築年数の経過したお家は、様々な場所が劣化してきます。あなたのお家も傷みが目立ってきたと感じ、建て替えを検討しているのではないでしょうか?
住宅の中には、老朽化などの理由によってすぐにでも建て替えたほうがいいお家もあれば、急いで建て替えなくてもいいお家もあります。また、ライフステージの変化によって、建て替えに適したタイミングも存在します。
お家の建て替えを検討している方は、この記事をぜひ参考にしてみてください。
建て替えるべきなのはどんなお家?
不便な間取りや古い設備を一新できる、お家の建て替え。しかし、その分たくさんの時間・費用・労力を要します。そのため、「そもそも本当に建て替えが必要?」「まだ建て替えなくてもいいのでは?」と悩んでいる方も多いかもしれません。
そこで、まずは建て替えたほうがいい住宅の特徴について解説します。あてはまるお家の方は、ぜひ建て替えを検討してみてください。
お家の状態を確認しよう
よく「木造住宅の寿命は30年」と言われています。しかし築30年を超えたからといって、絶対に住めなくなるわけではありません。
国土交通省によると、一般的な住宅の平均寿命は以下の通りです。
鉄骨造(プレハブ) | 30年~60年ほど |
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木造 | 30年~80年ほど |
鉄筋コンクリート | 40年~90年以上 |
引用:期待耐用年数の導出及び内外装・設備の更新による価値向上について|国土交通省
木造住宅の平均寿命は、30年~80年です。つまり、30年で劣化してしまうお家もあれば、80年も長持ちするお家もあるのです。
どうしてこんなに差があるのでしょうか?
実は、木造住宅の構造体(骨組みや基礎など)に使われている木材の耐久年数は80年以上だと言われています。 しかし、日頃からきちんとお手入れをしていないと、本来の耐久性を発揮できずに劣化してしまうのです。
つまり、きちんと掃除やメンテナンスをしていれば、問題なく30年以上は住み続けられます。また、万が一どこか傷んできた箇所があっても、部分的なリフォームをするだけで済む可能性が高いです。
旧耐震基準のお家は建て替えよう
もし、あなたのお家が1981年以前に建てられたものだった場合、十分な耐震基準を満たしていない可能性があります。
1981年6月1日に建築基準法が改正され、建物に求められる耐震基準が大きく変わりました。新しい耐震基準では、大規模地震にも耐えられるような強度が求められるようになったのです。
それぞれの耐震基準の特徴は、以下の通りです。
1981年以前の耐震基準 (旧耐震基準) | ・震度5程度の地震でも倒壊・崩壊しない程度の強度 ・震度6以上の大規模地震については定められていない |
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新耐震基準 | ・震度5程度の地震でも倒壊・崩壊しないだけでなく、建築材の各部が損傷を受けない程度の強度 ・震度6以上の大規模地震でも倒壊・崩壊しない程度の強度 |
つまり震度6以上の大規模地震が起こった場合、旧耐震基準の家に住んでいると建物の倒壊や崩壊に巻き込まれてしまう危険があります。
日本は地震大国で、またいつ大地震が発生するかも分かりません。そのため、あなたのお家が旧耐震基準で建てられていた場合は、家族の安全のためにも早めに建て替えましょう。
欠陥住宅・軟弱地盤も建て替え必須
「家が傾いている」「雨漏りがしている」「外壁に亀裂が入っている」等、そもそも家の構造に欠陥がある場合や地盤自体が弱い場合は、リフォームでの改善が難しいため建て替えを選択する必要があります。
建て替えを行うと、家の基礎部分を全て取り壊して、新しい基礎を作って建築します。そのため、欠陥の問題はほぼ全て解消されます。また、地盤が弱い土地は地盤改良もできるため安心です。
建て替えのベストタイミングはいつ?
建て替えるべきお家は「老朽化しているお家」「耐震性が不十分なお家」「欠陥があるお家・地盤が弱いお家」です。この場合、リフォームで直すのには限界があるため、思い切って建て替えを選択するべきです。
しかし、それ以外でもライフスタイルの変化によって、建て替えたほうがいいタイミングがあります。
自分の親・義理の親と同居する場合
「結婚して義理の両親と同居することになった」
「母親が亡くなったため、遺された父のお世話をすることになった」
「一人暮らしの母親が病気になり、介護をするため同居することになった」
こういった理由で自分の親、もしくは義理の親と同居する場合、二世帯住宅にしたり、バリアフリーにしたりするなど、家の作りを大きく変える必要が出てきます。
この場合、親子で借りられるローンが利用できるため、建て替えする時期としては最適なタイミングだと言えます。自分だけではローンの返済が厳しい場合でも、親と協力して金銭的負担を減らせるため、ぜひ検討してみてください。
親子で利用できるローンは、大きく2種類あります。状況に応じて利用するローンを選びましょう。
- ペアローン
親と子供がそれぞれローンを借り入れて、それぞれ返済していきます。親子ともに現役で、一定の収入がある場合は、ペアローンを利用すれば大きな額の融資が借りられます。
- リレーローン
ひとつのローンに対して、最初は親が返済し、親が高齢になったら子供が残りの返済額を引き継ぎます。 親がすでに高齢で長期間のローン返済が難しい場合は、リレーローンを選びましょう。
子供が増えて、家が手狭になった場合
子供が増えてくると、お家が手狭に感じるタイミングがあると思います。 また、子供が成長するにつれてプライバシーに配慮する必要も出てくるため、子供部屋の増築のために建て替えを検討している方もいらっしゃるかもしれません。
その場合、子供の生活のためにも早めに建て替えたほうがいいでしょう。
建て替え工事は、終了まで半年以上かかることもあります。また、工事中は仮住まいで生活する必要があります。 そのため、子供が大きいと、勉強に支障をきたす可能性があります。また、通う学校が一時的に遠くなってしまう可能性もあるため、子供の負担になります。
住宅ローンの年齢制限にも注意
建て替えは金銭的な負担が大きくなります。二世帯住宅にする場合などは、通常の建て替えよりもさらに高額になります。
そのため、建て替えの際は住宅ローンを利用する方がほとんどです。しかし、年齢や返済期間に制限があるため、利用には注意が必要です。
具体的な条件は金融機関によって異なりますが、一般的な条件は以下の通りです。
申込時の年齢 | 上限年齢を70歳に設定している金融機関が多いです。 |
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完済時の年齢 | 上限年齢を80歳に設定している金融機関が多いです。 |
返済期間 | 10年~35年に設定している金融機関が多いです。 しかし、完済時の年齢上限(80歳)を守る必要があるため、申込時の年齢が高い場合は、返済期間が短くなります。 |
つまり、40台前半までであれば最長の35年ローンが利用できますが、高齢になるにつれて返済期間がどんどん短くなり、月々の負担が大きくなります。また、80歳までローンを払い続ける場合、退職後の生活を圧迫してしまう可能性もあります。
そのため、住宅ローンの利用を検討している方は、年齢や老後の資金も念頭に置いて申し込むようにしましょう。
参考 住宅ローンの制限は70歳!無理ない年齢目安と老後資金のバランス|中古マンションのリノベーションならゼロリノべゼロリノベーションライフスタイルに合わせて家を変えていこう
「結婚」「親との同居」「子供の成長」など、ライフスタイルは年を経るごとにどんどん変化していきます。 親のために二世帯住宅を建てても、いつかは亡くなってしまう日がきます。子供のために広い家を建てても、いつかは独立してしまうでしょう。
親や子供がいなくなって残された家は、夫婦だけでは持て余してしまうかもしれません。そんなときは、ライフスタイルに合わせて家も変えていきましょう。
減築リフォームで、これまでの家をもっと快適にする
減築リフォームとは、使用しなくなった子供部屋を撤去したり、使わなくなった2階部分を取り壊して平屋にしたりするなどして、床面積を減らすことです。
減築リフォームは以下のメリットがあります。
- 固定資産税を節約できる
固定資産税は床面積に応じして税率が上がります。そのため、減築リフォームとして床面積を減らすと、固定資産税が節約できます。
- 住宅のメンテナンス費用が節約できる
家が狭くなる分、メンテナンスする場所が少なくなります。
- 光熱費が節約できる
家が狭くなる分、光熱費が下がります。
- 掃除などの負担が減る
家が狭くなる分、掃除しなければならない場所も少なくなります。
- 防犯性が上がる
人の気配のない部屋には泥棒が侵入しやすいと言われています。そのため、ひと目につく部屋を増やすことで防犯効果になります。
- 老後の生活や介護がしやすくなる
階段の上り下りや、室内の移動距離が少なくなれば、足腰が弱くなってからも安全に生活できます。
住み替えで理想の生活を手に入れる
親と同居していた方や、子育てをしてきた方は、親や子供を優先して家づくりをしてきた方が多いと思います。
そのため、親が亡くなったり子供が独立したりしたあとは、理想のお家に住み替えて第二の人生を謳歌するのもおすすめです。 これまでのお家を売却したり貸し出したりすることで、資金の調達もできます。
- 都心のタワーマンションに住み替えて、便利に快適に生活する
- 田舎に移り住んだり地元に戻ったりして、のんびり暮らす
家を建て替えるべき築年数についてのまとめ
建て替えるべき家の築年数や、建て替えのタイミングについて解説しました。
家を建て替えたほうがいいかどうかは、築年数だけで判断するのは難しいです。そのため、家の状態を確認の上、実際に建て替えるかどうか決めましょう。
また、家の状態以外でも、ライフスタイルの変化によって家を建て替えたほうがいいタイミングもあります。家族のことも考慮した上で、建て替えるかどうか判断してみてください。