ハウスメーカーは差し入れ不要?したい場合の注意点や喜ばれる品とは

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ハウスメーカーで家を建てる場合、「差し入れは不要です。」と言われる場合がほとんど。 ただそうは言っても、「“ほんとうに”差し入れしなくていいのか」気になりませんか?

結論をお答えすると、差し入れはしなくても大丈夫です。 理由は、大工さんはお金をもらって仕事としてやっているため、差し入れがないからといって手抜き工事をするなんてことはないし、あってはならないからです。

ただ、ここで注意したいのが、差し入れをしてはダメというわけではないことです。 「定期的に工事の様子を見たい」という方なんかは、現場の人とよく顔を合わせることになるかと思います。そういった場合、「何もせず外で見ているより、差し入れをしてしまった方が気まずくないし気が楽」という方もいるのではないでしょうか?

そこで本記事では、「差し入れをしたい」という方に向け、今どきの大工さん事情や、差し入れするときの注意点喜んでもらいやすい差し入れをご紹介します。 ぜひ、チェックしてみてください。

最近の大工さん事情

建築現場の事情は日に日に変わり、大工さんに求められるモノも今と昔でずいぶん変わってきました。 差し入れをするのであれば、事前にどんな思いで大工さんが工事をしているのか知っておきましょう。

差し入れをもらうのがあたり前とは思っていない

共働き家庭が増えている今では、そもそも差し入れに行く時間がないという人もいます。 また、工事に必要な機材も年々便利になった影響で、昔は着工から受け渡しまで半年~1年ぐらいかかっていたのが、今では3~4ヶ月ほど。

昔に比べるとずいぶん工期が短くなりました。 さらに、最近では家が出来てから買う建売の購入も増えてきています。

そのため、家は完成したけれど「最後まで誰が住むのかわからないまま」というケースもあります。 その場合の本音としては「気をつかわなくていいのはありがたい」という人、「仕上がりが変わることはないけど、自分が建てた家にどんな人が住むのか知っておきたかった」という人の二手に分かれるんだそうです。

差し入れをもらえなくても問題はないけど「もらえたら嬉しい、1度くらいは顔を見せてほしい」というのが本音のようです。

収入アップのために早く家を完成させたい

住宅に関わる大工さんの働き方は、大きく分けて2種類あります。

常用大工と呼ばれる一日いくらで働く働き方と、請負大工と呼ばれる一坪いくらで働く働き方です。 ハウスメーカーで家を購入したのであれば、基本的に皆さんの工事は後者の請負大工さんが担当します。

主に、大手ハウスメーカーや工務店などから仕事の依頼を受けて行う請負大工さん。 一坪いくらでお金が発生するため、早ければ早いほど単価が高くなりその分多くの給料をもらえるという所がほとんどです。

できるだけ多くの給料をもらうため、「集中して早く家を建てたい」というのが大工さんの本音です。

差し入れするなら上棟時か建設中

大工さんに差し入れする時期は、上棟時か建設中がベストです。下記ではその理由や具体的なタイミングについてご紹介します。

上棟時

上棟時

上棟とは、住宅の屋根を支える棟木(むなぎ)という木材を取り付けることです

この上棟は、建設工事の中で一番の見せ場であり、緊張する場面と言われています。そのため大工さんはできれば「上棟の場面を施主に見てほしい」と考えている人が多いです。

つまり、上棟時は施主にとって「家の工事経過を見に行く絶好の機会であり、差し入れを渡しやすい時」なんです。

差し入れのタイミングとしては、大工さんの休憩時間や、仕事が終わった時間がベストです。なお、上棟は丸一日かけて行われます。一般的な上棟日のスケジュールは下記です。

7:00~ 大工さん集合
8:00~ 上棟、工事開始
10:00~ 休憩
12:00~ 昼食
13:00~ 工事再開
15:00~ 休憩
17:00~ 上棟日の終わり

昼食のタイミングや17時すぎの終了のタイミングを狙いましょう。

なお、以前は上棟が終わり7~10日後には、上棟式と呼ばれる式を行うのが主流でした。

上棟式とは?
これまでの工事の無事を祝い、今後無事に家が完成することを祈願するための式です。

上棟式

この上棟式も差し入れを持って行く時期としては最適ですが、現在、特にハウスメーカーではほとんど行われなくなっています。 理由としては、上棟式自体に時間や人件費がかかり工期が伸びてしまうからです。

ただ、上棟式をしない予定でも、施主が希望した場合は実施可能です。念の為、上棟式をするかしないかハウスメーカーに確認しておきましょう。

建設中(上棟してから1~2ヵ月間)

上棟から1ヶ月後の家

引用:ヘイワハウジング|上棟からまもなく1ヶ月

上棟日に予定が合わず差し入れに行けない場合は、工事の開始日や建築時など自分が行けるタイミングで大丈夫です。 理由は、「差し入れをしてはいけない日」は基本的にはないからです。

ただ、せっかく差し入れするなら大工さんに直接渡したいですよね。

基本的に大工さんがいる時期は、大工さんがお休みの日以外の上棟してから1~2ヵ月間、8~17時のタイミングです。家造りには色々な工事が必要なため、電気工事屋さんなど別の業者さんがその時、その時期だけ来ている場合があり、その場合大工さんは不在だからです。

差し入れを持って行ったときは、できるだけ「家の建設に多く携わってくれている大工さん」に渡したいという方が大半かと思います。そのため、差し入れに行く日は、事前に工事現場に大工さんがいる日を確認してから決めましょう

大工さんへ差し入れする際、注意したいこと

差し入れはできたら大工さんの事情を考慮して、適切なタイミングで気が利くモノを贈りたいですよね。 大工さんへ差し入れする際は、主に以下の事情を考慮しておきましょう。

工事中は忙しい

最近の大工さん事情/収入アップのために早く家を完成させたいでも少し触れさせていただきましたが、基本的にハウスメーカーが雇う大工さんは「早く家を完成させて給料を上げたい」と考えています。

いい家を造るために妥協はしたくない、けど早く完成させたい。 こういった思いで働いているため、集中して作業しているときに差し入れで中断されると、中にはわずらわしいと感じてしまう人もいます

現場監督が出てきたタイミングでまとめて差し入れする差し入れは休憩時間に渡すなど、作業を中断させてしまわないようタイミングに注意しましょう。

工事中は手が汚れている

大工さんは、外で色々な機材などを触って作業しているため、どうしても手は作業するにつれ汚れていきます。 ですが、体力仕事のため作業中お腹がすくことも多いんです。

そのため、差し入れは手が汚れていても食べられるモノ直接手に触れないで食べられるモノにすると親切です。 手作りおにぎりなんかは、手がよごれてしまうため避けましょう

お弁当持参でウエットティシュなどを持って行くという手もありますが、パッとすぐに食べられるモノの方が重宝されます。 休憩時間に昼食を取る人の中には、食事を軽くすませて残りは体力温存のため寝て過ごすという人もいるからです。

番外編!コロナ禍だからこそしたい配慮

大工さんも新型コロナウイルス感染拡大予防のため、省庁が定めたガイドラインを守って工事を進めています。 マスクをしたり、定期的に消毒したり。

そのため、手作りの差し入れは、食べ物から感染することを恐れて敬遠される傾向にあります。 コロナ禍でなかったとしても手作りに抵抗のある大工さんもいますが、特に今の時期、手作りの差し入れは避けましょう。

また、夏の場合、マスクをしながらの作業は体力の消耗が激しかったり、熱中症になりやすかったりします。 熱中症対策として、熱冷ましシートや冷えたドリンクを持って行くと喜ばれます

今どきの大工さんに喜んでもらいやすい差し入れ

実際に差し入れをするなら、どのようなモノが喜ばれやすいかご紹介します。

ご祝儀(上棟時)

祝儀袋

差し入れに該当するかはわかりませんが、上棟時や上棟式で大工さんがもらって1番うれしいと言われているのがご祝儀です。

気持ちが大事ですが、大工さんもやはり人間です。本音としては、現金をもらえるご祝儀が1番うれしいんだそうです。相場としては親方さんや現場監督へ1万円ほど、他の大工さんへ5,000円ほどで、金額は立場によって差をつけるのがポイントです。

上棟や上棟式が終わる時間、17時位を目処に渡しましょう。

ただ、喜ばれるのは確かですが金銭的負担が大きいのも事実です。 ただでさえ高いお金を払って家を建てているので、あまり大きな出費はしたくないという方がほとんどではないでしょうか?

お金に余裕がある方以外は、定番のドリンクなどがオススメです

暑さ対策になるモノ

外で作業している大工さんにとって夏の暑さ対策になる差し入れは、喜ばれやすいです。具体的なオススメは、主に下記のようなモノです。

キンキンに冷えた飲み物

ドリンクであれば、お茶やコーヒー、炭酸飲料、スポーツドリンクなどが定番です。なお、現役大工さんによれば、コーヒーであれば、ブラックが7割、3割が微糖か甘めのモノが好きなんだとか。 そのため、全員に同じドリンクのコーヒーを持って行くなら、ブラック派の人も甘め派の人も飲める微糖を選ぶのがオススメです。

ただ、1番のオススメは全て同じ種類のドリンクを持って行くのではなく、複数用意して持って行くスタイルです。理由は、スポーツドリンクが好きな人もいる一方で、利尿作用があるため控えている人がいるなど、それぞれ大工さんの好みがあるからです。ぜひ、クーラーボックスに色んなドリンクを入れて持って行ってみてください。

クーラーボックス

引用:Amazon/コールマン クーラー エクスカーションクーラー/16QT

アイス

アイスであれば、シャリシャリ感がありさっぱりしたモノを好む人が多いようです。

ガリガリ君は、大工さんの中では定番のアイスです。

ただ、棒付きのモノは夏場溶けやすいので、溶けても大丈夫なカップ型のアイスもオススメです。かき氷系のさっぱりしたモノで、さらに溶けても大丈夫なモノなら大工さんも喜んでくれるはずです。

フタバ食品サクレレモンのアイス

引用:Amazon/フタバ食品 サクレ レモン 20入

熱冷ましシート、濡れタオル、冷たいおしぼり

熱中症対策として効果的な熱冷ましシートや濡れタオルも、差し入れとして人気です。

小林製薬の熱さまシート

引用:Amazon/小林製薬 熱さまシート 大人用 16枚 冷却シート

食べたり飲んだりはできない代わりに、人によって好みが分かれることが少ない熱中症対策グッズは、色々と悩んでしまう方にオススメです

塩飴や氷砂糖

サクマ製菓の炎天夏塩飴

引用:Amazon/サクマ製菓 炎天夏塩飴 70g×6袋

手軽に塩分や糖分を摂取できる飴は、熱中症対策として重宝されています。夏は、冷たいドリンクやアイスが定番の差し入れですが、塩飴や氷砂糖は意外と大工さんの間で人気です。 「飴だけだと...」という方は、飴とドリンクなどセットで差し入れするのも手。

塩飴や氷砂糖は、他の人と差をつけて差し入れしたいという方にオススメです。

寒さ対策になるモノ

冬は温かいモノ、寒さ対策になる差し入れが人気です。具体的には、主に下記のようなモノがオススメです。

温かいドリンク(ホットコーヒーやココア)

飲み物の中でも特に冬に人気なのが、ホットコーヒやココアです。

ポットを用意して「セルフサービス式」にするのも手ですが、最近では缶コーヒーなど一人一本のスタイルが主流です。 そうすることで余分なゴミが出なかったり、片付けを気にすることがなかったりとメリットが多いからです。

なお、持って行くときは冷温庫に入れて持って行くのがオススメ。

冷温庫

引用:Amazon/UP STORE 冷温庫 小型冷蔵庫 10L

冷温庫がない場合は、通常より温かさを保てる発泡スチロールに入れて持って行くのがオススメです。

参考 発泡スチロールの特長株式会社 石山

できるだけすぐ冷めてしまわないよう対策しておきましょう。

中華まんや肉まん

底の部分にカバーがついている中華まんや肉まんは、身体を温められる上、手を汚さずに食べられます。 「その場で食べなければいけない」というのが難点ですが、コンビニなどで手軽に買えるため休憩時間などに渡すのがオススメです。

なお、どこのコンビニで買おうか迷ってしまうという方は、下記を参考になさってください。

参考 【コンビニの肉まん8種食べ比べ】おすすめは高い肉まん?それとも普通の?ガチで比べる徹底比較ウェブメディア 参考 コンビニ中華まん食べ比べ! こだわり肉まん&定番ピザまんマイナビニュース

ホッカイロや温かいおしぼり

アイリスオーヤマ 使い捨てカイロ

引用:Amazon/アイリスオーヤマ 使い捨てカイロ ぽかぽか家族 貼る ミニサイズ 30個入

真冬のホッカイロは、身体を温めるために最適な商品の1つです。 いつでも使えるため、持ち帰ることができ無駄にならないのがメリット

また、温かいおしぼりは作業で手が汚れてしまう大工さんに喜ばれます。 作業終わりに「お疲れ様」の意味を込めて渡すのがオススメです。

個包装のお菓子(ハッピーターンなど)

ハッピーターン缶24袋

引用:Amazon/ハッピーターン缶24袋

個包装のお菓子は、春か秋に渡すのがオススメです。なぜなら、夏と冬以外の季節はその場で食べるのではなく、家に持ち返って食べる人が多いからです。

夏は、口の中の水分が減ってしまうため、おせんべいやクッキーなどは敬遠されがちです

一方、冬もどちらかというと温かいモノが好まれます。ただ、チョコなど溶けやすいお菓子は冬に渡してみるのも手です。

お菓子を差し入れとして選ぶときの注意点は、持ち帰りができる個包装タイプのモノを選ぶことです。基本的に大工さんは、「施主からもらったモノは残さない」ため、あまり時間のない大工さんのことも考えて持ち帰りできるようにしておくのが親切です。

ハウスメーカーで家を建てる時の差し入れについてのまとめ

人口減少のため、家の増築自体が減っている建設業界。 共働き家庭が増えたことや工期短縮の影響で、施主と大工さんの交流の機会もかなり減ってきました。

そのため差し入れの機会も少なくなりましたが、差し入れをすることで大工さんのモチベーションが上がったり、「より良い家を造ろう」という気持ちになったりする人が多いのも事実です

大工さんとコミュニケーションを取りたい方感謝の気持ちを示したいという方は、ぜひためらわず差し入れをしてみてください。 きっと喜んでもらえるはずです。

著者情報

コノイエ編集部

コノイエは、東京都港区に本社を置く株式会社アールアンドエーブレインズが運営するオウンドメディアです。累計80,000人以上が利用する「解体無料見積ガイド」の姉妹サイトとして、住宅関連コンテンツを発信しています。人が生活する基本となる「衣・食・住」の中でも、コノイエでは「住」にフォーカスして独自の情報をお届けします。

監修

中野達也

一般社団法人あんしん解体業者認定協会 理事
解体工事業登録技術管理者
公益社団法人 日本建築家協会(JIA)研究会員
一般社団法人東京都建築士事務所協会 世田谷支部会員

静岡県出身。日本全国の業者1,000社超と提携し、約10年間で数多くの現場に関与。自身でも解体工事業登録技術管理者としての8年間の実務経歴を持つ。現在では専門家として、テレビ番組をはじめとする多数メディアに出演。これまでに一般家屋はもちろん、マンション、ビルなど様々な建物の取り壊しに従事し、工事を行いたい施主、工事を行う業者の双方に精通している。また、大手から中小まで様々な規模の住宅メーカーへの販促支援、コンサルティング事業に携わり、住宅購入者心理の理解を深める。家を「壊す」ことと「作る」ことの専門家として、全国の提携パートナーと共に家をとりまく様々な問題に取り組んでいる。

出演メディア
ひるおび!(TBS系列)、情報ライブ ミヤネ屋(日本テレビ系列)、バイキングmore(フジテレビ系列)、他多数...

当協会の運営サイト「コノイエ」は、工務店・ハウスビルダー・建築家・建築設計事務所等の500以上のインタビュー記事を掲載。また、新築・建て替えを検討中のユーザーにとって有益となる情報を発信しています。
当協会は、建て替えに伴うお住まいの取り壊しのご相談を年間で2,500件ほど承っており、各地域の住宅関連会社の情報が集まります。今後も「コノイエ」では、新築ユーザー様の発注先や評価、住宅関連会社様への独自インタビューといった当協会ならではの独自のリアルな情報をお届けします。


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