新築の完成が近づいてくると、メーカーの担当者さんから「見学会をして新しいお家のお披露目会をしませんか?」と、声を掛けられて困っているが多いようです。「たくさん要望に応えてくれたし、見せるだけなら良いかな」、「いやいや、正直知らない人たちに入られたくないから本当は断りたい」など、どちらにしようか悩んでしまいますよね。
そこで、この記事では、実際に新築の見学会をされた方たちの感想を見ながら、完成見学会をやるメリットやデメリット、見学会を行う際に抑えておきたいポイントなどを詳しく見ていこうと思います。
完成見学会の仕組み
まずは、完成見学会の仕組みについて簡単に確認しておきましょう。 完成見学会とは、家具などが搬入される前の新築を一般の方たちに公開する見学会で、お家を建てた施工会社を検討しているユーザーに、より興味を持ってもらうのが狙いです。
完成見学会を開催する期間
見学会は、基本的に引き渡しが行われる前の、土日を使った2日間で開催されるケースが多いです。ただ、中には、より見込みの高い層と一般客を分けて数日間行われる場合や、平日に別日を設けて開催するところもあるため、見学会の期間は2日~数日程が目安になります。
謝礼やお礼の相場
見学会に協力すると、謝礼として金券や現金がもらえる場合があります。もちろん、金額はメーカーさんによって異なりますが、金券なら数千円~数万円、現金なら数万円~10万円以内が相場です。他にも、見学会に伴って設置したエアコンや家具をオプションとして提供されているメーカーさんもあります。
- 数千円~数万円分の金券
- 数万円~10万円ほどの現金
- オプションや家具
ただし、メーカーの担当者さんから事前の申し出がなく全く特典がなかった、というケースもあります。見学会に参加する際は事前に必ず確認しておきたいですね。
メーカーさんにとって、新築の見学会は大きな宣伝になります。そのため、「細部まできちんと施工をしてくれるだろう」、といった期待を込めて見学会に協力される方もいます。
見学会は新しい顧客を取り込むための宣伝材料なので、その宣伝に使うものを「いい加減な施工はやらないだろう」と思える事です。細部のコーキングやクロス、その他の合わせ部等、適当ではなくちゃんとやってくれるはずです。だから施主検査は楽ができると言うか、細部をしっかり見なくて良いかも~と期待はしてますが。
引用:家を新築予定です。完成したら見学会をしたいと提案されましたが何かメリットはありますか?|Yahoo!JAPAN不動産
もちろん、作り手の視点からしても「検討している方にじっくりみてもらえる」と思うと、意識が高まりそうですね。もちろん、見学会に関わらず、きちんと施工をしている業者さんばかりだと信じたいですが、見学会に参加する方たちの理由としては、こういった意見もあるようです。
参考 【ホームズ】新築マイホームの見学会を行うメリットはある? 知っておくべきことについても紹介 | 住まいのお役立ち情報住まいのお役立ち情報【LIFULL HOME'S】大幅な値引きには要注意
見学会に協力した方の中には「工事費用を値引きしてもらえた」、という方もいます。もちろん、工事金額に関わる部分なので、詳しい取り決めや契約があると思いますが、中には「総額で100万円以上も節約できた」、という声を見かけることがあります。
我が家は完成直後2日間の完成見学会と住みだした後都合があえばお客さんを連れてきてもいいですか?と言う条件で坪単価5万円引きで250万以上の値引きになりました。モデルハウス企画でしたのでかなり手の込んだ仕事ぶりでメーカーのこだわりも細部に見られ良い家になりましたよ!
引用:家を新築予定です。完成したら見学会をしたいと提案されましたが何かメリットはありますか?|Yahoo!JAPAN不動産
ただし、事前の交渉があったとはいえ、数十万円以上の値引きが発生する場合は注意してほしいです。 中には、完成見学会だけでなく休日に何度も見学会に協力しなければならない、といった契約が含まれている場合があり、予想以上にリスクが大きかったと後悔するきっかけになってしまいます。
見学会に参加するとメリットがあるとはいえ、相場から考えると過度な期待は禁物です。担当者さんにしっかり話を聞いた上で、慎重に判断してください。
完成見学会は断っても大丈夫
ここまで、記事を読んでいただいた方の中には、「そもそも見学会は拒否できないのだろうか?」、と疑問に思った方も多いでしょう。実際、新築の完成を目前にして、担当の方からお願いされて断りたいけど困っている、という方はいます。
そもそも、見学会などは施工主の善意でやるもので、強制的にやらされるものではないと思っていた為、断れない事に戸惑っています。 建設会社が、やりたい事情もわかりますが、施工主がどうしても嫌だと言っているのに、押し切っていいものなのでしょうか? もうすぐ、完成だというのに、ここへ来て、気分が悪く、建設会社と今更もめたくないのに、こんな事で言い争うのもなんだか悲しいです。
引用:来月、家が完成します。 建設会社から、完成見学会をやって欲しいと言われました。|Yahoo!JAPAN不動産
でも、安心してください。当然、見学会を断ることは可能です。むしろ、見学会は強制ではありません。そのため、いくら強引に迫られたとしても契約で決められていない限り、断ることができます。「担当の方がしつこく頼んでくるから、なんだか断りづらい」と思っても、ご家族と相談して冷静に対処しましょう。
完成見学会で抑えて抑えておきたいポイント
続いては、実際に見学会を行なった時に、起こりがちなトラブルや確認しておきたいポイントをいくつか紹介していきます。まだ見学会に協力しようか悩んでいる、という方は以下のリスクも把握して検討してみてください。
見学者の態度やマナーが悪い場合がある
当然、見学会をすると大勢の方が家の中を見にくるので、場合によっては思いがけない事故で室内にキズが付いてしまう恐れがあります。見学会に来る方のマナーに頼らざる負えない部分もありますが、実際の見学会では子供が走り回って遊んでいたり、トイレなどの設備を使われた、という事例があります。
公開日に夢のマイホームに足を運ぶと・・・ 家は、某住宅メーカーの‘蔵‘のある家でしたが、そこは1階の蔵も2階の蔵も子供達の運動場に。備え付けの大・中・小の3つの台車を重ねて、踏み板にして遊んでる・・・ロフト付きの子供部屋では小学生高学年位の子供がロフトから飛び降りて遊び、ドアノブにぶら下がりターザンごっこ?。 目を見張るのは子供の仕打ちばかりじゃありません。
和室にづかづかとスリッパのまま入り込んでる大人達。
トイレを使わせろ!といってる親父(これは住宅メーカーも使用できませんの張り紙をしなかったのが悪いですが)断られたら2階のトイレを使用してました・・・
もちろん、引き渡し前に確認できるようなキズが見つかった場合は、メーカーさんに責任があるため、お願いして直してもらうことができます。 しかし、悪気はないとはいえ、軽い気持ちで家の中で自由に過ごされるのは耐えられない、という方も多いでしょう。見学会には最低限のマナーとルールを守って参加してほしいですね。
見学会では手袋とスリッパの着用が必須
どうしても新築の真新しいお家の中に入ると、思わず無垢などの天然素材を直接さわってしまう人や、収納などのスペースを何度も開けてしてしまう人がいます。大勢の人が通って床にキズが付いてしまうのも心配です。そのため、見学会では基本的に手袋とスリッパを着用するのが暗黙のルールになっています。
トイレや水回りの使用に関しても、原則禁止にしているケースがほとんどです。
しかし、小さなお子さんやお年寄りがどうしてもトイレを使いたい、といった時に止む負えず使われてしまう場合があるため、メーカーさんの中には事前に仮設トイレを用意して備えているところもあります。せっかく協力するなら、最低限の対処をしてもらって、気持ちよくスムーズに見学会を済ませたいですね。
見学会の参加者は制限してもらうことができる
「見学会に小さな子供がいるとトラブルに繋がるかもしれないから、連れて来ないでほしい」といった場合は、事前に制限してもらうことができます。また、「購入する意思がない人には、そもそも来てほしくない」といった声もあるので、完全予約制で、見込みのある方に限定して見学会を行なっているメーカーさんもあります。
見学者は事前にトラブルを避けるためにも、最低限の配慮をしてもらう必要があります。見学会をやるかどうかお悩みの方は、担当者さんにどのような対処や対策をしてもらえるのか事前に確認できると安心ですね。
- 手袋と靴下は着用してもらえるのか
- 小さなお子さんや購買意欲の低い人の入場を制限できるのか
プライベートな情報が漏れる恐れがある
見学会をやると、間取りや家族構成といったプライベートな情報が参加者に漏れてしまう、という心配もあります。 特に、間取りは参加者に資料として渡される場合があり、回収されずにそのまま持ち帰られてしまうケースがほとんどです。そのため、住み始めてからの防犯面が懸念される、という声があります。
やはり、防犯上の問題が気になります。 間取りや窓の位置が分かってしまうのは危ないです。 見学者と言っても、純粋に家を建てようと思う人ばかりではないですよ。 分譲住宅も、売り手が決まれば、即座にネットから間取り等情報は消される世の中ですから。
他にも家の広さや坪単価、細かい仕様についても細かく聞かれるかもしれません。また、参加者の心ない言葉で気傷つけられる心配もあります。
例えば、限られたスペースの土地で間取りを工夫して建てた家に対して、「こんな狭い土地なのにすごいですね」など、向こうは褒めたつもりでも不快な気持ちになってしまうような質問が中にはあるかもしれません。見学会に参加する際は、ある程度心構えが必要ですね。
参考 完成見学会でお施主さんに聞いてよかった質問&やめときゃよかった質問ienyイエニーとはいえ、見学会を充実した形で気持ちよく終えられたという声もあります。
ご近所の方も来ました。 うちは少し田舎なので、見学会をきっかけに親しくして頂けました。 今まで騒音や埃を出したし、興味があるならどうぞって感じです。 中にはリフォームを注文された方が居て良かったです。
見学会を見込み客への営業の手段としてだけ捉えるのではなく、地域との交流の場として活用できるケースもあるようです。これから長く住み続けるお家だからこそ、見学会を通して、近隣や地域の方とコミュニケーションの機会を設けたい、という方は積極的に見学会を検討してみてはいかがでしょうか。
新築に伴う完成見学会についてのまとめ
見学会はこれから新築を検討している方たちにとって、非常に有益な機会です。とはいえ、見学会に協力する側からすると、色々なメリットやデメリットがあります。せっかく建てたお家なのに、見学会で後悔をしないためにも、見学会に協力するかどうかはご家族で話し合って慎重に決めてください。