日が当たらない新築に住んで大失敗?日当たりを改善する方法をご紹介

新築 日当たり

『人生に一度きりの大きな買い物』と聞くと、マイホームを連想する方も多いのではないでしょうか。賃貸とは違い、自分の所有する家に住むと、「思い切って新築マイホームを建ててよかったな」と思えるものです。

しかし一方で、「こんなはずじゃなかった……」と新築選びや建設に失敗し、後悔する人も残念ながら一定数存在します。今回は、その中でも深刻な悩みになりやすい『日当たりの悪さ』について解説していきます。

日当たりに関する基礎情報や、日当たりを改善する方法をお探しの方は、ぜひ本記事をご覧ください。

多くの人が抱える、日当たり問題

日本は海外と比べ、住まいを選ぶ際に日当たりを重視する人が多いと言われています。最新の国土交通省の統計によると、日当たりを重視する世帯は、全体の34%。つまり、3世帯に1世帯の家庭は、日当たりを考慮しながら住まいを選んでいます

また、現状日当たりに不満を抱いている世帯が、全体の23%もいることを示す統計データもあります。言い換えると、4世帯に1世帯は、今の日当たりに少なからず不満を持ちながら過ごしています

このように、「家に日が当たらない」という話は、多くの人にとって気になるテーマであり、直面する問題だといえます。

参考 住生活総合調査 平成30年住生活総合調査国土交通省

事例紹介

日当たりを巡っては、さまざまなトラブルや悩みを耳にします。大きく分けて、『住んでみて気づいたケース』『外部環境の変化によって日が当たらなくなったケース』に分かれるので、ここではケース別の事例を紹介していきます。

事例紹介1:住んでみて、日当たりの悪さを実感した事例

西と北向きの角部屋に20年ほど住んでいます。 朝でも薄暗く、昼も薄暗く、電気を点けていたら、なぜ、電気を点けてるのか?と言われましたが、さすがに、暗いからと正直に答えました。 子供が生まれてからも朝から暗くて、寒くて、外に散歩に出た方が暖かいし明るいくらいで、管理人さんにも、厚着してるねと笑われるぐらいでした。

引用(一部抜粋):日当たり悪い家、引越したいです。|発言小町

日当たりが悪い家に20年以上住んでいる方の口コミです。日当たりが悪い、といっても度合いは千差万別ですが、昼でも薄暗いのは深刻な問題です。

事例紹介2:隣の家が建ってから日当たりが激変!

うちが越してきてすぐに南東の家が売却され、取り壊しの作業が行われ始めました。 そして建った家が三階建ての二世帯住宅でした。

二世帯で大きい家をそのまま三階まで上げてしまった形なので、我が家には一階も二階も全く陽が当たらなくなってしまいました。 洗濯物が夜になっても乾いていないので驚きました。

引用(一部抜粋):教えて!住まいの先生 | Yahoo!不動産

意外に多いケースが、「日当たりのいい家にしたのに、あとから周辺環境が変わり、日当たりが悪くなる」ケースです。家の近くに高い建物ができてしまうと、日光が入りにくくなり、生活環境がガラリと変わることも多いようです。

日が当たらないことによる不満の声は、ネット上の口コミだけでなく、不動産会社へも多数寄せられています。中には、日当たりを巡って住民同士で裁判沙汰になるケースもあり、一筋縄ではいかない問題であることがうかがえます。

日が当たらないとはどういうこと?

日当たりが悪い家とは、簡単にいうと「日の当たる時間が短い」家を意味します。 家の向きや造り、近隣の建物の存在によって日当たりの良し悪しは変わり、日中に光が窓へ当たらないと、「日当たりの悪い」状態が生まれます。

「南向きの家だから日当たりは良好」「北向きの家は避けたほうがいい」といった話を耳にしたことはないでしょうか?向きとは、不動産用語で「最も大きな窓が面している方向」を意味します。日中に最も日が当たるのが南の方向なので、南の方向に大きな窓がある家は、日の入りやすい住居といえます。

家の向きによって日当たり状況に差が出てくるので、新築を建てる時や購入する時には、それぞれの向きの特徴を事前に把握しておくことが大切です。

方位 特徴
南向き 最も日当たりのいい方位。朝から夕方にかけて日が当たる。
東向き 朝方に日が当たる。
西向き 夕方の時間帯に最も日が当たる。
北向き 最も日当たりの悪い方位。日中はほとんど日が当たらない。
参考 自然光でくらしを元気に 鋼鈑商事の光ダクト鋼鈑商事

日が当たらないデメリット

日が当たらないことによるデメリットはさまざまですが、ここでは代表的なものを4つご紹介します。

デメリット1:朝や昼でも室内が暗い

日当たりで悩む方の多くは、室内の暗さを気にしています。 室内に日の光が十分に入らない場合、朝方や昼の時間帯でも部屋が夜のように暗くなる場合もあります。

明るい部屋は気持ちを明るくさせてくれますが、暗い部屋にいると気持ちも暗くなります。照明を点ければ明るさは確保できるものの、「朝や昼は自然な光を浴びて過ごしたい」と考える方にとって、日中に日が当たらないことはストレスに感じるでしょう。

デメリット2:電気代がかかる

日当たりが悪い家の場合、朝や昼に照明を点けないと明るさを確保できないケースがあります。日中の電気使用量が増えると、当然ながら電気代も増えていきます。

また、日当たりが悪いと部屋が日光で暖まらず、冷えやすくなってしまいます。結果、冬以外の時期にも暖房が必要となり、光熱費が圧迫される恐れがあります。

デメリット3:洗濯物の乾きが遅い

洗濯物を乾かすにはが必要になりますが、日当たりが悪いと洗濯物に太陽光が十分当たらず、乾くのに時間がかかります。

最近では狭小住宅が増えてきたことや、プライバシーの点から室内干しをする家庭が増えてきているので、外で干せない生活に慣れている方もいます。とはいえ、せっかくの新築マイホーム。

「天日干しで日の光を当てながら乾かしたい」と思うご家庭にとっては、外での洗濯物の乾きの遅さにストレスを感じてしまうでしょう。

参考 日陰がちな住宅でも安心。上手な洗濯物の部屋干し方法とは? 鋼鈑商事

デメリット4:衛生面の不安

日当たりの悪さが、家の衛生環境を悪化させることもあります。カビ取り業者によると、カビの発生しやすい場所の1つに挙げられるのが『日当たりの悪い部屋』です。日当たりが悪いと、次の2点からカビが発生しやすくなります。

  • 日が当たらないため、部屋の湿気が溜まりやすくなる。
  • 日光には殺菌効果があり、カビを抑制してくれるが、日当たりが悪いとカビを殺菌できない。

カビは一度繁殖すると取りづらくなるため、放っておくと自分では除去できず、業者を呼ぶ必要が生じることも。大量のカビは人体への健康被害を引き起こす可能性もあるため、注意する必要があります。

参考 カビ取り業者が教える!!壁のカビを予防するためには、〇〇に注意!ハーツクリーン

日当たり改善法3選

ここでは、日当たりの悪さに悩んでいる方へ、日当たりを改善する方法を3つご紹介します。すぐに試せる方法もあるので、ぜひ参考にしてみてください。

改善方法1:リフォーム

家の周辺環境を変えることは難しくても、自分の家をリフォームすれば、日当たりは改善できます。日当たりを改善するリフォームで代表的なものが、吹き抜け・天窓・太陽光照明の設置です。

吹き抜け

1階と2階の空間をくっつける『吹き抜け』づくりにすれば、2階にあたる位置に高窓を設置できるため、日当たりを改善できます。 吹き抜けは日当たりを良くしてくれるだけでなく、魅力的なメリットが複数あります。

  • 開放的な空間を作り出せる
  • 風通しが良くなる
  • 家全体の繋がりと家族間の繋がりが生まれる

吹き抜け リビング

引用:吹き抜けリビングのデメリットは対策できる | nexthouse

吹き抜けのメリット・デメリットについては、本サイトの別記事で詳しく解説しています。

新築 吹き抜け吹き抜けのメリット・デメリット、費用を解説

天窓

天窓

引用:もっと光を!天窓のある暮らしいろいろ | SUVACO

天井に取り付ける天窓は、採光性(日光を取り込む力)を高めるメリットがあります。 風通しがよくなることや、部屋のデザインがオシャレになるといった特徴がある一方で、夏は日差しが強く照りつけること、雨漏りの心配が生じるなど、対策の必要な点も存在します。

天窓を設置する場合は、設置経験の豊富な業者を選び、予想されるデメリットへの対策を万全にしてもらうことがポイントです。

参考 天窓の後付けや設置リフォームの工事費用・価格は? – ハピすむ天窓の後付けや設置リフォームの工事費用・価格は? – ハピすむ

太陽光照明

窓の無い部屋にも自然光を取り込める技術として、太陽光照明があります。 屋根や屋上に光を受け止める装置を設置し、受け止めた光を反射性の高いパイプやケーブルで室内へ運びます。導光部(光を運ぶパイブやケーブル)の素材によって、『光ファイバー形式』と『光ダクト形式』に分かれていますが、基本的な仕組みは同じです。

太陽光照明

引用:太陽光照明とは?|鋼鈑商事

日当たりの悪い場所窓を設置できない場所での活用が盛んで、学校やオフィスビルといった大型建物だけでなく、個人宅への導入も普及しています。

個人宅でも導入しやすい太陽光照明としては、鋼鈑商事さんの『どこでも光窓』が人気です。

どこでも光窓

引用:導入事例 | 鋼鈑商事

設置が可能かどうかは事前に確認が必要とのことなので、興味のある方は、一度鋼鈑商事さんへ問い合わせしてみてはいかがでしょうか。

参考 光ダクトとは?窓のない部屋に自然光を導く仕組みを事例写真で解説 鋼鈑商事

改善方法2:インテリアや壁紙の変更

直接日当たりをよくするわけではありませんが、部屋のインテリアや壁紙を工夫することで、明るい部屋づくりが可能です。 たとえば、床や壁を明るい色にするだけで、部屋の雰囲気はガラリと変わります。次の画像は、床の色だけ異なる同じ部屋です。

床色コーディネート

床色コーディネート

引用:カラーコーディネイション | Panasonic

床の色を変えただけで、部屋の印象がだいぶ異なるのではないでしょうか。白の床は明るい空間を演出し、黒の床は落ち着いた印象を与える効果があります。

お家の印象は床で決まる!床の色選びから始める新築の内装デザイン

次に、壁紙の色の違いで部屋の雰囲気がどう変わるか、画像をご覧ください。

壁紙

壁紙

引用:おしゃれな壁紙を選ぶコツとは?素材や種類を知って理想の部屋に! | マイリノジャーナル

明るい色味の壁は、外からの光を拡散する力が強いので、部屋を明るい雰囲気にしたい場合はベージュの壁紙を採用してみてください。

床や壁の色を変えるほかにも、鏡を置くことで光を室内に反射させてみたり、照明をLEDの明るいタイプに変えてみたりすることで、明るい部屋づくりが可能です。DIYで行える範囲も多いため、自力で部屋を明るくしてみたい方にオススメの方法です。

改善方法3:居住スタイルを変えてみる

「リフォームや引っ越しは予算的に厳しいけど、なんとか日当たりを改善したい」 そんな方にご提案したいのが、居住スタイルの変更です。たとえば、リビングとして使っていた1階の部屋を寝室にし、2階の部屋をリビングへと変更してみる方法があります。

2階リビング

引用:2階リビングのメリット・デメリットを知って、将来の暮らしを想像しよう。 | ベガハウス

1階と比べ、2階は日の当たる時間も長いため、日当たりが悪い家でも一定の明るさが期待できます。寝室は暗くても支障がないので、暗い1階の部屋を寝室に変更しても、困ることは少ないでしょう。

「リビングは1階にないと変だ!」と感じる方もいらっしゃると思いますが、日当たりや眺望の良さ・プライバシーの確保の点から、都市部を中心に『2階リビング』を採用する戸建ては増えてきています。

日当たりの改善が難しい場合は、引っ越しの検討も

ここまでは、日が当たらない住居に対しての改善策を紹介してきました。 しかし中には、「日当たりを巡ってご近所さんとトラブルがあった」「できれば心機一転、別の住居へ引っ越したい」とお考えの方もいらっしゃるでしょう。そうした場合、今のお住いを売却し、引越し先を決めなければなりません。

そこでここでは、住み替え・買い替えの流れを簡潔に紹介していきます。住み替えを視野に入れている方は、ぜひご参考ください。

住み替え・買い替えの流れ

住み替えや買い替えの場合、『今のお住まいの売却』『新居の購入』の2つの手続きが発生します。大まかな流れとしては、下記の図をご参考ください。

住み替え

また、『今の家を売却してから新居を探す』『新居を購入してから家を売却するか』も、事前に検討しておく必要があります。どちらの方法もメリット・デメリットがあるため、不動産会社へ相談の上、自分に合った方法をご検討ください。

売却順序 メリット デメリット
新居購入前 売却資金が決まるため、買い替えプランが立てやすい スムーズに引っ越せない場合、仮住まいが必要となる
新居購入後 新居探しに時間をかけられる 物件の売却価格が変動した場合、資金計画に修正が生じる

住み替えは、旧宅と新居の売買の両方を伴う作業です。どちらの作業にも大きな費用が発生するため、住み替えの判断はお財布事情を考慮したうえで、慎重に行なってください。

参考 不動産の住み替えのポイントは「売却」を重視すること!Relife mode

新築で日が当たらない時の改善方法のまとめ

家族全員の夢であるマイホーム。勇気を出して新築を建てたのにも関わらず、日当たりの悪さを気にして、マイホームに愛着が持てないのは悲しいですよね。

本記事でお伝えしたかったことは、「日が当たらない状況は、改善できる」ということです。リフォームによって日光を取り込みやすい室内環境へ変えることも可能ですし、太陽光照明で日が当たらない部屋へ自然光をあてる選択肢もあります。

日当たりの改善方法は1つではありませんので、本記事を参考に、ご家庭でじっくり検討してみてください。

本サイト『コノイエ』では、新築住宅を建てる上で役立つヒントを多数掲載しています。 興味のある方は、別の記事もぜひチェックしてみてください。

著者情報

コノイエ編集部

コノイエは、東京都港区に本社を置く株式会社アールアンドエーブレインズが運営するオウンドメディアです。累計80,000人以上が利用する「解体無料見積ガイド」の姉妹サイトとして、住宅関連コンテンツを発信しています。人が生活する基本となる「衣・食・住」の中でも、コノイエでは「住」にフォーカスして独自の情報をお届けします。

監修

中野達也

一般社団法人あんしん解体業者認定協会 理事
解体工事業登録技術管理者
公益社団法人 日本建築家協会(JIA)研究会員
一般社団法人東京都建築士事務所協会 世田谷支部会員

静岡県出身。日本全国の業者1,000社超と提携し、約10年間で数多くの現場に関与。自身でも解体工事業登録技術管理者としての8年間の実務経歴を持つ。現在では専門家として、テレビ番組をはじめとする多数メディアに出演。これまでに一般家屋はもちろん、マンション、ビルなど様々な建物の取り壊しに従事し、工事を行いたい施主、工事を行う業者の双方に精通している。また、大手から中小まで様々な規模の住宅メーカーへの販促支援、コンサルティング事業に携わり、住宅購入者心理の理解を深める。家を「壊す」ことと「作る」ことの専門家として、全国の提携パートナーと共に家をとりまく様々な問題に取り組んでいる。

出演メディア
ひるおび!(TBS系列)、情報ライブ ミヤネ屋(日本テレビ系列)、バイキングmore(フジテレビ系列)、他多数...

当協会の運営サイト「コノイエ」は、工務店・ハウスビルダー・建築家・建築設計事務所等の500以上のインタビュー記事を掲載。また、新築・建て替えを検討中のユーザーにとって有益となる情報を発信しています。
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