんは、勉強している人かこだわりのある人です。
ほとんどのお施主さんに話を聞きながらつくっていくと、最終的には今まで慣れ親しんだ形に落ち着きます。
スタッフ
全く違う環境で育ってきたご夫婦が居た場合、お二人を満足させるにはどうするのでしょうか?
市村さん
男性と女性の好みは違いますし、家の中で過ごす場所も違うので、ご夫婦の育ってきた環境が違うことはそんなに家づくりに影響することはないです。
ご主人がリビングにこだわりがあればご主人からはリビングの話を聞きます。
奥様から「キッチンよりもお風呂だけは自分が心地よく過ごせるようにしてほしい」と言われたこともあります。
それぞれがこだわっているポイントを聞き出して、こちらで最終的にまとめます。
スタッフ
ご夫婦が同じ部屋のことでぶつかることはあまりないのですね。
ところで、市村さんは家づくりをするときにどんなことを考えていますか?
市村さん
家をつくるときには、お施主さんと一緒に考えていきたいと思っています。
そのためにお施主さんには、少しだけでもいいので家づくりに関する勉強をして欲しいと思います。
知識があれば比較して考えることができ、話が深まりより良い設計をすることができるからです。
市村さん
そして、表現する言葉は簡単で良いので、ご自身が良いと思ったものを教えて欲しいんです。
その時に、雑誌を見て「これにして欲しい」というのは見た目だけなのでできるだけ避けて欲しいです。
ご自身が体感した上で何を気に入ったのかを教えて頂ければ、どういうのが良いのかを考えられるようになります。
スタッフ
お施主さんが少しでも予備知識をつけることで、一緒に考えることができるようになるんですね。
市村さん、本日は色々なお話をお聞かせ頂きありがとうございました。
株式会社エルストのインタビューまとめ
市村さんは、住宅の設計においては「お施主さんがどんな生活環境で育ってきたか」を聞き出す事を大切にされています。
お施主さんに話を聞きながらつくっていくと、最終的には今まで住んでいた家のような居心地のよい家になるというお話は、納得させられるものでした。
市村さんに家づくりをお願いしたい方は、株式会社エルストさんにお問い合わせください。
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