新築時のLAN配線の流れ|費用や注意点も解説

LAN配線

いまや私たちの生活に欠かすことのできないインターネット。

ご自宅で映画や動画を観たり、ゲームを楽しんだりするためにインターネットを活用している人も多いのではないでしょうか?
また昨今はテレワークが推奨されていることもあり、充実したネット環境の重要度は増すばかりです。

この記事では、そんなインターネットを利用するために必要な「LAN」の配線について解説していきます。

せっかく新居に引っ越したのに、LANをきちんと配線していないと「スムーズにネットが繋がらない」といった事態になりかねません。
ぜひこの記事を参考に、LAN配線の準備を進めてください。

LANとは?

まず最初に、LANの配線に関連する以下の用語について解説していきます。

  1. LAN
  2. 有線LAN
  3. 無線LAN
  4. LANケーブル
  5. LANポート
  6. ONU(光回線終端装置)
  7. ルーター

すでに用語をご存知の方は、飛ばしてLAN配線の流れにお進みください。

LAN

LANとは「Local Area Network(ローカルエリアネットワーク)」の略で、家庭やオフィスといった限定されたエリア内で用いられるネットワークのことです。

LANは「有線LAN」と「無線LAN」の2種類に分けられます。

有線LAN

有線LANとは、パソコン・テレビといった機器と、ルーターやONU(光回線終端装置)を直接ケーブルで繋いで接続するネットワークのことです。

有線LANにするメリット

1番のメリットは、安定した通信速度でインターネットが楽しめることです。
また、電波を介さないインターネット接続であるため、セキュリティ面も比較的安全です。

有線LANにするデメリット

LANケーブルがごちゃごちゃして邪魔になる・掃除が大変であることが挙げられます。
また、ケーブルが届く範囲でしかネットが使えないため、不便に感じる方もいらっしゃるかもしれません。

無線LAN

無線LANは、電波を使って、無線でパソコンやテレビ等の機器とルーターを繋ぐネットワークのことです。
よく耳にする「Wi-Fi」は、無線LANの通信方法のひとつです。

無線LANにするメリット

LANケーブルが不要であるため、見た目がスッキリすることが挙げられます。
また、電波の届く範囲ならどの部屋からでもインターネット接続ができるというメリットもあります。

無線LANのデメリット

有線LANより通信速度が遅いほか、障害物の影響によって通信が安定しない場合があります
また、電波を使った通信をするという特性上、外部からの不正アクセス等セキュリティ上の不安もあります。

LANケーブル

パソコンやテレビ等の機器と、ルーターやONUを繋いだり(有線LANの場合のみ)、ルーターとONUを繋いだりする場合に使用されるケーブルのことです。

LANケーブル

LANケーブル

LANポート

LANケーブル用の接続口のことです。ルーターやパソコンの側面部や、部屋の壁に設けられています。
なお、LANケーブルをLANポートに接続するための、LANケーブルの先端についている端子はLANコネクタと言います。

LANポート

LANポートはパソコンや壁などに取り付けられています。

ONU(光回線終端装置)

光回線で使用される光信号を、デジタル信号に変換する装置のことです。

外から入ってきた光信号は、そのままではインターネットに接続できません。そのため、インターネットに接続できるデジタル信号に変換する必要があるのです。

有線LAN

注意
近年のインターネット回線は、高速で安定した「光回線」を導入する人がほとんどです。例えば、NTT東日本・西日本の「フレッツ光」や、KDDIの「auひかり」等が代表的です。

しかし、もし光回線ではなく固定電話の回線を利用する「ADSL」や、ケーブルテレビ回線を使用する「CATV」のインターネット回線を利用する場合は、ONUではなく「モデム」と呼ばれる変換装置が必要となります。

ルーター

ルーターは、複数の機器をインターネットに接続できるようにするための装置です。

先ほど解説したONUには、基本的にLANポートは1つしかありません。つまり、ONUだけでは1台の機器しかインターネット接続できません。そこでONUを、LANポートが複数あるルーターに接続することで、複数の機器がインターネットに有線接続できるようになります。

さらに、無線LAN用のルーターなら、Wi-Fi接続もできるようになります

無線LAN

LAN配線の流れ

では実際に、新築住宅にLANを配線するまでの流れを見ていきましょう。
LANの配線は、以下のような流れで行われます。

  1. LANポートを配線する部屋を決める
  2. 家具の配置やルーターの設置場所を決める
  3. 光回線の導入工事をする
  4. LANの配線工事をする

①LANポートを配線する部屋を決める

まずは、どの部屋にLANポートを配線するか決めていきましょう。ちなみに「Wi-Fiしか使わない」という場合も、ルーターを接続するためのLANポートは最低限必要となります。

部屋にLANポートがあれば、そこに直接LANケーブルを繋いで、有線LANでインターネット接続ができます。有線LANのメリットは先ほど解説した通り、無線LANより安定していることです。

そのため以下の例のように、確実に安定した速度でネットを利用したい場合や、無線LANだと通信速度に不安が残るという場合は、有線LANにしたほうが安心でしょう。

  • テレビで快適にYouTubeや動画配信サービス(NetflixやHulu等)を視聴したい
  • リビング・ダイニングにLANポートを配線する

  • 子どもが自室でオンラインゲームをする
  • 子ども部屋にLANポートを配線する

  • オンライン授業やテレワーク等、自宅でパソコンを使う必要がある
  • 仕事部屋子ども部屋にLANポートを配線する

反対に、そこまで頻繁にネットを利用しないような部屋であれば、無線LANルーターを設置してWi-fiを利用してもいいでしょう。

②家具の配置やルーターの設置場所を決める

LANポートを配線する部屋が決まったら、次に家具・家電の配置や、ルーターの設置場所を考えていきましょう。

家具・家電の配置

自宅の間取りを決める段階で、家具の配置場所もイメージしておき、家具の場所に合わせてLANポートの場所を決めましょう

もし家具の配置を決めておらず、てきとうな場所にLANポートを設置してしまうと、「ここにテレビを置きたいのにLANポートが遠くて置けない」「部屋の真ん中をLANケーブルが横断していて邪魔」といった後悔につながる可能性があります。

ルーターの設置場所

家具・家電の配置場所とあわせて、ルーターの設置場所も決めておきましょう。

ルーターをどこに設置するかで、無線LANの通信速度は大きく変わります。そのためご自宅で無線LANのみを使用する場合はもちろん、有線LANと無線LANを併用する場合も、設置場所には注意を払いましょう

ルーターの設置場所としておすすめなのは、以下の2点を満たす場所です。

【ルーターのおすすめ設置場所】

  1. 自宅の中心部分
  2. 室内に均一に電波を飛ばせるようになり、繋がりにくい場所が少なくなります。

  3. 2階建ての建物の場合は、2階部分
  4. 電波はルーターを中心に球体状に発信しているため、2階に設置することで建物全体に電波が届くようになります。
    LAN

つまり、2階の中心部分にルーターを設置できると1番ベストです。しかし、もし1階にルーターを設置する場合でも、床から1~1.5mの高さに設置できれば、Wi-Fiの電波は2階にも十分届きます。

参考 ルーターは2階に設置した方がWi-Fiが繋がりやすいインターネットのお話

反対に、ルーターを設置しないほうがいい場所もご紹介します。
2階の中心部分にルーターを置くのが難しい場合も、最低限次のような場所は避けるようにしましょう。

【ルーターを設置しないほうがいい場所】

  1. 床への直置き
  2. 球体状に発信されている電波の下半分が届かなくなってしまいます。

  3. 電子レンジ・冷蔵庫・テレビの近く
  4. 家電から発せられる電波が、ルーターの電波と打ち消し合って波長が弱くなる場合があります。

  5. 水槽・加湿器といった水回りの近く
  6. 電波は水中を通過すると弱くなる性質があるほか、漏電の危険もあるためです。

  7. キッチンの近く
  8. シンクによく使われるステンレスが電波干渉を引き起こす恐れがあります。

  9. 棚の中
  10. 周りを囲まれた場所は、ルーターの電波発信を阻害してしまいます。

参考 光回線ルーターの設置場所でNGなのはこの5つ!おすすめは意外なあの場所?ザ サイベース

③光回線の導入工事をする

家具の配置やルーターの設置場所を決めたら、新居でインターネットが利用できるようにするため、光回線の導入工事を施工してもらいます

光回線は電柱から引き込みます。またこの工事は、NTT東日本やKDDIといった回線業者が実施します。

光回線の導入工事
引用:NTT東日本

NTT東日本では、(1) 光回線の引き込み、(2) 光回線の屋内配線、(3) 回線終端装置(ONU)の設置までを対応してくれます。

④LANの配線工事をする

光回線の導入工事が完了したら、最後に配線業者によるLANの配線工事が施工されます。
この工事では、ルーターやONU~LANを使用する各部屋まで、壁の中に配管を通して配線していきます

LAN配線
引用:CLIP

無事に配線工事が完了し、希望の部屋にLANポートが設置されたら、LANケーブルを繋ぐことでインターネットが使えるようになっています。

LAN配線にかかる費用

最後に、LANの配線工事にかかる費用について解説していきます。

LAN配線にかかる費用は、配線工事を新築時に行うか、家が建ったあとで行うか等によって大きく変わってきます。また、いつ工事をするかによって、配線の見た目にも影響があります。

そのため、「Wi-fiを使うから有線LANは最低限でいい」とお考えの方も、ぜひ慎重に検討してみてください。

新築時にLAN配線する場合の費用

ハウスメーカーや工務店によって費用は変わりますが、一般的にはLAN配線1箇所につき15,000円前後が相場です。
つまり、例えばリビング(2箇所)、寝室、子ども部屋(2部屋分)、仕事部屋の計6箇所に配線する場合は、10万円前後であれば妥当な金額と言えるでしょう。

しかし、ハウスメーカーによっては「◯箇所まではセットでいくら」といった価格設定を設けているところもあるため、詳しくはハウスメーカーや工務店の担当者に聞いてみてください。
もし相場とかけ離れた金額を提示されたら、「建物の構造上の理由があって仕方ないことなのか?」「もっと安くすることはできないのか?」等を相談してみましょう

参考 新築時にLAN配線した方が費用は安い?インターネットのお話

空配管を通すという手もある

「LAN配線にお金をかけたくない」「Wi-fiを使うから、LANを配線するのは最低限でいい」という方は、新築時に空の配管を通しておく方法もあります。

空配管とは、あとからLANケーブルや電話線を配線する際に使えるよう、あらかじめ壁の中に通しておく配管のことです。

ちなみに、壁の中に配管を通す作業は、新築時しかできません
そのため空配管がない場合、あとからLANを配線したくなったら室内に配線しなければなりません。配線はケーブルモールで隠すこともできますが、壁の中にスッキリ収まっているのに比べ、見栄えは少し悪くなってしまいます

ケーブルモール
引用:ELECOM

なお、空配管を通す作業は、ハウスメーカーによって引き受けてくれないところもあるため、検討されている方は費用を含め担当者に相談してみてください。

あとからLAN配線する場合の費用

最後に、新築時にLANを配線せず、家が建ったあとでLANを配線する場合の費用を見ていきましょう。

あとから配線工事をする場合、新築時と違い「作業員の派遣工事費用」がかかります
ちなみに新築時は、LANケーブルの配線工事以外にもさまざまな電気配線工事をするため「作業員の派遣工事費用」は最初から工事費に含まれています。

また新築と同様、LANケーブルやLANコネクタなどの部材費も必要になります。

空配管がある場合

まずは壁の中に空配管がある場合の費用相場を見てみましょう。

空配管を使ってLAN配線工事を施工する場合の、1箇所あたりの費用は以下の通りです。

  • 作業員(1人)の派遣作業費:30,000~40,000円
  • LANケーブル(20m)の部材費:2,000円
  • LANコネクタ(2個)の部材費:2,700~3,200円

引用:新築時にLAN配線した方が費用は安い? – インターネットのお話

さらに消費税や作業員の交通費も加算されるため、費用は40,000~50,000円になります。
新築時が1箇所15,000円だったのに対し、あとから工事するほうが高くなることがお分かりいただけたと思います。

しかしその後は、配線する箇所が追加されると、「作業員の派遣工事費用」は据え置きで「部材費(5,000円前後)」が1箇所ごとに追加されるだけです。
つまり、もし配線する箇所が多い場合は、トータルでは新築時よりも安く収まる可能性があります。

空配管がない場合

空配管がない場合の費用も見ていきましょう。空配管がない場合は、見栄えが悪くなりますが、外壁を伝って屋外での配線工事を施工します。

屋外でのLAN配線工事を施工する場合の、1箇所あたりの費用は以下の通りです。

  • 作業員(2人)の派遣作業費:60,000~80,000円
  • LANケーブル(30m)の部材費:15,000円
  • LANコネクタの部材費:1,200~2,700円

引用:新築時にLAN配線した方が費用は安い? – インターネットのお話

この場合、空配管がある場合と違って作業員が2人必要になるため、派遣工事費も2倍になります。また、屋外用のLANケーブル部材費も非常に高額です。
さらに、ここに消費税や作業員の交通費も加算されるため、費用は10万円以上かかる可能性が高いです。

これらを踏まえると、やはり新築時にLANを配線しておくか、最低でも新築時に空配管だけは壁の中に通しておいたほうがいいと言えるでしょう。

まとめ

この記事では新築時のLANの配線について解説しました。

一口にLANの配線といっても、「有線LANを全部屋に設けるか?」「基本的には無線LANで過ごすのか?」「あとから配線工事をするのか?」等によって、工事内容や金額は大きく異なります。

いまやご自宅でのインターネット環境は、娯楽だけでなく、仕事をする上でも必要不可欠なものです。新居でスムーズにインターネットが始められるよう、ぜひ準備を始めていってくださいね。