有限会社横山環境計画事務所

有限会社横山環境計画事務所は、外構や庭の設計を担当されている代表の横山裕幸さんと、建築やインテリアの設計を担当されている奥様の横山眞理さんが、ご夫婦で運営されている設計事務所です。

事務所を立ち上げてから32年というベテランのお二人は、2002年に事務所を多摩ニュータウンの鶴牧商店街にお引越しされました

当時、シャッター通りとなっていた鶴牧商店街を何とかしたいと奮起したお二人は、事務所に飲食のためのスペースを併設し『有限会社横山環境計画事務所+カフェ・ドゥードゥー』として、地域の人々が繋がりを持てる場を提供し、商店街が元気になるよう貢献されたそうです。

今回は、住宅の設計を担当されている奥様の横山眞理さんに、家づくりへの想いやこだわりをお伺いしました。

住む人が緊張しないためには“工夫しているように見えない”設計が大切

スタッフ

横山さんが、住宅の設計において大切にされていることは何でしょうか?

横山さん

住んでいて緊張しない家をつくることです
「この家にいるだけでホッとする」
「窓から雲が流れているのを眺めていると幸せ」
と、お客様それぞれがリラックス出来るような家づくりを心掛けています。

スタッフ

素敵なお考えですね。
住む人が緊張しない家づくりをするために、どのような工夫をされていますか?

横山さん

あえて“工夫しているように見えない”設計をすることが大切なんですよ
例えば、昔ながらの日本家屋に入った時になんとなくホッとする感覚があるのは、最近の住宅のように家中どこを見ても寸法がきっちりと収まっていると、感じられないからなんです。
実際には収まりよくつくられていても、工夫が前面に見えにくいことは、住む人がホッとできる理由の一つとしてあると思います。
でも、実際には「工夫しているように見えない」シンプルな設計は、とても大変なことなんですよ。
インタビューの横山さん

インタビュー中の横山さん。スタッフからの質問に丁寧にお答えしてくださいます。

スタッフ

確かに、最近の住宅に関しては、どこもかしこもきっちり収まっていることが良しとされていますよね。
ホームセンターやインテリアショップなどに行っても、どんな住宅の規格にも合うようなカラーボックスがたくさん売られているのを、よく見かけます。
便利ですが、少し安っぽさがありますよね。

横山さん

おっしゃる通りで、収まりの良さの例としてカラーボックスはピッタリです。
カラーボックスが安っぽく見えるのは、経済寸法でつくられているからなんですよ。
つまり、デザインの美しさよりも、販売する側の経済性や利便性が優先してつくられているんです。
確かに、利便性も大切だとは思いますが、収まりが良すぎることが住んでいて緊張する原因にもなるんです。
肩ひじ張らない大らかな感覚と、利便性とが、丁度良く融合出来る家づくりをしたいと思っています
経済寸法とは
3尺×6尺(約90㎝×180cm)の板をカットしていく際に、最も無駄が出ない寸法のこと。

スタッフ

これからの時代は、利便性だけではなく、住む人が心地良いと感じられる家であることも重要視されてきそうですね。

横山さん

住宅や造り付けの家具は、あくまでも背景であって、主役はそこに住む人です。
住む人が、家に色をつけていくことで、その人にとって心地良い家になります。
ところが、何もかもを設計の段階できっちりと収めてしまっては、住む人のオリジナリティを加えながら暮らしていくのは難しいですよね。
「ここにこれを置いただけで素敵になる」とか、住む人が色をつけやすい家をつくりたいと思っています

お客様がどんなことに惹かれるのかを徹底的に聞きだす

スタッフ

横山さんの家づくりでは、打合せをどのように進めているのでしょうか?

横山さん

お客様が、どんなことに惹かれるのかを徹底的に聞くようにしています
徹底的にというのは「普段はスポーティーな洋服が好きだけど、たまにフリフリのワンピースが着たい時もある」とか「美術館のような重厚な建築が好きだけど、日本家屋のような素朴な家も良いと思う」など、ご自身の中で一貫していない漠然としたイメージまで聞き出すんです
というのも、ほとんどの人は、本当に好きなものを自分自身で分かっていないんですよね。

スタッフ

確かにそうかもしれません。
ご自身の中で「これ!」というイメージが固まっていない人は本当に多いと思いますし、考えが定まっていないまま設計者に相談することに対して、後ろめたさを感じている方も多いと思います。
設計者のほうから徹底的にイメージを聞き出してくださるのは有難いですよね。

横山さん

イメージが固まっていないことは、ごく自然なことだと思います。
ですから、相談にいらっしゃる前から無理してご自身で決めようとしないで大丈夫なんですよ
お客様からたくさんお話を聞くことで、設計者にはお客様が望んでいることが見えてきますから、安心してご相談頂きたいですね。

スタッフ

心強いですね。
横山さんは設計のお仕事のキャリアが長いと思いますが、今まで設計されてきた中で、印象に残っているお仕事はどんな案件でしたか?

横山さん

とあるマンションのリノベーション案件が、とても印象に残っていますね。
依頼主は以前からのお知り合いで、オシャレでお料理上手で、すごく素敵な方でした。
ですが、さすがにご自身ではリフォームのアイデアまでは浮かばなかったとのことで、一任してくださったんです。
私に合うキッチンを作って欲しい」とだけご要望を頂きましたが、基本的にはお任せでした。
じっくりと考えさせて頂いて、完成まで1年半程かかりましたね。
リノベーション

完成後のキッチンのお写真。写真正面の作業台は、お料理好きの奥様が座って作業やお食事をするために、足が入るようになっているそうです。

スタッフ

お任せして頂けたのは、お客様が横山さんを信頼してくださっていたからですよね。
抽象的な依頼の場合、どのように進めていくのでしょうか?

横山さん

リフォームの場合、ほとんどのケースでは奥様が主導でご相談を頂き、アイデアがまとまります。
そのリフォームでも、奥様から「夫はいつもキッチンのこの窓の所でパソコンをやっています」「配線がたくさん見えてるのが嫌だ」と情報を頂いたので、同じ場所にパソコン用のスペースをつくりつつ、配線がスッキリ収まるようにしたり、お客様との会話から見えてくるご要望を叶えるように工夫しましたね。

スタッフ

キッチンのリフォームと聞くと、ショールームで選んできた既製品のシステムキッチンを入れたり、壁紙を張り替えるだけの簡単な工事のイメージがありました。
そうではなく、かなり細かい部分まで配慮されるんですね。

横山さん

リフォームのご依頼を頂いた時も、新築と同じようにお客様から色々なお話をお聞きします。
すると、お客様の抱えているお悩みが、システムキッチンに交換するだけで解決する問題ではないことが多いんです。
おっしゃる通りリフォームは簡単だと皆さんお考えなので「こんなに大変なことだと思わなかった」と驚かれることがよくあります(笑)

スタッフ

リフォームついでに色々なお悩みが改善されて、もっと暮らしやすくなるのは良いことですよね。
お客様が思っていたよりも大掛かりになる例として、他には何かありますか?

横山さん

例えば、配管の交換を行うこともあります。
というのは、マンションは、おおよそ10年ごとに大規模修繕をおこなうのですが、40年くらいのタイミングでは排水管の交換をするなど、だいたい次の大規模修繕で何を修繕するかが分かるんですよ。
せっかくリフォームで綺麗に床を貼り直したのに、大規模修繕の排水管の交換のために綺麗な床を剥がされてしまったら、私もお客様も悲しいですよね
そうならないために、数年後に排水管の交換工事が入ると分かったら、リフォームついでに先行して排水管を新しく交換してしまい、大規模修繕で手を加えずに済むようにしたりします
配管
給水管、給湯管、排水管のこと。
また、共用部、専有部と工事区分が分かれている。
説明してくれる横山さん

リフォームとは、今までの暮らしの延長線上にあるものではなく、より良い新しい暮らしをするための引っ越しのようなものだと語られる横山さん。

スタッフ

大規模修繕のことまで見通して考えてくださるんですね。
経験が豊富な横山さんならではのアイデアだと思います。
1年半かかったリフォームのお客様には、喜んで頂けましたか?

横山さん

すごく満足して頂けたようです。
ご主人とばったり街で遇うことがあるのですが、未だに「快適に過ごしています」と言ってくださいます。
喜んで頂くたびに、失敗は許されないなと思いますね

家づくりは、中だけではなく外まで豊かにするべき


スタッフ

有限会社横山環境計画事務所さんは、奥様である横山さんが設計を担当し、ランドスケープアーキテクトであるご主人が、いわゆる庭の設計を担当されているとお聞きしています。
庭だけの設計の依頼も来るのでしょうか?
ランドスケープアーキテクトとは
ランドスケープアーキテクトとは、都市における公共の空間をデザインする職能。
ランドスケープアーキテクトが取り扱うものは、個人の庭、街の広場や公園、都市計画など、対象となる仕事の規模によって異なる。

横山さん

庭だけの設計のご依頼もあります。
というのは、建売住宅でも注文住宅でも、家だけ完成していて庭は手つかずの場合が多いんです。
庭の設計までプロにお願いしたいというお客様に、庭の設計をお願いされることがよくありますね。
もちろん、庭ではなく家の設計をご依頼頂いたお客様の場合も、リビングやキッチンの窓の外にどんな緑があると良いかを考えたり、ランドスケープアーキテクトの強みを生かした設計をしています

スタッフ

庭のある家って、緑を感じられて本当に気持ちが良いですよね。
都心は、まだまだ緑が少ないように感じます。

横山さん

都心では、道路の脇からすぐに玄関があることも多いですよね。
道路から家の中が丸見えだから、隠すために木を一本だけ植えるなどして、どうにか対処されてる場合もありますが、あまり美しいものではなかったりします。
住む人だけでなく、その道路を通る自転車や歩行者など、双方にとっての心地良さまで考えられている家が少ないのが、残念ですね

スタッフ

私も、道路を歩いていて、圧迫感を感じることは良くあります。

横山さん

中のことだけを考えた家づくりは、街に対して失礼だと思うんです
本来は、家の中だけではなく、家の外も豊かにするべきなんです。
皆さんが暮らしている家の外壁って、道路側から見たら内壁ですよね。
家をつくる時は、街を歩く皆さんが心地良く道路を歩けるように、工夫をすることが大切です

スタッフ

家の外を豊かにするには、どのような工夫をすればよいのでしょうか?

横山さん

家の前に小さな花壇があるだけでも良いと思います。
花壇って、土の部分が10㎝もあれば植物は十分に育ちますから、ブロックの部分を含めても全部で30㎝もあれば花壇をつくれるんです。
決して大きな庭のスペースを確保しなくてはいけないわけではなく、たった30㎝のスペースを確保するだけで家の前を歩く人がホッとできるのですから、設計者はそこまで考えて家をつくらなければと思います

お客様にとって時間がゆっくり流れる家づくりをしたい

スタッフ

これから家を建てられるコノイエ読者の方々に、横山さんからアドバイスをください。

横山さん

心地良くて、家から離れたくなくなるような、時間がゆっくり流れる家をつくって欲しいと思います。
私も、そんな家づくりをしたいと思っています。

スタッフ

時間がゆっくり流れる家って、とても素敵な表現ですね。
そんな家をつくるには、どうすれば良いのでしょうか?

横山さん

まずは、気が合って話しやすい設計者を見つける所から始まると思います。
設計者との信頼関係がないと良い家がつくれませんから、面倒でも、たくさん話をすることが大切です。
お客様が目指している事を探し出して、提案するのが設計者の仕事です。
恥ずかしがったり遠慮をせずに、何でもお話してくださいね。

まとめ

横山さん

有限会社横山環境計画事務所さんの家づくりは、設計を担当されている横山眞理さんと、ランドスケープアーキテクトである横山裕幸さんの、ご夫婦それぞれの想いやこだわりが融合された、素敵なものでした。

横山さんご夫婦に家づくりをお願いしたい方は、有限会社横山環境計画事務所さんにお問い合わせください。

会社名 有限会社横山環境計画事務所
代表者名 横山 眞理(取締役)
住所 〒206-0033
東京都多摩市落合6-1-1-103
電話番号 042-374-6475
公式HP http://www.machi-design.com/
営業時間 9:30~18:00
主な業務 建築設計・監理(住宅、福祉施設など)、
改修設計・監理
造園設計
ランドスケープアーキテクチャー
対応エリア 東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、
茨城県、栃木県、群馬県、山梨県