KOB建築設計事務所

小林代表

「家を買って、古くなったら壊す」という感覚。
これは、日本の住宅市場においてごく当たり前に繰り返され、日本人に自然と染みついてしまっている感覚です。

一方で、建物が代々受け継がれ100年以上も愛され続ける、欧米の建築。一体、何が違うのでしょうか?

東京都世田谷区にあるKOB建築設計事務所の小林代表は、建築は「ものを買う」ことではなく「ものづくり」であるとお考えです
住まわれる方が愛着を持って長く使い続けたいと思える、時代に流されない空間づくりをされています

そんな小林代表の家づくりへの想いやこだわりを、インタビューにてお伺いしてきました。

60年後も「まだまだ住んでいたい」と思える建物をつくりたい

スタッフ

小林代表が、設計のお仕事をする上で大切にしていることは何でしょうか?

小林代表

住まわれる方・使われる方に愛着を持って頂ける建物をつくることです
そして、その建物を長く使ってもらいたいと考えています。
日本の建築は木造住宅が主体であることから、欧米の建築と比べると建築寿命が短いと言われています。
ですが、建築寿命が短い理由は構造・工法の話以上に、風土に関することや、人々の生活スタイルや気持ちの変化によるものが大きいと私は考えています。

小林代表

例えば、50年前の建物と新築の建物があったとして「どちらの建物を購入して住みますか?」と人々に問うた時、日本ではおそらく新築を選ぶ方が多いですよね。
ですが、欧米には100年以上前の建物をリノベーションしながら住むという生活スタイルが存在します。
もちろん100年以上前の建物は最新の建物と比べると設備的にストレスになる部分がありますが、それ以上に人が「楽しい」「心地良い」と感じる部分がたくさんあるんですよ。

スタッフ

たしかに、日本では「建物は新しいほうが良い」という風潮がありますよね。
20年、30年で家は壊されてしまいますし。
一方で、欧米には古き良き建物がたくさん残っている印象があります。

小林代表

そうなんです。
ですから、建物は長い目で見てもらうことが大切で、その中で愛着をどれだけ持ってもらえるものをつくれるかが勝負だと私は考えています
それは、住まう方・使う方だけではなく、街・都市・環境といった風土に対しても同じです
建築は、「ものを買う」という行為ではなく「ものづくり」です。ものづくりをする上では、大切にしなくてはいけないことがたくさんあります。
建築家は、クライアントに対して「建築にはこういう側面もあるんですよ」ということを啓蒙しなければなりません。

スタッフ

日本でも、欧米のように時代とともに愛される建物が増えたら素敵ですね。

小林代表

そうですね。
日本の場合100年以上と言ってしまうと少しオーバーですが、例えば60年後に「この建物に住み続けて良かった」「まだまだ住んでいたい」と思えて、「これは良い建物なんだよ」と次世代に渡せるような家をつくりたいと思っています
人々の気持ちを動かすような素晴らしい建物は、保存されていますよね。実は、そういった建物は大きな施設だけでなく住宅でもあるんですよ。
ですから、特殊な建物だけでなく一般的なレベルの建物でも長く使ってもらえるように、時代に流されない空間づくりを心掛けています。

出来上がる建物に「設計の密度」で魂を注入する

模型

スタッフ

小林代表は、ご自身が手掛けた家に住まわれるクライアントにどのような生活を送って欲しいとお考えですか?

小林代表

ラフに生活してもらえれば良いと思います。
色々なクライアントがいますから、住まい方をなるべく制限したくないんです
建築というものは、柱・壁・床・屋根で空間を区切る行為ですから、それ自体がある種の制限となっているんです。
ですから、徒(いたずら)にこちらの想いを押し付けることなく、なるべく自由にしてあげたいと思っています
「想い=制限」ということもありますから。

スタッフ

クライアントのご意向を尊重した家づくりをなさっているんですね。
小林代表の家づくりの特徴は、他にもありますか?

小林代表

私の人生で設計できる建物は限られていますから、一期一会を大切にしています
やっつけ仕事なんてもってのほかで、やるからには最善を尽くします
あらゆることを検討したり、あらゆる側面からの提案をするんです。
その細かさのことを、私は「設計の密度」と呼んでいます。

小林代表

少しクサい言葉ですが、出来上がる建物が最終的に影響を受けるのは「情熱」だと思うんです
これは、設計者・施工者・クライアント、各々の立ち位置からの情熱です。
私の情熱は、出来上がる建物に「設計の密度で魂を注入する」ということです。
決してそこは手を抜かずに、設計活動をしていきたいと思っています。

「ものづくり」に対して、真摯に向き合いたい

KOB

スタッフ

打ち合わせの際、クライアントに対して小林代表が意識的に行っていることはありますか?

小林代表

一般の方々は図面を読めるわけではないので、誤解なく進めるために当事務所では模型やCGでの説明を頻繁に行っています
色の感覚や空間の広さについて「こういう風に見えますよ」ということをお見せするんです。
ほぼ全物件、模型やCGを出していますね。
実際のCGが、こちらです。
CG

「CG」

実物

「出来上がった建物」

スタッフ

すごいリアルですね!
色味や空間の広さまで、実物とほとんど変わらないです!

小林代表

CGの精度が高いので、出来上がりはほとんど同じです。
「出来上がった時の楽しみが半減してしまうかな?」とも思いましたが、出来上がった建物がイメージと違って後悔するより、こういったCGや模型を駆使して私が思い描いているものをクライアントと共有できたほうが良いだろうと考えたんです
クライアントの理解度は非常に高くなったと思いますよ。

小林代表

CGだけでなく、熱環境のシュミレーションや照明の照度もコンピューターで出すことができます
クライアントは家づくりが初めてだったり、そう何回も建てられるものではなかったりしますから、なるべく分かりやすくしています。
このCGも独立した当初からやっていることではなくて、どういう伝え方がベストなのかを日々勉強して、「こっちのほうが良いんじゃないか?」と色々と試しながら今に至っています

スタッフ

クライアントに、決して後悔をさせはしないという小林代表の責任感を感じます。
では次に、小林代表の今後の展望をお聞かせください。

小林代表

先程「CGを駆使している」と言いましたが、実は真逆のことを考えているんです(笑)
というのも、CADで図面を描いたり工場でつくられたものが現場に搬入されたり、どんどんスピードが速くなっていく時代の中で、もっと「ものづくり」に対して真摯に向き合いたいんです
設計者として図面やスケッチを手描きで描くなど、自分の手を動かしてものづくりができたらいいなと思っています
この事務所にある家具も、全て私がつくったものなんですよ。

スタッフ

小林代表の手づくりですか!
設計のプロフェッショナルなだけでなく家具づくりまでできるなんて、多才ですね。

小林代表

DIYでつくった、本当にシンプルなものです。
若い頃はこういった事務所の家具をつくったり自宅の子供のクロークをつくったりしていましたが、最近はなかなかつくれていません。
なので展望としては、実際に自分でものづくりをしながら、もっとアナログな建築家になれたらいいなと思っています
もちろん、それが世の中に通用するならですけど(笑)

家づくりは、信頼できるパートナーを見つけることが大切

小林代表

スタッフ

そういえば、小林代表はお勤め時代に現場監督をされていたと伺っております。
その頃の経験は、今でも生きていますか?

小林代表

すごく生きています。若い頃は職人さんたちから本当に色々なことを教えてもらいました。
建物は「どうやって取り付けるか」「どうやって納まるか」というとても細かいことの繰り返しで、それが集合体となって空間を生んでいます
「間取りを描く」ということは、二次元だけで考えて出来てしまうかもしれませんが、建物は三次元だという根本的な部分を忘れてはいけないと思うんです。

スタッフ

たしかに、図面を描いたら終わりではなく、その先には「現場でつくる」という三次元の工程が待っているわけですもんね。

小林代表

そういった意味で、今はお金を出せば何でも買える時代ではありますが、自分の好きなものを「つくってみる」という感覚が大切になります。
時々うちのスタッフにも、「本棚をつくってみなさい」と言うんです。
新卒の頃は精度の高い図面を描けないものですが、つくることで「立体のものを図面化する」という感覚を持つことができます。
つまり、逆のプロセスが分かるんです。
逆のプロセスが分かることで、自分が良いと思うカタチを二次元に落とし込むことができます

スタッフ

なるほど。
「つくる」ことに対しての想像力が育まれることで、図面の精度が上がるんですね。

小林代表

そうですね。
当事務所にはこれだけたくさんの模型がありますが、それは「壁がどう当たって」「天井がどういう角度で」「光の屈折はどうなって」ということを、実際に手を動かしながら考える必要があるからです。
先程のようなCGがあれば模型は要らないと思われるかもしれませんが、CGの中でいくら考えてもピンと来ないんです。
模型は、我々設計士の思考のプロセスの中で非常に重要なポジションを占めています
図面

KOB建築設計事務所には、たくさんの模型があります。
その一部を拝見しました。

スタッフ

CGにも模型にも、それぞれの大切な役割があるんですね。
では最後に、新築を考えているコノイエの読者に小林代表から何かアドバイスをお願いします!

小林代表

建築は「商品として購入できる感覚」が強くあると思いますが、建築は「ものづくり」です
その土地にたった一つだけの建物になります。
ですからこれから新築を建てる方は、ぜひ妥協をしないで頂きたいです。

小林代表

そのためには、分からないことがあった時に何でも相談できるパートナーを見つけてください
そのパートナーは建築家であることが一番だと思いますが、すごく熱量のある素晴らしい方、信頼できる方でしたら、例えば施工店の社長や営業マンでも良いと思うです。
パートナーと共に、とことん家づくりを楽しんでくださいね。
ご相談、お待ちしております。

値段感と坪単価

坪単価:木造80~110万円
    鉄骨造100~130万円
    RC造130万円~

まとめ

小林代表

小林代表は、そこに住まわれる方が愛着を持って、長く使い続けたいと思える家づくりをされています。

「出来上がった建物に後悔がないことが大切」と語られた小林代表。
インタビュー中、小林代表のお話の節々にクライアントに対する責任感を感じました。

小林代表に家づくりをお願いしたい方は、KOB建築設計事務所にお問い合わせください。

会社名 KOB建築設計事務所
代表者名 小林武
住所 〒157-0062
東京都世田谷区南烏山5-20-9ハウス・バム・ハンホム305
電話番号 03-6273-1005
公式HP http://www.kob.from.tv/
営業時間 9:30~18:30
主な業務 建築設計業務、監理業務
対応エリア 全国(別途交通費)