小笠原正豊建築設計事務所

小笠原さん正面写真

せっかくお家を建てるなら、こだわりの詰まった注文住宅を建てたいですよね。

小笠原正豊建築設計事務所の建築士、小笠原正豊さんは、日本とアメリカでいくつもの建築プロジェクトを担当し、施主が本当に求めていることを、言葉や数値だけにとらわれず、さまざまな角度から考え検証することで、確実に実現され続けています。

この記事では小笠原さんへのインタビューをもとに、小笠原さんの建築に対する考え方やこだわり、設計をする上で重視していることなどについてご紹介します。

大学時代に航空工学から建築に転向。アメリカでも建築を学ぶ

インタビュー風景

インタビュー中の写真。広いテーブルでは普段、施主の方と図面や書類を広げて打ち合わせをします。

スタッフ

小笠原さんは、東京大学で航空工学と建築を学ばれた後、アメリカでも建築を学ばれたそうですね。
まずは建築の道に進もうと思われた経緯について聞かせてください。

小笠原さん

私の祖父は戦前、アメリカの大学院で航空工学を学び、日本人として運良く修士を取ることができました。
また、私自身も飛行機のデザインに魅力を感じていたこともあって、大学ではまず航空工学を学びました。

スタッフ

お祖父様の影響もあって、航空工学を学ばれたのですね。その後、どのような気持ちの変化があり、建築学科へ進まれたのでしょう?

小笠原さん

一番の理由は、航空工学が自分のやりたいものとは違うと感じたことですね。
というのも、飛行機の「形」というのは、工学の細かな情報とともに、数百人もの人が集められてつくられていくんです。
そうすると結局、飛行機のデザインといっても、翼の一部分を設計・計画・検討するとか、そういう話になってしまう。
私はもっと、自分の旗を振って、自分の手でマネジメントできるようなものをデザインしたいと思ったんです。

スタッフ

なるほど。そこで建築が一つの選択肢として挙がったのですね。

小笠原さん

はい。ただ当時は、建築を仕事にしていくのは大変なことだとよく聞かされていたし、建築家は色々な分野に長けた、アーティストのような人でないとできない仕事だと思っていました。
だからまずは、飛行機よりももう少し小さな物、車や文房具でもいいですし、そういったインダストリアルデザインでもいいのでは?と考えて夜間の専門学校にも通いました。
けれど、人生は一回きりですからね、賭けてみたいと思ったんです。

スタッフ

建築の道を選ぶにも、はじめは葛藤があったのですね。

小笠原さん

そうなんです。その後、いったん航空宇宙工学科を卒業して、当時相談に乗っていただいていた、建築家の渡辺武信さんのアドバイスもあり、まずは東大の建築学科で学ぶことにしました。
学士入学でしたので、2年で建築学科を卒業し、その後ハーバード大学に留学しました。

育った家で得た感覚を、設計にも取り入れる

渡辺武信さん著書

渡辺武信さんの著書。渡辺さんは住まいと暮らしについての本や、詩集なども多数世に出されています。

スタッフ

先ほどのお話で名前が挙がった、渡辺武信さんとはどのような建築家さんなのでしょうか?

小笠原さん

渡辺さんは、住宅作家でありながら、映画評論家でもあって、詩人でもあるという、多才な建築家さんです。
ちょっと運命的な感じなのですが、小中高大学とハーバードまで、すべて私と同じ学校に行かれているんですね。さらに、私の育った家を設計された方でもあるんです。

スタッフ

本当に運命的ですね。

小笠原さん

私の母は自由学園という学校出身なのですが、自由学園にはフランク・ロイド・ライトというアメリカの建築家さんが設計した校舎があるんです。
母はライトの影響を強く受けていて、ライトの思想的な建築、あとはその素材感、物質的なものにも共感していました。また、渡辺さんもライトが好きだったんですよね。
そこで両親は自邸の設計を渡辺さんに依頼したわけです。
フランク・ロイド・ライトとは
フランク・ロイド・ライトは、ル・コルビュジエなどとともに近代建築の巨匠の一人として数えられる、アメリカの建築家です。
自由学園の明日館をはじめ、旧帝国ホテルなど、日本でもいくつかの作品を残しています。

小笠原さん

ル・コルビュジエは、時代の先を行く新しい空間、新しいライフスタイルを提唱しました。一方でライトは、新しさというよりはもっと土着な感じというか、「人が人らしく暮らす」とか、木や石などの素材感を大事にするとか、そんなスタイルだったんですよね。

スタッフ

なるほど。その考え方にお母様も渡辺さんも共感されていたのですね。

小笠原さん

そうなんです。私はそんな渡辺さんが設計した住宅で育って、空間の質感や色などを含めて、実際に体感しました
設計者が何をどう考えて設計したかは、平面図や立面図、写真だけではわからない部分も多々あります。その部分も含め、自分は体感できた。これは自分が建築をやるときにも活かせるんじゃないかと思いました。

スタッフ

小笠原さんもライトや渡辺さんのような考え方を建築に取り入れられているのですね。

小笠原さん

そうですね。少なからず影響を受けている部分はあると思います。
ただ私は、いわゆる「建築界」の、建築になにか哲学的な意味合いを持たせて問題提起をするような事は得意ではないんです。
何というか、もうちょっと地味というか(笑)。こんな感じだと光が綺麗かなとか、素材や、触った感じが気持ちがいいなとか、そういう感覚的なものにより興味があって

スタッフ

渡辺さんの設計を肌で感じられた小笠原さんだからこそ、持つことができる視点ですね。

小笠原さん

そうかもしれませんね。
また、建築界では「住宅は批評性がないといけない」みたいな考え方もあって、それはそれで大切な事だと思うのですが、私自身はどちらかと言うと「家族と家」をどのようにつくっていくかにより興味があるんです。今思い返してみると、それも一つ、私が建築を始めた理由かもしれません。

住まう人が本当に求めているものを感じられる空間をつくる

緑を眺められる窓

スタッフ

小笠原さんの設計へのこだわりを教えてください。

小笠原さん

私が設計を行う上で一番大切にしているのは、施主が何をしたいのかという点です。
例えば、施主が「天井をできるだけ高くしたい」とおっしゃっているとします。しかし人は、実際の数値が高ければ「高い」と感じるわけではありません。天井の高さは、部屋に差し込む光によっても感じ方が異なるんです。

スタッフ

部屋に差し込む光、ですか。

小笠原さん

例えばマンションなどでも、天井が高いほうがより高値で売れます。そのため、天井高2400(2.4メートル)など、上げられるところまで天井を高く設計されることが多いんですね。
ただ、天井を高くしても、その分窓の上に梁が出ていれば、梁の裏には影ができてしまう。すると数値ほどの高さが感じられなかったりします。

スタッフ

なるほど。ただ単に高さを確保すればいいわけではないのですね。

小笠原さん

渡辺武信さんは天井高を2250で設計することもあって。でも渡辺さんの住宅は、窓が天井近くまであるものがほとんどなんです。すると天井高2250の部屋でも、窓から差し込む光によって高さを感じる
これは「広い空間がほしい」と言われたときも同様で、必ずしも面積の広い一つの空間が必要なのではありません。
人は視線が遠くまで通るような空間であれば広さを感じるので、いくつかの空間が重なっていても、ある場所に立ったときに視線が奥まで通るような空間をつくれば、広い空間だと感じるのです。

スタッフ

天井の高さだけでなく部屋の広さも、数値だけではわからない、人間の感じ方があるのですね。

小笠原さん

そうなんです。ですから、設計を行うときはまず、施主とじっくり話して、相手が本当に求めているものは何かを考えます。
求めているものが広さや明るさや開放感なら、数値に惑わされずに、その部分をしっかりと感じられる空間を実現する。これが設計を行う上で一番大切にしている部分ですね。

設計に取り入れる「課題」は施主と一緒に見つけ、実現する

ポートランドの住宅

小笠原さん設計のポートランドの住宅。リビングからMt. Hoodを眺めることができます。

スタッフ

実はインタビュー前に、小笠原さんのポートランドでのプロジェクトを拝見しました。朝日の光とマウントフッドの景色を取り入れることが、その住宅を設計する際の課題の一つとされていましたね。
日本の住宅ではどのようなことを課題として設計されているのでしょうか?

小笠原さん

最近、特に課題としているのは「通風」ですね。ただ、都内の住宅はどこに窓をつけても、見えるものが隣の建物だったりして、どうしても内に籠もらざるを得ません。
そこで、今手掛けている住宅は、横ではなく縦に開こうと考えていて。天窓でもちょっと大きめのものを設置しているんです。
すると見上げれば空が見えるし、天窓を開ければ風がスッと通る。開放感を感じられて、心地よい風が通るような、そんな天窓にしたいと考えています。

スタッフ

素敵ですね。上に開こうとは思い付きませんでした。

小笠原さん

また、今回の事例のように、天窓を付けようと考えたときには、施主に「夏は南からこんな風が通りますよ」と、ササッと絵を描いて説明することと同時に、説明できる設計プロセスを大切にしたいと考えています。

スタッフ

説明できる設計プロセス、ですか?

小笠原さん

例えば、風の流れ方は地域によって違います。その風を窓から取り入れたときに、室内をどのように風がまわるのか。天窓を開けたら風がどのように動くのか
そのようなことを何かしらのシュミレーションをもって検証して、数値的にも体感的にも、「どうしてこの設計にするのか」を、設計者としてしっかり説明できるようにしていきたいんです。

スタッフ

なるほど。そこまで考えて設計してもらえるとなると、みなさん安心できますね。
その他にも、課題は施主の方それぞれにあると思いますが、その課題とは、どのようにひらめくものなのでしょうか?

小笠原さん

今お話した、天窓を設置する住宅の施主は、ヨガのインストラクターをされている方で、自然が好きな方でもあったんです。そこで「空が見える窓をつくろう」と発想がわいてくるわけです。
小笠原さん論文

小笠原さんは大学で建築を教える傍ら、さまざまな調査・研究もされているそうです。

小笠原さん

これが面白いことに、大学で学生を指導するときと頭の動きが似ているんですよ。
学生の興味があることを「それなら、こんなこともできるよね」と色んな方向に伸ばしてあげるように、施主ともじっくり話をする中で、施主の興味がある部分を見つけ、それと近いものを引き寄せ、伸ばしていくというか。

スタッフ

興味ある部分から、設計に取り入れたい課題を見つけ出していくのですね。

小笠原さん

その通りです。
私は日本だけでなくアメリカでも建築をやっていて、海外の施主の思いも寄らない要望や、素材の選び方などをいくつも目の当たりにしてきました。
また、大学で研究したり、リサーチしたりしたことを、今後も設計に活かしていけると考えています。
私自身も興味のあるフィールドはたくさんあって、引き出しもそれなりにあるので、施主の方にはぜひ、どんなことに興味があって、どんなことを実現したいのか、まずはじっくりと聞かせてほしいと思っています。

口コミ、評判

理想のスキルとサービスと200%の誠意を提供してくれました。

数年越しでようやく見つけた理想の立地の物件は中古ビンテージ・スケルトンからの大改修。私たちが求めたのは私たち家族の人となり、生活スタイルまでをよく理解し、じっくり私たちの中にイメージを湧かせてからいいところを掬いあげてくれるような建築家。また、計画を練った後は、スケジュールと予算管理が寸分違わずに竣工。MOAはまさに理想のスキルとサービスと200%の誠意を提供してくれました。国際結婚によって生活様式に文化も移動も深く入り混じる家庭ですが、新居に入居以来、デザインによるストレス防止の効果も大いに実感しています。
(※MOA=Masatoyo Ogasawara Architects)

マサは素晴らしい建築家です。

“We are just starting the design for our new home and are thrilled to have Masa lead our development team here in Portland OR. Masa is a brilliant architect who understand the need to educate new clients so that they are fully informed about the decisions needed to realize their program. Thanks, Gaylon”
私たちは新しい家の設計をはじめたばかりで、マサがここポートランドの開発チームを率いてくれることをとても嬉しく思っています。
マサは新しいクライアントにも、さまざまな決定について丁寧に伝え、計画について説明することの大切さをしっかりと理解している、素晴らしい建築家です。ありがとう、ゲイロン。

マサのシンプルに線で表現するスタイルがとても好きです。

“I really like his simple line design style. He studies people’s life style & how they interact with their environment to inform his design decisions. We look forward to Masa working with us on our project in Portland.”
私はマサのシンプルに線で表現するスタイルがとても好きです。彼は人々の生活スタイルや、人々がまわりの環境といかに関わっているかについて学んでいて、それが彼の設計には活かされています。私たちはポートランドのプロジェクトでマサとともに働けるのを楽しみにしています。

引用:Masatoyo Ogasawara Architects,Ltd./小笠原正豊建築設計事務所レビュー|houzz

まとめ

小笠原さんのお話を伺うと、住宅をつくっていくにはまず、自分は住宅にどんなことを望んでいるのか、何が好きで何に惹かれるのか、そういった部分を見つめ直すことが大切だとわかりますね。

そこがわかれば、あとは建築の専門家があらゆる方向から考え、調査し、心から求める空間を実現してくれるのです。

まずは難しく考えず、小笠原さんに住まいづくりについて相談してみてはいかがでしょう。自分の興味あることが、実は住まいづくりの重要な課題に繋がるかもしれません。

事務所名 小笠原正豊建築設計事務所
代表者名 小笠原 正豊
住所 〒112-0012
東京都文京区大塚2-13-1 1F
電話番号 03-6304-1177
(+81-3-6304-1177)
公式HP https://masatoyo.com/
営業時間 10:00~19:00(土日祝は定休)
主な業務 建物企画・設計
対応エリア 全国および国外も対応可(交通費・宿泊費別途)