木造新築でも防音は大丈夫?知っておきたい木造の防音事情と対策

新築 木造 防音

賃貸アパートやマンション暮らしだと、隣人に配慮し、生活音を出さないよう気を配る必要があります。特に、小さなお子さんのいるご家庭だと、騒音がきっかけで隣人トラブルに発展することもあるため、「早くマイホームを持って、音を気にする必要のない生活がしたい!」と考える方も少なくありません。

しかし、いざ新築一軒家を建てようと考えた際、気になるのは住居の防音性ではないでしょうか。日本の一戸建ての9割以上は木造ですが(※1)、木造と聞くと鉄筋コンクリートで建てられた家と比べ、防音性が弱い印象を受けてしまいます。都市部で一軒家を建てる場合は、隣家との距離もそう遠くはないため、防音対策の万全な家を建てたいですよね。

そこで本記事では、木造新築の防音事情について解説すると共に、自分でできる防音対策についてご紹介していきます。

木造のマイホームをご検討中の方は、ぜひ本記事をご覧ください。

※1 参考:総務省「平成30年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計結果」

木造新築の防音事情

ここでは、防音における木造住宅の特徴最新の木造住宅事情、そしてハウスメーカーが行なっている防音対策について解説していきます。

木造住宅の特徴

冒頭でもお伝えしたように、総務省の統計によると、日本の一戸建ての9割は木造住宅です。木造は古くから日本人に親しまれてきた建築様式であり、代表的に次のようなメリットを持っています。

  • 自然素材ゆえの、温かみのある空間
  • 建築資材が軽く、作業に手間がかかりにくいため建築コストを抑えられる
  • 通気性や湿度調整に優れている

一方、デメリットとしては、鉄骨造やRC(鉄筋コンクリート)造と比べ、強度や耐震性が低いことが挙げられます。また、防音についても、一般的に木造のほうが他の建築様式より音漏れがしやすいと言われています。

最近では、防音・遮音性に優れた木造住宅も

木造住宅の防音性に不安を覚える方は多くいらっしゃいますが、実は最近では、建築技術の向上により、木造でも高い防音・遮音が可能となっています。

たとえば、工務店やハウスメーカーで耳にする「高気密・高断熱住宅」では、建物に隙間ができないように作られているため、外からの音が入りづらく、入ってきた音も、壁に使用されている断熱材が吸収してくれます。

参考 高気密・高断熱の家ってどんな家? 断熱性能やメリット、デメリットを徹底解説住まいのお役立ち記事

また、企業独自の防音・遮音技術も日々進化しています。たとえば三井ホームでは、鉄筋コンクリート造と同程度の遮音性を持つ木造の床を開発しています。

参考 木造の常識を覆す遮音性で防音!入居者の不満1位「騒音」を解消|三井ホーム三井ホームの賃貸住宅

ようするに、「木造は防音性が弱い」というのは昔のイメージであり、現在では、防音性を備えた木造新築を建てることは十分可能です。

新築づくりの際に使用される防音資材

多くの顧客が防音に高い関心を抱いていることから、ハウスメーカーや工務店側も、防音をウリにした木造建築を手がける機会が増えてきました。

ここでは、家の場所ごとに、ハウスメーカーや工務店がどのような防音資材を使っているのかご紹介します。
これから新築を建てる場合は、次の一覧表を参考に、防音に優れた資材が建築に使われているかチェックしてみてください。

建築で使用される防音資材(箇所別)
場所 防音資材 ワンポイントメモ
出入り口 防音扉 通常の扉だとすき間があるため、
音漏れしやすい
・高遮音性フローリング材
・グラスウール
・ロックウール
・遮音ボード
床は上の階の物音が伝わりやすい
箇所なので、十分な防音対策が必要
内壁 ・グラスウール
・ロックウール
・石膏ボード
・仕上材
グラスウールやロックウールは、
吸音性の高い素材として幅広い場所で
使用されている
外壁 ・タイル
・コンクリート
・サイディング
木材や樹脂系の資材は、遮音性が低い
ので要注意
・二重窓
・二重サッシ
壁と比べて窓は厚さが薄いため、
厚さを増すために窓やサッシを二重にすると防音性がアップ
屋根 ・コンクリート
・瓦
下地に防音材を入れると防音効果が
さらに高まる
天井 断熱材 断熱材を設けることで、2階の音を
吸収し、屋根からの雨音が響かない効果
などが期待できる

自分でできる防音対策

新築づくりの段階で万全な防音対策をとるのが理想ではありますが、防音性を高めることは建築費用を高めることにも繋がるため、予算と照らし合わせ、ある程度は妥協しないとならないこともあります。

「建築時に防音加工ができなかったら、賃貸マンション暮らしの時と変わらずに、生活音を気にしないといけないの?」と悩んでしまいそうですが、建築後でもリフォームやDIYによって防音性を高めることは可能です。

ここでは、自分でできる防音対策法についてご紹介していきます。

防音アイテムを使って気軽に防音対策!

家の防音性を高めようと思った際、まず頭に思い浮かぶのが防音アイテムではないでしょうか。
ネット通販で簡単に手に入る物もあり、設置に時間もかからないため、すぐに実践できる防音対策として多くの人が防音アイテムを利用しています。

ここでは、数ある防音アイテムの中でも利用されることの多い代表的な防音アイテムをご紹介していきます。

防音カーテン

防音カーテン

引用:防音専門ピアリビング

防音対策を行なう上で、外せない場所が「」への対策です。外壁の厚さが20cmほどあるのに対して、窓は5mm程度の厚さしかありません。そのため、施工の段階では二重窓や二重サッシを設置することで、厚みを作り防音性を高めます。

窓部分の防音性をさらに高める方法として、防音性の高いカーテンの利用が挙げられます。防音カーテンは、生地を何重にもすることで、厚みを作り防音性を高めています。

防音はすき間を作らないことが鉄則なので、防音カーテンを選ぶ際は、カーテンレールの両端や上部も覆うタイプの商品を選んでくださいね。

防音シート・マット

防音シーツ

引用:楽天市場

壁や床の防音効果を高めたい時、気軽に活用できるのが防音シートです。壁に貼ったり床に敷いたりするだけで防音性を高められるため、お子さんのいるご家庭で重宝されるアイテムでもあります。

商品には、「吸音」「遮音」「防音」の3種類のシートがあり、どれも同じと思われがちですが、それぞれに特徴があります。次の表をご確認ください。

遮音シート 吸音シート 防音シート
音を遮断する 音を吸収する 音を遮断・吸収する

音を通さない「遮音シート」だけで防音になるのでは?と思われがちですが、遮音性だけを高めてしまうと、室内の音が反響しすぎてしまい、逆にストレスに感じてしまうことがあります。反響音の大きな場所の例としてはトンネルが挙げられますが、生活音がトンネルの中にいる時みたいに反響するのは、居心地が悪そうですよね。

一方、「吸音シート」は、反響音も含めた音全般を吸収する働きを持っています。しかし、吸音するだけだと今度は不自然なほど反響音が無くなるため、吸音シートだけでは不十分な防音対策といえます。

防音を考える際には、遮音と吸音のバランスを意識し、音の反響が自然になるように調整することが重要です。

吸音パネル・吸音ボード

吸音パネル

引用:防音材・吸音材の専門『防音対策ならソノーライズ』

吸音パネルは、音を吸収し、音の反響を抑えてくれる防音アイテムです。壁に設置する製品で、音楽スタジオや会社の会議室、病院や学校といった幅広い場所で利用されています。

設置方法は、ジョイナーと呼ばれる部材にパネルをはめ込み、それを壁に両面テープで貼り付けるやり方や、突っ張り棒を使ってパネルを壁に固定するやり方があります。

ジョイナージョイナー
突っ張り棒突っ張り棒

引用:Yahoo!ショッピング, 楽天市場

複雑な工程がなく自分で設置が可能なため、楽器の演奏やホームシアターの上映を行ないたい場合の防音対策として、有効なアイテムといえます。

1部屋だけの防音なら、防音室の設置を

今までの解説から、木造新築でも施工時や施工後の防音対策を行なえば、十分な防音性を持てることがおわかりいただけたと思います。

ですが、ここで1点注意するポイントがあります。「自宅で楽器の演奏をしたい」「大音量で映画を視聴したい」 といった場合、建物全体の防音性を高めるよりは、防音室などを設け、局所的に防音レベルを高めるほうが効率的です。

なぜかというと、演奏音などをしっかり防音するためには、相当の防音対策が必要だからです。建物全体の防音性をそのレベルまで引き上げることは、コスト的にかなり割高となる恐れがあります。

そこでここでは、「自宅で楽器の演奏をしたい」「大音量で映画を視聴したい」といった方にイチオシの「防音室」について解説していきます。

防音室の特徴

防音室

引用:富士住建

防音室とは、その名の通り防音性を高めた部屋のことです。
外に音が漏れないよう、遮音材・吸音材・制振材といった防音効果の高い建築資材を使用して、部屋は作られます。防音室を作ることで、「自宅でピアノやギターなどの楽器を練習したい」「カラオケやホームシアターを楽しみたい」といった願望を、新築を建てるタイミングで叶える方も多くいらっしゃいます。

新築を建てる時にハウスメーカーや工務店へ設置を依頼することも可能ですし、新築建設後にリフォームで作ることもできます。

防音ブースとの違い

防音室のほかにも、防音ブースで防音性の高い個室スペースを作ることも可能です。防音ブースとは、部屋に設置するタイプの小型防音室のことで、楽器の演奏や歌を自宅でも行ないたい方に人気のある製品です。

防音ブース

引用:株式会社リンテック21

防音性やサイズにもよりますが、安い製品で数万円、高い製品であれば100万円を超える防音ブースもあります。一般的に、部屋全体を防音室に変えるよりコストが抑えられるのが防音ブースの特徴です。

防音室と比較したデメリットとしては、サイズが0.5〜3畳と小さいことや、製品によっては防音効果が低く、楽器の演奏などをすると音漏れが目立つ点などがあります。
中にはヤマハのアビックスのように、サックスのような大きな音でも防音可能なブースも存在するので、用途や予算を踏まえた上で、防音室にするかブースにするかをご検討ください。

参考 ヤマハ | 防音室・調音パネルヤマハ | 防音室・調音パネル

費用

防音室の設置費は、部屋の広さや防音レベルにもよりますが、ホームシアターや仕事用であれば6畳で80万円から、ピアノなどの楽器演奏用であれば、6畳で270万円以上を目安に考えておくといいでしょう。
参考 防音室価格|防音室・防音工事・対策は環境スペースにお任せ|サウンドゾーン防音室・防音工事は環境スペースにお任せ|サウンドゾーン

防音室を作る時の注意点

防音室を作る場合、重要なのが防音室の遮音性能です。
次の表は、日本建築学会の設定した遮音性能の目安を表したものです。

遮音性能の目安表
音の種類 D-55 D-50 D-45 D-40
ピアノ・ステレオなどの大きな音 かすかに聞こえる 小さく聞こえる かなり聞こえる 曲がはっきりわかる

参考:日本建築学会

D値というのが遮音レベルを表した数値で、D値が大きいほど遮音効果が高く、音漏れの少ない防音室といえます。

ピアノのような音の大きな楽器を使用する場合、少なくともD50の遮音性能は欲しいところです。もちろん、遮音性能を高めるにつれて費用も高くなる傾向にあるため、防音室を作る際は、「どのような用途で、どの程度の遮音性能を備えた防音室にするか」を、事前に施工業者と相談することが大切です。

まとめ

新築を建てる場合、ほとんどのご家庭は木造建築を選びます。
鉄筋と比べ、木造は防音面が心配と感じる方も少なくありませんが、本記事でご紹介したように、建築中や建築後の対策を十分にとれば、騒音トラブルのない快適な生活づくりが実現可能です。

本サイト『コノイエ』では、新築住宅を建てる上で役立つヒントをたくさん掲載しています。
防音以外にも確認しておきたいことがあれば、別の記事もぜひチェックしてみてください。

参考 「新築・建て替え」の記事一覧 | コノイエコノイエ