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東京都世田谷区にあるESPAD環境建築研究所さんのお家づくりは、お客様との人間関係を築くところから始まります。
なぜなら、お客様とそのご家族を知ることで、初めてお家のデザインが生まれる と考えていらっしゃるからです。
住めば住むほど住みたくなる、そのうえ何代にもわたって受け継がれるお家づくりを目指すESPAD環境建築研究所さん。
この記事では、藤江代表とご子息の藤江取締役のお二人に、ESPAD環境建築研究所さんの目指すお家づくりについてインタビューした内容をご紹介いたします。
自分自身で住宅をつくりたくて独立する
特徴的なフォルムが目を引く、ESPAD環境建築研究所さんの事務所。
スタッフ
藤江様は、独立前に何をされていらっしゃいましたか?
藤江代表
東京藝術(げいじゅつ)大学を卒業したあとに、まずはレーモンド建築設計事務所 に3年ほど勤めて、一級建築士の資格を取りました。
藤江代表
その後、大学に戻って助手をしていたときに、オーストラリアのメルボルン大学から助手同士を交換する話が舞い込んだんです。
そこで1年留学し、さらに大学にお願いして現地の事務所に1年間、ロンドンに半年間滞在して建築を学びました。
スタッフ
藤江代表
はい。そして日本に戻ってきてから2年間は、再び大学で助手を務めていました。でも、やっぱり建物をつくりたかったので、昭和54年(1979年)、34歳のときに独立しました。ただ、そこから4~5年は大変でしたね。
スタッフ
藤江代表
そうなんです。大手の設計事務所のコンペを手伝いながら、何とか生計を立てていましたね。
そんななか、思い切って借金をして自分の家を建てました。20坪くらいの土地に27~28坪くらいのRC造の小さな家でしたが。
スタッフ
それはまた、思い切った決断ですね。
何か目的があったのですか?
藤江代表
設計事務所なんだから、まず自分の家を設計しなきゃ始まらないと思ったんですよ。
スタッフ
なるほど。自分の家もつくったことがない設計士さんのままでは、お客様の信用が得られにくい、というわけですね。
建てたお家は、集客につながったのですか?
藤江代表
そうなんです。お客様に私の建てた家を見てもらったことで、仕事が増えていきました。
10組以上のご家族に見に来ていただき、全員から依頼を受けましたよ。
ただ、自宅にお客様を招くわけなので、妻にはいっぱい迷惑をかけましたけどね。
スタッフ
実際に作品を見ていただいた結果、実力が認められたんですね。
藤江代表
もちろん私がレーモンド事務所の出身で、吉村先生の弟子だったというキャリアも味方したと思います。
良いきっかけがいっぱいありましたし、本当にありがたいと思いますね。
住み始めてからも良さが見つかる家をつくりたい
スタッフ
藤江代表
お客様との人間関係を最も大事にしたい と考えています。同じ人間は一人としていないので、家づくりにあたってはお客様のご家族全員の背景や環境を知る必要があるんです。
そのためにも、とにかく話を聞くようにしています。家づくりは人が第一、デザインはその次。人間関係が構築されることで、その方の望むデザインが生まれるものだと思っています。
スタッフ
藤江代表
その通りです。家づくりは人とつながりを持つこと。その人にデザインがついてくる。 デザインは人の間に隠れているんです。
ですから、人間関係を一番大切しなければなりません。
スタッフ
なるほど。その人が分かれば、自然とお家のデザインが生まれるんですね。
藤江代表
それともう一つ、社会とのつながりも大事にしたい と考えています。
私は、社会から自分の家に至るまでのアプローチを大事にする建築家だと自負しています。家から出ていくとき、家に帰ってきたときに、それぞれどこで気持ちをチェンジするかを考えなければなりません。
スタッフ
たしかに。普段は意識しないものの、とても大切な部分ですね。
藤江代表
ただし、どこで気持ちのオンオフを切り替えるのかについても、人によって異なります。玄関で切り替えるのか、居間で切り替えるのか。人によってバラバラです。
スタッフ
だから人間関係を構築して、その方を知っておく必要があるのですね?
藤江代表
その通りです。アプローチ部分についても、その方に合わせる必要があるので住宅はすごく複雑です。だからこそ、住宅は考えはじめると本当に面白いし、やりがいがあるのです。
藤江代表
アプローチを考えることは、同時に防犯にも気を遣うことになります。どうやって家の中に入っていくのか想像してみると、どんな家なら泥棒にとって入りにくいのかが分かるんです。
ですから、私が手掛けた家は1件も泥棒が入った事がないんですよ。
スタッフ
泥棒の視点で近寄りがたいアプローチを考えるのですね。それは面白い発想だと思います。
事務所の打ち合わせスペースからは、緑豊かな中庭が望めます。
スタッフ
藤江代表
使えば使うほど、良さの出てくる家づくりがしたい ですね。
スタッフ
住み始めたときより好きになれるお家、ということでしょうか。
具体的にはどんな工夫をされているのですか?
藤江代表
たとえば、お風呂の場所にこだわったことがありましたね。
建てたときはお客様から理解されなかったんですけど、住み始めて1年くらい経ってから「気持ちいいな」とおっしゃっていただいたんです。
スタッフ
藤江代表
実は、近くに建つビルの位置を計算に入れて、月を見ながらお風呂につかれるように設計していたんです。
加えて、早朝にはビルの間から朝日が見られるようになっています。正月に朝日が見られたら「正月!!」という感じがしますからね。
そのおかげで、あとから「あの風呂すっごくいい!!風呂だけでも頼んだ価値がある」とおっしゃっていただきましたよ。
スタッフ
お客様からそんな風に言われたら嬉しいですよね。
何回もお風呂に入ってみないと分からない仕掛けだったわけですね。
藤江代表
その通りです。そういう発見があると、楽しいじゃないですか。
あと、書斎なんかもそう。書斎については旦那さんは欲しい、だけど奥さんはいらないとおっしゃるんです。「あなた、その書斎を年に何回使うの?」なんて言われてしまうんですよね。
スタッフ
奥様にとっては、たった数回しか使わない書斎なんて不要、というわけですね。
藤江代表
ところが、そのたった数回が重要なんです。旦那さんにとっては欠かせない空間になります。
小さくてもいいから、快適な書斎をつくるべきなんです。
スタッフ
もしかすると、最初は旦那さんご自身も、書斎がもつ本当の重要性は分からないかもしれませんね。
住んでいるうちに、じわじわとありがたみが分かってきそうな気がします。
藤江代表
反対に見た目だけ良くて、実際に住んでみると嫌になる家も多いです。そして、そんな家に住んだ方の大半は引っ越してしまいます。それでは家づくりの意味がありません。
最初は気付かなくとも、必要な空間が先回りしてキチンとつくってある。あとから気付ける良さを備えておくのが、本当の設計だと私は思いますよ。
子や孫の代も見据えた家づくりをする
二代目として事務所を引き継ぐご予定の藤江取締役。
スタッフ
ご子息の藤江取締役は、代表と同じ東京藝術大学の建築科の大学院を出られたあと、槇総合計画事務所 で10年近く働かれたのちに跡を継ぐことになったそうですね。
スタッフ
藤江様は2代目として、どんなことを考えていらっしゃるのですか?
藤江取締役
世の中の変化に対応していきたい です。
家に求められる性能が上がっていますし、技術の向上にともなってデザインも進化していると感じます。
お客様の住まい方も変わってきているので、設計にも影響するでしょう。
スタッフ
藤江取締役
基本は変わりません。ただ、今はお客様が簡単に情報を手に入れられる時代です。細かいところに限れば、私たちより詳しかったりもしますからね。
ですから、常に勉強していかないと世の中から取り残されてしまいます。お客様を第一に考えるという根本は変わりませんが、世の中の多様化には注意しなければなりません。
スタッフ
2代目として、世の中の変化を注視しているんですね。
藤江取締役
意外と設計事務所が2代続くのは珍しいんですよ。建築に対する想いや考え方は親子で違うので、別々の道を歩むことが多いんです。
ですから、私の事務所が2代続いていく意味を考えなければなりません。
スタッフ
藤江取締役
今まで付き合ってきた方との関係をさらに良くしながら、新たな需要や要求に対して新しい提案ができるようにしたいですね。
今までの枠を超えていかなければならないと思っています。
藤江代表
私は、最初から何代にもわたって受け継がれる家づくりをしたい と考えていました。
社名にあえて自分の名前を入れなかったのも、誰でも跡を継いでもらえるようにしておきたかったからなんです。
1代限りで終えたくなかったので、息子が継いでくれるのは本当にありがたいと思いますね。
スタッフ
お父様が独立された当初から、未来を見据えた家づくりをしていたのですね。
藤江取締役
はい。実際に、父が20~30年前に設計した家について、増築してほしい、住み方を変えたいという依頼がよく来ますね。
スタッフ
長く住んでいると、ご家族の形も変わっていきますからね。
藤江取締役
建てた当時より今の時代の方が技術は優れているわけですから、お客様には今の時代だからこそできる提案をしたいですね。
それでこそ、2代続けて事務所を続ける意味があるのだと思います。
スタッフ
ところで、何代にもわたって受け継がれる家づくりをするうえで、大事なことは何ですか?
藤江代表
最初から、自分だけでなく子や孫の生活・人生も決定づけると考えて設計すること ですね。
お子さんたちをどうやって育てていきたいのか、家族がどう接するようにしたいのかが大事です。
スタッフ
藤江代表
その通りです。子供の教育や成長にとって、家の設計が与える影響は計り知れません。だから安易に家づくりはできないんですよ。
藤江代表
ちなみに、ヨーロッパでは建築家が医者と弁護士と並んで重要な職業に数えられます。
その理由は、家づくりがその人、その家族の生活・人生・歴史をつくると考えられているから です。その人、その家族の人生を変えてしまうほどインパクトの強いのが、家づくりなんですよ。
だから、ヨーロッパでは医者や弁護士と同じように、建築家は皆さんが困ったときに頼れる身近な存在として認識されているんです。
スタッフ
そういえば、ヨーロッパでは祖父母の代から同じ家を使い続けるのが一般的ですよね。
長く住み続けることを前提としているので、建築家さんにキチンとした家をつくっていただくのが当たり前なんですね。
藤江代表
日本でも、昔は建築家が身近な存在でした。ところが、今は「お金があったら建ててあげる」みたいな感じになってしまいました。
スタッフ
確かに、最近は建築家さんが遠い存在になってしまった感じがします。
藤江代表
それは違う、間違っています。住宅は単なる箱ではありません。その人、その家族の生活・人生・歴史をつくるのが住宅の設計です。
だから、建築家はお客様にとって身近な存在でなければなりません。
スタッフ
藤江様がお客様との人間関係を築こうと努力なさっているお姿こそ、本来あるべき建築家さんの姿なのでしょうね。
藤江代表
私は、お客様が住めば住むほど懐かしくなるような家をつくりたい。 旅行から帰ってきても、やっぱり家が一番だと思ってもらいたい。
それが建築家の仕事だと思っています。お客様には、一生に一回しかつくらない家づくりを大切にしていただきたいですね。
株式会社ESPAD環境建築研究所のインタビューまとめ
ESPAD環境建築研究所さんの社名に入っている「環境」という言葉は、お家を取り巻くすべての環境を指しています。良いお家を1棟つくれば、依頼の輪が周囲へ、町全体へと広がる。やがて町そのものの価値が上がる、と考えていらっしゃるそうです。
だからこそ、1棟のお家がどれだけ高い価値を持つのか、ひいてはその1棟のお家の価値を決める、お客様の喜びをどれだけ得られるのかが大切になってくるのです。
インタビューを通して一番感じたのは、藤江様のお客様に対する優しさとお家づくりに懸ける情熱。言葉の端々からは「お客様に喜んでいただきたい」という建築家としての純粋な信念を感じ取れました。
お客様にとって身近な建築家でありたいと願う、藤江様。
何代にもわたって受け継がれるお家づくりをしたい方は、ぜひESPAD環境建築研究所さんにご相談ください。
株式会社ESPAD環境建築研究所の詳細情報
会社名
株式会社ESPAD環境建築研究所
所在地
〒156-0043 東京都世田谷区松原1-2-5
代表者名
藤江通昌
電話番号
03-3323-9211
営業時間
9:30~18:30
公式HP
http://www.espad.jp
対応する工事
建物企画・設計
対応エリア
全国
その他
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