いちど建てたらお家の間取りは変えられないと思うのが普通でしょう。
でもそれは、間取り図という平面図にとらわれているからかもしれません。
設計アトリエの瀬野代表は「家に生活を合わせるのではなく、生活にあわせて家を変えていって欲しい」といいます。
家という一つの空間は私たちが思っている以上に、自由な発想で暮らしを育むことができるようです。
この記事では瀬野代表の家づくりに対する想いやこだわりなど、実際のインタビューをもとに詳しく紹介していきます。
実家の建て替えで学んだ木造建築
スタッフ
瀬野代表
スタッフ
瀬野代表
僕のイメージしていた現場の風景は、木づちを叩くカンカンカンという心地の良い音色が響くものです。
でも、実際の現場ではビタンビタンと機械的に何かを打ち付ける音や、ザザーッ、ギギーッという無機質な音で家の土台が組まれていました。
最終的に、外観は自分のデザインになるだろうけど肝心な骨組みは大丈夫だろうか、と不安になりました。

36年前に瀬野代表が設計した山形のご実家
瀬野代表
会社の仲間も「ある程度の図面が描けていれば、あとは大工がなんとかやってくれるよ」といっていたので、その言葉をうのみにしたのが間違いでした。
スタッフ
瀬野代表
デザインだけやっておけば、大工がなんとかやってくれる。
でも、その「なんとか」に対して知識がなきゃ何も言えないとその時悟りました。
瀬野代表
自分もデザインをやる者のはしくれだから、それも悪くはないと。
しかし、建物は良いデザインである前に、良い家にしなければならないと気づかせてもらえました。
スタッフ
瀬野代表
でも自分は「フローリングしかないよ。我慢してくれ」と言って設計を進めてしまったのです。
今かんがえると、親父はただ、こたつに入りたかったのかもしれません。でも、当時の自分はそんなこともにも気づけませんでした。
瀬野代表
一番やってはいけないけど、暮らしを犠牲にするしかありません。
こじつけとしての住みやすさを主張しても家主さんは疲弊してしまいます。
実家の失敗がなかったら、姿かたちやデザインをこぞって競う、他の皆と同じになっていたかもしれません。
暮らしを犠牲にしてでも、新しいデザインを追及していたかもしれません。
スタッフ
では、瀬野さんが考える良い家とはどのような家ですか?
瀬野代表
そのためには5年や10年後、もっと先のことまで考えて設計しなければなりません。
家を頼まれているわけだから、間取りや空間などあらゆる要素を突き詰めて設計しなければならないわけです。
お客様には家としての機能を最大限に堪能して欲しいですね。
間取りに支配されない生活スタイル
スタッフ
瀬野代表
お家を買う方はお子様がいるケースがほとんどです。
例えば「子供が増えるかもしれないので子供の部屋は3つとってください」と言う方もいます。
でも、決まって「本当に子どもの部屋いります?」と聞き返しますね。
「幼い子どもたちが欲しいっていってましたか?」とお聞きする時もあります。
スタッフ
しかし、どのような間取りにするのですか?
瀬野代表
そうすれば、奥さんが人を呼んでワークショップをしたり、狭い書斎ではなく広い部屋でご主人が趣味を楽しんだりもできます。
子どもたちと一緒に団らんの時間を過ごしてもいいでしょう。
スタッフ
瀬野代表
子どもが「自分も部屋が欲しい」と言い始めたら、自分で考えさせれば良いわけです。
兄弟がいるなら自分以外の兄弟の分も含めて。
瀬野代表
僕の考える設計は建て売りのように完成されたものでは絶対できません。
決まった間取りでは与えられた家に生活を合わせるしかなくなります。
それは勿体ないじゃないですか。
瀬野代表
なにも今の時点で仕切らなくてもいいじゃないですか。
暮らし方くらいは自分たちで好きなように決めてほしいですね。
スタッフ
瀬野代表
だったら子どもにも自由を与えてあげてもいいと思います。
部屋は密閉された空間に窓がひとつ。
学習机の横にはベット。
これが子供部屋だって決めつけなくてもいいと思います。
瀬野代表
しかも、子供たちは時間軸を自然と把握しています。
お兄ちゃんは何時にならないと帰らないとか、ご飯はお母さんの帰りに合わせるとか。
子どもはこうした時間の軸を自然と意識し、使い分ける能力を持っています。
スタッフ
家の中でも学べることがたくさんありそうですね。
瀬野代表
一方で大部屋で育った子供は「周りに合わせて何時までだったら自分のやりたいことに充てられる」という振る舞いが自然と出来るようになっていきます。
また、そういう暮らしぶりに適応して育ってくれます。
スタッフ
また、部屋にこもっていると何をしているのか分からなくて心配になりそうです。
悪いことに時間を使っているかもしれませんからね。
瀬野代表
でも、悪いことができる時間はあっても、悪いことのために時間を使うヒマがないわけですよ!
なのでまず、グレる子がいません。
少なくとも、これまで関わった270軒以上の家づくりで、子供がグレたという家庭は1軒もありませんよ。
家事の中心は土間。先生が推奨する土間ラボとは
瀬野代表
スタッフ
瀬野代表
でも、昔の土間を思い出してみてください。
昔は土間に囲炉裏(いろり)があったり、釜戸があったり台所があったりと、家事の中枢は土間にありました。
家に入ると大きな土間とリビングがあって、そこで家族が当然のように顔を合わせて暮らしていたわけです。
スタッフ
瀬野代表
自分では「土間ラボ」と言ってますけどね。

瀬野代表が過去に設計した「土間ラボ」お宅のリビング。
瀬野代表
ひとつは、断熱や気密などの構造や安全に関わるもの。
もうひとつは「あなたに頼めばこういう暮らしができるんだよね」という期待感です。
お客様はこの2つを買いに来ていると思っています。
瀬野代表
いろんな家族から依頼が来ます。
なので、建築ではなく家をつくるんだという意識でやっています。
口コミ、評判
設計アトリエさんを利用された方の口コミ情報です。
木の家づくりにこだわりを持つ工務店
木の家づくりにこだわりを持つ工務店に出会い、自分たちの感性にあった建築家に依頼すれば、あとはお任せにして良いと思います。
1 度目の提案でもうほとんど何も言うことはありませんでした。
まとめ
猫は家の中で日当たりがいいところを自分で探して過ごします。言い方は悪いかもしれませんが、僕は子どもたちも同じような気がします。と語ってくれた瀬野代表。
子どもは子供部屋では育たない。もしかしたら、猫と同じで放し飼いにするのがいいのかもしれませんね。
頑固なほど子供部屋をつくらない瀬野代表の設計には、個室の中ではなく、お家全体の空間で、のびのびと子供たちに育って欲しいという強い願いが込められていました。
瀬野代表の設計に興味を持たれたあなたは、ぜひ設計アトリエさんに相談してみてください。
会社名 | 有限会社設計アトリエ |
---|---|
代表者名 | 瀬野 和広 |
住所 | 〒165-0034 東京都中野区大和町1-67-6 MT COURT606 |
電話番号 | 03-3310-4156 |
公式HP | http://www.senonose.com/ |
営業時間 | 9:30~17:30 | 主な業務 | 建築・都市計画・企画・設計・監理 |
対応エリア | 全国対応 |