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家族と同じ時を過ごし、絆を深める場所。
「家」という空間は、建築家の作品である以前にそこに住まう人のための空間です。
そんな家をつくる時、住み手に寄り添い想いをカタチにしてくれる建築家がいたら、心強いですよね。
東京都墨田区の有限会社クエストワークス一級建築士事務所の大谷浩一郎さんは、建物の設計の枠を越え「場づくり」をされている建築家さんです。
「みんなで共有する場をつくることに興味がある」そう語られた大谷さんの家づくりは、たんに家という構築物をつくるだけではなく、お施主さんの想いにとことん寄り添った家づくりです。
そんな大谷さんが日頃からお仕事をする上で大切にされている想いを、インタビューにてお伺いしてきました。
自然を感じる暮らしには、人間らしさがある
スタッフ
大谷さんがこれまで設計のお仕事をされてきた中で、特に印象に残っている家はありますか?
大谷さん
どの建物にもそれぞれに想い入れはありますが、千葉県松戸市につくった「風の丘」というこども園はとくに印象に残っています。
1,000平米ほどある大きな建物を、構造はもちろん、内外装もほとんど木で創りました。
こども園「風の丘」の外観です。
スタッフ
これほど大きな建物をすべて木造でつくったなんて驚きです。
大変ではありませんでしたか?
大谷さん
私自身、大規模木造の経験は多くはなかったので、一から勉強することから始まりました。
そうまでしてこの建物をつくったのは「できるだけ自然の素材でつくりたい」というこども園の方針に強く共感したからです。
木の温もりを感じる建物というのは、子どもたちが健やかに育つ環境としてとても良いと思ったんです。
大谷さんが、こども園「風の丘」から頂いた感謝状を拝見しました。
スタッフ
子どもたちに対するお施主さんの真心に、大谷さんも心を打たれたのですね。
こども園の内部は、どのようになっているのでしょうか?
大谷さん
こども園では0歳児~5歳児までのお子さんをお預かりしますので、それぞれの成長に合わせて建物に様々な仕掛けをつくりました。
例えば、0歳児~1歳児のお部屋にはハイハイするお子さんの目線の高さに合わせて、向こうの部屋にいるお友達が見える「ガラス窓」、自分の姿が映る「鏡」、向こうの部屋に行ける「くぐり戸」をつくりました。
0歳児~1歳児のお部屋。ハイハイをする子どもたちの目線の高さに合わせた工夫がなされています。
大谷さん
その他にも、1歳児~2歳児がお昼寝をする場所には「小上がり畳スペース」を設けました。床に近い場所は空気がよどむので、少しだけ高い場所にお布団を敷けるようにしたんです。それと、その高さを生かして階段とすべり台をつくりました。
3歳児~5歳児のお部屋は、一番奥にお楽しみ会が出来るようなステージをつくって、スライディングウォールを開けるとホールのような大空間になる仕掛けをつくりました。
1歳児~2歳児のお部屋。子どもたちの健康に配慮した小上がり畳スペースが設けられています。
3歳児、4歳児、5歳児のお部屋。それぞれのお部屋同士を繋げて、大きな空間にすることもできます。
こちらはランチルームです。広々とした空間で、仲良くお昼ご飯を食べることができます。
スタッフ
本当に素敵なこども園ですね。
子どもたちが楽しく遊んでいる姿が目に浮かびます。
やはり、子供が育つ環境としては自然素材でつくられた建物のほうが適しているのでしょうか?
大谷さん
そう思います。
自然素材でつくられた建物は、「木のぬくもり」を感じやすいですよね。
また、地上数百メートルという高さに住むのも良いですが、パッと外に出て遊べるような地べたに近い場所に住むのも悪くないんじゃないかなと思います。
スタッフ
おっしゃる通りだと思います。
人間も動物ですから、より自然に近い環境のほうが健やかに暮らせる気がします。
ですが、完全な木造住宅って街中で見かけることは少ないような気もします。
なぜでしょうか?
大谷さん
街中に木を顕わした家をつくるのは、規制が多くてとても難しいことなんですよ。
とくに防火地域では、準耐火建築物以上にしなければなりません。そのため、燃えないように木を耐火材で覆わなければならないので、木を見せることができないんです。
こども園のある場所は運良く制限がかからない場所だったので、これほどの規模の建物であっても木造でつくることができました。
とても良い経験になりました。
スタッフ
木の家をつくるのに規制があるなんて知りませんでした。
どうりで、街中であまり見かけないはずです。
大谷さん
そうですね。
ただ、街中で「木を見せる家」をつくるのは難しいのですが、「自然を感じられる家」をつくることはできます。
そういったことは、家づくりをするときはいつも意識しています。人間らしく暮らせたほうが良いですからね。
建物の設計だけでなく「場づくり」をしている
スタッフ
大谷さんは、様々な建物の設計をされていますよね。
住宅やこども園以外に、どのようなものを手がけられているのでしょうか?
大谷さん
色々なものを設計しますし、設計以外の活動もしています。
建物の設計だけでなく「場(ば)づくり」に興味があるんです。
スタッフ
「場づくり」ですか。
どのようなことをするのでしょうか?
大谷さん
みんなが共有できる「場」をつくることを、場づくりと呼んでいます。
例えば、何年か前に「墨田区ラグビー協会」というのを有志で立ち上げたのですが、2019年のラグビーワールドカップの時にはスカイツリーのテラスにみんなで集まってパブリックビューイングをしたんです。
その時の盛り上がりは、スカイツリーのある押上駅からお隣の曳舟駅まで歓声が聞こえるほどでした。
そういったことも「場づくり」の一つです。
スタッフ
なるほど。
目に見える「モノ」だけでなく、みんなで共有するその場の「空気感」なども含めて「場づくり」なのですね。
その他に、何か「場づくり」の活動はされていますか?
大谷さん
「町おこし」の活動もしています。
この事務所のある向島は、料亭の街として古くからの歴史が残る「観光資産」なんです。
墨田区のみならず東京都が重要視している地域で、電柱を全て地中化するなど、街並みを整えていこうという動きがあります。
大谷さん
その窓口となっている「町おこしの会」という会があって、飲食店の方々を中心に活動しているのですが、会のみなさんは「まちづくり」に対しては素人です。
ですから、地元の建築家として私も町おこしの一員となって、お手伝いをしています。
スタッフ
建築家としての知見を活かして、地域に根付いた活動をされているんですね。
なぜ、「建物の設計」という枠を飛び越えて「町おこし」をしようと思われたのでしょうか?
大谷さん
自分の住む町が賑わって欲しいという想いもありましたし、設計の仕事をする者として自分がここに住んでいる意味を考えていたからです。
独立前に勤めていたときは地域に関わる活動をすることはほとんどありませんでしたが、この向島に事務所を構えたときに地域に関わる活動をしようと思ったんです。
そんな時にちょうど町おこしの話があったので、私も一緒に活動することにしたんです。
建物は人が使うものだからこそ「人に寄り添う」ことが大切
スタッフ
これまで大谷さんは数々の建物を手掛けてこられたかと思います。
経験を重ねてこられた中で、ご自身の中で何か変化したことはありましたか?
大谷さん
若い頃は、独りよがりの「俺の作品」という建物をつくりがちで、それに基づいた失敗もたくさん経験してきました。
ですが、歳を重ねるにつれ「寄り添う」ことが出来るようになりましたね。
お施主さんの話をじっくりと聞いて、寄り添いながらカタチにしていくようになりました。
スタッフ
確かに建築家さんの中には、つくり手の色が強く反映された「俺の作品」をずっと貫く方もいらっしゃいますよね。
そんな中で、大谷さんが「寄り添う」ことをお選びになったのはなぜでしょうか?
大谷さん
建築は「使われる使命」を持っています。絵画や彫刻のような純粋な芸術ではないからです。
使う人がいるからこそ、人に寄り添っていかなくてはならないですし、人の役に立たなくてはいけません。
スタッフ
素敵なお考えです。
大谷さんであれば、お施主さんも「自分たちの好きな家にならなかったらどうしよう…」という不信感を抱くこと無く、家づくりをお願いできそうです。
最後に、大谷さんからコノイエをご覧の読者の方々に家づくりのアドバイスをお願いします。
大谷さん
家づくりの相談をする時は「6畳の部屋がいくつあって」「キッチンはこのくらいの広さで」という間取りの話をするのではなく、「こういう風に生きたい」という想いを話して頂きたいと思います。
スタッフ
「こういう風に生きたい」ですか。
具体的には、どんなことでしょうか?
大谷さん
例えば、この神奈川県横須賀市に建てた家のお施主さんは「自然の中で生きたい」という想いをお持ちでした。
土地から一緒に探して、自然に囲まれた最高のロケーションに家を建てることが出来ました。
今では近隣の方々とも親しくなって敷地の外まで自由に使っていいよと言ってもらえるようになったそうで、お子さんと一緒に趣味の畑を楽しまれているようです。
見晴らしの良い高台の土地に建てられた、横須賀市の家。最高のロケーションです。
大谷さん
それから、この家には「4つのテラス」というものをつくったんです。
それぞれ「みんなのテラス」「憩いのテラス」「湯上がりテラス」「眺めのテラス」と名前がついていて、それぞれの場所から自然を感じることができるんです。
「眺めのテラス」のお写真。目の前には、豊かな自然が広がります。
スタッフ
素晴らしい景観ですね!
まさに「自然の中で生きたい」というお施主さんの想いが詰まった家ですね。
大谷さん
お施主さんは家づくりでは素人なので、「こんな家がいい」という想いに対してモヤモヤしていると思います。
ですが、モヤモヤした状態でも構わないので「こんな想いを持っていて…」ということをお話しして頂きたいと思います。
お施主さんに寄り添って、お話を整理しながらカタチにしていくことを心掛けています。
まずは気軽に相談にいらしてください。
有限会社クエストワークス一級建築士事務所のインタビューまとめ
大谷さんは、建物の設計の枠を越え「場づくり」をされている建築家さんです。
大谷さんならば、ご自身やご家族の「こんな生き方をしたい」という想いにふさわしい「場」をつくってくださる気がします。
家づくりを大谷さんにお願いしたい方は、有限会社クエストワークス一級建築士事務所さんにお問い合わせください。
有限会社クエストワークス一級建築士事務所の詳細情報
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