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この記事では小野育代建築設計事務所の小野さんのインタビューをもとに、小野さんが住宅の設計で大切にしているポイントや使い勝手を実現するため工夫されていることを詳しく紹介していきます。
「どんなことを建築家の先生に相談すれば良いのか分からない」「自分に合った建築家さんがわからない」とお悩みの方は、ぜひ参考にされてください。
住む人の暮らしを考えた思いやりのある住宅
スタッフ
小野さんの事務所では住宅のご依頼が多いと聞いていますが、小野さんは昔から住宅を専門に設計をされてきたのですか?
小野さん
修行時代は介護施設などの大きな建物が多かったですが、事務所をおこしてからは住宅のご依頼がメインになっていますね。
スタッフ
やはり設計をされるうえで大きな建物と住宅では違いがありますか?
小野さん
もちろん、構造や建材などの違いはあります。とはいえ「どうすれば使う人に気持ちよく使ってもらえるだろうか」という使い勝手を意識する点では変わりませんよ。
小野さん
例えば、介護施設も使い勝手が悪いと介護をする人が大変ですからね。
そういう暮らしや日常に沿った部分では住宅も根本は変わらないと思うんです。
ただ、使う人もどうすれば使いやすくなるのか気づいていない部分がありますし、「こうあるべきだ」という所も常に変わっていくのでヒアリングは重要ですね。
スタッフ
特に住宅は依頼する人によって要望も細かくなるでしょうからひとつひとつを聞いていくのも大変そうですね。
小野さん
皆さんそれぞれの夢を抱いて来られるので聞いていると楽しいですよ。
ヒアリングをしていて「この人のコンセプトになるところはここだ!」という部分を見つけていくのも面白いですよ。
小野さん
意外とみなさん生活スタイルが違うので、その人ごとにピッタリのお家を提案するのは難しくもあり、やりがいもありますね。
例えば、掃除の仕方も人によってやり方は違いますし、バスタオルを使うかどうかも人によって別れるんですよ。
スタッフ
小野さん
そうすると、バスタオルを掛けるための大きなタオル掛けは必要ないですよね。他にも「食洗機は絶対に欲しい」という人もいれば、全く必要ない人もいるわけですよ。
スタッフ
実際に聞いてみないと人の生活スタイルは分からないものですね。
小野さん
また、ほとんどの方は新しい生活に期待を膨らませてご依頼に来られます。だからこそ、要望や条件は漏れなくしっかり整理して提案してあげたいですね。
スタッフ
家を建てるのは初めての方が多いでしょうし、建築の知識もない方がほとんどだと思います。素人の私たちでは何ができて何ができないのかを判断するのは難しいですからね。
小野さん
皆さん新しいお家に色んなイメージを持って来てくれます。何となくとしたイメージや小さいこだわり、そのひとつひとつが積み重なって色んな要望になっているんです。
でも、それらを上手く繋げて整えてあげるのは私たちプロの仕事ですからお任せください。そこに私たちにしかできない要素も取り入れてより良い提案させてもらえたらいいですね。
小野さん
また、本当にお勧めできない内容があった場合はしっかり止めることも必要で、そういった部分で信頼してもらうことも大切です。
せっかくチームを組ませてもらっているので、良くないことを言うとおりにやるのは少し違うかなって思うんですよ。
スタッフ
チームですか。お客様と建築家という関係ではなく、一緒に家づくりをする仲間ということですね。
小野さんの人柄がうかがえる表現です。
小野さん
建主さんがいて、設計する私たちがいて、実際に家を建てる職人さんたちと現場を仕切る監督さんがいる。私はその建物に関わる皆で協力しながら、チームとしてお家を建てていくことも建築の面白さのひとつだと思うんですよ。
スタッフ
他にも建築をされていく中で意識されていることはありますか?
小野さん
やっぱり、建物を作るというのは環境をつくることだと思うんです。1軒の家ができただけでも風景がちょっと変わるじゃないですか。
だからこそ責任感は必要だと思いますね。
スタッフ
その土地の景観も大事にしたいですよね。
しかし、お客さんの要望やお金の問題もあるでしょうから考える事が山積みですね。
小野さん
そうですね。
建主さんが言った内容に100%沿って進められない時は、より良い提案が必要になることもあります。
その分、実際に出来た時に建主さんが「こんな風になるんですね!」と良い意味で驚いてくれるのを見ると嬉しいですね。
スタッフ
難しいからこそ、やりがいになっている部分もあるんですね。
小野さん
「良くしてあげたい」「こんな風にしてあげたい」と思った事を上手く再現できると、なんだか難解な方程式を解いたような感覚になるんですよ。
最終的に収められた感じと言いますか、そういった自分なりの解答が出せた時の気持ちは格別ですし、やりがいにも繋がっていると思います。
季節を感じられる、生活の器のような家
スタッフ
続いて、小野さんの手掛けるお家の特徴についてお話を聞いていきたいと思います。お家を手掛ける中で意識して工夫されているところはありますか?
小野さん
シンプルにすっきりとした造りにしたいという想いは常にありますが、その中にも、何処か温かみを感じられる手触りだったり、光の入り方だったりを工夫することは大事にしていますね。
やっぱり、住宅は生活の器だと思うので、生活が始まってから気持ちよく暮らしていけるようにしてあげたいですね。
スタッフ
普段なにげなく過ごしていても気持ちよく過ごせる工夫をしてもらえるのはありがたいですね。
小野さん
あとは借景になるところに窓を付けて見晴らしを良くするのもポイントですね。住宅街ではあまり劇的に景色がきれいな場所はそれほどありません。
なので、ささいなところでも緑が感じられる場所に窓を作ってあげるだけでも、自然とそこから四季を感じられるようになるんですよ。
借景とは
造園技法の一。庭園外の山や樹木などの風景を、庭を形成する背景として取り入れたもの。
引用:コトバンク
スタッフ
窓からの景色は毎日かならず目にしますからね。
意外と重要なポイントですね。
小野さん
建て替えなら建主さんの方が周辺の景色について詳しいこともあります。
以前建て替えの依頼をお受けした時は「北側の山の景色がすごく綺麗なのに、小さな窓しかないからほとんど見えないんですよ」といったお話があったので山が見える北側にあえて大きな窓を設け山の景色を借景として取り入れることができました。
しかし、新しい土地でお家を建てられる方の場合はそういった情報がないので、特に窓を作る場所は注意しますね。
スタッフ
窓から見える景色ひとつでも居心地の良さは変わってきますからね。
ちなみに、小野さんの手掛けたお家はどれも居心地の良さそうなお家に見えますが、何かこだわっているところがあるのでしょうか?
小野さん
合理的な使い勝手は追求しつつ居心地の良い空間にするのは意識しています。意外と家族が集まる場所はつくり易いのですが、家族それぞれがくつろげる居場所を作る時は工夫が必要です。
私の場合はバラバラに居ながらもお互いが雰囲気を感じながら点在できるような場所を作り込むようにしています。
例えば、小上がりをつくって空間を区切ったり、ちょっと一休みできるようなベンチをつくったりしますね。
スタッフ
小野さん
日本では縁側に座ってくつろぐ風習があるじゃないですか。
近いものを家の中にも生かせないかと思って取り入れたんですよ。
スタッフ
模型で見ると空間が無駄なく効率的に活用されているのが良く分かりますね。限られたスペースで色んな要望を叶えることが、いかに難しいのかが伝わってきます。
ちなみに、これまで手掛けてこられた中で印象に残っているお家はありますか?
小野さん
限られた土地で色んな要素を詰め込んだお家ですと、26坪で建てたうなぎ屋さんのお家です。
店舗兼ご自宅だったのでいかにスペースを上手く使うか、工夫が必要でした。
実際に手掛けたうなぎ屋さんの外観
スタッフ
小野さん
建主さんは「食べ物は季節感も味わうものだから、都会だけど山荘に来たような気持ちになる、お店にしたい」というコンセプトをお持ちだったので、二つの小さな坪庭に挟まれた客席をつくり、森の中にいるようなお店にしたんです。お店の休憩時間には、住まいの部分からもこの坪庭を楽しめるようにしました。庭に視線が抜けることで、実際よりもスペースが広く感じるようになるんですよ。
中庭が見える店内の様子
旬の味うおはる
もともとは魚屋さんを営んでいたお店でしたが、息子さんがうなぎ屋さんで修行を積まれ「うなぎ料理も食べて欲しい」ということで建て替えられたそうです。
うなぎの他にも新鮮な旬のお魚料理やデザートも味わえるそうです。
小野さん
スペースに限りがありましたが、足りないスペースをロフトで補ったり、テラスが室内の床と繋がって見えるようにしたりして、なるべくお家が広く感じられるように工夫しました。
スタッフ
快適なお家になるよう、色んな要素を取り入れて工夫されたのですね。
小野さん
特に店舗の部分は法的に守ることや使い勝手のよさも重要でしたが、上手くまとまって良かったと思います。
実物の100分の1スケールの模型
スタッフ
本当にたくさんの要素が詰まったお家ですね。
しかしながら、使い勝手を意識して隅々まで工夫が凝らされているところは流石ですね。小野さんの「快適にすごして欲しい」という熱い想いがあってこそできたお家だと思います。
スタッフ
これから小野さんが手掛けたお家に住まれる方にはどのような暮らしをしていってほしいですか?
小野さん
自由に暮らしてもらえるのが一番だと思いますが、暮らしている中で自然と季節を感じていって欲しいなと思います。
あえて探すのではなく、洗濯物を干す時なんかに受動的に自然が感じられる家という感じでしょうか。派手さはなくとも癒やしを感じてもらえると嬉しいですね。
小野さん
ちなみに、建主さんからは「夜中に目が覚めた時、窓からきれいな月が見えてすごく気分が良かったですよ」と言ってもらえたこともあるんですよ。そんな風に今まで気づかなかった部分、意識していなかったこと、風や月の明かりの良さを感じながら日常を送ってもらえると素敵ですね。
スタッフ
季節感が生活に溶け込むと普段の暮らしも豊かになりそうですね。
では最後にこれから新築を検討している方たちにアドバイスをお願いします。
小野さん
要望は色々とあると思いますが、まずは家族で話し合って3つくらいに絞ってみるのが良いかもしれません。
その3つの要望をもとに話を詰めていくと家族の理想のお家がイメージしやすくなると思います。
小野さん
また家を建てるのは人生においてもひとつのターニングポイントなので、ご自身の価値観を整理する良い機会でもあると思います。
あんなことやこんなこともしたいと考えているうちは空想ですが、家は決断の連続です。決断をする時はその人の生き方が現れるところなのでそういった部分も楽しんでもらえたら良いと思います。
スタッフ
貴重なアドバイスありがとうございます。
小野さん、今日はインタビューにご協力いただきありがとうございました。
値段感と坪単価
坪単価:85万円~
工夫が詰まった使い勝手の良い家
お家の大きさやこだわるポイントによって坪単価は変わるとのことです。
なお、小野さんは細かい使い勝手や要望についても親身になって相談にのってくれるので、まずは気軽に相談してみるのがおすすめです。
小野育代建築設計事務所のインタビューまとめ
インタビューを通して、小野さんがどこまでも住む人、使う人に寄り添った設計をされているのが伝わってきました。
まるで自分のことのように、ささいなところも真剣に考えているからこそ手掛けるお家に工夫やこだわりがいくつも詰まっていくのだと思いました。
これから新築を建てるにあたって建築家の先生をお探しの方は、ぜひ小野育代建築設計事務所さんに問い合わせてみてください。
小野育代建築設計事務所の詳細情報
会社名 |
小野育代建築設計事務所 |
所在地 |
〒221-0852 神奈川県横浜市神奈川区三ツ沢下町21-1-501 |
代表者名 |
小野育代 |
電話番号 |
045-325-5828 |
営業時間 |
10:00~18:00 |
公式HP |
https://www.onoiku.com/ |
対応する工事 |
住宅、店舗、施設の設計 |
対応エリア |
関東、東海、中国地方(その他は要相談) |
その他 |
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