リスクに備えて!新築を建てる際、やっておきたいシロアリ対策

新築シロアリ_アイキャッチ

将来、シロアリ被害に遭わないためには、新築時から対策をしておくのが効果的です。

ここでは、シロアリを出さないために、新築だからこそできるシロアリ対策についてご紹介します。
また、これからハウスメーカーや工務店に足を運ぶ方へむけて、実際に「確認しておくといいこと」についても解説いたしますので、ぜひ参考にしてください。

シロアリ対策の疑問

まずは、シロアリ対策の基本的な疑問を解消しましょう。

1.シロアリ対策は義務?

シロアリ対策は、家を建てる業者側も買う側も、義務ではありません。
住宅瑕疵担保制度(かしたんぽ)という保険に入ることは、義務付けられていますが、「シロアリ被害は保険の対象ではない」ため、注意が必要です。

住宅瑕疵担保制度とは?
家が傾いているなど、「住宅の構造部」に欠陥が発覚した場合、住宅を建てた”すべて”の建設会社が、最初の10年間無償で直してくれる法律のこと。

2.シロアリ対策にかかる費用は?

シロアリ対策でかかる費用は、発注先などによって異なりますが、1坪(畳2枚分)につき3,000円~8,000円程度が相場と言われています。
ちなみに、費用は1坪、または1m²(平方メートル)の単位で書かれていることが多く、1坪とは畳2枚分くらいの大きさ、1m²は畳半分くらいの大きさです。

また、一般財団法人経済調査会の統計によると、シロアリ駆除費用の相場は1坪当たり10,725円です。(1㎡あたり3,250円。)
予防にかける費用より、駆除費用が高いため、シロアリ対策は義務ではないですが、やっておいた方が賢明と言えます。

3.シロアリ被害の確率は?

国土交通省は、2013年、「シロアリ保証期間を過ぎた物件」、「保証期間内の物件」、「過去6年以内にシロアリ駆除履歴のある物件」から、全国5,000件以上を対象とした「シロアリ被害調査」を実施しています。

このシロアリ被害実態調査報告書によると、床下のシロアリ発生率は、1,004棟/5,322棟。(北海道、青森、山形、山梨、岡山、高知、沖縄は対象外。)約5軒に1軒のシロアリ被害率でした。

シロアリ被害実態調査報告書

引用:国土交通省/シロアリ被害実態調査報告書

また、築年数別被害発生率によると、一旦、シロアリ被害を受けた建物は「再度、シロアリ被害に遭う確率が高い」とも出ています。

新築時にできるシロアリ対策

さて、前章でシロアリ対策は義務ではないこと」、「シロアリ駆除費用の方が、予防費用よりも高いこと」、「シロアリの被害率は決して少なくないことがわかりました。

では、実際にシロアリ被害に遭わないためには、新築を建てる際、どのような点に気をつければよいのでしょうか?
新築時にしておくべきシロアリ対策は、大きくわけて下記4つです。
詳しく見ていきましょう。

  • 目視でシロアリ点検ができる造りにする
  • 木材は何を使うか、シロアリ被害に遭いやすい木材について知る
  • シロアリが出にくい薬剤を使う
  • 通気性を意識した造りにする

1.目視でシロアリ点検ができる造りにする

残念ながら、シロアリは何ミリと小さいため、「完全にシロアリが入ってこない家」を造る方法は現時点でありません。
そのため、もしシロアリが外から中へ入ってきてしまっても、「シロアリを発見できる家」にしておくことが大切なんです。

シロアリは、蟻道(ぎどう)と呼ばれるシロアリ専用の通り道を土の中に作って、その中を移動します。
つまり、「シロアリを発見できる家」というのは、この「蟻道」を発見できる家ということです。

下記は、床下で発見された蟻道の写真です。
木材に向かって「5ミリ程度の筋」がありますが、これが蟻道です。
シロアリは土の中にいるため、もし移動中であれば、この蟻道を崩すとシロアリが発見できます。

蟻道写真

引用:株式会社雨宮/蟻道写真

蟻道やシロアリを見つけるためには、床下を確認する点検口の設置が必要です。
この点検口は、台所などにある床下収納庫などのことを指します。

さらに、ただ点検口を設置するだけでなく、メンテナンスを行うために必ず、人が入れる大きさにすること、隣の部屋に移動するための通気口を設置して、くまなく確認できる造りにすることも重要です。

2.木材は何を使うか、シロアリ被害に遭いやすい木材について知る

下記は、それぞれ、シロアリ被害に遭いやすい木材と遭いにくい木材です。

シロアリに強い木材 チーク、ヒノキ、ヒバ
シロアリに弱い木材 ホワイトウッド、スプルース、エゾマツ

ただ、こういったシロアリに強い木材を使用しても、シロアリ被害に遭うことはあります。

さらに、同じ木材でも、樹の中心部分の「心材」を使うか、樹の外側に近い部分「辺材」を使うかでも変わり、シロアリ対策に有効なのは、水分の少ない心材と言われています。

ちなみに、ホワイトウッドは費用が安いことから、建築で使われることも少なくないため、「シロアリ対策」を重視している場合は注意が必要です。

ホワイトウッド

引用:木材博物館/ホワイトウッド

3.防蟻処理とは?シロアリが出にくい薬剤を使う

シロアリ対策を考えている方であれば、「防蟻処理」(ぼうぎ)という言葉をご存知の方もいるのではないでしょうか?

防蟻処理とは?
シロアリが発生するのを防ぐために、シロアリ予防に効果があるとされる薬剤を土に撒いたり、木材に塗ったりすること。

この防蟻処理は、土壌処理と木材処理の2つの処理方法があります。

土壌処理 土に薬剤を撒く手法
木材処理 木材に薬剤を塗る手法
木材に薬剤を吹き付ける手法
木材を内部に注入する手法

ここで重要なのが、どの薬剤を使うかです。

現在多く使われているのが、「ネオニコチノイド系」の薬剤と言われています。
ネオニコチノイドは、農薬として重宝されている化学物質ですが、現在は、建材としても多様されています。

ただ、EUでは、神経発達障害との関連性が公式発表され、使用も禁止されていることから決して安全とは言い切れません。
そこでおすすめの薬剤が、「ホウ酸」です。

ホウ酸

ホウ酸は、目薬にも配合されているように、安全性が高く、効果が半永久的に続くと言われています。
対して、ネオニコチノイド系の薬剤の効果は5年ほどです。

ただ、値段がネオニコチノイド系の薬剤の方が数万円ほど安いため、長期的な効果を取るのか、値段を取るのかという視点で考えてみてください。

ホウ酸は、日本ではあまりメジャーではないため、ホウ酸を推進している工務店やハウスメーカーは少ないのが現状です。
スウェーデンハウスさんは、ホウ酸を標準採用しており、シロアリ対策や耐久性に強みを持った会社です。
気になる方はチェックしてみてください。

スウェーデンハウス

引用:スウェーデンハウス

4.通気性を意識した造りにする

シロアリは湿気のある場所を好むため、木材を乾燥させ、通気性の良い状態を維持するのも効果的です。

先程、床下点検口が必要と話しましたが、日本の床下は、「湿度が高く、通気性もよくない」と言われています。
そのため、特に床下点検口は、通気性を意識して造ることが大切です。

さらに、壁の中の通気性も意識すると、なおいいです。
壁の中の通気性が悪いと、結露が発生してしまい、シロアリ発生や木材が腐る原因になるからです。
そして、このデメリットを解消できるのが、透湿防水シート呼ばれる材料で壁を覆う「外壁通気工法」です。

外壁通気工法

引用:旭・デュポン フラッシュスパン プロダクツ株式会社

外壁通気工法とは?
建物の壁内部を乾燥させる工法。透湿防水シートと言う湿気を通し、雨を通さない材料を壁全体に覆うことで、湿気を外に出すことが可能。

ただ、この通気工法は、火災時に火が拡大してしまう危険や、外壁の強度が落ちてしまうといったデメリットともあります。
シロアリ対策としてはいいですが、家を造る際はこういったデメリットも把握した上で、どうするか判断してくださいね。

シロアリ対策ちゃんとしている?ハウスメーカー・工務店選びで確認したいポイント

本章では、具体的にハウスメーカーや工務店など、建設会社を選ぶ際に、チェックしておきたいポイントについてお話しします。

1.基礎断熱工法にするかしないか?する場合の対策方法について

基礎断熱工法とは?
床下空間も室内空間のひとつとして認識し、基礎の内側に断熱材を敷く工法のこと。
基礎断熱工法と似ている工法で、床断熱工法がありますが、これは反対に、床下空間を室外と捉え、床下に断熱材を敷き詰める工法です。
床断熱と基礎断熱

引用:断熱ソムリエ

基礎断熱工法は、床下を暖かく保てますが、床下からの換気がなく、シロアリが発生しやすい工法です。
対して、床下断熱工法は、床下換気口を設置するため、風通しがよくシロアリは発生しにくいですが、冬は基礎断熱工法に比べ寒いのが欠点です。

そのため、シロアリは心配だけど、リスクも承知の上で基礎断熱工法を選ばれる方も多くいらっしゃいます。
基礎断熱工法にする場合は、できれば「シロアリ対策」にも力を入れている会社に頼むのが、おすすめです。

例えば、城東テクノさんは、「Joto基礎断熱工法」という独自の断熱工法を行っています。
これは、コンクリート基礎と土台との間に、部材を挟むことで、床下換気口を設置せずに換気できる工法です。

ちなみに、採用した場合、10年以内のシロアリ被害に対し、約1,000万円の保証もついてきます。気になる方は検討してみてください。

JOTO基礎断熱工法

引用:城東テクノ株式会社

2.シロアリ対策の保証期間について

シロアリの保証期間は多くの場合、最大で5年と言われています。
この保証期間中は、万が一シロアリが出ても無料、または格安で駆除や被害場所を直してくれます。

ただ、保証期間を過ぎてからシロアリが発生してしまった場合、駆除の費用とあわせて、家の修繕費用も発生するため、再度予防することが大切です。
5年ごとに予防したくないという方は、先述でお話しした、ホウ酸の薬剤を使って施工してもらえないか、相談してみてください。

補償金額や保証内容は、工務店やハウスメーカー、シロアリ駆除業者などシロアリ保証を頼む先によって異なります。
事前によく確認しておくとよいでしょう。

ちなみに、城東テクノさん以外にシロアリ保証期間が10年と長い会社は、一条工務店さんや、ホウ酸処理を行っているスウェーデンハウスさんなどです。

3.シロアリ対策についての説明が適切か?

新築を購入する際は、営業マンと話しをすることになると思いますが、その際はしっかりシロアリ対策についての話も進んでしてくれているか、正確な情報を持っているか確認してみてください。

営業マンの中には、シロアリ対策について知識が不足していたり、売りたいばかりにいい加減な情報を伝える人もいます。
例えば、鉄骨造の建物だからシロアリ被害に遭わないと言う営業マンもいますが、それは誤った情報です。
シロアリは木材だけではなく、鉄骨やコンクリートも食べるため注意が必要です。

まとめ

シロアリ対策は、まだ起きていないリスクに対しての対策となるため、新築時に注目することは少ないかもしれません。
ただ、長期的に見ると新築時だからこそできる、やっておきたい対策でもあります。

ぜひ、シロアリ対策についても親身になって相談にのってくれる会社に頼んで、安心で快適な家を目指しましょう。