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大切な家族が毎日を過ごすマイホーム。健康に、快適に暮らせるお家にしたいですよね。しかし世の中の建築資材には、目に見えない化学物質が放出されているものも多くあり、ときに住まう人の健康を害してしまう恐れもあります。
埼玉県越谷市に事務所を構える嘉藤建築設計事務所さんは、自然素材を多く取り入れ、住まう人たちが健康に暮らせるお家を設計、ときには施工までを手掛けられています。
この記事では嘉藤剛所長へのインタビューをもとに、自然素材を使ったお家の良さや、所長こだわりの家づくりについてご紹介します。
縁に導かれ建築の道に
インタビュー中の写真。
スタッフ
まずは建築のお仕事を選ばれたきっかけについて聞かせてください。
嘉藤所長
私はもともとコンピュータを学びに東京へ来て、1年間学校に通ったんですが、機械に使われるのが嫌になってしまって、結局辞めてしまいました。そこで次に何をやろうかと考えたときに、建築だと思ったんです。
スタッフ
コンピュータから建築へと、進む道を大きく転向されたんですね。
嘉藤所長
はい。というのも、私の父はコックだったんだけれど、ものすごく器用な人で、コックをやりながら大工仕事もしていたんです。私が中学生の頃には、近所の人に手伝ってもらいながら自宅を平屋で建てたりして。もしかしたらそんな父の影響があったのかもしれません。それに、これは後から知ったことなんですが、父は棟梁の息子だったみたいなんですよ。
スタッフ
なんだか不思議なお話ですね。お祖父様の代から建築の道に導かれているかのような。
嘉藤所長
そうなんですよ。それから25歳で建築の学校へ行って、27歳のときに卒業しました。その後は都心の設計事務所に行く予定でしたが、4月2日に採用取り消しの連絡が来て。そこから就職先を探して、先輩がいるからと紹介してもらった工務店に行くことになったんです。
スタッフ
紆余曲折あって工務店へ就職されたんですね。やっぱり設計事務所に行きたかったという思いはありましたか?
嘉藤所長
設計がやりたいなら設計事務所だろうと思っていましたからね。本意ではありませんでした。でも私が行った工務店は小さな会社だったので、設計もできたし、営業も現場監督も、木造も鉄骨造も、細かな修理までいろいろと経験できました。今現場を見れるのもそのときの経験のおかげなんです。
スタッフ
振り返ってみると、所長にとって一番いい道に進まれていたんですね。
住宅の仕事はお客様の喜びがそのままつくり手の喜びになる
スタッフ
独立されるときに、美術館や博物館など、大きな建物を手掛けようとは考えられなかったのですか?
嘉藤所長
私が勤めていた工務店は住宅の仕事が主でしたからね。実は住宅って大学でも専門学校でもほとんど教えないので、私も最初は興味がなかったんです。でも、やってみたら面白くて。住宅って目の前にお客様がいるから、お客様が喜んでくださるとそれがそのままこちらの喜びになるんです。そのやり甲斐を知ってから住宅しかやっていませんね。大きくてもせいぜいアパートくらいです。
スタッフ
なるほど。お客様の喜びの声がダイレクトに受け取れる、確かに大きな建物にはない喜びですね。
嘉藤所長
そうなんです。ただ、どのお客様も同じことで喜んでくださるわけではないので、その人に合わせてじっくりと考えて工夫することが大切なんですよね。今では3Dデータで部屋のイメージを表現できるので、お客様にデータを見ていただきながら具体的なご要望を伺うようにしています。
室内イメージの3Dデータ。お客様のスマートフォンで表示して、物を動かしてみることもできるそうです。
スタッフ
住宅を設計する上で特に大切にされていることはどんなことでしょうか?
嘉藤所長
一つは、機械にあまりこだわらずに、間取りを工夫することで風や光を取り入れる設計にすることです。例えば夏は、北側の低いところに作った窓から風を取り入れて室内に流したり、吹き抜けを作って上の方に作った窓から風を取り入れてシーリングファンを回したりして、できるだけエアコンに頼らない設計を心掛けています。
嘉藤所長
あともう一つ大切にしているのは、基本的に化学物質の出ない素材を使うことですね。
化学物質無添加の自然素材を使った家づくり
「無添加住宅」の建材パンフの1ページ。
スタッフ
嘉藤建築設計事務所さんは「無添加住宅」さんの正規代理店とのことですよね。無添加住宅さんが作っている「化学物質の出ない素材」を住宅に使われているということでしょうか?
嘉藤所長
はい。「無添加住宅」の自然素材を使えるのは一つ、他の設計事務所との大きな違いだと思います。自然素材は世の中にたくさんありますし、今ではたいがいの家がF☆☆☆☆(フォースター)基準で建てられています。だけど化学物質がまったく出ない自然素材はなかなか無いし、本当にシックハウス症候群の人はフォースター基準でつくった家には入れないんですよ。
F☆☆☆☆(フォースター)とは
F☆☆☆☆(フォースター)のFはホルムアルデヒド(formaldehyde)の頭文字を、スターの数はホルムアルデヒドの放散量を表しています。
ホルムアルデヒドはシックハウス症候群の原因の一つとされているため、日本では2003年から、ホルムアルデヒドを発散する恐れのある建築資材には、発散量の等級区分を示すF☆☆~☆☆☆☆マークを表示することが義務付けられています。
フォースターはホルムアルデヒド等級の最上位規格を示すマークで、ホルムアルデヒドの発散量が0もしくは0.12mg/l以下のごく微量であることを示しています。
嘉藤所長
実は最近、ホルムアルデヒドはシックハウス症候群の原因ではない可能性が高いことがわかってきているんです。
スタッフ
嘉藤所長
そう、シックハウス症候群は「揮発性の化学物質」が原因で引き起こされることはわかっているんですが、まだはっきりしたことはわかっていないんです。ただ、ホルムアルデヒドは水溶性の化学物質なので、体内に入っても尿と一緒に排出されます。本当は油性の化学物質が体にとどまって悪さをしているのではないかと言われているんですよ。
嘉藤所長
それにも関わらず、フォースターの建築資材は他のどんな化学物質が検出されていても、ホルムアルデヒドの数値さえ基準を下回っていれば「フォースター」なんです。
スタッフ
だからフォースター基準で建てられたお家でも人によっては健康を害してしまうことがあるんですね。
嘉藤所長
そうなんです。一方で「無添加住宅」は、何かの数値を下げればいいという考え方ではなく、化学物質が出る可能性があるものは使わないという考え方なんです。要するに化学接着剤や塗料などは一切使わない。ここまでこだわって建材を作っているのは「無添加」しかないんですよ。
「無添加住宅」のカタログ、パンフレット。木材や屋根・壁・床材、室内ドアやドアノブまで、さまざまな素材が紹介されています。
「無添加住宅」の米のりの紹介。「無添加住宅」さんでは細かな木材を集めて貼り合わせた集成材も、化学接着剤は一切使わず米のりで接着しています。
嘉藤所長
私は「無添加住宅」の漆喰に惹かれて代理店に加盟しました。漆喰も、日本の法律では99%に何が入っているかを記載すればいいので、残りの1%は何が入っているかわからない、そういうものが多いんです。「無添加」の漆喰はもちろん化学物質は一切使われていません。うちでは「無添加」の漆喰を内壁だけでなく外壁にも使っていますよ。
「無添加住宅」オリジナル漆喰の紹介ページ。
スタッフ
外壁にもですか。漆喰のどんなところがそんなに良いのでしょう?
嘉藤所長
最近の住宅は、外壁にはサイディング、内壁にはビニールクロスが一般的ですよね。サイディングはコーキングが長くは持たないので、約10年ごとに葺き替えが必要です。ざっと計算して一度の葺き替えに100万円ほどかかります。それに対して漆喰は少なくとも30年ほどは持つんですよ。
嘉藤建築設計事務所さん設計のS邸。外壁は無添加漆喰です。
S邸内観写真。1階は道路に面しているので、吹き抜けから自然光を取り入れています。
嘉藤所長
また、ビニールクロスは静電気を帯びるので、汚れや埃を吸着してだんだんと汚れていきます。きれいな壁に生まれ変わらせるには張り替えが必要ですよね。ところが漆喰は静電気を帯びないので汚れません。もしお子さんが落書きしてしまったとしても、消しゴムで消したり、汚れ部分を削ったり、どうしても消えない場合は水で溶いた漆喰を上から塗れば隠れてしまいます。
スタッフ
漆喰はサイディングに比べてメンテナンス費用が安く、ビニールクロスに比べて日々のお手入れも簡単、ということですね。
嘉藤所長
漆喰は初期費用が掛かりますけどね。長い目で見ると安いんです。それにビニールクロスはどうしても接着剤から化学物質が出てしまうので、やっぱり身体に良くないんですよ。
「健康的な暮らしを」と願いを込めた家づくり
嘉藤建築設計事務所さん設計のK邸室内写真。左手に見える壁にはコーラルストーン(海底から切り出したサンゴや貝殻の化石が入った石灰石)を使っています。
スタッフ
嘉藤所長はどんな願いを込めながら、一軒一軒の住宅を手掛けられているのでしょうか?
嘉藤所長
一番の願いは健康的な暮らしをしてほしいということですよね。今の建物ってどうしてもシックハウス症候群やアレルギーを発症する可能性がゼロではないですからね。
スタッフ
これまでのお話を伺うと、化学物質は私たちのごく身近にあるものだということがよくわかりますね。
嘉藤所長
そうなんです。シックハウス症候群って、発症した人の話を伺うと、転勤族の主婦の方が多いそうなんですよ。転勤するたびに改装したてのマンションに移って、常に化学物質が放出されている空間で過ごす。そんな生活が何年も続いて、ある日突然発症してしまうんです。
嘉藤所長
シックハウス症候群やアレルギーは、コップに水を注ぐと一杯になったところで溢れるのと同じように、日々化学物質にさらされていると、ある日突然症状が出るようになってしまうんですよ。
スタッフ
今症状が出ていないからといって、この先も安心だとは限らないんですね。
嘉藤所長
その通りです。だから普段から少しでも化学物質にさらされないようにすることが大切なんです。ただ、すべてを化学物質無添加の素材にしなければならないかというと、そうではありません。私としては、良い素材をできるだけ選んで使っていこうという方針なだけですので、「これをここに使いたい」と調整しながら使っていただければと思っています。
嘉藤所長
また、うちは断熱材にセルローズファイバーという新聞紙からできている断熱材を使っています。グラスウールと違い、空気を隅々まで充填することができるので、暖かい家になるんですよ。性能がいいものを柔軟に取り入れて家づくりができるといいですよね。
嘉藤建築設計事務所さん設計のI邸。次世代ソーラーシステム「そよ風」を設置して、太陽の恵みを存分に利用できる家になっています。
I邸リビング・食堂。奥に見えている食堂のベンチは作りつけ、キッチンは造作だそうです。
嘉藤所長
あとは室内の湿度も健康的な暮らしをする上で重要なポイントです。ビニールクロスは吸放湿性がないので、どうしてもカビやダニが出やすい。カビやダニもシックハウス症候群やアレルギーの原因になり得ます。今は皆さん部屋の湿度を調節するのに加湿器や除湿機を使われていますよね。でも、漆喰や無垢の木材にはそれ自体に吸放湿性があるので、健康的に暮らせる湿度を自然に保つことができるんですよ。
スタッフ
自然にですか!漆喰や無垢の木材にはそんな力まであるんですね。
嘉藤所長
そう、うちが外壁や内壁に漆喰などの壁材を使って、断熱材にセルローズファイバーを使っているのも、空気や湿度が家の中と外とを行ったり来たりできる、「呼吸する壁」にしたいからなんです。
スタッフ
「呼吸できる壁」ですか、素敵ですね!環境と調和しながら、自然のものに囲まれて暮らせたら、毎日を健やかに過ごせそうです。
嘉藤所長
そうですね。これから住宅を新築される方にはぜひ、良い素材を選んでお家を建て、毎日を健康的に過ごしていただきたいです。
口コミ、評判
嘉藤建築設計事務所さんのホームページでは、お客様の声もご紹介されています。嘉藤所長とお家づくりをされた方の声もぜひ参考になさってください。
満足度1000%の自慢のマイホームです
以前済んでいた高気密マンションは、高気密であるが故に結露がひどく、特に寝室の窓は、朝になるとびしょびしょになりカビになるほどでした。妻が花粉症でもあり長男はアレルギー体質でもあったことからマイホームは体に優しい家造りをしたいと願っていました。
建築士の嘉藤さんは、シックハウスの人に向けた家造りをされた経験のあること、ご自身が車いすのお母様との2世帯暮らしもあるなど、今の自分たちで想像しにくいことまで配慮いただけそうでしたので、お願いしました。
施工が始まってからの現場をみながらの新たな要望や改善事項についても、打ち合わせの中で取り入れていただくなど、最初に決めた仕様で進む住宅メーカーと異なりよかったなぁと思いました。
断熱材にセルローズファイバーを使い、内壁も漆喰を使ったり暖房にはエアコンのように風を巻き上げない、蓄熱暖房を取り入れるなど夏も冬も居心地のよい家になりました。下手な外出より、「やっぱり我が家はいいね。いい家だなぁ」と満足度1000%の自慢のマイホームです。
夏涼しく冬温かい
予算をはじめ諸々の制約のなかでなるべく自然素材を使用してもらえたことは大変よかったと感じています。
エアコンを未だ設置していないのですが、夏涼しく冬温かいので設置しないままでもよいかなと思います。
また、間仕切りを少なくしてもらったせいか旧宅の坪とほぼ同じわりには広々とした感じをうけます。
日本の気候風土には伝統的な素材が最適と思っているのですが、作りが伝統的なものでは現代型の生活ができませんし、法的な制約もありますから戦前までの伝統家屋を新築するのはもはや望めないことなのでしょうが、今後の日本の色というか情景として漆喰が復権してくれることを願ってやみません。
以前のマンションと比べて同じ室温でも暖かく感じられます
11月上旬から住み始め、これを書いている3月上旬までの約4か月の感想になります。
例年に無く寒い冬でした。最低気温が氷点下の日が続きましたのでセルロースファイバーとそよ風のコンビの実力を実感するには最適だったと思います。
導入して正解でした。さすがに早朝から午前中は石油ファンヒーターをつけましたが、お日様が出ていれば午後から6時ごろまで消していても十分に暖かい家になりました。
室内の温度は寒い早朝で16℃になりましたがファンヒーターをつけると早くに温まりますし、消しても暖かさが長く続くのがうれしいです。
以前に住んだマンションもファンヒーターを入れている部屋は寒くは ありませんでしたが、ほぼ1日つけていました。また、北側はかなり寒くなっていましたし、風呂場、トイレも寒暖差が大きかったです。
「そよ風&セルロースファイバー」は風呂場、トイレも寒暖差が小さく過ごしやすい空間になっています。さらに、以前のマンションと比べて同じ室温でも暖かく感じられます。
灯油の消費量にも効果が出ていますが、マンションの時にファンヒーターで温めていた空間を100としますと今の家の空間は250以上ありますので消費量は増えるだろうなと予測していました。ところが実際には消費量は70%くらいになりました。3割削減となったわけですがこれにはびっくりしています。
飼っているネコが一番暖かさを感じているようでこの家に住んでからとても元気で活動的になりました。
引用:お客様の声|嘉藤建築設計事務所ホームページ
値段感と坪単価
坪単価:75万円~
木造住宅の坪単価は税抜75万円~
嘉藤建築設計事務所さんに木造住宅の設計をお願いした場合、「無添加住宅」の建材を使い、セルロースファイバーの断熱材を入れて、坪単価は75万円(税抜)~だそうです。もちろん建材や設備にいいものを選べばそのぶん単価は上がるので、坪単価はほんの目安とお考えください。
有限会社嘉藤建築設計事務所のインタビューまとめ
インタビューからは嘉藤所長の控えめだけれど真摯なお人柄が伝わってきました。健康にやさしい建材を選び、お客様が健やかに過ごせる空間をじっくりと考え工夫しながら、一軒一軒を大切に手掛けてくださる設計士さんは貴重です。
本物の自然素材を取り入れ、プロによって考え抜かれた設計のお家をお考えであれば、ぜひ一度、嘉藤建築設計事務所さんを訪ねてみてください。
有限会社嘉藤建築設計事務所の詳細情報
会社名 |
有限会社嘉藤建築設計事務所 |
所在地 |
〒343-0025 埼玉県越谷市大沢2丁目15-11 |
代表者名 |
嘉藤剛 |
電話番号 |
0120-971-582 |
営業時間 |
8:00~17:00 |
公式HP |
https://www.katohome.com/ |
対応する工事 |
木造、特に自然素材を使いシックハウスにならない住宅の設計・監理・施工 新築・増改築・改装の設計・監理・施工 鉄骨造などの専用住宅および共同住宅などの新築・増改築の設計・監理 |
対応エリア |
埼玉県内、東京都東部、千葉県西部など (その他地域については要相談) |
その他 |
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