マイホームの購入を予定している人の中には、建売住宅ではなく「自由設計住宅」を検討している方も多いのではないでしょうか? しかし、まず理解しておきたいのが、自由設計は1から自分の希望に沿った住宅を設計できるわけではないということです。それができるのは「注文住宅」です。
では、自由設計住宅とはどのような住宅で、建売住宅とは何が違うのでしょう? この記事でしっかり解説していきますので、ぜひ参考になさってください。
自由設計住宅とは?
自由設計住宅には、「1.セミオーダー住宅」を指している場合と、「2.建築条件付き土地に建てる住宅」を指している場合の2パターンがあります。まずはそれぞれの特徴について確認していきましょう。
1.セミオーダー住宅
セミオーダー住宅とは、パッケージ化された商品の中から間取りや建物の仕様(外観・外壁・設備等)を選択していく住宅のことです。 すでに土地をお持ちの方や、自分で土地探しをされる方は、セミオーダー住宅が選択肢のひとつになります。
例として、一条工務店の「アイ・スマート」という商品を見てみましょう。
このように、標準仕様の中から、外観や内観のデザイン、キッチン・バス・ドア等の設備を自由に選べます。
また、間取りも好みに合わせて、たくさんのバリエーションの中から選択できます。
なお、もし標準仕様で満足できない場合は、別途料金を上乗せしてオプションを追加する必要があります。
また、あまりにも大掛かりな間取り変更には対応できない場合もありますので注意してください。
2.建築条件付き土地に建てる住宅
自由設計を謳う住宅の中に多いのが、「建築条件付き土地」とセットで販売される自由設計住宅です。
この場合、前述のセミオーダー住宅と異なり、間取りの変更はできても建物の仕様変更はできないことが多いです。 なぜなら、土地の購入者が決まる前から建物の基本的な図面は完成していて、先に役所や検査機関へ届出(確認申請)を済ませてしまっている場合が多いからです。
間取りの変更例。
ただし、自由度は施工会社によって異なります。
引用:FP住宅相談ネットワーク
建築条件付き土地とは?
建築条件付き土地とは、ハウスメーカーや建築会社が販売する区画化された分譲地に多く見られる形態の土地で、一般的な土地よりも安く購入できるのが特徴です。
この土地で家を建てるには、以下の条件を満たす必要があります。
- 決められた施工会社に建築工事を依頼すること
- 一定期間内(ほとんどの場合3ヶ月以内)に請負契約を締結すること
つまり、土地の売買契約を結んだあと、3ヶ月という短いスパンで間取りや仕様を決定し、指定のハウスメーカー・工務店と契約を結ぶ必要があるということです。
注文住宅・建売住宅との違い
自由設計住宅には、セミオーダー住宅と「建築条件付き土地」に建てる住宅の2パターンあることが分かりました。では次に、自由設計住宅と注文住宅・建売住宅との違いをそれぞれ確認していきましょう。
注文住宅との違い
注文住宅は「完全自由設計住宅」「フルオーダー住宅」とも呼ばれ、間取りや建物の仕様などをすべて1から決められます。
注文住宅なら、自由設計住宅では実現が難しい設計の希望もほぼ叶えられます。 また、建物の外観も内観もオリジナルの設計なので、他のお施主さんとデザインが被る心配もありません。
建売住宅との違い
自由設計住宅が土地を売ってから家を建てる「売建住宅」とも呼ばれているのに対して、建売住宅は、あらかじめ建てられた家を土地とセットで販売する住宅です。
また建売住宅はすでに家が完成しているため、基本的に間取りや設備の変更ができない点も自由設計住宅との大きな違いです。
自由設計のメリット・デメリット
注文住宅・建売住宅と自由設計住宅との違いを踏まえ、自由設計住宅のメリット・デメリットを押さえていきましょう。
自由設計住宅のメリット
自由設計住宅にするメリットは、大きく以下の4点が挙げられます。
- 間取りを決められる
- 注文住宅よりも安く建てられる
- 短期間で建てられる
- 選択する労力が軽減される
【メリット①】間取りを決められる
自由設計住宅は、建売住宅と違って自由に間取りを決められます。
「建売住宅の間取りがしっくりこない」という方も、自由設計住宅にすることでライフスタイルに合わせた間取りの住宅が建てられるでしょう。
【メリット②】注文住宅よりも安く建てられる
自由設計住宅は、注文住宅よりもローコストで家を建てられます。また、土地も「建築条件付き土地」なら安く購入できます。
そのため「建売住宅より自由度がほしいけど、注文住宅ほどコストをかけたくない」という方には、自由設計住宅がぴったりでしょう。
【メリット③】短期間で建てられる
自由設計住宅は標準仕様の規格が決まっているため、注文住宅よりも短期間で建てられます。
なお、注文住宅は土地探しからスタートして、間取り・設備の決定にも時間がかかるため、家が建つまでに8〜15ヶ月ほど必要になります。
【メリット④】選択する労力が軽減される
自由設計の住宅は、標準仕様のプランの中から選択するだけで理想の家が建てられます。
一方、注文住宅は「どんな外観にしたいか?」「どんな部屋がほしいか?」「どんな素材を使いたいか?」等をすべて決めなければならないため、忙しい人や家造りに労力を割きたくない人にとっては大変です。
自由設計住宅のデメリット
反対に、自由設計のデメリットも確認していきましょう。
- 施工会社を自由に選べない
- 施工会社によって自由度が異なる
- 標準仕様以外の間取りはオプション料金がかかる
- 打ち合わせ回数が少なく、じっくり決められない
【デメリット①】施工会社を自由に選べない
これは「建築条件付き土地」に家を建てた場合ですが、あらかじめ依頼するハウスメーカーや工務店が指定されています。
そのため「このハウスメーカーのこの工法で建てたい!」といった明確なこだわりをお持ちの方には自由設計住宅はあまりお薦めできません。
【デメリット②】施工会社によって自由度が異なる
自由設計住宅の自由度は、ハウスメーカーや工務店によって異なります。
例えば、依頼したハウスメーカーによって、建物の仕様変更の可否や、標準仕様のバリエーションの豊富さが違ったりします。そのため、必ず「何をどこまで自由に決められるのか?」をしっかり確認し、納得した上で契約するようにしましょう。
【デメリット③】標準仕様以外の間取りはオプション料金がかかる
自由設計住宅は間取りを自由に選択できますが、標準仕様を超えた間取りはオプション扱いになり、追加料金が発生する場合があります。例えば「吹き抜けのリビングにしたい」「ロフトをつけたい」といった要望はオプション扱いになることがあります。
また、「2階建ての建物を3階建てにしたい」「LDKを1階から2階に移動したい」といった大掛かりな要望には対応できない場合もありますので、必ず事前に確認しておきましょう。
【デメリット④】打ち合わせ回数が少なく、じっくり決められない
自由設計住宅を建てる場合、間取りや設備の打ち合わせは3回ほどしか行われません。一方、注文住宅では10回以上の打ち合わせがあります。
「初めてのマイホームなので慎重に決めたい」と思っている方にとっては、3回の打ち合わせでは満足できない可能性があります。また、途中で間取りや設備を変更したいと思っても、対応してもらえない場合もありますので注意してください。
自由設計住宅が向いているのはどんな人?
自由設計住宅のメリット・デメリットをご紹介しました。
それらを踏まえると、自由設計住宅がお薦めなのは「自分たちのライフプランに合った住宅を、なるべく早く・安く手に入れたい人」だと言えます。
反対に、「時間やお金が多少かかってもいいから、じっくり理想の家を建てたい」という方は注文住宅を建てたほうが後悔が少ないでしょう。
ハウスメーカーで建てる自由設計の家についてのまとめ
この記事では、自由設計住宅の特徴やメリット・デメリット、注文住宅や建売住宅との違いについて解説しました。
自由設計住宅は、建売住宅と注文住宅の中間に位置します。 そのため、「建売住宅よりも自分たちに合った住宅を、注文住宅よりも安く・早く手に入れたい人」という人には自由設計住宅がオススメです。
なお、当サイト「コノイエ」では、注文住宅の設計を得意とする建築家の「想い」を伝えるインタビュー記事を掲載しています。 1から自分たちの希望を叶えてくれる注文住宅の魅力、そしてそれを実現する建築家たちの熱い想いを、ぜひ一度ご覧になってみてください。