株式会社ゆま空間設計

笑顔でインタビューに応じる加瀬澤様

車いすに乗ると、高い位置にある照明スイッチや、段差と傾斜などに苦労させられます。後ろから押してもらうと、人が歩く程度のスピードでも速く感じ、地面から伝わる振動の大きさに恐怖を覚えることすらあります。

普通の設計士さんだと、バリアフリーを必要とする方の感覚を理解してお家をつくるのは困難です。そのため、バリアフリーの家を建てるのなら、バリアフリーに精通した設計士さんにお願いするのがオススメです。

千葉県千葉市の株式会社ゆま空間設計さんは、バリアフリーの設計を得意とする設計事務所です。代表の加瀬澤様は長年バリアフリーの建築に携わり、車いすでの生活、老後の生活などを快適に送れるお家をつくってきました。

そこで、今回はゆま空間設計さんの事務所に伺い、加瀬澤代表にインタビューしました。加瀬澤様がバリアフリーの家を手掛けるようになった経緯や、設計の仕事において気を付けている点などについてご紹介いたします。

バリアフリー住宅の奥深さに触れ、設計を生涯の仕事と決める

パソコンに向かう加瀬澤様

スタッフ

加瀬澤様が会社を興した理由は何ですか?

加瀬澤代表

千葉県庁に勤めていたときに、バリアフリーの設計に携わった経験があったからです。
私の実家は大正5年からやっている老舗の土木会社ですが、若いころの私は建設業に興味がなかったので、大学卒業後は千葉県庁へ入りました。

スタッフ

もともと建築には興味がなかったのですか?
今の加瀬澤様からは想像できませんね。

加瀬澤代表

そうですね。当時の私も、のちに建築に興味をもつことになるとは思っていませんでした。

加瀬澤代表

ですが、千葉県庁では設計の仕事を任されたので、だんだん建築の面白さが分かるようになっていきました。
そして、養護学校の設計に携わるようになって、私の考え方は完全に変わったんです。
養護学校とは?
視力と聴力以外で、心身に何らかの障害を抱えるお子さんが通う学校のことです。
現在は、視力・聴力・その他といった障害の区別をやめて、特別支援学校として統合されています。
参考 養護学校コトバンク

加瀬澤代表

それまでは健常者のための設計しかやってこなかったので、からだが不自由な方などに配慮した設計は分かりませんでした。

スタッフ

からだが不自由な方のための設計だと、どんなところを配慮する必要があるのでしょうか?

加瀬澤代表

たとえば、照明スイッチは床から130cmの高さに配置するのが一般的なのですが、養護学校では100cmにまで下げるのです。そうすれば、車いすに座ったままスイッチに手が届きますからね。

スタッフ

なるほど。言われてみれば納得できますが、今まで気付きませんでした。

加瀬澤代表

養護学校の設計は、今までの経験によって刷り込まれていた常識が、丸ごとひっくり返されたような驚きの連続でしたね。それで、設計に対する見方が180度変わったんです。

加瀬澤代表

そのときから「バリアフリーの建築を追求しよう」というテーマの勉強会に参加するようになりました。民間の会社員、公務員を問わず、いろんな人が集まって、バリアフリーについて一緒に勉強したんです。
それまでの建築とはまったく異なる面白さに、すっかりはまってしまいましたね。

スタッフ

養護学校での経験をきっかけに、建築のさらなる奥深さを知ってしまったんですね
「建築知識」の表紙

バリアフリー住宅に関する加瀬澤代表のインタビューが載った雑誌。
加瀬澤代表のバリアフリー住宅に対する考え方が詳しく載っています。

参考 建築知識株式会社エクスナレッジ

加瀬澤代表

しかし、役所に長く勤めていれば、しだいに実務より管理業務の方が多くなっていきます。私も、少しずつ実務から離れざるをえなくなっていきました。

スタッフ

責任者になったら、あまり現場の仕事はやらなくなりますからね。

加瀬澤代表

そうなんです。ただ、私はどうしても設計を続けたかったのです。設計こそ、私が生涯やり続けたい仕事だと確信しました。
そこで、一緒にバリアフリーについて勉強していた先輩の事務所に35歳で転職し、40歳で自分の事務所を立ち上げたんです。

スタッフ

役所時代に実務経験があるとはいえ、40歳になってから独立した建築家さんは珍しいのではないでしょうか。

加瀬澤代表

そうかもしれませんね。
ですが、創業当時はやっぱり大変でした。知り合いから仕事を紹介してもらわなければ生活できないほど苦しかったです。

スタッフ

今のような安定した経営状態になるまでには、苦労があったんですね。
それでも、ずっと設計をやろうと思われたのはなぜですか?

加瀬澤代表

設計はとても創造的で手応えがあり、やりがいにあふれる仕事だからです。
特にバリアフリーの設計は一棟ごとにまったく異なるので、依頼を受けるたびに一から考える必要あります。大変な仕事だけに、家が完成してお客様に喜んでいただけたときは本当に嬉しいんですよ。

スタッフ

バリアフリーの設計を楽しんでいらっしゃるのですね。
そう考える加瀬澤様だからこそ、手間を惜しまない丁寧な仕事で、お客様にご満足いただけるのだと思います。

お客様の希望をもっとも大事にし、自分の設計にこだわらない

古民家再生の表彰状

スタッフ

ゆま空間設計様は、どのようなお客様からのご依頼が多いのでしょうか?

加瀬澤代表

バリアフリーを得意としているので、やはりご年配のお客様が一番多いですね。
ただ、最近はバリアフリーを重視する若い方も増えています。新築にバリアフリーを取り入れて、長く住める家にしたいと考えるお客様は少なくありません。

スタッフ

バリアフリーという言葉も、もうすっかり世の中に溶け込んでいますからね。今は人生100年時代といわれますし、若いうちから老後を意識することが普通になったのかもしれません。
ちなみに、加瀬澤様がバリアフリーの家をつくるときに意識していることは何ですか?

加瀬澤代表

お客様に合わせた最適な提案を考えることです。
バリアフリーにおいては、万人に共通して最適だといえる設計なんてありませんからね。

スタッフ

バリアフリーには、ベースとなる設計がないのですか?

加瀬澤代表

もちろん、バリアフリーの家にも基本的な間取りはありますよ。
たとえば、車いすにとっては少しの段差でも障害になるので、どうしても段差が生じるなら緩い傾斜のスロープを設けます。
また、車いすは直角に曲がるのが苦手ですから、廊下の横幅は車いすの幅より広めに確保する必要があります。
そういった基本については、いつも意識しながら設計していますね。

スタッフ

車いす生活を想定した、基本的な間取りはあるんですね。

加瀬澤代表

はい。ただし実際には、スロープを設けるのに十分なスペースがなく、車いす向けの昇降機を導入する場合があります。
また、リフォームで廊下の幅を十分に確保できなければ、建物全体の間取りを見直さなければなりません。
予算にも限りがあるので、工事に優先順位をつけながら、お客様にとって一番快適に過ごせる設計を練っていく必要があるんですよ。

スタッフ

なかなか教科書通りに行かないから、バリアフリーの設計は一棟ごとに変わってしまうんですね。

加瀬澤代表

その通りです。だからこそ、バリアフリーの家を考える仕事は創造的で手応えがあるんですよ。最適な設計を考え抜いて、お客様に喜んでいただいたときは嬉しいですね。

スタッフ

お客様に喜んでいただけると、また頑張ろうと思いますよね。

加瀬澤代表

本当にそう思います。バリアフリーの設計は本当に面白いですよ。
ちなみに、私の事務所もバリアフリーです。車いすの方が事務所に入りやすいように、地盤を道路の高さまで下げてから建てました。

スタッフ

お客様に対する心遣いを徹底していらっしゃるのですね。
リフォームした古民家の内装

リフォームした古民家の内装。ゆま空間設計さんは、古民家再生も手掛けていらっしゃいます。

スタッフ

ゆま空間設計様は、バリアフリー以外の住宅も手掛けていらっしゃいますか?

加瀬澤代表

はい。「古民家の建具を使って新築したい」といった、難しい依頼をよく受けますね。古民家の建具はよい素材でできている反面、クセが強いんです。ですから、新築に取り入れるのは少々骨が折れるんですよ。

スタッフ

そうなんですね。
でも、なぜバリアフリー以外にもいろんな依頼が舞い込むのでしょうか?

加瀬澤代表

長年、お客様の希望通りに設計しようと努力しつづけてきたからだと思っています。どんなに難しそうな依頼でも、お客様の期待を裏切らないように頑張ってきましたからね。
「ハウスメーカーで無理と言われたから、ゆま空間設計さんにお願いしにきた」とおっしゃるお客様は多いです。

スタッフ

難しい依頼でも、お断りしないのですか?
お願いされたときに、ちょっと無理そうだな、と感じる場合もあると思いますが。

加瀬澤代表

基本的には、話があれば何でもやりますよ。
たとえば、お客様の希望通りに見積もると予算の倍の金額になる、といった一見ムチャなケースでも、なんとか調整しながら折り合いをつけて解決しています。

スタッフ

やはり予算が問題になるケースは多いんですね。

加瀬澤代表

つい最近も、戸建て住宅を大規模にリフォームする計画があって、金額を抑えるのに苦心したばかりです。
契約後にもお客様の希望がいろいろと出てきて、大幅に工事金額が増えてしまい費用を抑えるのが大変でした。最終的にはお客様にとても喜んでいただけたので、一安心しましたけどね。

スタッフ

どんな内容のリフォームだったんですか?

加瀬澤代表

二世帯住宅に変えるためのリフォームです。二世帯住宅は、子世帯に配慮して設計しなければならないので難しいですね。

スタッフ

子世帯が親世帯に対して気を遣わないですむ設計を考える必要があるのですね。

加瀬澤代表

はい。ですので、子世帯に気に入っていただける二世帯住宅を考えるのは大変なんです。
でも、そのリフォームでは、親御さん以上に娘さんが完成した家を気に入ってくれたんです。頑張って設計したので、娘さんにも喜んでいただけたのは嬉しかったですね。

スタッフ

それは確かに嬉しいですね。
上手くいった理由は何だったのでしょうか?

加瀬澤代表

お客様の気持ちや希望、人間性をあるがままに受け止めて、形にしていったことだと思います。自分の主観にとらわれず、ご家族全員のお話をよく聞いて設計を進めたんですよ。

加瀬澤代表

私はいつも、自分は前に出てはいけない、目立ってはいけないと肝に銘じながら設計に臨んでいます。自分の欲や意識を出すほど、お客様の求める形からは遠ざかってしまいますからね。

スタッフ

お客様を中心に設計しないと、お客様が満足できるお家にならないんですね。
でも、自分らしさを完全に抑えて設計するのは難しくありませんか?

加瀬澤代表

たしかに、全部を言われた通りにやっているつもりでも、設計のどこかしらに自分らしさは出てきます。ですから、にじみ出てきた自分らしさも、お客様のためになるように気を付けることが大切なんです。

スタッフ

なるほど。にじみ出る自分らしさこそ、お客様のために使わなければならないんですね。

加瀬澤代表

私はお客様に喜んでいただければ、ほかに何も求めません。設計は楽しい仕事ですが、自分のために設計しようとは考えていませんから。
これからも、お客様の想いを形にしていき、お客様に満足していただける設計を考えていきたいですね。

値段感と坪単価

坪単価:75万円前後

住宅なら坪単価は75万円ほど
新築住宅でおよそ75万円前後です。ゆま空間設計さんは、基本的に自然素材を使ってお家を建てています。
自然素材は、化学物質などを使わない天然の素材です。風合いや香りなどに優れ、月日が経つほど味わいが増していくメリットがあります。
もし、予算の都合が合わないときは、ハウスメーカーさんが使っている価格を抑えた建材を取り入れることもできます。どうぞご相談ください。

まとめ

デスクで仕事をする加瀬澤様

長い人生を送っていると、思いがけない出会いがあるものです。
ただし、その出会いは人とは限りません。天職というべき仕事との出会いもあります。

加瀬澤様はバリアフリーの設計を生涯の仕事とするべく、事務所を立ち上げました。
お客様の想いを形に変える、バリアフリーの設計にやりがいを見出したからです。

そんなゆま空間設計さんだからこそ、お客様がいつまでも快適に過ごせるバリアフリーのお家が建てられるのです。
バリアフリーで安心して暮らせるお家を建てたい方は、株式会社ゆま空間設計さんにぜひご相談ください。

会社名 株式会社 ゆま空間設計
代表者名 加瀬澤 文芳
住所 〒264-0032
千葉県千葉市若葉区みつわ台5-4-14
電話番号 043-253-8801
公式HP http://www.yumaku-kan.co.jp/
営業時間 9:00~18:00
主な業務 新築・増改築工事の設計監理
対応エリア 全国