海や山などの自然に囲まれ、都心からわずか1時間という利便性を兼ね備えた街、鎌倉。
鎌倉への移住に憧れている方も、コノイエの読者の中には多いのではないでしょうか?
しかし「土地は見つかるのだろうか?」「土地勘のない場所での家づくりは心細い」といった、不安の声もあることでしょう。
鎌倉市由比ガ浜の工藤宏仁建築設計事務所・代表の工藤宏仁さんは、鎌倉出身の建築家さんです。鎌倉のある湘南地区を中心に関東圏内で、新築からリフォームまで幅広く設計を手がけられています。
家づくりにおいては、なかなか良い土地が見つからない場合や変わった土地に建てる場合があります。工藤さんはこれまで、クリエイティブな発想をもとに数々の難局を乗り越え、家づくりを成功に導いてこられました。
本記事では、そんな工藤さんの家づくりへの想いやこだわりを、インタビューをもとにご紹介しております。これから家づくりしようとお考えの方は、本記事をぜひご一読ください。
鎌倉で生まれ育った建築家が叶える、鎌倉での家づくり
スタッフ
工藤さん
メインとなっているのは、鎌倉を含む湘南地区での依頼です。
私自身、鎌倉で生まれ鎌倉で育ったぶん風土や土地柄をよく知っていて、仕事のしやすさは感じていますね。それに、現場が事務所の近くであれば、すぐに見に行くことができるんです。
スタッフ
工藤さんに家づくりをお願いされるお施主さんは、もともと鎌倉にお住まいの方なのでしょうか?それとも、これから鎌倉に住みたいとお考えの方なのでしょうか?
工藤さん
これから鎌倉に住もうとお考えの方の場合は、土地探しの段階からご相談を頂くこともあります。
工藤さん
タイミングによっては、すぐに見つかることもあるのですが。
スタッフ
工藤さん
今後もし地震が起きた場合のことを考えても、海に近すぎると危険ということもありますし。
もちろん、周辺エリアでご納得されるかどうかは、お施主さんにもよりますが。
工藤さん
築年数が長く経っていても、良質な建物であればリノベーションで長く使っていくことができるんです。
スタッフ
二段擁壁という難曲を乗り越え完成した、絶景の家
スタッフ
工藤さん
二段擁壁には家を建ててはいけないので、二段擁壁の上段を崩して斜面にしたり杭をたくさん打ち、お隣の家との境に新たに擁壁をつくったりという、造成工事を含む家づくりとなったんです。
工藤さん
ですが、その土地は高台の見晴らしの良い土地だったので、最終的には二階のリビングから海が見える良い家になりましたよ。
ただ、その時に感じたのは、達成感というよりは安堵感でしたね(笑)

お話に出てきたお家を拝見しました。
上段の擁壁を斜面にして家を建てたそうです。
右側にはお隣との境として新たな擁壁をつくり、左側には芝生を敷いてあります。

二階のリビングからの眺めです。
大きな窓から海が見える、絶景の家となりました。
スタッフ
ところで、このような難しい案件はよくあることなのでしょうか?
工藤さん
なので、難しいもの慣れはしていますが、それでも「思っていた以上に難しい」という案件も中にはあります。
工藤さん
その時は、杭を打つための重機も上げられなかったので、杭の手打ちができる業者を探したり、手打ちをするために杭の本数を最小限にしたりという工夫が必要でした。


お話に出てきた家のお写真です。
敷地にたどり着くまでに細い階段を登る必要があり、大きな重機を使わずに建てたそうです。
スタッフ
それにしても、こういった難しい案件が多いのは、正直大変ではないですか?
工藤さん
ただ難しい案件は、完成するまでにどうしても時間がかかる場合が多く、お施主さんの引っ越しまでの家賃などの兼ね合いが難しいところでもあります。
趣味の異なるご夫婦の意見を、全て取り入れ融合させた家
スタッフ
工藤さん
そんな時、私は「まぁまぁまぁ、両方実現できるようにしましょうよ」と仲裁に入ります(笑)
スタッフ
意見の割れているご夫婦の意見を両方実現するなんて、可能なのでしょうか?
工藤さん
例えば、こちらの家をつくったときも、ご夫婦で趣味が合わない部分がありました。旦那様は和風なものが好きで、奥様は洋風なものが好きだったんです。
旦那様と奥様がそれぞれの意見をお持ちでしたが、それらを全て取り入れてうまく融合し、良い家になりましたよ。

ご夫婦の異なるご意見が取り入れられた家の外観です。
工藤さん
さらに、私の中に「エネルギッシュな旦那様は赤」「奥様は青」というご夫婦の色のイメージもあったので、それぞれの旦那様と奥様の場所をそれぞれ色分けしました。

和風なものが好みの旦那様がご希望されたバーです。
旦那様のイメージカラーでもある赤が取り入れられています。

向かって左側には、奥様のイメージカラーである青の壁。
ご夫婦それぞれのご希望が、こちらのリビングでうまく繋がります。
スタッフ
では、工藤さんがお施主さんに対して「意見が合わない」感じることはないのでしょうか?
工藤さん
お施主さんが「どういう住まいが欲しいか」をお聞きしてカタチにすることが、私の仕事だからです。
もちろんお施主さんには色々な方がいて、中にはすごく個性的な考えをお持ちの方もいます。
でも私は、それも「おもしろい」と思うんです。
お施主さんに合わせた家を毎回つくっていくので、当然、家のカタチも毎回違ったものになるんですよ。
スタッフ
では、工藤さんが家づくりをしていて、大変なことは何ですか?
工藤さん
でも、そういった時は「これは諦めなくてはいけないけど、こうすれば、もっと良くなります」という風に、常にクリエイティブな方法で解決するようにしています。
スタッフ
最後に、これから家を建てようとお考えのコノイエの読者の方々に、工藤さんからアドバイスをお願いします。
工藤さん
要望をどんどん出すことで、オンリーワンの家になりますから。
ぜひ、自分だけの家づくりを楽しんでください。ご相談、お待ちしてます。
値段感と坪単価
坪単価:70万円~
まとめ
一点ものの土地に建てる家づくりにおいて、思わぬ難局にぶち当たることも珍しくありません。
そんな家づくりにおいては、工藤さんのようにクリエイティブな発想を持って対処をしてくださる建築家さんの存在が欠かせません。
二段擁壁に建てた家や、重機が入らない敷地、異なる趣味をお持ちのご夫婦の家など、数々の難しい家づくりをされてきた工藤さんのエピソードには、感服しました。
鎌倉で生まれ育った工藤さんは、湘南地区での家づくりをお考えの方に特におすすめです。
工藤さんに家づくりをお願いしたい方は、工藤宏仁建築設計事務所にぜひお問い合わせください。
竣工写真撮影;鳥村鋼一
会社名 | 工藤宏仁建築設計事務所 |
---|---|
代表者名 | 工藤宏仁 |
住所 | 〒248-0014 神奈川県鎌倉市由比ガ浜3-5-7 |
電話番号 | 0467-22-3008 |
公式HP | https://kojikudo.com |
営業時間 | 10:00~18:00 | 主な業務 | 住宅・店舗・大型物件の設計、リフォーム |
対応エリア | 関東 |