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大切な家族と暮らす住まいは、快適であることはもちろん、健やかに過ごせるものにしたいですよね。
神奈川県鎌倉市に事務所を構えるナチュラルサポートさんは、地球環境を守るため、また、人の健康を守るために、住宅の素材には薬剤フリーの国産無垢材を使い、有害な接着剤や塗料を一切使わない「無農薬の家」を手掛けられています。
この記事では、ナチュラルサポートの森下義樹社長のインタビューをもとに、森下社長の家づくりへのこだわりや、住まう人たちへの想いについてご紹介します。
自身の体験や住宅業界の闇を受けてゼロから家づくりの道へ
インタビュー中の写真。森下社長と、社長の奥様にもお話を聞かせて頂きました。
スタッフ
まずは森下社長が「無農薬の家」を手掛けるに至ったきっかけを教えてください。
森下社長
私は若い頃、都市型ビルの建設現場で、図面を引いたり、現場監督をしたり、職人さんを手伝ったりする仕事をしていました。6〜7年間はほとんどビルの地下2階にある現場事務所で生活しているような状態で、その頃に、当時はまだ一般的でなかった花粉症になってしまったんです。
スタッフ
花粉症を発症されたことで、ご自身の身体の異変に気づかれたのですね。
森下社長
そうなんです。その頃はいつもコンクリートの臭いがする空間で過ごしていましたからね。その後、結婚して息子が2人生まれましたが、2人ともアトピー性皮膚炎や喘息、その他にもいろいろなアレルギーを持って生まれたんです。後から考えると、私の若い頃の労働環境や食生活などが、息子たちの体質にまで影響を及ぼしたのではないかと思っています。
スタッフ
ご自身の体調の変化や、息子さんたちの体質を受けて、その原因がどこにあるのかを模索してこられたのですね。
森下社長
はい。また、私は結婚を期に、ビル業界から戸建て業界に移って、最終的に2社の工務店にお世話になりました。どちらも環境保全やエコに力を入れているところで、1社目の工務店は、よく大学教授や専門家を招いて、環境や健康に関するセミナーを開いていました。ところが、その人たちの話を聞いているうちに、エコだと言われていることが実はエコじゃないとか、住宅の床下に撒かれるシロアリ駆除剤がベトナム戦争で使われた枯葉剤と同じような成分だとか、そういうことを知るようになったんです。
スタッフ
シロアリ駆除剤が兵器と同じ成分だなんて……恐ろしい話ですね。
森下社長
さらに、その工務店が建てていた住宅は「国産材使用」と言いながら、国産なのは目立つところだけで、目立たない部材や小さな部材はほとんどが外国産だったんです。外国産材はなにか臭いがするんですよ。当時は「こういうものなのかな?」と思っていたけれど、あの臭いは防腐剤や防虫剤などの薬品の臭いだったんです。
スタッフ
戸建て業界に入ったことで、人々に最も身近な住まいにも、環境や身体に優しくないものがたくさん使われていることを知ってしまったのですね。
森下社長
その通りです。私は営業設計として働いていたので、そんな住宅を最前線で勧める立場でした。だんだんと、おかしいんじゃないかと思うようになり、お金を出してくださっているお施主さんに対して、つくる側が毒を盛っているようなものじゃないかと考えるようになりました。それが嫌で、新しい工務店には「これまでの世の中にない住宅を開発したい、自分の自由にさせてくれないか」と交渉して入って、そこでは2〜3年ほど勤めました。
スタッフ
新しい工務店の社長に直談判されてまで、環境に、身体に優しい家づくりをしようと思われたのですね。
森下社長
はい。全国からよりすぐりの素材を集めて、ひとつ開発してやるぞと意気込んでいました。その後、私が手掛ける住宅は、アレルギー体質の方にも対応できると工務店の広告に使われるようになり、工務店が所属していた団体からは、研修材料としても使われるようになりました。
森下社長
しかし、内部では「お前のつくるものは面倒くさい」と、「お前の現場は儲からない」と言われるようになっていったので、居づらくなってしまったんです。
スタッフ
森下社長
はい。NPOを立ち上げたときの仲間と一緒に、一か八か、裸一貫でやってみようと、ダメだったらまたどこかに勤めればいいと思って、スタートを切りました。
MEMO
森下社長が立ち上げられたNPO法人環境勘察グループ
あおい。くじらは、子どもたちの身体の安全を第一に考えた、衣・食・住を研究されている団体です。その活動の一つとして、化学物質過敏症やアレルギー体質の方にとって優しい住環境を提供しようと、営利活動を行う部門「株式会社ナチュラルサポート」を設立されました。
薬剤フリーの自然素材の家を体質に合わせてプロデュース
木材のサンプル。ナチュラルサポートさんが取り扱う木材は、主に静岡県浜松市の天竜材(てんりゅうざい)だそうです。
スタッフ
森下社長はナチュラルサポートを設立された当初から、「無農薬の家」を手掛けられているんですね。「無農薬の家」とは具体的に、どのような住宅なのでしょうか?
森下社長
「無農薬の家」は、有害な薬剤処理を行っていない国産の無垢木材や漆喰など、自然の素材で施工した住宅です。今、日本の住宅に使われている木材には外国産のものも多いですが、外国の木材は日本に持ってくると、日本の菌や虫や湿気にやられてしまいます。そこで防腐・防虫・防カビなどのためにさまざまな薬剤で処理されているんですね。また、悩ましいのは、外国産だけでなく国産の木材も同様の処理がされている場合があることです。
スタッフ
薬剤処理されている木材が住宅に使われているとなると、化学物質過敏症やアレルギー体質の方は住宅で体調を崩してしまう場合があるんですね。
森下社長
そうなんです。木材に使われている薬剤や、新建材に使われている接着剤からは、シックハウス症候群の原因となる臭いやガスが放出されています。壁材に使う漆喰や珪藻土も、自然素材だと思いきや、割れ防止のために接着剤が使われていたり、防カビ剤が使われていたりします。私たちは内装加工では通常、接着剤を使用しません。どうしても必要な場合は化学物質過敏症の方にも応能しにくい接着剤を使用しています。
新建材とは
新建材とは、薄くスライスした木を貼り合わせた
合板や、細かな木材を貼り合わせた
集成材、壁紙に使われるビニールクロスなど、新しい製法で作り出された建材のことです。
新建材は安くて扱いやすいため、今や多くの住宅で取り入れられていますが、新建材に使われている接着剤やビニール素材からは、シックハウス症候群の原因にもなる有害なガスが出ています。
森下社長
ただ、食べ物や化粧品なんかもそうですが、人には合う合わないがあります。自然素材だからといって、すべての人にとっていい素材かどうかはわかりません。例えば、いい香りだからとお風呂場に檜葉(ヒバ)をふんだんに使ったら、ヒバアレルギーを起こしてしまう人もいる。天然のものでも、たくさんの量があるとその人にとっては害になることもあるんです。
スタッフ
なるほど。自然素材だから身体にいいとは限らないんですね。
森下社長
そう、逆に人工のものでもかなり少量であれば身体への影響がそれほどない場合もあります。だから、あまり固定観念は持ってはいけないんですね。私たちは家づくりの際に、重度アレルギーの方と、それ以外の方を仮に軽度アレルギーとして区分して、木材や接着剤などのサンプルでアレルギーテストを行ってもらっています。
スタッフ
お客様をまずは重度アレルギーか軽度アレルギーかに分けるということですか?
森下社長
はい。アレルギーは特に無いと思われている方も、実は何かが苦手な場合や、親御さんは平気でもお子さんはアレルギー反応が出る場合もありますからね。必ずみなさんにテストしてもらっています。軽度の方には室内の表面的な木材や仕上げ材のテストを、重度の方には床下の基礎や、壁の中の部材、室内に至るまで、木材や接着剤などの揮発の可能性のあるもの、すべてをテストしてもらいます。
スタッフ
森下社長
重度アレルギーや過敏症の方は、家の裏側まで気にする必要があるんですよ。換気扇を回したときや気圧の変化が激しいときは、コンセントの穴にビニールをかざすと室内に向かって風が発生しているのがわかるはずです。これはつまり、外に対してプラス、室内がマイナスの関係になると、外気が床下・壁・天井を通って室内に入ってくるということです。家の裏側に接着剤や薬剤が使われていれば、室内にその空気と臭いが入ってきてしまうんです。
スタッフ
なるほど。だから家の裏側まで丁寧にテストしておく必要があるんですね。
森下社長
はい。テストの結果、私たちが「標準仕様」としているものに対してアレルギー反応が出なければ、標準仕様のコースで家づくりを進めます。ただ、その中で一つでも苦手なものがあれば、違うもので一つずつテストしていきます。例えば、ヒノキが苦手であれば、スギなど、他の素材を触れたり嗅いだりしてテストしてもらいます。
スタッフ
自然の素材にも、合う合わないがあるなんて驚きました。
森下社長
自然素材はおおかた身体に優しいんですけどね。でも「自然素材イコール安心」ではない。「自然素材の家」を売りにしている会社さんでも、その部分をきちんと理解して家づくりをしてくれるところを選ばないといけません。
自然素材は断熱性能や吸放湿性能が抜群
ナチュラルサポートさんの「無農薬の家」。中央に見えている丸太の柱は全長6mあり、屋根まで支えています。
スタッフ
「無農薬の家」に使用されている木材は、静岡県浜松市の天竜材だそうですね。
森下社長
はい。山を管理している業者さんと直接やり取りして木材を買い付けています。時にはお施主さんと一緒に山へ行って、シンボル丸太や太鼓梁(たいこばり)を選んだりもしていますよ。
お施主さんと、静岡県浜松市の山でシンボル丸太や太鼓梁などを選ばれた時の写真です。
「無農薬の家」のリビング。シンボル丸太のヒノキの柱がアクセントになっています。
スタッフ
森下社長
そうでしょう。枝ぶりやデコボコした感じ、模様やアクセントがあるもの、いろんな形をした木がありますからね。山を管理している方からもおすすめやアドバイスを聞いて選んで頂いています。
スタッフ
山からやって来た本物の木を使って、家を建てていくんだという実感がわきますね。ところで、伝統的な造りの家は、やっぱり冬は寒いのでしょうか?
森下社長
それが、木材はそのものが断熱材のようなものなので、冬も暖かいんですよ。私たちの事務所も同じ造りですが、冬はカセットを使ったストーブをつけておけば、それだけで暖かいんです。帰りにストーブを消して、翌朝入ってみると、氷が張るような寒い日でも、中はじんわり暖かくて、熱が保たれているのがわかります。
スタッフ
真冬の夜も熱が保てるとは、断熱性能の高さが伺えますね。それでは夏はいかがでしょう?
森下社長
夏は日中、お客様のためにエアコンをつけていますが、帰りに消すと翌朝ひんやりしているので「あれ?エアコン付けっぱなしじゃない?」と驚くほどです(笑)。家では窓を開けて、シーリングファンを回して、一番暑い時は扇風機をつけています。エアコンを使う機会はなかなか無いですね。
スタッフ
夏はエアコンなしでも過ごせるほどの涼しさなんですね。
森下社長
そうなんです。自然の木の柱って、1本でだいたいビール瓶2.5本分もの水を吸放湿できるんですよ。さらに、壁材に使う漆喰や珪藻土も吸放湿性が高いんです。家中が無垢の木材と漆喰で囲まれていると、室内の湿度は年間を通して40%台後半〜60%台前半の値で一定に保たれます。だから夏もそれほど暑く感じないし、床はサラッとしていて、裸足で歩いてもベタベタしません。一つの部屋に大量の洗濯物を干してもカラッと乾きます。冬は逆に水分を放出してくれるので、室内はそこまで乾燥しません。乾燥しない部屋では、室温が15〜17度ほどでも暖かいんですよ。
スタッフ
すごい!自然の素材は身体に優しいだけでなく、断熱性や吸放湿性も抜群なんですね!
自然の素材は性能も高く菌やウイルスにも強い、これからより注目されるべき素材
上棟時のお写真です。外壁まで美しい無垢材が使われているのがわかります。
スタッフ
森下社長
最近、化学物質過敏症の方やアレルギー体質の方から「ナチュラルサポートさんは賃貸の部屋はやっていないんですか?」とよくご質問を受けるんです。しかし残念ながら、私たちにはまだ集合住宅を丸々用意できるだけの経済力はありません。ただ、夢としてはそんな方々のためにマンションやアパートを一棟丸ごと、環境にも健康にも優しいものを手掛けたいという思いがあります。
スタッフ
そんな建物を望む方はたくさんいらっしゃるでしょうね。
森下社長
そうですね。いつか手掛けられたらと思っています。また、今や住宅をはじめ多くの建物が、電気じかけ機械じかけのハイテクなものに様変わりしていっていますよね。でも、自然の素材を生かした建物も、実はこんなにも性能が高いんです。それを多くの方はご存知ありません。
築60年以上の古民家でキッチンの改修・改造をされたときのお写真。キッチン本体とバックセットを無垢の木材で生まれ変わらせました。
森下社長
スギやヒノキなどの無垢材は、リラックス効果のα・ピネン、ヒノキチオール、殺菌・防腐作用のリモネン等の抗ウイルス性の高さから、ウイルスが付着すると10~20分ほどでウイルスを減少させてしまいます。さらに漆喰は、吸水性が高いだけでなく、主原料が消石灰なので、細菌やウイルスを吸着して増殖を防ぐ効果もあるんですよ。
参考
ウイルスと共存してゆくにはナチュラルサポート[アトピー・喘息・化学物質過敏症等のアレルギーの方を中心に支援する市民活動&設計事務所]
スタッフ
自然の素材がそんなにもいろいろな力を持っているなんて!これからの時代、もっと注目されるべきことですね。
森下社長
そうなんです。ただ、「自然素材」といっても、世の中には嘘や、見せかけや、紛らわしいものが溢れています。例えば、フルーツが入っているような飲み物でも、香料で味を表現しているだけで、実は無果汁だったりする。そのような見せかけのものが、建築業界にもものすごく多いんです。「国産」や「無添加」なんて言葉は、その最たるものですよね。シックハウス対策法も、薬剤や接着剤までを完璧に取り締まっているわけではありません。
スタッフ
身体にいいと思って選んだものが、実はあまり良くないものであることも多いのですね。
森下社長
そうなんです。飲べ物や飲み物を浄化するフィルターは体内にたくさんありますが、建物が生み出した有害な空気は、肺に入るとそのまま血液に混ざって、全身に送られます。特に女性はその影響を強く受けることがわかっているんですよ。女性の身体がダメージを受けるとすれば、生まれてくる子どもも当然ダメージを受けますよね。
スタッフ
家族みんなが健康に暮らすためにも、住宅には特にこだわらなければいけませんね。
森下社長
その通りです。これから家づくりをされるみなさんには、真実をもっとよく知って、自分たちにとって本当に良いものを選び抜いてほしいと思っています。
値段感と坪単価
坪単価:55万円~
スタンダードな「無農薬の家」を建てるなら坪単価は55万円~
ナチュラルサポートさんで「無農薬の家」を建てる場合、坪単価55万円〜だそうです。ただ、どうしても建売住宅と同じくらいの予算しかないというお客様のために、
坪単価49万円〜のローコスト版のメニューもご用意されているそうです。なお、ナチュラルサポートさんはログハウスも手掛けられています(坪単価69万円〜)。
工期は「無農薬の家」が半年〜8ヶ月程度、ログハウスは職人さんが集まるかどうかにもよりますが、だいたい4ヶ月程度だそうです。
株式会社ナチュラルサポートのインタビューまとめ
自然の素材がふんだんに使われたお家は、環境や健康に優しいだけでなく、断熱性能や吸放湿性能に優れていて、菌やウイルスにも強いなんて、驚きですね。
森下社長はインタビューの中で「私たちは森の神様をお連れして、建物を建てていると思っています。私たち人間も、自然の中に生きている。自然のものと共存して、自然の力を受けながら暮らしていけるはず」だとおっしゃっていました。
これからの時代は、自然の素材を取り入れた住宅がもっと注目されるようになるでしょう。家づくりをお考えであれば、まずは一度、ナチュラルサポートさんを訪ねてみてはいかがでしょうか。
株式会社ナチュラルサポートの詳細情報
会社名 |
株式会社ナチュラルサポート |
所在地 |
〒248-0007 神奈川県鎌倉市大町2-1-5 |
代表者名 |
森下義樹 |
電話番号 |
0467-37-7877 |
営業時間 |
10:00~17:00 |
公式HP |
https://enspt.org/ |
対応する工事 |
建築設計・施工、リフォーム、家具などのデザイン |
対応エリア |
首都圏近郊+静岡 (山梨、群馬、茨城、静岡、千葉の一部は要相談) |
その他 |
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