排水溝のフタなどとして使われているグレーチングは、あまり目立たない存在です。ですが、新築を建てた直後だと、グレーチングの古さが気になってしまいます。かといって、グレーチングは歩行者の安全を守るために設置されているので、取り外しておくわけにもいきません。
このような場合、古いグレーチングを新しいものに交換することは可能なのでしょうか?
そこで、新築の前にあるグレーチングを交換するときに知っておきたいポイントについて、まとめてみました。
グレーチングの所有者を確認しよう
グレーチングの交換作業を始める前に、必ず確認しなければならないことが1つあります。 それは、グレーチングの所有者が誰なのかという点です。
もし、他人が所有しているものであれば、勝手に取り替えてはなりません。 先に許可を得ておく必要があります。
グレーチングの所有者は自治体である場合が多い
新築した敷地の内側にあるグレーチングについては、通常は自分の所有物なので交換しても構いません。 問題となるのは、敷地と道路の間にあるグレーチングです。
一般的に道路脇にあるグレーチングは、都道府県や市区町村といった自治体が管理しています。 ですので、所有者が分からないときは、まず自治体に確認してみましょう。
グレーチングを自治体が所有している場合は、自治体に交換を依頼するか、自分で交換しても問題ないか確認してみてください。
グレーチングの交換費用は自分の負担となるケースが多い
グレーチングの交換費用は、ご自身の負担となるケースがほとんどです。 自治体が所有する場合であっても、敷地所有者といった特定の人に利益をもたらすものには、簡単に税金を充てられないからです。
ただし、通学路や道幅の狭い道路にあるグレーチングについては、歩行者の安全を守るためにあります。 そのため、破損しているグレーチングは、自治体側の負担で交換してもらえる可能性があります。
3つのポイントに注意してグレーチングを選ぼう
グレーチングは、どなたでもお店で買えます。 ですが、一口にグレーチングといってもそれぞれ特徴があるので、用途に合ったものを選ぶ必要があります。
そこで、グレーチングの選ぶ際に知っておきたい3つのポイントをお伝えいたします。
1.車が通る場合は耐荷重に注意する
グレーチングは側溝の形状に合わせて選びます。
サイズについては長さ・幅・高さの3つを中心に確認しましょう。
そして、必ず確認していただきたいのが耐荷重です。 車が通る場合、一定以上の耐荷重がなければグレーチングは壊れてしまいます。
ちなみに、一般的な乗用車の重さは2トン程度です。 2トンの耐荷重があるのは、一般的にスチール製またはステンレス製のグレーチングです。 FRP製のグレーチングでは、車の重量に耐えられないので注意しましょう。
ちなみに、スチール製のものであれば、1枚につき1万円以下で購入できるタイプがあります。
引用:モノタロウ
なお、古い側溝だと、設置したグレーチングがガタつくことがあります。 その状態で車が通ると、大きな音がしたり側溝が壊れたりしかねません。
ですから、なるべく騒音防止用のパッキンを着けておくようにしましょう。
引用:モノタロウ
2.安全に歩行できるタイプを選ぶ
グレーチングの上は人やペットが通ります。 そのため、グレーチングの穴が大きいと、ベビーカーの車輪やヒールのかかと、ペットの足などが穴に挟まってしまう危険があります。
ですから、敷地の出入り口などには、穴の小さい細目タイプのグレーチングを設置すると安全です。
ただし、細目タイプは並目タイプに比べて使われる金属量が多くなるため、価格が高くなる傾向があります。 加えて、目が細かくなるほど小石や枯れ枝が挟まって目詰まりを起こしやすくなるので、掃除が大変になってしまいます。
したがって、細目タイプが万能であるわけではありません。 安全性に問題がなければ、細目タイプより穴の大きい中間タイプのグレーチングを選んでもよいでしょう。
また、グレーチングの表面が滑りやすいと、転倒事故が起こりやすくなります。 ご家族だけでなく、ご近所さんや宅配業者さんにとっても大変危険です。
なので、表面がザラザラしていて滑りにくいタイプのグレーチングを選ぶのがお勧めです。 ザラザラ加工のある方が価格は高くなりますが、長く使われ続けるものですから安全性を最優先するべきでしょう。
3.盗難対策について考えておく
近年グレーチングの盗難騒ぎが日本各地で起こっています。 その理由は、金属製のグレーチングを売るとお金になるからです。 スチール製のグレーチングだと1枚数千円以上、高価なステンレス製のものだと1枚1万円超で換金できるため、ターゲットになりやすいのは仕方ないでしょう。
しかし、せっかくの新しいグレーチングを盗まれては、たまったものではありません。 ですから、グレーチングには漏れなく盗難対策を施しておくべきです。
盗難対策としては、主に以下のような手段が挙げられます。
- 連結金具を使って複数のグレーチングを1つにつなげておく
- 鎖を使ってグレーチングを側溝につなげておく
- ボルトで側溝に固定しておけるタイプのグレーチングを購入する
側溝の状況や選んだグレーチングのタイプによって、できる盗難対策は異なります。グレーチングを選ぶ際は、盗難対策についても同時に考えるようにしましょう。もしグレーチングを店舗で購入する場合は、側溝の状況をカメラで撮影しておき、店員さんにアドバイスを求めるとよいかもしれません。
なお、あまりしっかりと固定しすぎると、側溝を掃除するときにグレーチングを取り外すのが大変になります。 その点も踏まえて、盗難対策を練りましょう。
品ぞろえの良い店舗やネット通販でグレーチングを探そう
グレーチングは全国のホームセンターなどで販売されているので、どなたでも購入できます。
ただし、お店によって品ぞろえに差があります。品ぞろえが良いお店でないと、欲しいグレーチングはまず見つからないでしょう。
そこで、グレーチングの品ぞろえが良いお店について、ホームセンターとネット通販から1社ずつピックアップしてご紹介いたします。
店員さんに相談したい場合はホームセンター「カインズ」
引用:カインズ
日本全国に店舗を構える、大手のホームセンターです。 ホームセンターのなかでも、グレーチングの品ぞろえに富んでいます。
店舗で店員さんに相談できるため、グレーチングの選び方や盗難対策についてアドバイスが欲しい方にお勧めです。
ただ、注文してから店舗に取り寄せる商品も多いので、即日購入できるとは限りません。 2回以上、店舗に足を運ぶ必要があるかもしれない点には注意してください。
豊富なラインナップから選びたい場合はネット通販「モノタロウ」
引用:モノタロウ
事業者向けの商品を多数取り扱っている、大手通販サイトです。
さまざまな種類のグレーチングを、横溝・長さ・厚さ・ピッチ(穴の幅)別に細かく取り扱っている点が特徴です。 溝幅・長さ・材質といった項目で絞り込んで検索できるので、欲しい商品を迷わずに見つけられるでしょう。
また、1回の注文が税別で3,500円以上になる場合は配送料がかかりません。 そのため、グレーチングについては実質的に無料で自宅に届けてもらえます。
新築のグレーチングを交換する時のポイントについてのまとめ
この記事では、新築の前にあるグレーチングを交換するために知っておきたいことについて、まとめてみました。グレーチングを選ぶ際のポイントは、以下の3点です。
- 1.車が通る場合は耐荷重に注意する
- 2.安全に歩行できるタイプを選ぶ
- 3.盗難対策について考えておく
新築すると古いグレーチングが気になってしまうものです。ですが、所有者が自治体である場合は、勝手に交換してはいけません。
グレーチングの所有者は誰なのか?交換してもらえないか?この2点について、自治体に問い合わせてみてください。