コンセントの位置で暮らしやすい新築を実現|位置決めのコツを知ろう

Where do you need an outlet?

新築には見た目や間取り、設備などを自由に決められる楽しさがあります。
ですが、自由な分だけ失敗する可能性も高いので、注意が必要です。

新築に住みはじめてから後悔しやすいのは、やはりコンセントの位置でしょう。
「使いたい位置にコンセントがない……」と後悔するケースが少なくありません。
コンセントがないと家電を自由に使えないため、日々の暮らしが不便になってしまいます。

そこで、この記事では新築時におけるコンセントの位置の的確な決め方と、よくある失敗を避けるためのコツを3つほどお話しいたします。

コンセントの位置は「積み上げ式」で決めよう

間取り図

どこで何の家電を使いますか?
すべて洗い出して足していくのが「積み上げ式」の考え方です。

コンセントの位置は、「積み上げ式」で決めていくとよいでしょう。

「積み上げ式」とは、使いたい家電をベースにコンセントの位置を決定する方法です。
用意するべきコンセントの穴の数まで割り出せるのでお勧めです。

そこで、「積み上げ式」を使ってコンセントの位置と穴の数を決める具体的な手順をご紹介いたします。

使いたい家電を固定式・移動式で分ける

固定式タイプと移動式タイプ

家電を固定式と移動式とに分けること。
それが「積み上げ式」の第一歩です。

一口に家電といっても、特定の場所で使う固定式タイプと、場所を選ばない移動式タイプの2種類があります。

まずは、使いたい家電を漏れなくピックアップし、固定式と移動式とに振り分けてみましょう。

主な家電は、以下のように振り分けられます。

固定式タイプ 移動式タイプ
○テレビ・レコーダー
○オーディオ機器
○デスクトップパソコン・プリンター
○モデム・ルーター
○エアコン
○冷蔵庫
○電子レンジ・炊飯器・オーブントースター
○食洗器
○洗濯機
○ノートパソコン
○携帯電話・タブレット充電器
○扇風機・暖房機・加湿器・除湿器・空気清浄機
○電気ポッド・ミキサー
○アイロン
○コード式掃除機
○コードレス掃除機・掃除ロボットの充電器
○ドライヤー・ヘアアイロン

ただし、赤字で示した家電は、プラグを抜き差しする頻度が低めです。
そのため、移動式よりも固定式に振り分けた方がよい場合があります。
ご自身の生活スタイルに合わせて、タイプを振り分けてみてください。

家電を固定式と移動式の両タイプに分けたら、ついでに固定式タイプを実際に使う場所を決めておきましょう。
「積み上げ式」は固定式タイプをベースにして、最低限設置するべきコンセントの位置と穴の数を計算する方法だからです。

なお、固定式タイプのなかでも季節物の家電については、冬物を基準に考えてみてください。
こたつやホットカーペットなど、四季のなかで冬物が最も数が多いためです。

コンセントには100V用と200V用の2種類がある
エアコンや電子レンジといった消費電力の多い家電の場合、200V用コンセントを必要とする場合があります。一般的な100V用コンセントとは形状が異なるので要注意です。
新築後に100V用コンセントを200V用コンセントに変えようとすると、費用がかかる可能性が高いため、事前に設計図でしっかり確認しておきましょう。

コード式掃除機が家全体に届くようにする

固定式タイプを設置する位置がだいたい決まったら、次は移動式タイプを使いたい場所について検討します。

ソファーやデスク、ベッド、鏡台の近くをはじめ、家電を使うシーンをいろいろと想像してみてください。
同時に使いたい家電の数だけ、コンセントの穴は必要になります。

ちなみに、移動式タイプのなかで少し特殊なのがコード式掃除機です。
コードの長さに限りがあり、使うときは家中のコンセントから電気をとる必要があるからです。

コード式掃除機

掃除機のコードが届く範囲には限界があります。
短いタイプもありますが、一般的には約5mです。

延長コードを使うと扉のすき間などに引っかかりやすくなるため、掃除機のコードの長さに応じた間隔でコンセントを設置しておくと安心です。
また、各部屋の出入り口、玄関や廊下、階段付近にもコンセントがあれば掃除しやすくなります。

なお、庭やデッキ、駐車場といった屋外にもコンセントを付けておくと、掃除の際に便利です。
これらは、バーベキューやDIY、防犯カメラ・屋外照明の設置、電気自動車の充電などについても役立ちます。

コンセントがあったら嬉しい場所をピックアップする

どこにコンセントがあったら嬉しいか、一緒に考えてみましょう!

コンセントがどこに、いくつあったら嬉しいでしょうか?
生活シーンを想像してみると、答えが出しやすくなります。

ここまでの段階で、コンセントを設置すべき位置と数はおおむね算出できます。

ですが、ほかにもコンセントを設置した方が便利になる場所があるかもしれません。
ご自身の生活スタイルを考えて、ピックアップしてみましょう。

たとえば、なるべく物が見えないようにしたい方は、収納の中にコンセントを設置するのがお勧めです。

以下に、コンセントがあったら嬉しい場所と用途の例を挙げてみました。ぜひ参考になさってください。

場所 主な用途
クローゼット内 コードレス式掃除機の充電、モデム・ルーターの設置
洗面所の戸棚 電動歯ブラシの充電
シューズクローク内 靴乾燥機の設置
玄関ホール クリスマスツリーなどの電飾
コンセントを高い位置に付けるメリット
コンセントの高さは床上約25cmが標準です。しかし、床から近すぎるため、高齢になるとプラグの抜き差しが難しくなったり、ペットがコードをかじったりする恐れがあります。
そこで、頻繁にプラグを抜き差しするコンセントについては、高さを40cm以上にするのもお勧めです。また、70cm~1mの高さにコンセントを付けると、テーブルや棚の上に小型の家電を置くことができるようになります。
ただし、内装のデザインによっては、コンセントを高い位置に付けると目立つ場合があるので注意してください。
参考 JECA FAIR 2016 出展報告一般社団法人 日本配線システム工業会

コンセントの位置に関する主な失敗

コンセントの位置については、どなたも新築前に確認を済ませているはずです。
しかし、実際に住みはじめてから「コンセントを取り付ける位置を間違えた……」と後悔する方は後を絶ちません。

そこで、コンセントの位置に関して、主にどのような失敗が多いのか確認してみましょう。

欲しい場所にコンセントがない

コンセントがない

欲しい場所にコンセントがないと大変不便です。

最も多い失敗は、家電を使いたい場所の近くにコンセントがないケースです。
このケースは、固定式タイプの家電でコンセントの穴が全部ふさがっている場合も含みます。

特にパソコンとテレビは要注意です。周辺機器の数が、新築時に想定していた数を上回ることが珍しくないからです。
コンセントの穴を3~4個程度しか用意していなければ、まず足りなくなります。

パソコンがデスクトップ式の場合、パソコン本体・モニター・プリンター・ルーターなどが一ヶ所に集まりやすくなります。
また、足元に扇風機や暖房機を置いたり、携帯電話やタブレットを充電しながら使ったりしたいケースも考えられます。
パソコンデスクが作業スペースを兼ねているのなら、照明スタンドも設置したいところです。

○デスクトップパソコンの近くに置きたい家電の例

  • パソコン本体
  • モニター
  • プリンター
  • モデム・ルーター
  • 扇風機または暖房機
  • 携帯電話やタブレットの充電器
  • 照明スタンド

また、テレビの周辺機器としては、レコーダーとテレビ用ゲーム機が代表例です。
サウンドに関心のあるご家庭の場合は、スピーカーやAVアンプなどを設置するかもしれません。
さらに、テレビやゲーム機をインターネットに接続する際は、無線LAN中継器やLANハブが必要になることもあります。

○テレビの近くに置きたい家電の例

  • テレビ本体
  • レコーダー
  • ゲーム機
  • スピーカー
  • AVアンプ
  • 無線LAN中継器
  • LANハブ

実際に生活していると、欲しいところにコンセントがないケースはたびたび起こります。
とりわけてパソコンとテレビの周辺は、予想以上にコンセントの穴が必要となりやすいので注意してください。

なお、ダイニングキッチンも家電が集中しやすい場所ですが、設置する家電が明確なので新築時に手を打っておくことはできます。
キッチンの上に電気ケトルやミキサーなどを常に置いておきたい場合は、コンセントの穴の数を多めに用意しておくと安心です。

ただし、ホットプレートに関しては少し注意が必要です。
テーブルの上にホットプレートを置いて使う場合、どこから電源を取るのかが問題となります。
お子さんがコードに引っかかると大変危険なので、あらかじめホットプレート用のコンセントをテーブル近くに設けておくとよいでしょう。

家具や家電の裏に隠れて使えない

ソファー裏のコンセント

せっかくコンセントがあっても、家具や家電でふさいでしまっては意味がありません。

家具を移動させると、裏からコンセントがひょっこりと現れる場合があります。
コンセントのなかには、その存在すら忘れ去られているものも少なくありません。

このように使わないだけならまだしも、家具や家電の裏にあるために、使いたいのに使えないコンセントについては大いに問題があります。
一度家具や家電を動かして何とかプラグを差し込めたとしても、気軽に取り外しができないとなれば大変不便です。

また、家具や家電の裏にあるコンセントはホコリが溜まりやすく、掃除しにくいため、トラッキング現象と呼ばれる発熱が起こって火事につながる危険があります。
特にダイニングキッチンにあるコンセントは、料理の際に飛び散った油を含むホコリが溜まるので要注意です。

このように、家具や家電の裏に隠れて使いにくい、または使えないコンセントは多くのご家庭で見られます。

コンセントの位置について後悔しないための3つのコツ

コンセントの位置について検討すべきタイミングは、新築を設計しているときです。
一度着工してしまったら、コンセントの位置を自由に変えられなくなってしまいます。

そこで、コンセントの位置を的確に決めるために、事前に知っておきたい3つのコツをお伝えします。

1.間取り図から家具・家電の裏に隠れない位置を探す

「積み上げ式」は、間取りの案が固まってから検討してください。
コンセントが家具・家電の裏に隠れて使えなくなる事態を避けなければならないからです。

一般的に、間取り図にはテーブルやソファーなどの大型家具、テレビや冷蔵庫などの大型家電も描かれます。
なので、間取り図で大型の家具・家電の位置を確認しながら、コンセントの位置を考えてみましょう。

間取り図

大型の家具・家電を避けて、コンセントの位置を決めましょう。

なお、コンセントは1部屋につき2ヶ所以上設置するのが普通ですが、1ヶ所は入り口付近に設置するのがお勧めです。
模様替えをしたとしても入り口付近に家具や家電を置くことは少ないですし、掃除機をかける際にも重宝するからです。

2.使う可能性がある場所には迷わずコンセントを設置しておく

コンセントの位置については、どれほど注意を払ったとしても完璧になることはありません。
実際に住んでみないと分からないことも多いため、どうしても何かしらの不満が生じてしまうものだからです。

だからこそ、「ここにコンセントを付けた方がいいかな?」と思ったら、迷わず追加することをお勧めします。
コンセントに関しては、いくら予備があっても問題ないからです。

使う家電を想像する女性

コンセントは迷わず追加しましょう。
後々追加しておいて良かったと思う場面がたくさんあるはずです。

ちなみに、新築時なら2口コンセントを1ヶ所につき3,000円程度で増やせます。

ところが、新築後に追加しようとした場合、最低でも5,000円、目安で10,000~15,000円程度がかかってしまいます。
壁紙をはがし、壁に穴を開け、さらには電気配線まで変える必要があるためです。
加えて、電気配線の問題も起こりかねません。

したがって、やはりコンセントは新築時に多めに設置しておくのが無難です。
少しでも必要性を感じたら、コンセントを設けておくとよいでしょう。

3.電気工事の専門家のアドバイスに耳を傾ける

電気工事業者さん

やっぱりプロは頼りになる存在です。
気軽に相談してみるとよいでしょう。

初めて新築を建てる方が、自分の考えだけでコンセントの位置を的確に決めることは困難です。
そのため、やはりプロに頼るのが最も確実な方法といえるでしょう。

ただし、プロというのは建築設計の事務所さんや工務店さんのことではありません。
電気工事の業者さんのことです。

設計の打ち合わせにおいては、電気工事の業者さんとお話しする機会があるのが一般的です。
その際に、コンセントの位置についてアドバイスをもらっておくと、後悔する事態を避けやすくなります。

まとめ

この記事では、新築におけるコンセントの位置について取り上げました。

コンセントの位置は、家電製品のタイプを固定式と移動式に分け、「積み上げ式」で考えていくのがお勧めです。

また、実際に住んだときに「コンセントが使いたい位置にない」「コンセントが家具や家電の裏に隠れる」といった問題が起こらないように、以下の3つのコツを押さえたうえで新築の打ち合わせに臨みましょう。

  • 1.間取り図から家具・家電の裏に隠れない位置を探す
  • 2.使う可能性がある場所には迷わずコンセントを設置しておく
  • 3.電気工事の専門家のアドバイスに耳を傾ける

コンセントの位置は、新築前に慎重に検討しておくと後悔することが少なくなります。
ですので、じっくりと時間をかけて考えてみてください。