離れて暮らしていた親と一緒に住むことになったから二世帯にする、思い切ってリフォームする等の理由で今まで住んでいた家の建て替え工事を行う方はとても多いです。長い間住んでいく家を快適なものに変えるのはとても大切な事ですよね。
建設契約も済ませて住宅ローンも組んで、さあ工事開始、と一安心もしていられません。 工事期間中はもちろん建て替え中の家に住むことはできないので、工事が終わるまでの間生活するための仮住まいが必要になるのです。
工事の種類、規模にもよりますが建て替え工事には約半年前後かかります。その間はずっと仮住まいで生活していく事になるので、慎重に決めなくてはいけません。
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仮住まいには最小限の荷物を
仮住まいに移り住むためにやらなくてはならないのが、荷造りです。 衣類をたたんでダンボールに詰めたり、食器や割れ物を梱包したり、家具家電を運び出せるよう準備したりと手間も時間もかかる作業になります。
荷造りの際に気をつけたいのは、全ての荷物を仮住まいに持ち込める訳では無いという点です。一軒家だったり広い土地の仮住まいを借りられれば問題は無いのですが、仮住まいといえば基本的にはマンションやアパートといった、生活ができる最低限の部屋を借りることが多いです。
今まで一軒家に収納していた荷物を仮住まいに運びこむと、生活スペースが狭くなり圧迫感やストレスを感じてしまう人が多いのです。最悪仮住まいに荷物が入りきらなくて引越し作業が停滞という事態を引き起こしてしまいます。部屋の下見の段階では広く感じていていても、いざ荷物を入れてみると想像していたより狭くなってしまうのです。
しかも短い期間で自宅から仮住まいへと、仮住まいから新居への2回引っ越しをするので荷物が多いと疲れてしまいます。必要最低限の荷物を持っていくのが最適です。そのため仮住まいへ持っていく分と、新居へのみ持っていく分を分けて荷造りをするのがいいでしょう。
仮住まいに運び込めない荷物は、工事が終わるまで倉庫を借りて保管しておくことができます。引っ越し業者が倉庫を持っている場合は業者に頼むのが一番手っ取り早いです。事前に業者に聞いておきましょう。
仮住まいの探し方
仮住まいの探し方はいくつかあります。 ご自身の状況や求める条件に適した物件を探すにはどの方法が一番効率的なのか、ヒットした物件の間取りや料金と共に説明していきます。
今回は物件を探すにあたっての条件を「一般的な4人家族が都内で3~7ヶ月間の仮住まいを探す場合」と仮定しました。
マンスリーマンション
引用:レオパレス21
短期間の契約が可能なマンションなので数ヶ月の仮住まいには最適と言えます。 さらに、テレビ・冷蔵庫・寝具・洗濯機などの生活に必要な家具家電が付いているので大きな家具などを持ち込む必要はありません。
入居してすぐに快適な生活を送ることができるのが魅力です。敷金・礼金不要の物件が多く、普通の賃貸マンションに比べて手軽に入退去することができます。
しかし、主に単身やカップルを対象としている物件が多いので家族連れで住める物件は少なく、広い物件を見つけたとしても部屋数が少なかったりと少し窮屈な思いをする可能性が高いです。
ハウスメーカー
引用:シャーメゾン
規模が大きいため広いネットワークを持っているのがハウスメーカーです。膨大なネットワークや多くの業者との提携を使い条件に応じた物件を紹介してくれます。
全体的に安くて築年数も新しい綺麗な物件を多く取り扱っています。広めの物件も多数ヒットするので、その中からさらに希望の条件で物件を絞り込む事ができます。
不動産
引用:Yahoo!不動産
不動産のホームページでも十分探すことはできますが、近所の不動産に直接条件や期間を伝て探してもらう事もできます。ネット上で探してみたけど希望条件でヒットする物件が無いと諦めないで不動産屋に足を運んでみるのもいいでしょう。
あまり大々的に宣伝してない近所のアパートの空き室、すこし条件は違うけど顔なじみの大家さんだから大目にみてくれる、などの地元の不動産ならではの物件もあります。
引用:Yahoo!不動産
また、一軒家を借りてしまうという手もあります。なかなか借り手が付かない古屋等は格安で借りられる可能性が高いです。 一軒家を借りてしまえば荷物を仮住まいのみで保管できるため、倉庫代を浮かせる事ができます。
荷物を1つの場所でまとめて管理しておきたいという方にはおすすめです。
プレハブ住宅
引用:スペースクリエイト
自宅敷地内や近辺にプレハブの仮設住宅を建築し、工事期間中の仮住まいとする事もできます。工事現場の近くにプレハブ住宅が建っているのを目にする人は多いでしょう。
しかし、仮住まいとしてプレハブを建築し使用することは、原則として建築基準法で認められていません。建設基準法に基づく申請が必要となります。これらの申請を行わない業者も中にはいますので注意が必要です。最悪の場合工事停止となってしまいます。
また、簡単なプレハブだと夏は暑く冬は寒くなってしまいます。耐震性も1~3までの強度しか無いものもありますので、短期間でも住居として利用するのはお勧めできません。
プレハブを借りる場合は申請が行われているかの確認や耐震性、建物の強度をよく調べなくてはなりません。 賃料だけでなく、設置費や撤去費に約10万前後かかる事も忘れてはいけません。
建て替えパック
大手の運送業者は「建て替えパック」というプランを用意しています。
大手ハウスメーカーと提携していて、物件探しの際には数々のハウスメーカーの中から希望にあった物件を探しだすことができますし、料金を割引してもらえる事も多いです。
さらに2回の引っ越しと荷物の保管を全て受け持ってくれるので倉庫を借りる必要もありません。荷造りの際に出てしまった不要品を処分してくれるサービスもあり、別々に業者に依頼するよりも安くなる場合が多いです。
例としてクロネコヤマトでは建替引っ越しパックというプランがあり、荷物・家具の配送から不要品の受け取り、荷物の保管を行っています。11社ものハウスメーカーと提携しているため物件探しもスムーズに進められるサービスになっています。
物件探しの注意点
短期でペット可能な物件は少ない
仮住まいに犬や猫といったペットを一緒に連れて行こうと思っている方は早めに物件を探す必要があります。 実は短期の賃貸でペット可能の物件はかなり少ないのです。
短期物件にペット不可が多い理由は、匂いや鳴き声で近隣へ迷惑がかかる恐れがあることや、傷の原因となって退去時に揉める恐れがあるためです。
どうしても希望条件プラスペット可の物件が見つからなくて困っている方はペットホテルも視野に入れてみて下さい。 犬は犬種によって値段が変わりますが、安いところでも1泊3,000~5,000ほどかかります。高いところだと一泊10,000以上する場合もあります。
しかしいくら設備が整っていてしっかりとお世話をしてくれるペットホテルでも、飼い主としては長期間愛犬・愛猫を人に任せるのは心配ですし、愛するペットと離れて暮らすなんてできれば避けたいですよね。費用の面でも負担が大きくなってしまいますのであくまで最終手段としておきましょう。
通常の探し方でペット可が見つからなかった場合は他の条件を下げて交渉してみるという手を試してみてください。
例えば前の住人が退去後、クリーニングや修繕を行っていない部屋であったり古くて借り手が見つからない部屋であると、交渉してペットOKになる場合もあります。
また、敷金を通常より多く渡して、実際に損害があった場合そこから弁済するという契約で特別に許可される場合もあります。
工事が始まるギリギリまで物件が決まらないという事態を避けるため、何より愛するペットと離れ離れにならないためにも、ペット可の物件探しは早めに行いましょう。
通常の賃貸物件は短期貸出をしていない
通常の賃貸マンションは契約期間が1年や2年と定められていて、短期では貸し出していないのがほとんどです。短期契約は退去時に揉め事に発展する事が多いからです。
いくら短期間、たとえ住んでいたのが2,3ヶ月だったとしても住めばタバコの煙、画鋲の跡、水回りなど生活劣化で汚れてしまいます。
大家としては次の買い手が見つかるように、汚れた部分をクリーニングや修繕を施して綺麗にしたいと思います。しかし借りた側は数ヶ月住んだだけで敷金が引かれるということに納得がいかないのです。
そのため短期入居という事を隠して借りる人もいますが、契約した際の規定より早く退去すると違約金が発生してしまいますのでちゃんと短期入居OKな物件を探しましょう。
訪問での見積りを依頼する
引っ越しの前には必ず業者に訪問見積りを依頼しましょう。 荷物の量や大きさから見積りを出してくれます。できれば何社からか見積りをもらって、値段が無駄に高くないか比べてみましょう。
訪問見積もりは面倒くさいといって電話などでおおよその見積りをもらって終わらせてしまう方も多いですが、訪問見積りをすることによって正確な見積りを出してもらえれば追加料金発生のトラブルも減りますし、何より業者の態度や雰囲気を見ることができます。
家具が思っていたより大きくて当日作業がうまく進まない、業者の態度が悪く嫌な思いをするといったトラブルを発生させないためにも見積りや事前の打ち合わせなどはしっかりと行いましょう。
仮住まい探しで失敗しないためのポイントについてのまとめ
建て替え工事だけでも十分に大変ですが、更に2回の引っ越しと荷物の保管場所の確保、物件探しとやる事は山積みです。 だからといってテキトーに決めてしまうと、工事が終わるまで窮屈な思いを強いられたり、ストレスを感じてしまいせっかくの新居での生活を晴れやかな気持ちで迎えられなくなってしまいます。
たかが数ヶ月でも生活をするための大切な場所です。どの条件を重要視するかは人それぞれなので、色々な調べ方から自分が納得の行く物件を探しだせることが理想です。慎重に仮住まいを決めて工事中の生活も快適に過ごして、気持よく新居へ移り住みましょう。