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株式会社澤野建築研究所の代表取締役・澤野さんは、土地の持つ条件を活かした家づくりを得意とされている建築家さんです。
お施主様の生活スタイルや大切にしている時間帯に最も適したカタチで、太陽の動きや風の流れをはじめとする自然環境をデザインした家づくりをされています。
澤野さんの家づくりへの想いやこだわりを、東京都狛江市にある株式会社澤野建築研究所の事務所にてお伺いしてきました。
設計の肝は、土地の利点をより良く取り入れ欠点を抑えること
スタッフ
澤野さんは、色々な種類の建築物の中でもとくに住宅をメインで手がけられていますよね。
住宅設計のおもしろさは何だとお考えですか?
澤野さん
住宅のおもしろさは「お金を出す人」「建物を決める人」「建物を使う人」が同じであることです。
お施主様とって本当に良い建物であることを最も大切にしながら、設計をすることができます。
澤野さん
しかし、例えば市民会館などの行政の建物は「お金を出す人」と「建物を使う人」が税金を支払っている市民であっても、実際に「建物を決める人」はプロジェクトを動かす行政の担当者ですよね。
この場合、建築家が直接やり取りするのはあくまでも行政の担当者ですから、使う人にとって本当に良い建物であるかどうかがおろそかになる場合があります。
使う人のことを一番に考えてつくれることが、住宅にしかないおもしろさだと思います。
スタッフ
澤野さんは、どんなことに気をつけて設計をされていますか?
澤野さん
設計における一番の肝は「土地の利点をより良く取り入れ、欠点を抑えること」です。
ある一つの土地というのは地球上で唯一無二の存在で、必ず何か特徴があります。
特徴というのは「地形」はもちろん「太陽の動き」「風の流れ」など様々です。
そういった特徴は私たち人間がどうすることも出来ない要素ですから、建物をつくる上で大前提の条件になります。
その大前提の条件を活かして、窓の位置や方向によって太陽の光をデザインしたり、窓の開け方で風をデザインします。
スタッフ
傾斜のある土地や奥まっている土地があったり、道路に対して南向きか北向きかなど、全て同じ条件の土地は存在しないですもんね。
澤野さん
そうですね。
お施主様によっても、大切にしている時間帯や生活スタイルがそれぞれ異なります。
例えば、毎朝早起きをして朝食をつくる人の場合は、キッチンに朝の光を入れたいと考えます。
そのためには、東から登ってくる太陽の向きに合わせて窓をつくる必要がありますから、キッチンの場所はおのずと家の中の東側になります。
澤野さん
一方で別荘の場合など、夕焼けを見ながら料理を楽しみたいと考える方もいらっしゃいます。
その場合は、夕日の沈む西側にキッチンをつくるほうが良いですよね。
お仕事で夜勤が多い人の場合は、キッチンよりも寝室の場所が重要になることもあります。
実際の施工事例を拝見しました。
太陽の光がデザインされた気持ちの良いキッチンです。
スタッフ
確かにそうですよね。
自然がもたらす土地の利点を、ここまで効果的に取り入れてくださる建築家さんには初めてお会いしました。
土地の利点を活かす以外に、欠点を抑えた設計の例は今までありましたか?
澤野さん
お施主様は元々知り合いでしたが「変わった土地だけど、澤野さんならおもしろい設計をしてくれそう」と言って、すごく建てにくい土地で住宅設計を依頼されたことがあります(笑)
大変でしたが、本来は欠点となりうるような土地の条件を活かして良い家が建ちました。
建てにくい場所に建てたお家の施工事例です。
お隣の樹齢20年の桜を見るためのピクチャーウィンドウをつくられました。
ルーフバルコニーから北西の公園を眺められるようになっています。
風景を取り入れることはデザインの大きなポイントであると澤野さんは語られました。
スタッフ
土地の欠点さえも味方につけるなんて、素晴らしい設計力ですね。
何がきっかけで、自然の要素を設計に取り入れるようになったんですか?
澤野さん
ある時に「私たち人間も自然の一部である」と気付いたんです。
虫や犬などの生き物は自然環境に適応しながら生きていますよね。
自然と人間が対立構造となるような暮らし方ではなく、自然と人間が一体化できるような暮らし方を大切にしたほうが良いと考えるようになりました。
自然エネルギーの存在を多くの人々が認識するようになった
スタッフ
澤野さんが今まで手がけられた住宅で、思い入れのある建物はありますか?
澤野さん
この事務所が私の建築家としてのデビュー作で、1988年に初めて新建築に発表した建築物なんです。
それまで考えてきたことを色々と試しながら設計しました。
新建築
1925年8月創刊。日本を代表する建築専門誌。創刊以来、日本の現代建築をクオリティの高い写真、図面等により詳細に紹介し、多くの建築家に支持されてきました。その継続により、独自の視点をつくり出し、建築思潮や建築デザイン界の新しい動きを発信し続けています。
引用:新建築.ONLINE|新建築
スタッフ
外観も格好良いですよね。
どのようなところにこだわって設計しましたか?
澤野さん
一つは構造です。
この土地は南向きで、なおかつ多摩川に面していますから向かいに新しく建物が建つことがありません。
光が入ってきて柔らかく包まれるような空間の建物をつくりたいと考え、2階を全面的に開放感があるリビングにしました。
あとは、細長い土地だから中庭をつくろうとか、最初にこの土地を見てから帰りの小田急線に戻るまでに大まかなイメージは出来上がっていました。
株式会社澤野建築研究所の事務所の外観。
縦長の土地を活かして、中庭をつくられました。
2階は全面的にリビングになっており、多摩川の豊かな風景が広がります。
澤野さん
奥の北側2階の壁に貼ってある金属板も、この建物の特徴です。
12月20日の冬至の日になると、太陽光が金属板に反射して部屋の中が明るくなるようになってるんですよ。
スタッフ
おもしろいですね。
見たことのない工夫ですし、まさに自然の利点を活かした設計ですね。
澤野さん
京都のお寺でよく見る枯山水(かれさんすい)に白い石が敷いてあるのは、太陽の光を反射させ奥に引き込むためなんです。
枯山水は南側にある庭なのですが、正式な庭は北側になります。
北側の庭には順光が当たるので木々の緑は北側の方が美しく見えるのですが、南側の庭の場合、木は太陽の影になってしまうんです。
北側に白い壁や塀を建てると反射光で部屋の中が明るくなります。そこからヒントを得ました。
スタッフ
日本の伝統建築は合理的だとよく聞きますが、太陽光を反射させる工夫も昔から考えられていたことなんですね。
澤野さん
昔は電気もありませんし、明かりはロウソクくらいでしたからね。
昨今は機械に頼ることで便利な世の中になりましたが、そのぶんエネルギーを使うので自然破壊に繋がっていると問題視されることもあります。
その一方で、エネルギーを極力使わなくても、自然エネルギーが地球上にはふんだんにあるということを多くの人々が認識するようにもなっています。
だからこそ、パッシブデザインの家づくりが最近は注目されるようになってきているんです。
パッシブデザイン
パッシブデザインとは、太陽の光、熱、風などの「自然エネルギー」を活用・調整できるようにし、高い質の室内環境を実現させながら、省エネルギーに寄与しようとする建築設計の考え方とその実際的手法のことです。
住宅の設計はプライベートな部分に深く関わるもの
スタッフ
澤野さんは、ご自身が設計した住宅で暮らされるお施主様に「こんな暮らしをして欲しいな」とお考えになることはありますか?
澤野さん
お施主様は家づくりにおいて「こういうところを大切にしたい」という想いを必ずお持ちです。
その想いを取り入れた家が完成して実際に暮らし始めてからも、つくった当時の想いを守り続けてくれたら嬉しいです。
澤野さん
しかし、中には「こんなことはできないだろう」という思い込みにより、叶えたい想いを話題にすら出さないお施主様もいらっしゃいます。
もしかしたら、それは話題に出してくだされば取り入れることができていたことかもしれません。
後々になってから「そんなことできたんですか」と分かって後悔されることが一番残念です。
スタッフ
建築家さんはお施主様の想いをカタチにすることがお仕事ですから、遠慮せずに想いをお話しして頂きたいですよね。
澤野さん
そうですね。
本当に良い家づくりをするために、私が一番最初にお施主様にお伝えすることは「住宅の設計はプライベートな部分に深く関わるものなので、凄く失礼な内容も含めてプライベートな質問はたくさんさせて頂きます」ということです。
スタッフ
プライベートな質問というのは、どのような内容でしょうか?
澤野さん
例えば「ご予算はいくらですか?」という質問があります。
住宅というのは人生で一番高い買い物ですから、ご予算を伺うことは「あなたは人生でいくら稼げますか?」とお聞きしていることと同じ意味なんです。
直接的な言葉でお聞きするとあまりにも失礼なので「ご予算はいくらですか?」とお聞きしますが、中にはハッキリとお答え頂けない方もいらっしゃいます。
澤野さん
正直な話が出来ないとお施主様の想いを取り入れた住まいはつくれません。
良い家づくりをするためにはプライベートな質問をすることもありますし、それに対して躊躇せずにお答え頂くことが大切になります。
スタッフと談笑する澤野さん。
気さくなお人柄で、インタビューは終始和やかな雰囲気で進みました。
スタッフ
建築家さんとお施主様が気持ち的な壁をつくらず、深い信頼関係で結ばれた時に初めて良い家づくりができるんですね。
最後に、これから家づくりをしようと考えているコノイエの読者の皆さんに、澤野さんからアドバイスをお願いします。
澤野さん
「設計は土地探しから始まっている」ということを意識して欲しいです。
土地を見つけてから住宅設計をご依頼頂くことも多いのですが、住宅設計においては土地探しがとても重要です。
つまり「こんな家を建てたいので、こんな家に合う土地はどんな土地なのか」ということを踏まえて土地を探すんです。
実際に、土地探しからお手伝いさせて頂いた事例もたくさんありますよ。
冒頭でお話ししたように、太陽の動きや風の流れなど土地の条件によって建物のカタチがある程度決まったり、制約が出てくることもあります。
ですから、土地を探してから設計者に頼みに来るのではなく、是非土地探しから頼みに来てください。
一緒に土地の特徴を活かした家づくりをしましょう。
口コミ、評判
株式会社澤野建築研究所さんの口コミを拝見すると、澤野さんのお人柄の良さが垣間見えます。
お施主様と建築家が良い関係性を築けるかどうかは、良い家づくりをする上でとても大切です。
また、完成後の建物にもご満足いただけている声ばかりです。
できればずっと続けていたい感じである
どんな人物か、どんな生活をしているのか、好みの建物を見学しに行ったり、いろいろな話をして、具体的な建物の間取りとかの話になったのはだいぶ後だったように記憶している。
これって、カウンセリングに似ていると思う。
主訴(こんな家を建てたい)があって来談するのだが、生育歴や生活史を伺うなかで人物像が浮かび上がり、そのうち真の主訴がでてきて、解決に向かっていくみたいな。
妻の気持ち、自分の気持ち、家族の形が明らかになるにしたがって設計図ができてくる。
要望書は欲望の塊で、「全部叶えたら億になりますよ」と窘められながら、現実的な解を求めていく。
形にする作業はおもしろく、毎回のアフターアワー(飲み会)も楽しみで、できればずっと続けていたい感じである。
施主と建築家の幸福な共同作業と言えるでしょう
土地は南東に向かって上り斜面になっていて、南向き信仰が強い日本では敬遠されがちです。
しかし、西に接する公園越しに林が広がり、朝はその林に当たる日差しが明るさをもたらしてくれます。
自然の間接照明とも言えるこの光をリビングに取り込むため、フルオープンにできる窓を提案してくれたのは、さすが。
夏は風通しが良く、エアコンを使うことはほとんどありません。
澤野さんは、この窓の設計事例でメーカーから賞をもらいました。
施主と建築家の幸福な共同作業と言えるでしょう。
土地の選定から付き合って貰いました
自宅の設計と職場の歯科医院の内装をお願いしました。
1日中澤野空間で過ごしています。
元々飲み友達でしたが、ご自宅を訪問した時に「ちゃんと設計した家はこんなに快適なんだ!」と気づかされ、土地の選定から付き合って貰いました。
設計の打合せでは将来像や生活の変化の可能性などもインタビューされました。
また細部のデザインや機器の選定は、ある程度施工が進んで素人にもイメージしやすい段階で決めて行くなど細やかな配慮もして頂きました。
想像以上に快適な暮らしを満喫して20年、修理や補修の相談などアフターフォローもお願いしています
引用:Houzz|㈱澤野建築研究所
値段感と坪単価
坪単価:65万円~
様々なケースに対応してくださる
株式会社澤野建築研究所さんでの家づくりは坪単価65万円からの案件が多いです。
坪単価の上限は設けておらず、お施主様のご要望によって変動します。
詳しくは、お問い合わせください。
株式会社澤野建築研究所のインタビューまとめ
澤野さんは、お施主様に最も適したカタチで土地の持つ条件を活かした家づくりをされています。
「人間も自然の一部であることに気付いた」というお話しは、とても考えさせられる内容でした。
澤野さんに家づくりをお願いしたい方は、株式会社澤野建築研究所さんにお問い合わせください。
株式会社澤野建築研究所の詳細情報
会社名 |
株式会社澤野建築研究所 |
所在地 |
〒201-0016 東京都狛江市駒井町3-10-11 |
代表者名 |
澤野眞一 |
電話番号 |
03-5497-7305 |
営業時間 |
9:00~20:00 |
公式HP |
https://www.sawano.co.jp/ |
対応する工事 |
住宅を中心にした設計監理 |
対応エリア |
全国 |
その他 |
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