新築のパウダールームづくりのポイント|ところで化粧はどこでする?

新築のパウダールーム

女性にとって毎朝の化粧は、一日のモチベーションを上げるためのスイッチのようなもの。そのため、化粧をする場所は女性にとって特別な場所です。

高級ホテルのようなパウダールームとまではいかなくても、「オシャレで気分の上がるパウダールームが、うちにもあったらいいなぁ」と考えている方も多いかと思います。

本記事では、新築のお家にパウダールームをつくりたい方に向けて、パウダールームづくりのアイデアをご紹介いたします。また、化粧をする場所ごとのメリット・デメリットについても解説していきます。

ぜひ、素敵なパウダールームづくりの参考になさってください。

そもそも、パウダールームってどんな部屋?

実は、欧米において「powder room(パウダールーム)」は、「トイレ」を表す言葉として使われています。

とくに、ホテルやレストランといった公共の場にある「婦人用トイレ」に限定して使われることが一般的です。

これは、外出先で女性が化粧直しをする際に、男性の目に触れないトイレを利用するためです。

日本においては「洗面所」を指すことが多い

日本でも、公共の場においてはトイレのことをパウダールーム(あるいは化粧室)と呼ぶことがあります。

しかし一方で、住宅の「洗面所」のことを日本ではパウダールームと呼ぶケースが広く浸透しています。※ちなみに、洗面所の正しい英訳は「wash room(ウォッシュルーム)」です。

また、洗面所だけでなく、化粧をするために寝室やリビングなどの一角に設けたスペースのことを、パウダールーム(あるいはパウダーコーナー)と呼ぶケースもあります。

パウダーの由来は「小麦粉」

パウダールームの語源

パウダールームの由来は、小麦粉のパウダーからきています。
フランスにおいてカツラが正装だった時代に、カツラと自毛の境目をぼかすためにカツラに小麦粉を振りかける風習があったそうです。
上の図のように、小麦粉をふりかけ身支度を整えるための部屋がパウダールームと呼ばれていました。

パウダールームづくりで失敗しないためのアイデア

本記事をご覧の方は、新築を機にパウダールーム(化粧をするスペース)をつくりたいとお考えかと思います。

そこでまずは、いくつかの事例を参考にパウダールームづくりを成功させるためのアイデアをご紹介いたします。

【事例1】2名以上で同時に使用したい

2名以上で同時に使用できるパウダールーム
広々としたカウンターと、2つ並んだ洗面ボウル。これなら、忙しい朝も家族で仲良く身支度を整えることができます。

画像引用:SUVACO|Renovation_MGH601

通勤や通学の準備をする朝の時間帯は、洗面所を使いたいタイミングが家族同士で重なってしまうもの。

遅刻しそうな日に限って…」と、イライラした経験は、皆さん一度はあるでしょう。

そんな事態を避けるためには、カウンターをワイドにし、2台の洗面ボウルを設置するのがおすすめです。

【事例2】明るく開放的な雰囲気にしたい

明るく開放的なパウダールーム
大きな窓のあるパウダールーム。明るく開放的な空間となっています。

画像引用:パウダールーム(日吉台の家) - バス/トイレ事例|SUVACO(スバコ)

洗面所は、家の間取りの中でもとくに小さな空間。そのため、圧迫感が出て閉鎖的になりがちです。

開放的な雰囲気を演出するためには、外の景色が見える大きな窓をつけるのがおすすめです。

窓から入ってくる明るい自然光によって、化粧の色味が見やすい利点もあります。

【事例3】汚れが目立たず清潔感のある空間にしたい

汚れが目立たないパウダールーム
全体的に明るい色で統一されたパウダールーム。ライトグレーのタイルを使っているので、汚れが目立ちません。

画像引用:SUVACO|Y邸

清潔感が求められるパウダールームにおいては、内装を明るい色味で統一することをおすすめします。

真っ白では汚れが気になる方は、事例のようにライトグレーを用いると汚れがさほど目立たなくなりますよ。

【事例4】生活感を隠して洗練された雰囲気にしたい

生活感がないパウダールーム
大容量の収納があり、生活感が見えないパウダールーム。

画像引用:SUVACO|6COURT-HOUSE

タオルなど、なにかと生活感が出やすいアイテムを使用するパウダールーム。出来る限り生活感が表に出ないよう、収納をたっぷり用意しましょう。

敷地面積に余裕のない方は、事例のように鏡の裏を収納棚にすることでスペースを有効活用できます。

化粧のしやすい場所は人によって違う

ところで、これからパウダールームのある新築を建てようとお考えのみなさんは、いま住んでいるお家のどこで化粧をしていますか?

もしもあなたが洗面所で化粧をする習慣がないならば、「新築のパウダールームは絶対に洗面所!」と決めつけてしまうのは少し危険かもしれません。

化粧をする場所は、「洗面所」と並んで「リビング」が人気を分けており、その他にも「寝室のドレッサー」「ウォークインクローゼットの中」といったバリエーションがあります。そして、人によって暮らし方に馴染む使いやすい場所が異なるのです。

それぞれのメリット・デメリットをご紹介しますので、今一度、どこで化粧をするのがベストか考えてみましょう。

洗面所

洗面所の事例
一般的なサイズ感の洗面所。可愛らしい雰囲気ですが、化粧をするには不便そうです。

画像引用:みんなの寄り添うおうち|施工事例|太陽住宅株式会社|滋賀県の分譲地・新築注文住宅

歯磨き、化粧、ヘアセットなど、朝の身支度を一通り済ませることができる洗面所。化粧をする場所として人気なのは、当然のことですよね。

しかし、いくつかのデメリットもあるため、洗面所で化粧をしない人も一定数いるようです。

洗面所で化粧をするメリット・デメリットは、下記の通りです。

メリット
  • 洗面台の大きな鏡の前で化粧ができる
  • 収納スペースがあるのでメイクBOXの持ち運びが不要
  • 「洗顔→スキンケア→化粧」という一連の流れがスムーズ
  • 水道があるので手についた化粧品をこまめに洗える
デメリット
  • 家族も使う場所だから、ゆっくりと化粧ができない
  • 洗面台があるぶん、鏡までの距離が遠い
  • 立ったまま化粧をするのは疲れる
  • 椅子を置いたときにシンク下に脚が入らない
  • 椅子を置いたときにシンク下に脚が入らない
  • 冬場の洗面所が寒くて長時間いることができない
対策
  • 複数名で使えるワイドタイプのカウンターにする
  • 化粧を至近距離で確認できる小さな鏡を置く
  • カウンターの下に椅子を引けるスペースを設ける
  • 冬場の寒さ対策として空調設備を導入する

下の写真のようにデメリットへの対策を行うと、パウダーコーナーとしてふさわしい使い勝手の良い洗面所になります。

対策後の洗面所の事例
複数名で使用できる洗面所。椅子を置けるようになっており、小さな鏡も置いてあります。

画像引用:住友林業|毎朝のメイク&コーディネートが楽しくなる!「わたしの楽屋」を作ろう

リビング

リビングで化粧をする事例
リビングのタイニングテーブルで化粧をする場合は、通常このようにBOXを持ち運びし、小さな鏡を使用します。

画像引用:くらしのよみもの|【プロのお家は『どうしてる?』】メイクグッズ収納

洗面所と並び化粧スペースとして人気なのが、暮らすうえでメインの空間となるリビングです。

化粧品や鏡など化粧道具一式をBOXに入れて持ち運び、ダイニングテーブルで化粧を行う人が多いようです。

リビングで化粧をするメリット・デメリットは、下記の通りです。

メリット
  • テレビを見ながら化粧ができる
  • 化粧をしている間、小さな子供から目を離さずに済む
  • リビングの大きな窓から入る自然光で化粧がしやすい。
デメリット
  • 化粧品をいちいち持ち運ぶことが億劫
  • 食事をするスペースで化粧をすることは行儀が悪い
  • テーブルの上に化粧道具を置きっぱなしにしがちで片付かない
  • 大きな鏡で化粧ができない
対策
  • キッチンカウンターの端やリビングの隅など、目立たない場所に備え付けの化粧スペースを設ける。

子育て中のママさんなど、リビングから離れづらい方に人気なのがダイニングテーブルでの化粧です。しかし、行儀の悪さをご自身が後ろめたく感じているケースやご主人が嫌がっているご家庭もあるようです。

そんな方は、下の写真のように備え付けのパウダーコーナーを設置すると良いでしょう。

リビングの備え付けメイクスペース
画像のリビングの一角に備え付けの化粧スペースをつくった事例です。これならば、リビングにいながら化粧ができるうえに、BOXを持ち運ぶ必要もなく大きな鏡で化粧ができます。

画像引用:北欧、暮らしの道具店【スタッフの愛用品】リビングの一角にメイクスペースを作ってみました。

寝室のドレッサー

寝室のドレッサーの事例
寝室に設置されたドレッサーです。きちんとした印象がありますが、広い寝室でなければドレッサーの設置は難しそうです。

画像引用:dinos|AlusStyle/アルススタイル チェストシリーズ 三面鏡ドレッサー 幅80.5cm

ひとむかし前の日本では、女性は嫁入り道具にドレッサーを持たされ、そのドレッサーを夫婦の寝室に置くスタイルが一般的だったようです。

ちなみに、国民的アニメであるサザエさんにも、マスオさん、サザエさん、タラちゃんの3名が寝る部屋に、ドレッサーが置いてあります。

寝室で化粧をするメリット・デメリットは、下記の通りです。

メリット
  • 行儀が良く、きちんとした印象がある
  • 自分専用のドレッサーで優雅に化粧をすることは女性の憧れ
  • ゆったりとした気持ちで化粧ができる
  • 就寝前の時間にスキンケアなどできる
デメリット
  • 起床後に再び2階の寝室に行くのが面倒
  • 夫が寝ていて室内が暗いときは化粧ができない
  • そもそもドレッサーを置くスペースがない
対策
  • 奥様の自室がある場合は、誰にも邪魔されず美容に集中できるのでオススメ
  • 備え付けのドレッサーをつくれば、省スペースでの設置が可能
  • 備え付けのドレッサーであれば、部屋全体に一体感が生まれ洗練された印象になる

憧れのドレッサーですが、寝室に置くためにはある程度の広さが必要です。

寝室を広く取れない方は、下の図のように新築時に備え付けのドレッサーをつくることをおすすめします。

寝室の備え付けのドレッサー
寝室のドレッサーは、備え付けにすることで省スペースでの設置が叶います。また、置型の家具よりも洗練された印象になります。この写真は寝室に作業スペースを備えている事例ですが、鏡や引き出しを設置してパウダールームを備え付けることもできます。

画像引用:【画像事例】タイプ別の寝室壁面収納コーディネートと3つの収納術をご紹介|DAIKEN-大建工業

ウォークインクローゼットの中

ウォークインクローゼットの化粧スペース
ウォークインクローゼットの中に、ドレッサーが置いてある事例です。海外でよく見るスタイルですが、かなり広いスペースが必要です。

画像引用:メイクアップバニティ(ドレッサー)海外で人気のDIYスタイル! | Modern Glamour モダン・グラマー <美とクローゼットの法則>

海外のラブコメ映画などで見かけることが多い、ウォークインクローゼットの中に化粧スペースがあるスタイル
家が広い海外だからこそ可能なことかもしれませんが、もしも実現できたなら素敵ですよね。

ウォークインクローゼットで化粧をするメリット・デメリットは、下記の通りです。

メリット
  • 全身のコーディネートと合わせて化粧ができる
  • 身支度をしている姿を家族に見られずに済む
  • 海外映画のヒロインのような気分が味わえる
デメリット
  • すぐ近くに水道がないため手が洗えない
  • 照明を明るくしないと化粧がしづらい
  • 広いウォークインクローゼットが必要
対策
  • オレンジ色に見える電球色ではなく、色の識別がしやすい照明や自然光を使う
  • ロフトなどのスペースを有効活用し、大きなウォークインクローゼットをつくる

土地の狭い日本の住宅の場合、下の写真のようにロフト部分の空間などを有効活用するのがおすすめです。

ウォークインクローゼットのパウダールーム
スペースを上手につかったウォークインクローゼットの化粧スペース。天窓があるため、明るい自然光の中で化粧をすることができます。

画像引用:Tagle|クローゼットパウダーコーナー

新築のパウダールームづくりについてのまとめ

本記事では、新築のパウダールームづくりのポイントや化粧をする場所のアイデアをご紹介してきました。

化粧は、女性にとって毎朝のルーティンとも言える作業です。おしゃれで洗練されたパウダールームをつくることで、気持ちよく一日のスタートを切ることができるでしょう。

また、化粧をするためのスペースにもいくつかの選択肢があります。使い勝手が良いパウダールームをつくるためには、化粧をする場所から考えてみるとよいでしょう。

著者情報

コノイエ編集部

コノイエは、東京都港区に本社を置く株式会社アールアンドエーブレインズが運営するオウンドメディアです。累計80,000人以上が利用する「解体無料見積ガイド」の姉妹サイトとして、住宅関連コンテンツを発信しています。人が生活する基本となる「衣・食・住」の中でも、コノイエでは「住」にフォーカスして独自の情報をお届けします。

監修

中野達也

一般社団法人あんしん解体業者認定協会 理事
解体工事業登録技術管理者
公益社団法人 日本建築家協会(JIA)研究会員
一般社団法人東京都建築士事務所協会 世田谷支部会員

静岡県出身。日本全国の業者1,000社超と提携し、約10年間で数多くの現場に関与。自身でも解体工事業登録技術管理者としての8年間の実務経歴を持つ。現在では専門家として、テレビ番組をはじめとする多数メディアに出演。これまでに一般家屋はもちろん、マンション、ビルなど様々な建物の取り壊しに従事し、工事を行いたい施主、工事を行う業者の双方に精通している。また、大手から中小まで様々な規模の住宅メーカーへの販促支援、コンサルティング事業に携わり、住宅購入者心理の理解を深める。家を「壊す」ことと「作る」ことの専門家として、全国の提携パートナーと共に家をとりまく様々な問題に取り組んでいる。

出演メディア
ひるおび!(TBS系列)、情報ライブ ミヤネ屋(日本テレビ系列)、バイキングmore(フジテレビ系列)、他多数...

当協会の運営サイト「コノイエ」は、工務店・ハウスビルダー・建築家・建築設計事務所等の500以上のインタビュー記事を掲載。また、新築・建て替えを検討中のユーザーにとって有益となる情報を発信しています。
当協会は、建て替えに伴うお住まいの取り壊しのご相談を年間で2,500件ほど承っており、各地域の住宅関連会社の情報が集まります。今後も「コノイエ」では、新築ユーザー様の発注先や評価、住宅関連会社様への独自インタビューといった当協会ならではの独自のリアルな情報をお届けします。


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