新築に塀を設置する時の注意点と理想の高さ、費用の目安

新築に塀を設置する時の注意点と理想の高さ、費用の目安

新築の外構工事をするにあたって、お隣との塀はどうすればいいのか悩んでいる方も多いようです。これから長く暮らしていく新居だからこそ、なるべくお隣ともトラブルにならないようにしたいですよね。
そこで、この記事では、新築で塀を設置するべきかどうかお悩みの方に、塀を設置する際の注意点や理想の高さ、大まかな費用の目安などをご紹介していきます。
ぜひ、参考にしてみてください。

塀の役割と必要性

「強制じゃないなら塀を設置するのは諦めようかな」、とお考えの方もいるでしょう。でも、本当に塀を設置しなくても大丈夫なのでしょうか。ここでは、塀を設置するメリットと、法律的な見方からも塀を設置するべきかどうかについて確認していきたいと思います。

塀を設けるべきかどうかの基準

まず、塀を設置するかどうかは、一部の例外を除いて基本的に自由です。気にならなければ全く塀を設けなくても良いですし、植栽やガーデニングをして塀の代わりにしても問題ありません。
ちなみに、塀などを設置せず、開放感のある外構にする事をオープン外構といいます。塀の設置費用を節約できるので、外構費用が抑えられるのも魅力です。
一方、塀やフェンスなどで目隠しを設けて、プライバシーを確保する外構をクローズド外構といいます。オープン外構に比べてセキュリティ面が強化されるのが特徴です。

隣が極端に近いと設置義務が発生することも

ただし、敷地の境界線から、あまりに近いところに家を建てる場合は注意が必要です。民法235条の「目隠し設置義務」では、敷地の境界線から1m未満のところに家を建てる場合、「隣家を見通すことのできる窓又は縁側(ベランダを含む。)を設ける者は、目隠しを付けなければならない」と定められています。

隣が極端に近いと設置義務が発生することも

建物の構造によっては、隣家から要請があった場合に目隠しなどの対策をする必要があるので、不安な方は確認されてみてください。

参考 近接建物に対する「目隠し」設置請求の条件 | 公益財団法人不動産流通推進センター(旧 不動産流通近代化センター)近接建物に対する「目隠し」設置請求の条件 | 公益財団法人不動産流通推進センター(旧 不動産流通近代化センター)

敷地の境界は塀ではなく境界線が基準

「塀がなければ隣家との境界が分からなくなってしまうのでは?」と、心配になった方もいるかもしれません。たしかに、敷地の境界が曖昧になってしまい、数十年後に隣の敷地の所有者と境界の事でトラブルになってしまう、というのは良くある話です。でも安心してください。土地の境界は法務局が管理している「境界標」が基準になっていて、塀の有無は判断の基準にはなりません。

地中に刻まれた境界標

もし、境界標がない時は、法務局に問い合わせて確認してもらいましょう。

参考 法務省:筆界特定制度法務省:筆界特定制度

隣家との間に塀を設置する場合は費用が請求できる

そして、もう一つ重要なのが、もし隣家との間に塀を設置するとなった場合、費用を請求するかどうか、という問題です。これには、1.隣人と相談して費用を折半する方法と、2.自己責任で費用を全額負担する方法の2つがあります。

1.隣人と相談して費用を折半する方法

隣人と相談して費用を折半する場合、負担する工事費が節約できるのが魅力です。ただし、設置した塀は隣人との共有財産になるので、今後の管理やメンテナンスについては話し合いをして、合意のうえで進めて行かなければなりません。

境界線が塀の真ん中を通るように設置する

また、費用を折半して塀を設置する場合は、「芯積み」といって、境界線が塀の中央を通るように設置します。そのため、塀を設置するスペースを両者が同じだけ負担することにもなります。

【芯積み 解説図】

2.自己責任で費用を全額負担する方法

一方、費用を全額こちら側で負担する場合、もちろんですが塀の素材やデザインなどを自由に決める事ができ、メンテナンスも好きなタイミングで行う事ができます。

境界線が塀の外側を沿うように設置する

【内積み】

ただし、自己責任で塀を設置する時は境界線よりも内側に塀が納まるように設置しなければなりません。あくまで、自分の敷地内にあるからこそ、自由に管理ができるわけです。
とはいえ、敷地内だからといって好き勝手に塀を設置してしまって良いとも限りません。
独断で塀を設置した結果、塀を設置したことでお隣から、「庭に日があたらなくなってガーデニングの花が枯れてしまった」「事前に相談してほしかった」といった苦情を言われてしまった方も、中にはいるようです。いずれにしても、塀を設置する際は費用の負担に関わらず、お隣の方とも事前に話し合うのが良いかもしれません。

参考 新築の塀の高さはどれくらい?隣の家に苦情を言われた実例もとりたぬ 参考 塀をめぐる よくあるトラブルと解決法 | 新宿中央法律事務所新宿中央法律事務所

隣家のとの間に設置する塀の高さ

せっかく塀を設置するなら、高さがあった方がプライバシーは担保されますし、セキュリティも安心です。しかし、極端に高い塀は倒壊などのリスクがあるので、安全面が心配です。そこで、続いては、塀を設置する際の現実的な高さについて考えて行きたいと思います。

ブロック塀の高さは最大2.2mまで

ちなみに、一般的なブロック塀は、一つあたり高さ20cmのコンクリートブロックを積み上げてつくります。ただし、自然災害の影響で倒壊してしまうリスクを踏まえて、法律では最大でも11段、高さ2.2mまでと決められています。

ブロック塀の高さ制限が分かる図

引用:コンクリートブロック塀の基準|Archistacks

さらに、1.2m(約6段)を超えるブロック塀は、幅3.4mごとに「控え壁」という、柱のようなブロックで塀を補強する必要があります。万が一基準を満たしていないと、管轄の自治体のチェックを通過できず、住宅ローンの審査が通らなくなり、追加の工事が必要になってしまう恐れがあります。

控え壁

塀の倒壊を防ぐ控え壁

引用:ブロック塀・控え壁設置工事|壁・エクステリアリフォーム

なお、ブロック塀はフェンスなどの塀に比べると費用は割高です。そのため、ブロック塀とフェンスを組み合わせるなど、塀の堅牢性を保ちながら、視界を遮るだけの十分な高さを確保する、といった施工が一般的です。

ブロック塀とフェンス

ブロック塀とフェンスを組み合わせた施工例

引用:庭の目隠しフェンスの価格と施工例【選ぶときのポイントとは?】|リショップナビ

ブロック塀の上にフェンスを設ける場合も、高さの上限は2.2mです。ブロック部分の高さも含めた高さになるのでご注意ください。

参考 ブロック塀が倒壊して被害が出たら、所有者の法的責任になる? | 株式会社 耐震設計ブロック塀が倒壊して被害が出たら、所有者の法的責任になる? | 株式会社 耐震設計 参考 外構フェンスの高さ制限は?目隠しと圧迫感を両立できる高さをご紹介|kota blogkota blog

間取りによっては160cm以上を検討しよう

しかしながら、「あまり高い塀を設置するのは予算的に厳しい」「お隣と境界が分かる程度の低い塀で十分」、という方は多いと思います。実際、お隣と互いに視界を遮るだけなら、それほど高い塀は必要ないかもしれません。また、「高い塀は日当たりや風通しを妨げる原因になってしまうので、なるべく塀は低くしたい」という方も多いでしょう。

境界が分かる程度の低い塀

境界が分かる程度の低い塀

引用:塀は隣との「共有」と「単独所有」どちらがいいのか?|戸建てリノベINFO

しかし、実際に塀やフェンスを設置された方の中には、「せっかく設置したのに低すぎた」と、後悔されている方もいます。

参考 新築の塀の高さはどれくらい?隣の家に苦情を言われた実例もとりたぬ

例えば、「140cmの塀では隣の家から部屋の中が見えてしまう、160cmにすれば良かった」といった方や、「160cmにしたけど通行人からは部屋の中が見えてしまう」など、家の間取りによって十分な目隠しになる塀を設置するのは難しい場合があります。

通行人と目が合わなくても、家の中は見えてしまう場合がある

そのため、一度塀を設置した後にリフォームで塀を作り直す、という方も少なくありません。
一般的には160cm程度の高さがあれば、直接的な視線を避けるには十分です。ただし、家は基礎という土台の上に建っているため、塀から離れたところから家の中が見えたり、背が高い人なら塀を越えて目が合ってしまったりする可能性があります。
このように、間取りや状況によって理想の塀の高さは違います。もし、ご不安な方や、お急ぎでない方は、住みはじめてから設置する塀の高さを検討してみてはいかがでしょうか。

参考 新築の塀の高さはどれくらい?隣の家に苦情を言われた実例もとりたぬ 参考 佐久市 某様邸 フェンスのリフォーム 一戸建て |リフォーム事例|LIXILリフォームネット佐久市 某様邸 フェンスのリフォーム 一戸建て |リフォーム事例|LIXILリフォームネット 参考 外構フェンスの高さ制限は?目隠しと圧迫感を両立できる高さをご紹介|kota blogkota blog

塀の費用目安と相場

では、最後に塀を設置する際の費用や相場について見ていきましょう。

ブロック塀の費用目安

ブロック塀は基本的に家と同様、基礎と呼ばれる土台部分を作り、その上にブロックを積み重ねて作っていきます。加えて、作業員さんの人件費、ブロック塀の素材費などを加えるとブロック塀を設置する費用の目安が分かります。以下はブロック2段重ねの塀を10m設置した場合の費用例です。

ブロック2段(約40cm)の塀を10m設置した場合の費用例

ちなみに、基礎部分の単価は、1mあたり4,500円。作業員1人あたりの単価2万円。ブロック塀の素材費は1㎡あたり9,000円で計算しています。

【ブロック塀の基礎の費用】
ベースコンクリート基礎の単価1mあたり4,500円
10m × 4,500円 =4万5,000円

【作業員さんの人件費】
作業員1人あたりの単価2万円

【ブロック塀の素材費】
ブロック塀2段40cm(0.4m)
40cm(0.4m) × 10m = 4㎡
ブロック塀の単価1㎡あたり9,000円
4㎡ × 9,000円 = 3万6,000円

合計
( 4万5,000円 + 2万 + 3万6,000円 ) × 10% = 10万1,000円
参考 ブロック塀の見積金額のしくみ ~ブロック塀の施工単価と見積り項目~ブロック塀の見積金額のしくみ ~ブロック塀の施工単価と見積り項目~

ご紹介した金額はあくまで目安の金額です。実際に検討される際は、どれくらいの長さの塀にするかも視野に入れて予算を立ててみてください。

一般的な30坪の敷地の外周はどれくらい?
30坪の敷地面積は99.17㎡です。仮に正方形だった場合、一辺は約10mほど、外周は約40mになります。
30坪の解説図

参考 一坪は何平米?何畳?面積換算一覧表|株式会社 アイディーホーム一坪は何平米?何畳?面積換算一覧表|株式会社 アイディーホーム

ブロック塀の上にフェンスを設置した場合の目安

ブロック塀の上に、フェンスを設置する場合、ブロックに支柱を建てるための穴を開ける、「コア抜き工事」という工事が必要になります。1箇所あたりは4千円前後が相場です。また、フェンスはどういった素材を使うかで、費用が大きく変わります。なお、アルミや木目調の素材といった一般的なものであれば、1mあたり約1~3万円ほどです。
ではさっそく、先ほど計算した、2段組のブロック塀の上にフェンスを設置した場合の費用目安を計算してみましょう。

【ブロック2段(約40cm)の塀を10m設置した場合の費用例】
10万1,000円

【コア抜き作業】
※10mのブロック塀1mごとに施工した場合
4,000円 × 10m = 4万円

【フェンスの素材費】
1mあたり1~3万円

1~3万円 × 10m = 10~30万円

合計
10万1,000円 + 4万円 + 10~30万円 = 24万1,000~45万1,000円
参考 新築外構のフェンスにかかる費用相場と注意点 | 横浜市の外構工事(エクステリア)専門業者|石川デザイン企画石川デザイン企画

フェンスには様々な種類があるので、選ぶ素材によって費用が大きく異なります。外観の雰囲気も意識して、新築のお家に馴染みやすい物を選びたいですね。

まとめ

この記事では、新居に設置する塀について、役割や必要性、目安となる高さ、そして費用について解説しました。せっかく建てる新築だからこそ、隣人とトラブルなくスムーズに塀を設置して、快適な新生活をスタートさせたいですね。実際に外構工事を依頼される際は、またこの記事を参考にしてお家に合った塀を設置してください。
なお、以下の記事では、エクステリア全般について詳しく解説しています。まだ外構工事について詳しい内容がお決まりで無い方は、ぜひ参考にしてみてください。

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