新築のアンテナ選びで押さえておきたいポイント

「スムーズに新築でもテレビが見られるようにしたい」とお考えの方のために、この記事では、テレビアンテナの種類や費用の目安、設置に関する注意点などを詳しくご紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。

テレビを観るのに必要なアンテナはどれ？

一般的なテレビ番組は地上波といわれる「地上デジタル放送」、いわゆる「地デジ」の電波で放送されています。そのため、テレビを観るにはまず、この地デジの電波を受信する必要があります。

地デジの受信アンテナは主に3種類

地デジの電波が受信できるのは「UHFアンテナ」という種類のアンテナです。 UHFアンテナには、「八木式アンテナ」「デザインアンテナ」そして、「ユニコーンアンテナ」の3つがあります。

八木式アンテナ

引用：デザインアンテナと八木式アンテナの性能比較（動作利得編）

受信性能が高く最も安定して電波をキャッチできるのが特徴。価格が安く家庭用として最も普及しているアンテナです。ただし、屋外の高い所に設置するのが一般的なので、天候の影響を受けやすく、魚の骨の様な独特なフォルムが露出してしまうので外観を損なう恐れもあります。

デザインアンテナ

引用：デザインアンテナと八木式アンテナの性能比較（動作利得編）

従来のものに比べてデザイン性を重視したテレビアンテナで、建物の壁面や屋根裏など色々な場所に設置ができるのが特徴です。種類も豊富で、建物の外観に合わせて色や形を選ぶことができます。

デザインアンテナ設置例。

引用：2020年7月20日　東京都国立市Y様邸　デザインアンテナと4K8K対応BS/CSアンテナ設置工事｜みずほアンテナ

ただし、設置する場所によっては受信性能が落ちるといった懸念もあるので取り付けには注意が必要です。

ユニコーンアンテナ

引用：UNICORNトップ｜MASPRO

ポール状のシンプルなデザインが特徴的な次世代型のUHFアンテナ。電波を最も受信しやすい屋根の上に設置しても目立たないのが魅力で、2018年にはグッドデザイン賞を獲得しています。ただし、八木式アンテナに比べると電波の受信性能が劣るため、エリアによっては設置が向かない地域があります。

BS/CS放送を観るには「パラボラアンテナ」が必要

また、BSやCS放送も観たいという方は、衛星放送の電波を受信するための「パラボラアンテナ」を追加で付ける必要があります。

丸いお皿のような形をしたパラボラアンテナ。

引用：パラボラアンテナの役割と設置方法がまるわかり｜BS受信の基礎知識｜アンテナ110番

なお、衛星放送の電波は受信する方向が決まっており、少しずれただけでも受信状況が悪くなってしまいます。パラボラアンテナを取り付ける際は設置する角度に気をつけましょう。

衛星放送は一部有料放送

なお、基本的にBS放送は地上波と同様に無料で観ることができます。ただし、「wowwow」や「スターチャンネル」といった一部のチャンネルは有料放送になっています。また、CS放送を視聴するには、事前に「スカパー！」との契約が必要です。チャンネルの詳細が気になる方は以下のリンクからチェックしてみてください。

アンテナの設置は何処に頼めば良いの？

アンテナそのものは、ショッピングサイトやホームセンターでも簡単に購入することができます。しかし、設置の手間を考えると、電気屋さんや家電量販店、また専門の業者さんに依頼するのがおすすめです。

設置費用は専門業者の方が安い

特に、費用面では家電量販店よりも、専門の業者さんに依頼した方が費用を抑えられるかもしれません。大手の家電量販では、新規でアンテナを設置する費用が5万円前後からなのに対して、専門業者さんなら1万5,000円前後から取り付けが依頼できます。

専門業者の費用例

また、量販店では設置に来てくれるのが「下請け業者」という可能性があります。テレビアンテナは設置する場所や向きで受信状況が変わります。常に雨や風にさらされることから、強度もしっかり保っておかなければならないので、なるべく経験豊富な業者さんにお願いできると安心ですね。

室内アンテナなら工事不要

工事なしで設置できる室内アンテナ。

引用：DXアンテナ UHF室内アンテナ (ブースター内蔵) 地上デジタル放送用 ブラック US120A｜Amazon

一方、手軽に接続ができる室内アンテナを検討されている方もいるでしょう。室内アンテナなら本体価格も比較的安く、工事不要で簡単にテレビと接続することが出来ます。ただし、受信性能が低いので利用できるエリアは限られます。ご利用の際はご注意ください。

アンテナの向きはどうやって決める？

アンテナの向きが間違っていたり、電波の中継局が遠かったりすると、せっかくアンテナを設置しても上手く電波が受信できない場合があります。ではどうやってアンテナの向きや電波の受信状況を確認すれば良いのでしょうか。

電波の強度によってエリアが区分される

地デジの電波は、各電波塔や中継局から発信されているので、電波塔や中継局に近ければ近いほど電波が強くなる傾向にあります。そのため、電波塔や中継局に近い方から「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」といった区分に分かれます。

引用：ここって強電界？それとも弱電界？ テレビの電波の強さはどう調べればいい？｜テレビアンテナSOS

ただし、具体的な数値で明確な線引はされておらず、関連商品を作っているメーカーさんによって分け方は異なります。とはいえ、アンテナを設置する際は、電波塔や中継局の位置を把握して、なるべく強力な電波をキャッチするのがポイントです。

付近の電波塔および中継局を調べる方法

ちなみに、「A-PAB」というサイトを利用すれば簡単に最寄りの中継局を把握することができます。

電波塔および中継局の検索手順

1.「A-PAB」のサイトにアクセスしたら「住所」「局名」「都道府県一覧」のいずれかを入力すると最寄りの中継局が検索できます。

2.検索結果には付近の中継局が表示されます。

引用：A-PAB

もちろん、アンテナはご自身で設置することもできますが、アンテナを設置するベストなポイントを把握するのは簡単ではありません。また、アンテナの設置は高所作業で危険を伴う場合があります。「アンテナを設置する向きが分からない」「自分でアンテナを設置するのが不安だ」と思ったら、迷わずプロの業者さんに相談するのがおすすめです。

ネット回線を使ったテレビサービス

「わざわざアンテナを付けなくてもネットを契約すればテレビが観られる」というのを聞いたことがありませんか。実は、テレビの電波をアンテナで受信するのが難しいエリアや、安定して受信できない場合は、ネット回線を使ってテレビを視聴する方法があります。

工事不要で安定した受信が可能

ネット回線を使ってテレビを観る場合は、アンテナを設置する工事は不要です。ネット回線の契約にプランを追加して回線とテレビ本体を繋ぐだけで視聴ができるようになります。ただし、契約するプランに応じて月額料金が掛かるのでご注意ください。

月額費用の目安

例えば、高速インターネットの光回線を使った視聴プランでは、NTTぷららが運営する「ひかりTV」とフレッツ光が運営する「フレッツ・テレビ」の2つがあります。また、ケーブルテレビ回線を使ったJ:COMさんの「J:COM TV」もネット回線を使ったプランです。それぞれ料金プランの目安は以下のとおりです。

なお、いずれのプランもネットの回線工事がお済みでない場合は別に工事が必要になります。また、この記事では地デジの放送が観られる最低限の環境を整えることに特化して解説しています。各サービスの詳しい内容について興味がある方はチェックしてみてください。

とはいえ、ネット回線を使ってテレビを視聴する場合は月額の費用が掛かります。今後長く使い続けることを考えると、費用が割高になる場合もあります。ネット回線の契約や、どのプランでテレビを視聴するのかなども合わせて慎重に決めたいですね。

新築のアンテナについてのまとめ

この記事では、テレビを視聴するのに必要なアンテナの種類や費用の目安、設置に関する注意点などを詳しくご紹介しました。快適にテレビが観られる環境を整えるには、アンテナ選びも重要だとお分かりいただけたと思います。実際にアンテナをお選びになる際は、ぜひまたこの記事を参考にしてみてください。