「新築は綺麗だし、ゴキブリは出ないでしょ」「置き餌で寄せ付けたら嫌だし、実際に見かけてから対策すれば良いよね」
新築の引き渡し前に、こうお考えになる方は少なくありません。 しかし、綺麗な状態の新築であってもゴキブリは発生します。
むしろ、引き渡し時にしっかりと対策を練ることで、ゴキブリと無縁な快適ライフを送れるようになるのです。 そこで本記事では、新築にゴキブリが出てしまう理由とその対策、気持ちよく暮らしていくための立ち回りを解説していきます。
新築でもゴキブリは出る!主な原因と侵入経路は?
「汚いところに出てくる」というイメージが強いゴキブリ。まだ何処も汚れていないはずの新築で、どうして発生してしまうのでしょうか。 まずは、新築にゴキブリが出る原因と主な侵入経路を確認していきましょう。
ゴキブリ対策からチェックしたい方は「住み始める前の徹底対策!新築引き渡しからの立ち回りを解説」へ進んでください。
綺麗でも関係ない!新築はゴキブリにとっての天国
ゴキブリにとって過ごしやすい場所は、汚い場所だけではありません。新築の環境はゴキブリにとって好都合なことが多いのです。
新築は天敵のいない温かい場所
引き渡し前の新築は、誰も住んでいない空き家状態です。
ゴキブリは天敵である人間を避けるため、人気(ひとけ)のない場所を好む習性があります。そのため、引き渡し前の新築はゴキブリの棲家にされやすいのです。 特に秋から冬にかけては、暖を取るために住み着かれやすい傾向にあります。
暗がりでジメジメした空間になっている
引き渡し前の新築は、通電と換気がなされていないため、暗がりで湿気の多い空間になっています。 ゴキブリは暗くてジメジメした場所が大好き。日中でも薄暗く空気が淀んでいる新築は、ゴキブリにとって天国なわけです。
数mmの隙間で侵入可能。奴らの主な侵入経路は
ゴキブリは数mmの隙間さえあれば、簡単に室内へ侵入することができると言われています。 新築の場合、ゴキブリが侵入しやすい経路は以下のような場所です。
排水溝、排水口
新築で最も多く侵入されてしまう場所は排水口です。具体的にはシンク、お風呂場、洗面所などから侵入してきます。 引き渡し前の新築は通水をしていないため、障害物に遮られることなく排水管を上ることができます。暮らし始めて通水されれば、排水管トラップという場所に水を溜めて置けるため、侵入のリスクは減ります。
玄関
一見隙間がなさそうに見える玄関も、実はゴキブリが通れるくらいの隙間が空いていることがあります。 実際に新築を引き渡されたら、目視で隙間が空いていないか確認しましょう。また、窓やサッシの隙間も併せて確認しておくと安心です。
換気口、通気口
室内に数多くある換気口、通気口もゴキブリの侵入経路です。 特に引き渡される前は設備が稼働していないため、ゴキブリにとって入りやすい状態になっています。
排水ホース
エアコンの排水ホースからもゴキブリは侵入します。 虫にとって室外機の中は安全で快適な場所なので、特にファンが回っていない時は室外機の中に住み着かれやすくなります。それがファンを回した瞬間、排水ホースへ逃げ込んで室内に侵入することも。
実際にエアコンを付けたらポトッと落ちてくる事例も数多くあります。
ダンボール
引っ越し作業で使用するダンボールに卵が付着しているケースもあります。 いつまでもダンボールを室内に放置しておくと、ゴキブリに気に入られて住み着つかれてしまうこともあるため、注意が必要です。
また、使用するダンボールにもポイントがあります。ダンボールを無料で手に入れる場合は「ドラッグストア」や「家電量販店」がオススメです。 スーパーなどで生鮮食品の入っていたダンボールを再利用すると、ゴキブリが寄り付きやすくなるので注意してください。
住み始める前の徹底対策!新築引き渡しからの立ち回りを解説
いくらピカピカの新築であっても、ゴキブリは簡単に侵入し、住み着いてしまうことが分かりました。 続いては、実際に引き渡されてからの立ち回りと対策を確認していきましょう。
1 侵入経路をシャットアウトする
まずは、先程説明した侵入経路を全て塞ぎ、家の中にゴキブリを入れないようにしましょう。 ここでは、塞ぐべき場所と塞ぎ方、オススメのアイテムなどをご紹介します。
※画像でご紹介している商品は、Amazonで売上1位の商品です。実際に購入される際は、商品を比較検討の上ご購入ください。
玄関の隙間にはテープを貼る
わずか数mmの隙間でも入れるゴキブリ。一見隙間がなさそうな玄関のドアからも普通に侵入してきます。 玄関ドアを良く目視で確認し、入れそうな隙間を発見したら、隙間テープなどで塞いでおきましょう。
隙間テープは、玄関だけでなく窓やサッシにも有効です。わずかでも隙間がある場合は、事前に塞ぐことをオススメします。 数百円から千円台で購入できるものが多く、お手軽に対策ができるのも嬉しいですね。
参考 隙間テープの使い方&おすすめ3選!上手な貼り方や効果含めてご紹介! | 暮らし〜の暮らし〜の排水口にはゴミ受けを設置
台所の排水口も隙間自体は小さいものの、排水管を上ってくるゴキブリが簡単にすり抜けてきます。 ただでさえ不衛生なゴキブリ。それが排水管から上ってきたとなれば、その汚さは想像に容易いはず。
そこで、排水口にはゴミ受けのネットを設置してみましょう。なるべく隙間の細かいものがオススメです。 銅製やステンレス製のモノもありますが、プラスチック製であれば100均でも購入することができます。
引用:洗面器排水口用 洗面台 パンチング ゴミ受け| Amazon
参考 排水口水切りカゴのおすすめ人気ランキング10選 | mybestmybest - おすすめ情報サービス換気口にはフィルターを取り付ける
室内にある換気口、特にお風呂場、トイレ、リビングなどは対策を打っておきましょう。 換気口には、専用のフィルターを取り付けるのがオススメです。
換気口のフィルターを取り付けることで、ゴキブリだけでなく、外から入ってくる花粉や黄砂なども抑えられます。値段は1枚数百円のものが多く、比較的安価に対策ができます。
参考 部屋のあらゆる場所にフィルターを貼ってみたら凄かった!ライフハッカー[日本版]室外機にはカバーやキャップを装着
エアコンなどの室外機は、ダイレクトに外と繋がっているため要注意です。
室外機のファンの隙間や排水ホースから入り込んでくるのは珍しくありません。エアコンを付けた瞬間にポトッと落ちてくる恐怖を味わわないためには、室外機カバーと排水ホースのキャップは必需品です。 節電やオシャレのために設ける、木製や鉄製の室外機カバーとは別物ですのでご注意ください。
引っ越しの際に使用したダンボールは即処分
引っ越しの際にはどうしても大量のダンボールが出てしまいますが、そのまま放置しておくのはやめましょう。 ダンボールは保温性に優れ、卵を産み付ける場所として最適なため、ゴキブリに狙われやすいアイテムなのです。
また、既に産み付けられた状態のダンボールで引っ越し作業をしているケースもあるため、引越し後は速やかにダンボールを処分しましょう。
2 ゴキブリ駆除剤を使用する
次に、ゴキブリ用の駆除剤を使用しましょう。室内にいる成虫や幼虫を一網打尽にできる優れものです。 駆除剤にはいくつかのタイプがありますので、使用方法と注意点をご紹介します。
効き目抜群、煙タイプの駆除剤
「バルサン」に代表される、煙が出るタイプの駆除剤です。くん煙剤とも呼ばれ、煙がモクモクと上がり部屋の隅々まで殺虫効果が行き渡るので、効き目は抜群です。 刺激臭があり、強い薬剤を使用しているため、使用前には家具や火災報知器などを保護する必要があります。
ちなみに、ゴキブリの卵は頑丈なコーティングをされているため、駆除剤では完全に取り除くことができません。 そのため、くん煙剤を炊いた2週間後(卵が孵化する期間)にもう一度くん煙剤を炊くと、室内のゴキブリを完全に駆除することができます。
- 部屋を閉め切り、引き出しや押入れなどを開放する
- ペットや観賞植物、観賞魚などを部屋の外に移動させる
- 家具や家電、精密機器、食品などはビニール袋などでカバーをする
- 火災報知器にカバーを付ける
- 缶をセットし煙を発射させたら、2時間以上無人の状態で部屋を閉め切る
- 2時間以上経ったら、室内の空気を吸い込まないように部屋へ入り、換気を行う
煙や臭いが無い、霧タイプの駆除剤
引用:アースレッドW ノンスモーク霧タイプ マンション・アパート用 6~8畳用 | アース製薬
従来のくん煙剤の煙が気になる方は、霧タイプの駆除剤がオススメです。 こちらは煙タイプのようにモクモクと煙が上がることがないため、火災報知器が反応することはありません。しかし、煙タイプと同じく家具などの保護は必要です。
- 部屋を閉め切り、引き出しや押入れなどを開放する
- ペットや観賞植物、観賞魚などを部屋の外に移動させる
- 家具や家電、精密機器、食品などはビニール袋などでカバーをする
- 缶をセットし煙を発射させたら、2時間以上無人の状態で部屋を閉め切る
- 2時間以上経ったら、室内の空気を吸い込まないように部屋へ入り、換気を行う
新時代到来、スプレータイプの駆除剤
2020年ベストヒット商品30において10位にランクインした、次世代の駆除剤「ゴキブリムエンダー」をご存知でしょうか。 スプレータイプで低刺激な素材を使用しているため、家具や火災報知器などにカバーを掛けたり、人やペットを退室させたりする必要がありません。
それでいて、くん煙剤と同等の効果があるとして現在人気を博しています。
- 6畳の部屋の場合、部屋の四隅に向かって1回ずつスプレーをプッシュする
- 部屋を30分間閉め切る。その際、人やペットが室内で過ごしてもOK
3 毒餌を設置する
現在室内にいるゴキブリを駆除したら、今度は新たな侵入や繁殖を防ぎましょう。 「ブラックキャップ」などに代表される毒餌の設置がオススメです。
置型の毒餌
まずは、キッチンや玄関など、ゴキブリが発生しそうな場所に毒餌を設置しましょう。 ゴキブリがその餌を食べて巣に帰ると、巣にいる仲間まで全滅させることができる優れものです。効果は半年~1年持つものが多く、1度設置するだけで効果が長続きしてくれます。 「うっかり侵入してしまっても退治したい」という方にオススメです。
スプレータイプの毒餌
スプレータイプの毒餌を使用すると、スプレーを撒いた部分にゴキブリが寄り付かなくなります。 殺虫、予防効果ともに優れており、効果は1回の噴射で2週間ほど持続するものが多いです。 「そもそもゴキブリに寄り付いてほしくない」という方にはオススメです。
4 不安な時はプロへ依頼
「自分で完璧に対策できたか不安」「自分で全部対策するのは大変」とお考えの方は、ゴキブリ駆除のプロにお任せするのも手です。 家の中をくまなく探して駆除してくれるほか、再発生の予防も行ってくれます。新築の場合は1回4万円~8万円が依頼費用の相場です。 参考 ゴキブリ駆除業者おすすめ5選!料金相場や駆除業者に依頼するメリット、選び方も紹介します。コストモンスター
一生出会わないために。住み始めてからの行動でG撲滅へ
最後に、ゴキブリと一生出会わないために、住んでから意識するべき立ち回りをご紹介します。 新築時だけでなく、普段から対策を打ってゴキブリを撲滅しましょう。
【一年を通して】ゴキブリが好きな環境を作らない
普段の生活から意識するべきは、「ゴキブリが好きな環境を作らない」こと。 寄せない、住まわせない、産ませないの非ゴキ三原則を意識していきましょう。
室内を綺麗に保つ
生活の中でゴキブリを出さないためには、室内を綺麗に保つことが欠かせません。 ゴキブリの好むアルコールや生ゴミなどはそのまま放置しないことが大切です。 なお、ゴキブリは特に以下のような食べ物を好みます。普段から適切な管理を心がけましょう。
- アニス(シード)
- 山椒
- 玉ねぎ
- 油
- アルコール
- 砂糖
- じゃがいも
- パン
- 生肉
- チーズ
ゴキブリの嫌いな匂いを利用する
ゴキブリの嫌いな匂いを利用し、家に近づかせないようにする方法もあります。 ゴキブリは基本的にハーブやハッカ、柑橘系の匂いを嫌います。これらは人間にとっては良い匂いですので、室内の芳香剤として使用するのもオススメです。 なお、ゴキブリは以下のような匂いを嫌います。
- スペアミント
- ハッカ
- レモン
- シナモンリーフ
- クローブ
- ナツメグ
- ローリエ
- パクチー
- クミン
また、ゴキブリの嫌いな匂いを利用した忌避剤も販売されています。 気になった方はチェックしてみてください。
【春】成長と繁殖をさせない
春はゴキブリの卵が孵り、活動を開始させる時期です。春にゴキブリを放置してしまうと、全盛期の夏に向けてどんどん繁殖するため、1年で最も重要な季節と言っても過言ではありません。 春はとにかく成長と繁殖を食い止めることを意識した立ち回りをしましょう。
毒餌を使い室内へ侵入させない
先ほどご紹介した、置型の毒餌や待ち伏せ型のスプレーを利用しましょう。 夏に向けて繁殖、侵入をさせないために徹底的に対策を行います。また、冬に対策を行っていない場合は、くん煙剤を使用して家全体に潜んでいるゴキブリを駆除しましょう。
【夏】出てしまったら徹底退治
夏は、ゴキブリが最も活発に動き回る時期です。どれだけ対策を練っていても、かばんや服に付いたまま室内に侵入することもあり得るため、ゴキブリが出てしまう可能性はあります。 そのまま住み着かれてしまわないよう、徹底退治を心がけましょう。
発生したら殺虫剤で逃さない
いざゴキブリと対面したら、殺虫剤で退治をしましょう。有事に備えて、即効性のある殺虫スプレーを買っておくと安心です。 ただ、スプレーを家の一箇所に置いておくと、スプレーを取りに行っている間に見失う可能性もあるため、家の複数箇所に置いておくことをオススメします。
【秋】生き残りを絶滅させる
秋は、夏に侵入を許してしまった生き残りを根絶させる時期です。 卵を産み付けさせないために、棲家になりそうな場所をチェックしましょう。
棲家になりえる場所をチェック
室内で棲家になりえる場所に置き餌を設置したり、待ち伏せ型のスプレーを使用したりしましょう。 主な狙い目は「冷蔵庫の裏」「パソコン本体の中」「シンクの下」「食器棚の中」「靴箱の中」などです。 また、先述の通り、室内にダンボールがある場合は早めに処分をしましょう。
生き残りと幼虫を駆除する
夏に住み着いたゴキブリや幼虫は、比較的大人しくしていることが多いです。 そのため、部屋の隅々まで退治が出来る駆除剤の使用をオススメします。夏の間に住み着かれてしまったとしても、秋のうちに対策を打っておけば、冬を越されることはありません。
【冬】幼虫に冬を越させない
冬はゴキブリがほとんど姿を表さず、卵や幼虫が冬を越す準備をしています。 姿を表さないため、家の中にはいないと思われがちですが、冬を越すためにじっとしているだけです。春に孵化するのを防ぐため、卵や幼虫を根絶させましょう。
春~秋の対策を怠った場合はくん煙剤
冬は繁殖をすることがないため、春~秋にかけて対策を行っていれば、特別なことをする必要はありません。 ただ、それまでの対策に不安を覚えた場合は、越冬の準備をしている幼虫たちを根絶やしにしましょう。 冬に使用すべきは、煙タイプや霧タイプの駆除剤です。人の目のつかないところに潜んで大人しくしているため、煙タイプなど家全体に効果を及ぼす薬剤がオススメです。
新築のゴキブリ対策についてのまとめ
本記事では、新築でゴキブリが発生してしまう原因とその対策についてご紹介しました。 せっかく建てた綺麗な新築でゴキブリと遭遇しないために、この記事を参考に対策を練ってみてください。
また、当サイト『コノイエ』では、新築を建てるにあたって必要になるお役立ち情報を随時まとめております。 ぜひ他の記事も活用して、快適な新築ライフをお過ごしください。