有限会社山下工務店

山下さん

健康に暮らせる住宅とは、どんな住宅でしょう?

「自然素材を使っている家?」「無垢材を使っている家?」

では、自然素材や無垢材は、具体的に何がいいのでしょうか?

今回インタビューさせていただいた山下工務店さんでは、一貫して「モミの木」を使った健康に暮らせる住まいを手掛けています。
ヒノキやスギと違って、モミの木の住宅はイメージしにくいかもしれません。しかし、実はモミの木には私たちの健康で快適な暮らしの手助けとなる効果があるのです。

この記事では、そんなモミの木を使ってつくる住宅の魅力や、山下さんが健康に暮らせる住宅づくりにかける想いについてご紹介します。

モミの木を使った、健康に暮らせる住宅を追求する

ドイツの視察

スタッフ

会社を創業されてどのくらいになるのですか?

山下さん

父が、創業して54年になります。私は2代目です。
父は主に常連さんのリフォームを中心に施工していたのですが、私の代からは、高耐震・高気密・高断熱に加え健康的に暮らせるモミの木を使った住宅の新築やリフォームを手掛けています。

スタッフ

こちらの事務所兼ショールームも、モミの木を使って造られているんですよね。

山下さん

そうです。
15年ほど前に、築40年余りの平屋をリノベーションしました。

スタッフ

15年も前に建てられたとは思えないほど素敵なお家です。
どうしてモミの木を使った住宅をつくろうと思ったんですか?

山下さん

18年程前に、シックハウス症候群に苦しむ娘を持つというお父さんから「モミの木は健康にいいらしいが、何か情報を知らないか?」という問い合わせがあったんです。
ですが、その頃はモミの木と聞いてもクリスマスツリーと下地材としてのイメージしか持っていませんでした。
なので本当にモミの木にそんな効果があるのか興味が湧いてきて調べてみたというのが最初のきっかけです。

スタッフ

それからすぐにモミの木を使用するようになったのですか?

山下さん

いいえ。
そのときは調べても「消臭効果に優れているらしい」ということしか分かりませんでした。それだけではモミの木がすごいと言い切れるだけの根拠にはなりません
そのタイミングで、お客さんの中に「うちでモミの木の効果を実験してみていいよ」と言ってくれる人がいたんです。具体的には、タバコを吸う家族の部屋の内装材にモミの木を使わせてもらいました。

スタッフ

結果はどうでしたか?

山下さん

見事、臭いが全然しなくなったんです。
タバコが苦手な家族の方も部屋に入れるようになったと言っていました。

スタッフ

すごいですね!

山下さん

その後、モミの木が他の木材と何が違うのか、きちんと解明して自分で裏付けを取りたいと思うようになりました。
そのために、この事務所兼ショールームをモミの木でリノベーションして、モミの木の効果をいろいろ試してみようと決心したんです。
さらに、木材についてもさらに勉強を進め、本当の意味での健康な住宅を追求するようになりました。
ちなみに木材とは無垢材、木質材、合板などの総称です。

モミの木の魅力を伝える、3つのキーワード

ドイツの視察

スタッフ

モミの木のもたらす効果は判明したのですか?

山下さん

はい。
この14年間、事務所でもいろいろ実験してみましたし、木に関する知識もたくさん習得し全日本木材市場連盟に木材アドバイザーとして登録をしています。
その結果、モミの木は本当にいい素材だと胸を張ることができます

山下さん

モミの木の魅力をお伝えするには、「針葉樹」「柾目(まさめ)」「天然乾燥」の3つのキーワードが大切です。

スタッフ

針葉樹というのは、針葉樹とか広葉樹の「針葉樹」ですか?

山下さん

そうです。モミの木やヒノキ、スギなどは針葉樹にあたります。
針葉樹には、有益な化学物質が多く含まれています。

スタッフ

えっ、化学物質って悪いものではないんですか?

山下さん

化学物質と聞くと悪いものだと思われがちなのですが、言ってしまえば「水」だって化学物質なんですよ。
化学物質の中にはいい成分悪い成分があります。針葉樹には揮発性の高い香り成分などの化学物質が多く含まれています。

スタッフ

確かにヒノキやスギは木のいい香りがしますね。

山下さん

ですが、その香りの成分が、逆に身体に悪さをするかもしれないとも言われています。
「化学物質過敏症」は花粉症と同じメカニズムで、身体の許容量を超えて匂いの成分が蓄積することでアレルギー症状が引き起こされます。
なので、無垢材だからといって健康にいいというわけではなくて、人によっては無垢材でもアレルギー症状などの健康被害が出る可能性があるんです。

スタッフ

無垢材なら無条件で身体にいいというわけではないんですね。

山下さん

その点、モミの木は針葉樹の中でも際立った匂いがほとんどありません
だから化学物質過敏症などの健康被害に悩んでいる人でも反応が出にくいのです。

スタッフ

そうなんですね。
ちなみに、広葉樹の場合はいかがですか?

山下さん

広葉樹には、針葉樹のような揮発性の高い香り成分が少ないのです。

スタッフ

では、針葉樹より広葉樹を使ったほうがいいのではないですか?

山下さん

広葉樹は全般的に硬いという特徴があるので、住宅に使う素材としては一長一短なんです。
例えば、広葉樹は床材に使うことで傷がつきにくくなるというメリットがあります。ですが、硬い床を歩くことで膝や股関節を痛めやすくなるというデメリットもあるんです。
私は、健康であるべき自分たちの身体を痛めてしまう可能性のある広葉樹よりも、柔らかくて身体に優しい針葉樹を使ったほうがいいと考えています。

スタッフ

なるほど!
では柔らかい針葉樹の中でも匂いの少ないモミの木は、内装材として使う大きな魅力があるんですね。

山下さん

次にお伝えしたいのが、柾目(まさめ)です。
木には、木目が不規則な「板目」と、平行な「柾目」に大きく分けられます。柾目のほうが取れる部分が少ないのですが、あえて柾目を使用する理由があります。

スタッフ

どうしてですか?

山下さん

柾目のほうが湿気を吸う速度が速いからです。
いつまでも室内に湿気が残っているとカビの原因にもなってしまうので、湿気はできるだけ早く吸収できたほうがいいと考えています。

スタッフ

ですが、柾目(まさめ)は板目より取れる量が少ないんですよね?
金額も高くなるのではないですか?

山下さん

ヒノキやスギの柾目だと確かに高額になりますが、モミの木はそもそも柾目取りしかしていないんです。

山下さん

最後にお伝えしたいのが天然乾燥についてです。
伐採直後の木は水分を大量に含んでいます。建材として使用するためには乾燥させなければならなりません。
木の乾燥方法は「人工乾燥」と「天然乾燥」に分けられます。

スタッフ

人工乾燥はどうやって乾燥させるのですか?

山下さん

人工乾燥は、木を専用の窯に入れて60℃~130℃で乾燥させます。
しかし、実は木の成分は50℃くらいで抜け始めます。つまり人工乾燥することで、有益な成分が含まれない単なる抜け殻になってしまうんです。

スタッフ

そうなのですね。
では天然乾燥はどうやって乾燥させるんですか?

山下さん

天然乾燥は天日干しと日影で風にさらすことで乾かすので、木の有益な成分を温存することができます。

スタッフ

乾燥方法でもこんなに違いがあるんですね。

山下さん

当社では、人をいい気持ちにさせるような、木の有益な成分は重要だと考えています。
なので、生活する人に一番密着する内装材には天然乾燥した木を使うようにしています。

スタッフ

ありがとうございます。
「針葉樹」「柾目(まさめ)」「天然乾燥」、すべての効果の裏付けが取れていて、モミの木がいい木材だという納得感がありました。

後悔しないよう、「いいもの」の裏付けをとってほしい

小学生への授業

スタッフ

これから新築を建てようと考えている人にアドバイスするとしたら、どんなことを伝えたいですか?

山下さん

工務店やハウスメーカーの担当者が言うことを鵜呑みにせず、自分でも勉強してみることが大切だと思います。
先ほど木材についていろいろお話ししましたが、自分が18年前に全く同じ知識があったかと聞かれると、ありませんでした。
すべて自分で実験したり勉強したりして、裏付けを取ったものだからこそ自信を持って言葉にできているんです。

山下さん

工務店やハウスメーカーの担当者の中には「無垢材を使ってるから安心」「天然素材は化学物質を吸収してくれるから安全」という根拠が曖昧なことを言ってくる人もいます。
でも、もし自分に知識があれば、見えてくる世界も違うのではないでしょうか?
せっかく新築を建てるのだから、後悔のないようにしてほしいです。

スタッフ

確かに、「化学物質はすべて悪いもの」「無垢材はすべて安全なもの」と思い込んでいた頃よりも視野を広く持って話を聞ける気がします。

スタッフ

では最後に、山下さんが手掛けた住宅では、お客様にどんな生活を送ってほしいと思っているか教えて下さい。

山下さん

家にいるのが一番安心・安全だと思って生活してもらえたら嬉しいです。
「健康に暮らせる住まい」というのは、最低限の条件であり、結局最後に行き着く最高の条件なのではないかと思います。
内装材や空気環境を考慮した健康な家づくりをして、コロナ禍でもステイホームが辛くない生活を送ってほしいです。

値段感と坪単価

坪単価:80万円~

見学レポート

戸塚駅からバスで10分、バス停「奈光谷」に到着しました。「奈光谷」から徒歩3分ほどの場所に、山下工務店さんのショールーム「樅の木の家」があります。

【ショールーム住所】神奈川県横浜市栄区長沼町442
【お問い合わせ】090-3225-1778
【営業時間】毎月第4の土日にショールームを開放 ※要確認
バス停からの道

周囲は閑静な住宅街です

山下工務店さんに向かうと、ひときわ広い敷地にそびえ立つ、2軒の住宅が目に入ってきます。
オープンハウス
ブロック塀には、「樅(モミ)の木の家」についての看板が。背後には樅の木が植えられており、すでにモミの木へのこだわりが伺えます。
ブロック塀の看板
今日は、山下工務店さんのオフィスの目の前でオープンハウス中(住宅1階部分のフルリノベーション)だったため、そちらにお邪魔しました。
物件の前にテントが張られ、木材に関する体験コーナーが設けられています。
物件前のテント
外壁の色や素材による蓄熱、屋内への影響を体感し、学ぶことができます。
確かに素材によって温度が全然ちがいます。真夏だったこともあり、その差は歴然でした。
外壁の色や素材
山下さんに「どちらが本当のヒノキの香りか当ててみて?」とクイズを出されました。

赤と緑のトレイの一方が正解なのですが、私は見事に外しました。お客様のほぼ全員が不正解を選ぶそうです。

不正解の理由は、一般的に知られているヒノキの香りが「人工乾燥」したものだからだそうです。
木はいろいろな成分を空気中に放出していますが、高温で人工乾燥された木は細胞が破壊されるため、自然乾燥の木とは成分が変わってしまうそうです。

自然乾燥のヒノキの香りは「ほんのり甘く」、今までの認識していた強く漂うような香りとは別物でした。
刺激が少ない感覚で、独特な酔いもなく過ごせそうだと感じました。

ヒノキの木材
室内に入ると、所々に「before/after」が分かるようなリノベーション前のお写真が置いてあります。
ビフォーアフター写真
山下さんに勧められるがまま、素足になって室内を歩いてみました。
見た目や香りだけでなく、足の裏で感じる感触がまた優しい。
無垢の木特有のさらっとした感じが心地よく、自然素材の良さを体感できます。
オープンハウスの室内
シンプルで使いやすそうなキッチンに目を向けると、山下さんから「DGHはご存知ですか?」との質問が。

ガス、IHのコンロは知っていますが、DGHは聞き覚えのない単語です。

キッチン
説明を求めると、実際に使用しながら教えてくれました。

DGHとは、簡単に言うと、遠赤外線電気調理器です。
ガスによる火は、空気汚染に影響を与えたり、室温を変えたりしてしまいます。IHは電磁波の問題がよく取り上げられますね。

しかしDGHは、空気を汚しにくく、電磁波などの環境問題にも対応している加熱機器なのだそうです。

DGHの説明

まとめ

ウィンターフェスタ

木材に関して、興味深いお話をたくさんしてくださった山下さん。
住宅に使われる木材について「自分や家族のためにも、もっと知るべきで、もっと考えて選ぶべきだな」と、新しい価値観を見出すことができました。

また、知識を提供してくれるだけでなく、実際にショールームで体験することもできます。
健康住宅に関心のある方には、ぜひ山下さんに相談してみてくださいね。

会社名 有限会社山下工務店
代表者名 山下幸一
住所 神奈川県横浜市栄区長沼町442
電話番号 045-881-0120(不在多し転送はありません)
090-3225-1778(随時受付)
公式HP https://www.vivamominoki.com/
営業時間 9:00~18:00(定休日:日曜日、祝日)
主な業務 木造専用住宅(2階建て迄)の設計、施工
対応エリア オフィスから1時間圏内