新築を考え始めたときに、あなたが思い描くものは何でしょうか?
建物のほかに、想像できたものはありますか?
実は、建物のことだけを考えても、なかなか良い家はつくれません。
なぜなら、周囲の環境を考慮することも、家づくりにおいては欠かせないためです。
東京都世田谷区のMORIYA AND PARTNERS(モリヤ・アンド・パートナーズ)さんは、住宅や商業建築などを手がける一級建築士事務所です。
「クライアント」と「場所」をもとにして、建築デザインを導き出していらっしゃいます。
そこで、MORIYA AND PARTNERSの代表である森屋さんにお話をうかがいました。
この記事では、森屋さんが建築を手がける際に、大切にしている想いについて紹介いたします。
「場所」に人格を見出す
スタッフ
森屋さんがメインにしていらっしゃる建築は何ですか?
森屋さん
こちらから仕事を選ぶのではなく、いただいた仕事に対してしっかりと向き合うというスタンスです。
一つだけ言えるのは、都心からは商業建築のご依頼が多く、郊外や地方からは住宅のご依頼が多いということでしょうか。
スタッフ
森屋さん
実際に、過去に私が手がけた建築が、郊外や地方からのご依頼につながったケースは多いです。
スタッフ
郊外や地方で新築したいというお客様は、どちらの実例に注目なさるケースが多いのでしょうか?
森屋さん
同じ敷地内に市指定文化財の古民家があり、その貴重な建物を壊さないように注意を払いながら新築しました。

焼き杉を用いて建てた伊勢原市の新築住宅。
周囲に違和感なく溶け込むデザインで、あたかも昔からこの場所にあったかのようです。

周りの景色を切り取る、シルバーの壁。
建物と自然が相乗効果をもたらし、昇華された「美」を創り出しています。
スタッフ
いったい何の素材を使っているのでしょうか?
森屋さん
しかし、よそから調達するのが難しかったので、私たち自身で一本ずつ杉を焼いて作りました。
スタッフ
相当な時間がかかったのではありませんか?
森屋さん
設計してから完成するまで、3年を要しましたからね。
スタッフ
なぜ、手間をかけてまで、わざわざ焼き杉を用いたのでしょうか?
森屋さん
隣に建つ古民家のように、新築した建物もやがてその場所の一部になりますからね。
スタッフ
たしかに写真を拝見すると、新築が周囲の環境と一体となって見えます。
森屋さん
私は、「場所」にも人格のようなものがあると考えているんですよ。
クライアントと場所、二人のお客さんと対話しながら設計しているような感覚なのです。
スタッフ
森屋さんが「場所」の個性を活かせる建築士さんだからこそ、郊外や地方といった強い個性を持つ地域からご依頼が多いのかもしれませんね。
森屋さん
伊勢原市の住宅において、「場所」と真剣に向き合った経験が、私にとって大きな財産となりました。
その後も、「場所」の価値を尊重していきたいと思いながら、設計に取り組んでいます。
その方ならではの空間をつくっていただく
スタッフ
森屋さん
もし私の提案を気に入っていただけなかった場合は、あらためてお客さんと会話を重ねて、どのように変えるべきかを粘り強く考えます。
住宅は、お客さんと私がコラボレーションしてつくるものですからね。
スタッフ
お客様にとって理想の家を、森屋さんが実現していくわけですね。
森屋さん
ところが、お客さんの意見を反映して理想の家をつくったとしても、お客さんが私の想定した通りの使い方をするとは限りません。それがまた、建築の面白いところなんです。
スタッフ
森屋さん
家は、その方ならではの空間にどんどん変わっていくものです。
新築後にお客さんが家をどのように使っていらっしゃるのか、拝見するのも楽しみの一つになっています。
スタッフ
ちなみに、森屋さんには「このように家を使っていただきたい」といった願望はないのでしょうか?
森屋さん
それだけに、お客さんの自由な使い方を受け入れられる空間づくりを私は目指しています。
スタッフ
森屋さんがそのように考えるのは、どうしてですか?
森屋さん
現代は家づくりにも工業化の波が押し寄せ、空間の多様さがすっかり失われてしまいました。
画一的に造られた工業製品のような空間に、人が押し込められるさまは、見ていて不自然に感じませんか?
スタッフ
すべての方が違う感性を持ち、異なった生活を送っているのですから、最適な空間は人それぞれだと思います。
森屋さん
お客さんには、私の設計した住宅に自由に住んでもらい、多様な空間を創り出していただきたいですね。
原動力は「建築が好き」という気持ち
スタッフ
森屋さん
子どものころは秘密基地をつくるのが好きでしたし、中学・高校時代は6畳くらいの自室の模様替えで、クシャクシャに丸めた紙を壁全体に貼ってみたりしたものです。
スタッフ
インテリアデザインにも興味があったのでしょうか?
森屋さん
建築を通して空間を考えるのが好きだったので、最終的には大学で建築を専攻しましたが。
スタッフ
それにしても、建築が好きだという気持ちは昔から変わらないのですね。
森屋さん
だからこそ、大きな壁が目の前にあっても、ずっと挑戦しつづけてこられたのだと思います。
スタッフ
森屋さん
私自身、好きで建築を行っているからこそ、単なる住まいを超えた、その人・その場所だけのオリジナルな空間を、提供できるのだと思っています。
建築では大変なこともたくさんありますが、これからもお客さんに喜んでいただける建物をつくっていきたいですね。
スタッフ
森屋さん
ご近所との関係を大切にすれば気持ちよく暮らせますし、まちづくりに貢献すれば地域が活性化します。すると、10年後20年後の自分に対しても、何か良いことが返ってくるはずです。
ですから、まずは自分の側から周りに対して、どんな貢献ができるか考えてみることをお勧めします。
スタッフ
本日はお忙しいなか、誠にありがとうございました。
値段感と坪単価
坪単価:100万円~150万円
まとめ
「クライアント」と、人格を持った一人の「場所」。
二人の想いをもとにして、一つの建築デザインが導き出されます。
しかし、建築デザインを導き出すことは容易ではないでしょう。
「クライアント」が、想いのすべてを言葉にできるとは限りません。
「場所」に至っては、想いを感じ取ってもらえることを、ひたすら待つのみです。
それでも、森屋さんは対話を続けることで最善を尽くします。
建築が好きだという気持ちをもって対話に取り組み、妥協しません。
だからこそ、誰にとっても理想の建築がつくれるのです。
周囲の環境を強く意識した建築を目指す森屋さん。
MORIYA AND PARTNERSさんは、いつまでも愛される建築をつくっていらっしゃいます。
会社名 | MORIYA AND PARTNERS |
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代表者名 | 森屋 隆洋 |
住所 | 〒158-0095 東京都世田谷区瀬田2-14-8 |
電話番号 | 050-3697-1050 |
公式HP | http://www.moriyaandpartners.jp/ |
営業時間 | 9:00~17:00 ※土日祝は定休日 |
主な業務 | 住宅・店舗・オフィスの設計 |
対応エリア | 全国 |