田端建築デザイン事務所

モロッコやフランスなど海外の建築現場を肌で感じてきた「田端建築デザイン事務所」の田端社長。自分たちの住む場所が自慢できる街であって欲しいという想いから、千葉県を拠点にただ住宅を設計するのではなく「街全体との調和」を大切にされています。

元々は弁護士を目指していたという田端社長。建築の世界へ飛び込んだのは偶然の出来事がきっかけでした。心を揺さぶられた建築への想いは「自然体でやっていきたい」というスタンスに表れ、お客さんによって考え方が変わっても良いという柔軟な発想を持たれています。

独自の磨かれた感性で設計された住宅はどこか美術的な要素もあり「住まい」へのこだわりにそのまま反映されています。

この記事では田端社長へのインタビューをもとにその仕事ぶりを紹介していきます。

有名建築家の個展がきっかけで弁護士志望から建築家へ


スタッフ

これまで海外を拠点にご活躍をされていますが、建築家を志したきっかけは何だったのでしょうか?

田端社長

元々は弁護士になりたくて法学部を目指していたんですが、受験勉強をしている時期にたまたまふらっと立ち寄った『安藤忠雄展』を観たのがきっかけです。「建築の世界はこんなに奥深いものなのか」と感銘を受けたんです。その時、よし建築家を目指そうと決めました。
安藤忠雄
建築の専門教育は受けず、独学で一級建築士の資格を取得。国際的にも評価が高く、日本を代表する建築家の一人。

スタッフ

ご自身にとって物凄い衝撃だったのですね!当初から建築家を志望されていたのだと思っていました。

田端社長

「ゼネコン」という言葉すら知らなかったですからね。建築に興味を持ってからは勉強がしたくて、建築事務所でアルバイトを始めました。当時はバブルだったので家にも帰らず泊まり込みで働いていました。すごく楽しかったです。

スタッフ

専門学校をご卒業されてからはどのように建築のご経験を積まれていったのですか?

田端社長

学校の恩師の紹介で、設計住宅から工場まで含めた様々な設計をやっている事務所に7年ぐらい在籍していました。その後は「シーザーペリ事務所」というアメリカでは設計の教科書に出てくるような大きな事務所に入社しました。

スタッフ

アメリカの建築事務所ですか?一気にグローバルな環境に身を置かれたんですね!

田端社長

「シーザーペリ」の日本事務所に入社して、現場の管理で3年間ほど常駐していました。支社は鳥取にあったんですが、コンサートホールや図書館なども手掛けていたんです。そこで設計図の見方であったり、現在の基礎を学びました。最初から規格ありきではなく、細かい作業も含めて「こういうものを作りたい」って言うと、新しい規格のものを一緒に作ってくれたのは良い経験になりました

モロッコからフランスへ。異色の経歴で培った建築理論とは?

スタッフ

「住宅設計」のお仕事はその時期に接点がなかったのですか?

田端社長

はい。住宅よりも公共的な建築や大勢の人々が利用する建築物がメインでした。シーザーペリを退職後は「海外青年協力隊」のシステムを活用してモロッコの県庁職員に就きました。モロッコでは建築現場に担当者がいなかったので、予算をつけるための設計などを学べたのは貴重な経験でしたね。

スタッフ

次はモロッコへ行かれたんですか!これまで色々な方のお話を伺っていますが、正直驚きました。

田端社長

モロッコでの仕事を終えた後、フランスの事務所にも少し在籍していました。帰国したタイミングで「住宅設計」を本格的に始めようと事務所を立ち上げ、現在に至っています。

スタッフ

住宅設計に関わるようになったのは独立されてからなのですね。

田端社長

急に独立したので、まずは事務所のホームぺージを作りました。サイトを通じて依頼を受けたり、コンペなどで仕事の話が舞い込むといった具合です。やはり初めて契約が取れたときは嬉しかったですね。千葉で事務所を立ち上げようと思ったのは、自分の住んでいる街を自慢できるようにしたいという想いからです。モロッコやフランスでは、みんな夜に酒場で飲んでいると街の良いところを自慢するんです。その時、自慢できるって凄いことだなと素直に思い、自分にできることは建築を通じて街に貢献することだと考えたのです。

スタッフ

確かに自分が住んでいる街を誇れるというのは素敵なことですよね!

田端社長

そうですね。住宅だけでなく街全体の景観も含めてデザインを考えたとき、人を不快にさせないことが大事だと思っています。自分だけが良ければいいと言うのではなく、相手を思いやる気持ち、最低限の礼儀を尽くすことが調和のとれた街づくりだと思ってます。

「こだわりがない」ことがこだわり。建築に正解はない

スタッフ

田端社長が住宅設計をされるうえで、こだわっていることは何ですか?

田端社長

「こだわり持たないようしていること」が逆にこだわりと言えるかもしれません。設計もお客さんに100%合わせることもしないですし、「自分では少し違うな」と思うことも許容するようにしています。クライアントの要望は確かに大切なんですが、「客観的に手を加えることが良いのだろうか」という視点を常に持つようにしています。

スタッフ

お客様からの要望を聞きながらも、全体のバランスを優先させるということですか?

田端社長

以前フランス人のお客さんで、古民家を探されている方がいました。その方は都内に勤務していた関係で田舎に移住するわけにもいかず、私としては「古民家風」の住宅という提案になりました。クライアントから『ワインセラーは必須』といった要望を聞いてしまうと、フランス人のライフスタイルと日本建築のスタイルを融合させるというのが私にとってベストな提案だったわけです。

スタッフ

その他に田端社長が設計される住宅で特徴的なポイントはありますか?

田端社長

空間を広く見せる、視界が通るような設計図を書く癖はあるかもしれません。なぜかと言うと、戦後の日本家屋は異常に天井が低いからです。窓の取り方一つを取ってみても、空が見えなければ意味がありません。ですから、採光やブロックなどを使って機能的に「場所を豊かに見せること」が重要だと考えています。

スタッフ

確かに設計された住宅は開放感があり、奥行きが感じられる造りですね。

田端社長

人が活動する場所を素敵にしたいというのが私の「建築」に対しての想いです。住宅はその空間の中のひとつであって、住宅だからこうあるべきという基準はありません。ビルや商業施設、公園なども街にとって重要な場所ですから、そのバランスが大事だと思います。なので、自分が良いと思うものを強引にクライアントに薦めるといったことはしたくないんです

ニーズが多様化するほど自分の経験やスキルは活かされる

スタッフ

実際、田端社長へご依頼されるお客様はどのような方が多いのですか?

田端社長

案件としてはファミリー層が多いのですが、60歳を過ぎた方で大きな戸建てに独り住まいであったり、小さい家におじいさんと息子さんが住んでいらっしゃったり、ニーズとしては多様ですね。クライアントのニーズが特殊であったり、細かいほど私の経験やスキルが活きると思っています。外国人の方や、ハウスメーカーの設計では満足できないといった方は是非お話を伺いたいです。少し変わった環境を楽しみたいと思っているお客様にはニーズに応えられるのではないかと思っています。

スタッフ

ご自身が設計した住宅に何か特別な思いなどはあるのでしょうか?

田端社長

クライアントが満足のいく住宅を完成させるのは勿論なんですが、それで「おしまい」にはしたくないんです。その住宅の良さを周りの住民の方々からも「いいよね」って言って頂けるようになるのが理想です。クライアントには自分の家を自慢してもらいたいんですが、少し違う視点から、自分の家がどのように地域から映っているのだろうといった見方をしてもいいと思います。

スタッフ

「街」という観点から設計をされている田端社長ならではのお考えですね。

田端社長

建築家として主張を全面に出すよりも、自然体でやっていきたいですね。案件によっては自分の考えがお客さんによって変わってもいい。施主からすれば「プロに頼んでいるのだから間違いない」という思いは当然あるはずです。しかし、「どうしたらいいでしょう」と聞かれたら、提案するものすべてが正しいとは思っていません。クライアントの意見を聞きながら結果的に自分のカラーは出ているかもしれませんが、できるだけニュートラルな感覚にしておきたいのです

スタッフ

これから設計依頼を検討中のお客様へ特に伝えたいことはありますか?

田端社長

最初に私が事務所を立ち上げた頃の気持ちはずっと持っていたいと思っているので、設計した家も自己中心的な主張ではなく、本当にいい家だなと思ってもらえるように頑張っていきたいと思います。「街づくり」まで波及できるような住まいを作っていきたいと考えているので、これまでの経験を活かせるような、逆にそれを求めてくれる方達と一緒に仕事をしていきたいと思います。

まとめ

田端社長がおっしゃる「設計ではニュートラルの状態にしたい」という考えは、一見すると建築家側の視点のように思えます。しかし、実際はクライアント側の思いがけない要望や意見がメリットとして、より多く反映されると言えるのではないでしょうか。

それは最初に建築家とお客様双方が想像していた以上の満足感であったり、住宅へのこだわりが周囲の人々へ浸透していくことです。田端社長の独自の理念は住まいに付加価値を与え「豊かさとは何か」という答えをクライアントに提示されていると感じました。

建築家を志した強い衝動は今も田端社長のモチベーションであり、その想いを多くのクライアントさんが感じ取っているからこそ、「喜びを共有できる場所」も増え続けているのだと思います。

会社名 田端建築デザイン事務所
代表者名 田端 友康
住所 〒274-0825
千葉県船橋市前原西2-4-9
電話番号 047-472-3027
公式HP http://t-a-design.com/
営業時間 9:00~18:00 [ 土日・祝日除く ]
主な業務 建築全般の計画・設計・監理及び付帯する一切の業務
対応エリア 千葉県
完成見学会または展示場 なし