世の中には、派手なデザインでもないのに思わず目を奪われてしまうモノがあります。
「コレ、なんかいいな」と思うのは、一体なぜでしょうか?
その答えは、もしかするとバランスの良さにあるのかもしれません。
バランスの良さこそ美しさであり、見る人の心を惹きつけるからです。
神奈川県横浜市の株式会社イアナさんは、戸建て住宅や集合住宅、病院・保育園といった公共施設などの設計をしている一級建築士事務所です。
「モノの関係性」を意識した設計を心掛け、全体的にバランスの取れた美しい建物をつくっていらっしゃいます。
そこで、今回はイアナさんの共同代表を務める岩﨑さんと阿部さんのお二人にインタビューをしました。
この記事では、お二人が目指している家づくりについて紹介いたします。
二人で協力して、より良い案を考える
スタッフ
岩﨑さん
大学に続いて、社会人になったあとも同じ設計事務所に7年ほど一緒に勤めました。
阿部さん
僕らは建築士として順調にキャリアを積んできたわけではありませんが、良い仲間に恵まれていたので今まで頑張ってこられました。
スタッフ
同僚のなかでも、お二人は特に気が合ったのでしょうか?
阿部さん
それがきっかけで、一緒に独立を志す仲になりました。
スタッフ
ちなみに、お二人で一緒に独立して、何かメリットはありましたか?
岩﨑さん
一人だけで設計を考えていると、どうしてもアイデアが浮かばないときがあります。でも、二人で協力すれば、必ず新しいアイデアが出てくるんです。
スタッフ
阿部さん
施主様のためにも妥協は許されませんから、僕らはお互いに協力することで最善の案を探してしたいと考えています。
スタッフ
お二人も、やはり大変だったのではないでしょうか?
阿部さん
ただ、住宅のご依頼はあったので、何とかやっていけましたね。
スタッフ
住宅のご依頼は、どのようにしていただいたのでしょうか?
岩﨑さん
阿部さん
それでも「可能な限り良い家を建てたい」ということで、駆け出しの情熱あふれる若手だった僕らを選んでいただいたんです。
スタッフ
結果として、どのような家になったのか見てみたいのですが、写真はありませんか?
岩﨑さん
「日吉の家」という建物で、ホームページでも紹介していますよ。

独立したころにお二人で手掛けた「日吉の家」。
大きな窓が特徴的なデザインのお家です。
岩﨑さん
この緑と空とのコントラストを、大きな窓を設けることで借景として取り込みたいと、施主様は希望していらっしゃいました。
スタッフ
岩﨑さん
スタッフ
阿部さん
そのためには、二人で協力しながら設計を考えていくのがベストなんですよ。
モノ同士の関係性やバランスを見極める
スタッフ
岩﨑さん
石を積み上げる作業のように、釣り合う重心を見つけるのは非常に難しいんです。物事は絶妙なバランスのうえに成り立っていますから。
スタッフ
岩﨑さん
ただし、バランスは非常にデリケートです。何かを細く軽くすると、反対に別の何かが太く重く見えるようになります。
それだけに、バランスの取れる案は数が絞られてしまうんです。
スタッフ
阿部さん
ただ、これは感覚的なもので言語化できません。ですから、より良いプロポーションを見つけるために、まずは僕らで美的感覚を共有することを大切にしています。
岩﨑さん
きっと考え抜いたすえに、たどり着いた設計なんだろうと思います。だからこそ、巨匠の建物は何かを訴えかけてくるんですよ。
スタッフ
岩﨑さん
モノの関係性がちょっと変わるだけで、全体のバランスは崩れてしまいますから。
阿部さん
巨匠を見習って、僕らもそのようなことを一つひとつ考えながら、バランスを少しずつ調整をしています。
さらに、ベストなプロポーションは施主様によって異なるので、その点も考慮しなければなりません。
スタッフ
阿部さん
ですから、施主様の感覚を読み解いていくためにも、僕らは打ち合わせを大切にしているんです。
スタッフ
阿部さん
欲しい物、理想の生活、熱中している趣味、憧れる雰囲気などを通して施主様を知ることで、はじめて施主様の思いに応えられる提案ができるようになるんです。
岩﨑さん
スタッフ
岩﨑さん
家族の形もライフスタイルも、時間とともに変化します。意見や要望が生じた原因だって、単なる一過性のモノかもしれません。
阿部さん
つまり、施主様の期待に応えようと過剰に希望を取り入れてしまうと、かえって施主様のためにならない場合もあるんです。
スタッフ
ただ、そうはいっても施主様の希望は大切ですよね。何か対策はあるのでしょうか?
岩﨑さん
暮らしの変化に合わせて間取りなどが変えられれば、長く住みつづけられる家になりますからね。
阿部さん
暮らしに合わせて変わることのできる家をつくって、施主様にずっと楽しみながら住みつづけていただきたいと考えています。
日本人の感性に訴えかける家をつくる
スタッフ
岩﨑さん
スタッフ
阿部さん
岩﨑さん
日本に戻ってきて、日本の有名建築家が手掛けた建築や歴史的な寺社仏閣をながめていたら、だんだんと「文脈」が見えるようになりました。
建築には、その国ならではの「文脈」があるんです。
スタッフ
岩﨑さん
アメリカの建築は、少し粗さが目立つものの、そのぶんダイナミック。ヨーロッパの建築は、歴史のなかで確立した様式とクリエイティブな発想との両方が見てとれます。
そして、日本の建築は、アメリカとヨーロッパ、どちらの特徴も備えているんです。
スタッフ
ちなみに、日本特有の特徴はあるのでしょうか?
岩﨑さん
たとえば、家屋の縁側は庭と部屋の間にあります。軒先は外とも内ともいえます。土間は家の中にありながら、街とつながる領域です。障子は壁や扉の働きをしつつも、光を遮断しません。
阿部さん
スタッフ
なぜ、日本人は中間領域を好むのでしょうか?
岩﨑さん
スタッフ
岩﨑さん
たとえば、夕暮れ時。昼でもあり夜でもある瞬間に、美しさを感じませんか?
スタッフ
岩﨑さん
ちなみに、地理的に近い中国と比べても日本の感性は違いますよ。日本人は、建築に自然や四季と共存する空間を入れて豊かさを感じます。
岩﨑さん
昔、北京の方々に僕らの設計についてプレゼンテーションしたことがありましたけど、ピンとこないみたいでしたからね。
スタッフ
岩﨑さん
なので、僕らは施主様が美しいと感じるような、日本人の感性に訴えかける家をつくっていきたいですね。
まとめ
建築は、モノを配置し、固定していくプロセスです。
それだけに、建築の設計には慎重さが求められます。
なぜなら、一度配置したモノは、基本的に後から変えられないからです。
人の感性は、非常に繊細なものです。
たった2つのモノが存在するだけで、人はそこに「美しさ」を見出そうとします。
だからこそ、建築の設計においては、美しさを実現するバランスが求められます。
そして、その美しさは、建築士さんにしか実現できません。
イアナさんは、あなたの感性に訴えかける美しい家をつくっています。
ずっと住みつづけたくなる家を手に入れたい方は、どうぞイアナさんにご相談ください。
会社名 | 株式会社イアナ |
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代表者名 | 岩﨑浩平・阿部任太 |
住所 | 〒222-0033 神奈川県横浜市港北区新横浜3-16-10 京浜建物第3ビル302 |
電話番号 | 045-633-4804 |
公式HP | https://www.eana.jp/ |
営業時間 | 10:00~19:00 ※土日祝はお休み |
主な業務 | 建物企画・設計・監理 |
対応エリア | 全国 |