ハウスメーカーのFP相談は信用できる?|利用する際の注意点は3つ

ハウスメーカーのFP相談、利用するのはアリ?ナシ?

当面の資金が十分に備わっていると言い切れるのか?
将来、住宅ローンの返済に困ることはないのか?

ハウスメーカーさんと新築のプランについて打ち合わせをしていると、資金面で不安になる場合があります。
住宅ローンは将来のご家族の生活に大きく関わるため、慎重になるのは当然です。

そんなとき、営業担当さんから無料のFP相談を勧められることがあります。
無料であればぜひ利用してみたいところですが、ハウスメーカーさんから紹介されるFPを信用してよいものか、少々迷ってしまうかもしれません。

そこで、この記事ではハウスメーカーから勧められるFP相談を利用する際に、ぜひ知っておきたい注意点を3つご説明いたします。

FPは家計全般のプロフェッショナル

FPとはファイナンシャルプランナーの略で、家計に関する専門家のことを指します。
一般的にはFP資格を保有している人がFPと呼ばれます。

FPの主な業務は、以下の6分野について依頼者の相談に乗ることです。

  • ライフプラン
  • 老後・年金
  • 資産運用・投資
  • 不動産・住宅ローン
  • 保険
  • 税制・相続・贈与
参考 日本FP協会日本FP協会

上の一覧のなかで住宅購入に直結するのは、「ライフプラン」「不動産・住宅ローン」の2分野です。
住宅ローンは生涯の資金計画に影響するため、より大きな枠組みである「ライフプラン」の視点からも検討する必要があります。

ちなみに、「ライフプラン」の分野では、世帯構成や家族の年齢、収入・支出などの情報をもとに資金計画が立てられます。
そのために使われるツールが、ライフイベント表キャッシュフロー表の2つです。

ライフイベント表

ライフイベント表の例。
家族の年齢から、いつ、何に対して、いくら出費が生じるのかを洗い出して視覚化します。

引用:日本FP協会|便利ツールで家計をチェック

キャッシュフロー表

キャッシュフロー表の例。
家計の収支にライフイベント表のデータなどを加味して作っていきます。
この表で「貯蓄がマイナスにならないか?」といった点を明らかにします。

引用:日本FP協会|便利ツールで家計をチェック

このように、家計に関わる年金・保険・税金・法律などの知識をフル活用して、依頼者の資金計画をサポートするのがFPの仕事です。
とりわけ住宅購入においては住宅ローンの返済が大きな問題となるので、FPは頼りになる存在といえます。

ハウスメーカーのFP相談を利用する際の注意点は3つ

FPは、企業系FPと独立系FPの2種類に分けられます。

このうち企業系FPとは、特定の会社に所属しているFPのことを指します。
無料のFP相談といえば、この企業系FPが担当しているケースがほとんどです。

企業系FPはハウスメーカーと取引のある会社から派遣されているため、中立的立場であるとはいえません。
加えて、住宅業界の仕事を専門に請け負っているわけでもありません。

そのため、ハウスメーカーのFP相談を利用するにあたっては、3点ほど気を付けておきたいことがあります。

1.返済計画を否定するような結論は期待できない

ハウスメーカーも商売で成り立っている以上、普通なら利益に貢献しないサービスは行いません。
にもかかわらずFP相談を無料で行うのは、依頼者に契約してもらいやすくなるというメリットがあるからです。

FP相談を利用する方の多くは、住宅ローンの返済に不安を抱えています。
何千万円もの住宅ローンを組むのですから、将来返済に行き詰まらないか心配するのは当然でしょう。

そんなとき、FPが住宅ローンの返済をシミュレーションし、問題なしと判断したとします。
するとハウスメーカーが提示した返済計画が無謀でないと依頼者は安心するので、成約に至る可能性が高まります。

また、依頼者が他社の高価格帯プランも検討している場合は、返済可能な金額のラインを示して他社のプランを断念させることもできます。

このように、ハウスメーカーがFP相談の場を設けるのは、依頼者が自社と契約する確率が高まるからに他なりません。
裏を返せば、そのことを理解しているFPがハウスメーカーの返済計画を否定することは通常ありえないと考えられます。その点は要注意です。

だからといって、FPはハウスメーカーのプランを押し通そうとするわけでもありません。
無理のない返済計画を立てるのがFPとしての本分だからです。

もしFPから強引な印象を受けたら、本分を果たそうとしないFPを使っているハウスメーカーとの契約そのものを考え直した方がよいでしょう。

2.FPが住宅ローンに精通していない可能性がある

冒頭では、FPの業務が6分野にまたがることをご説明いたしました。

FPの知識は多方面にわたるだけに、どうしてもFPによって得意とする分野に偏りが生じます。
一般的には、自分の日常業務と関わりの深い分野を専門とすることがほとんどです。

ところが、ハウスメーカーのFP相談を担当するのは、主に保険会社の営業担当さんです。
普段は不動産と無関係の業務を担っている方々です。

したがって、住宅ローンの詳細までは把握できていない可能性があります。

ライフイベント表やキャッシュフロー表の作成などであれば、FPの基本知識の範囲内で対応できます。
ただ、各銀行が提供している住宅ローンの違いなどについては、明確に説明できない場合があるので注意しましょう。

3.保険の勧誘などを受ける可能性が高い

ハウスメーカーのFP相談は無料で行われることが一般的です。
しかし、外部からFPを呼ぶためにはお金がかかります。

依頼者に新築を契約してもらえるとは限らない以上、FP相談の費用を全額負担するのはハウスメーカーにとってリスクが大きすぎるといえるでしょう。

そこで、多くのハウスメーカーはFPに所属会社の商品勧誘を認めています。

FPが生命保険会社の営業担当さんであれば、生命保険の勧誘が行われます。
不要な契約をさせられる可能性があるので、注意しておきましょう。

ただ、FP相談を無料で受けたからといって、勧められた商品を買わなければならないわけではありません。
商品の説明を聞いたうえで、納得できたときにだけ契約すれば大丈夫です。

最も確実な相談先はハウスメーカーと無関係な独立系FP

すでにお話しした通り、ハウスメーカーのFP相談では住宅購入を思いとどまらせるような思い切ったアドバイスは期待できません。
とはいえ、無理な返済計画を押し通される心配もあまりないので、一度利用してみるのもよいでしょう。

それでも心配な場合は、ハウスメーカーと無関係な独立系FPに相談を依頼してみてください。
独立系FPであれば、第三者視点の確実なアドバイスが期待できます。

ただし、自分で信頼できる独立系FPを探すのは簡単ではありません。
実はファイナンシャルプランナーを名乗るだけであれば資格は要らないからです。

そこで、独立系FPを探すときは日本FP協会の検索システムを利用するのがお勧めです。

日本FP協会-CFP認定者の検索条件

引用:日本FP協会|相談できるファイナンシャル・プランナーを探す

検索システムに登録されているのは、最上位資格のCFP(認定ファイナンシャルプランナー)だけです。
そのうえ住宅ローンを得意とするCFPに限定して探せるので、質の高い相談が期待できます。

なお、日本FP協会の検索システムから独立系FPに相談を依頼する場合、1時間あたり5,000~10,000円ほどの料金がかかります。
また、提案書を作ってもらう場合は別途費用がかかるので気を付けてください。

まとめ

この記事では、ハウスメーカーのFP相談についてご説明いたしました。

ハウスメーカーの紹介するFPだからといって、無理な返済計画を押し通されるケースはほとんどありません。
そこまで過度に警戒する必要はないと考えられます。

ただし、ハウスメーカーのFP相談を利用するときは、以下に挙げる3つの注意点を意識しておく必要があります。

  • 1.返済計画を否定するような結論は期待できない
  • 2.FPが住宅ローンに精通していない可能性がある
  • 3.保険の勧誘などを受ける可能性が高い

上記を念頭に置いてハウスメーカーのFP相談を受けていただければ、特に不利益は生じません。
せっかくの機会ですから、気軽にFP相談を利用してみるとよいでしょう。