時代の変化に伴ってライフスタイルが変わり「家にいる時間が増えた」という方が多くなっている一方で、家に居ても「なんだか落ち着かない」、「リラックスできない」などの悩みでお困りの方がいらっしゃいます。 この記事では、「理由は分からないけど家で落ち着くことができない」という方のために、原因と対策について専門家の意見をもとに詳しく解説していきます。
伊藤さん
落ち着かない家の特徴と原因
飲食店やカフェで席を選ぶ時、あなたは自然と落ち着く場所を何気なく選んで座っていませんか?ちょうど良い席が空いてなければ消去法で決めることもあるでしょう。 このように、私たちは何か理由を見つけて些細な瞬間でさえ少しでもくつろげる空間や環境を無意識のうちに探しながら生活しています。
もちろん、感じ方は人それぞれですが、同じように「くつろげない空間」にも理由があるわけです。そこでまずは、一番安心できるはずのお家で「なぜ」落ち着くことができないのか、一般的な落ち着かない家の特徴について代表的な例を4つご紹介します。
物があふれている、散らかっている
人は常に視覚から得た情報を無意識のうちに頭の中で解析しています。そのため、身の回りに物がたくさん置いてあると、頭の中では活発に情報の処理が行われるので、脳が休まらず落ち着かないと感じてしまう場合があります。
伊藤さん
殺風景で生活感がない
「物は整頓されていた方が良い」というのはもっともですが、極端に物が少ないと殺風景になってしまい、かえって落ち着かない空間になる恐れがあります。家で安心して落ち着くには、程よい「生活感」も欠かせない要素のひとつなのかもしれません。
また、物や家具が少ない部屋は音が反響しやすくなるので、違和感からストレスを感じやすくなるといった声もあります。
くつろぎスペースが生活動線の近くにある
家の中を落ち着ける空間にするには、生活動線を配慮して「くつろぎスペース」の配置を決めるのが重要です。例えば、くつろぎスペースのすぐ後ろや真横を人が通ったり、すぐ近くでドアが開閉するようなレイアウトになっていたりすると、人が通るたびに気配を感じてしまうのでリラックスするのを妨げる原因になり兼ねません。
伊藤さん
座る向きや家具の配置でストレスが生じている
デッドスペースを活用して作るスタディコーナーは、椅子を壁側に向けて座るような配置が多いです。しかし、そもそも壁に向かって作業をするのが苦手な方にとっては圧迫感のある苦痛な空間になっている場合があります。
また、ソファやテーブルの配置によっては声が通りづらくなるので、「大きな声で話さなければいけない」「会話の中で何度も聞き返すことがある」など、スムーズな会話ができずにお困りの方も少なくありません。 つまり、座る向きや家具の配置によっては、閉鎖的な空間や、会話をするだけでもストレスを感じてしまうような環境になってしまう恐れがあるわけです。
心理学を応用して空間をデザイン
建築の分野では、評価グリッド法のベースとなる考え方を建築に落とし込んだ「空間デザイン心理学®」があります。空間デザイン心理学®では、「どんな空間にしたいのか?」を切り口に、より住まいに特化したヒアリングで潜在ニーズを引き出すことができるそうです。
伊藤さん
「家の中では子供が癇癪(かんしゃく)を起こしがちだった」というご家庭では、キッチンにいるお母様が常に見えるようにソファの向きを変えたことで、お子さんが落ち着くようになってくれたという事例があります。
同事例は、テレビを見ている時に「壁」が視界に入ってきてどうしてもドヨンとした閉鎖館があったそうですが、レイアウトを変えた後は、窓からの光が感じられるようになり、お母様も元気な気持ちが保てるようになったとか。「前に比べて親子関係が良好になった」と喜んでいただけたようです。
家にいても落ち着かない時の原因と対策についてのまとめ
家の中で違和感や恐怖心を感じなくなれば、安心してくつろぐことができるようになるでしょう。そうすれば、家族との会話が今よりもっと広がりそうですね。ぜひ、あなたもこの機会にご自宅の空間や家具の配置などを見直してみてください。
伊藤朱子アトリエさんでは、これまでに「空間デザイン心理学®」を用いた家造りで、住宅はもちろん商業店舗や施設など、数多くの設計を手掛けられています。この記事を最後まで読んだけど、
「空間デザインのプランを立てられる自身がない」「自分のニーズが引き出せているか不安」「やっぱりプロのアドバイスがほしい」という方は、ぜひ「伊藤朱子アトリエ」さんに相談してみてください。
伊藤さん