建て替えかリフォームか、判断のポイントは?

自然と家

築年数の古い家を相続したり、実家に戻って両親と同居したりする場合に、頭を悩ませるのが家の住みづらさ。もっと住みやすい家にするために、建て替えやリフォームを検討しているという方も多いのではないでしょうか。

しかし、建て替えとリフォーム、どちらを選んだらいいのか判断が難しいですよね。

そこでこの記事では、建て替えとリフォームの特徴や、どちらを選んだほうがいいかの判断ポイントについてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

家の状態を把握しよう

まずはあなたの家の状態を把握しましょう。
建築を取り巻く環境は年々変化しており、様々な規制が設けられるようになりました。
今ある建物でも、新しい規制によって建て替ができなかったり、リフォームが難しかったりする場合があります。

そのため、まずは建て替えやリフォームができる建物かどうかを確認する必要があります。

再建築不可物件は建て替えや増築ができない

再建築不可物件とは、建て替えや増築ができないと建築基準法で定められた物件のことです。
もしあなたの敷地が、公道などの幅員4m以上の道路に2m以上接していない場合は、再建築不可物件である可能性が高いです。

その場合、建て替えや増築はできませんが、増築を伴わないリフォームであれば行うことができます。

再建築不可物件の解説

引用:再建築不可とは?再建築不可の物件は買う価値があるのか | LIFULL HOME’S

建て替えによって家が狭くなる可能性がある

建て替えできる家の広さや高さには、建築基準法による制限があります。
中には、建て替えによって現在より家の面積が小さくなってしまうこともあるため、事前に確認が必要です。

建物の広さを制限する「建ぺい率」

建ぺい率とは、敷地面積に対する建物の大きさの割合のことです。
都市計画法で定められた用途地域ごとに、30%~80%の範囲で制限が設けられており、建ぺい率を上回る大きさの建物は建てられません。

土地が100坪、建ぺい率が40%の場合・・・
土地:100坪 ✕ 建ぺい率:40% = 家の面積の上限:40坪
⇒新たに建てる家の面積は最大でも40坪までとなる。

建物の高さを制限する「容積率」

容積率とは、敷地面積に対する延床面積(建物の各階の床面積の合計)の割合で、建ぺい率と同様に用途地域ごとに定められています。

土地が100坪、建ぺい率が40%、容積率が80%の場合・・・
土地:100坪 ✕ 容積率:80% = 家の延床面積の上限:80坪
⇒新たに建てる家の延床面積は最大でも80坪までとなる。
上限面積が40坪のため、40坪✕2階建て(つまり、延床面積80坪)の高さまでしか建てられない。

建ぺい率・容積率の確認方法

建ぺい率や容積率は、市区町村の都市計画課に問い合わせると教えてもらえます。
お住まいの地域の都市計画課に確認してみてください。

リフォーム料金が高額になることもある

一般的にリフォームは、建て替えに比べると安価に行うことができます。
しかし家の状態によっては、建て替えよりかえって高額になる場合もあるため注意が必要です。

旧耐震基準で建てられた家は耐震改修費用がかかる

1981年6月に建築基準法が改正され「新耐震基準」が定められました。それに対し、1981年6月以前に施行されていた耐震基準を「旧耐震基準」と呼びます。

古い基準の建物は地震に弱い構造をしています。そのため、あなたの家が旧耐震基準で建てられている場合には、耐震改修工事をして新しい基準を満たす必要があります。

なお、耐震改修工事には100万300万円ほどの費用がかかるため、費用を抑えたいと考えている方は注意してください。

補助金制度

耐震改修工事に対して補助金を交付している自治体もあります。
お住まいの地域で検索してみてください。

劣化が激しい場合は補修工事が必要になる

耐震基準が満たされていても、土台や骨組みが老朽化していることがあります。その場合は大規模な補修工事が必要になります。

大規模なリフォームをすると1,000万2,000万円以上の費用がかかることがあり、結果的に建て替えたほうが安いという可能性もあります。

住宅診断

建物がどの程度劣化しているかは、住宅診断ホームインスペクション)を受けて確認できます。
費用は10万円程度かかりますが、プロが建物の劣化や欠陥を見極めてアドバイスをしてくれるため、安心してリフォームに臨めます。

こちらのサイトから住宅診断が可能な業者が検索可能です。
参考 日本ホームインスペクターズ協会 -日本ホームインスペクターズ協会

建て替えとリフォーム、それぞれの特徴を知ろう

続いて、建て替えとリフォームのそれぞれの工事の特徴を確認しましょう。かかる費用が違うだけでなく、工期や仕上がりも大きく異なります。

建て替えの特徴

建て替えとは、既存の家を解体して新しい住宅を新築することです。

新築にかかる工事費だけでなく、元の家の解体費用や工事中に住む仮住まいの費用、さらに旧居~仮住まい・仮住まい~新居への引っ越し費用も必要になるため、費用面の負担が大きくなります。

注文住宅と規格住宅の違い

自分の好みに合わせて間取りや外観、設備を自由に設計できる住宅を「注文住宅」、用意されたプランの中から好みの設備やデザインを選べる住宅を「規格住宅」と言います。

どちらを選ぶかで、費用や工期に違いが出ます。

  • 費用
  • 注文住宅は、完全に理想通りの設計にしようとすると4,000万円以上の高額な費用がかかる場合がありますが、規格住宅の中には1,500万円以下で建てられるローコスト住宅も増えています。

  • 工期
  • 凝った注文住宅の場合は工期が年単位でかかることもありますが、規格住宅の場合は3~6ヶ月程度と短期間で完成します。

リフォームの特徴

リフォームとは、既存の家の土台や骨組みは残したまま、建物の一部もしくは全体を建築当初の状態に戻したり、作り直したりすることです。

部分リフォームと全面リフォームの違い

設備の取り替えや増築のみのリフォームを「部分リフォーム」、家を土台と骨組みだけの状態にして新たな間取りや内装に変更するリフォームを「全面リフォーム」と言います。
しかし、骨組みは残ったままであるため、全面リフォームをしても建て替えほどの自由な設計はできずに一部制限が出る可能性があります。

部分リフォームと全面リフォームの違いは以下の通りです。

  • 費用
  • 部分リフォームは数十万~数百万円、全面リフォームは1,000万円1,500万円程度です。しかし、建物の劣化が激しい場合は補修や補強工事が必要となり、1,000万2,000万円以上にのぼる場合もあります。

  • 工期
  • 簡単な部分リフォームなら数日程度、全面リフォームで2~5ヶ月程度です。全面リフォームでは骨組みを残すために人の手での解体が必要となり、工事に時間がかかります。

  • その他の違い
  • 部分リフォームはそのまま家に住みながら工事が可能ですが、全面リフォームは、建て替えと同じく解体費用や工事中に住む仮住まいの費用、旧居~仮住まい・仮住まい~新居への引っ越し費用が必要となります。

建て替えとリフォームの違い

最大の違いは、既存の家の土台や骨組みを残しておくかどうかです。

土台や骨組みが劣化していない場合は、全面リフォームである程度は希望に沿った家づくりができます。また、建て替えに比べて費用も抑えられますし、廃棄物も少なくエコで環境に優しいです。
しかし、元の家の劣化が激しい場合や、大掛かりなリフォームをする場合には、建て替えと同じか、建て替え以上の費用がかかります。

逆に建て替えでは、土台や骨組みもすべて解体してから新しい家を新築します。その分、リフォームより費用が高くなる場合が多いですが、最近はローコスト住宅も増えており、選択の幅は広がっています。
また、最新の設備を導入できるなど、リフォーム以上に希望に沿った家づくりをしやすいという利点もあります。

建て替えかリフォームか、判断のポイントは?

家の状態や、建て替えとリフォームの特徴を踏まえて、どちらを選んだほうがいいかの判断基準についてご紹介します。

家の老朽化がどこまで進んでいるか

まずは、あなたの建物がどの程度劣化しているか把握することが重要です。

老朽化があまりにも進んでいる場合や、旧耐震基準で建てられた家の場合は、リフォームをすると新築と同等かそれ以上の費用がかかる可能性があります。
そのため、老朽化が進んでいる家は建て替えを選んだほうがいいでしょう。

間取りを大きく変更したいかどうか

例えば「両親と同居するために二世帯住宅にしたい」など、大規模な工事を希望している場合は、リフォームだと工事内容に制限が出る可能性があります。また、工事ができたとしても新築と変わらない費用がかかる可能性があります。

そのため、間取りを大きく変更したい場合は建て替えを選んだほうがいいでしょう。逆に、部屋の増築や、設備の入れ替え程度であればリフォームで対応できる場合が多いです。

今後も長く住み続けたいかどうか

木造住宅の寿命は30年と言われています。そのためすでに築年数が古い住宅の場合は、一度リフォームしたあとも継続的なリフォームや建て替えを検討しなくてはならなくなります。

そのため、今後もその家に長く住み続けたいと考えている場合は建て替えをおすすめします。しかし、一時的な住まいの予定であればリフォームをして様子を見るのもひとつの方法です。

まとめ

建て替えかを選ぶべきか、リフォームを選ぶべきかは、様々な要因によって変わります。
また、それぞれ必要となる費用も大きく違います。

そのため、まずは家の状態を正しく把握した上で、将来どのように生活していきたいかを想像して、慎重に決めるようにしましょう。