新築の屋根選びでお困りの方へ、屋根の特徴【全8種類】を詳しく解説

屋根の特徴8種類を詳しく解説

これから建てる念願の新築、せっかくなら外観にもこだわりたいですよね。特に、屋根はお家の雰囲気に関わるだけでなく、屋根の種類や材質で性能が変わってきます。それぞれの屋根が持つ特徴をつかんで、ご自身にぴったりの屋根を見つけましょう。

屋根の種類と相性が良い屋根材を知ろう

屋根選びでは、屋根の種類ごとに正しい組み合わせで屋根材を選ぶことが大切です。デザインだけでなく、それぞれの特徴を活かして機能性にも優れた屋根にしていきましょう。 ここからは、代表的な8種類の屋根と、それぞれの屋根に相性が良い屋根材もあわせてご紹介していきます。

1.切妻屋根(きりつまやね)|日本で最もオーソドックスな屋根

シンプルな構造で工期が短く、初期費用を節約できるのが魅力です。断熱性が高く、屋根裏のスペースを活用できるといったメリットがあり、幅広く愛用されています。基本的にはどの屋根材とも相性が良く、和風、洋風どちらのデザインにも取り入れられます。

  • 日本で一番採用されている屋根
  • 基本的にどの屋根材とも相性が良い
  • 和風、洋風どちらのデザインにもつかわれている
参考 屋根の形 切妻と片流れ 寄棟どれがいい? メリットとデメリットテイガク屋根修理

切妻屋根の施工例:スレート材

切妻屋根(きりつまやね)

引用:天然スレート、粘板岩の特徴を紹介します。|無添加住宅

切妻屋根と相性が良い屋根材
瓦、スレート、ガルバリウム鋼板
耐震性が高く人気の屋根材

スレート材は薄くて軽いのが特徴です。住宅に与える負荷が小さく耐震性に優れています。一方で割れやすい、コケやカビが生えやすい、といったデメリットがあり、メンテナンスが必要な点も注意が必要です。とはいえ、人気の屋根材で取り扱っている業者さんが多いので、気になる方は相談してみてください。

スレート材は主に2種類

スレートには粘板岩(ねんばんがん)を素材として作られた「天然スレート」と、コンクリートを固めて作った「化粧スレート」の2種類があります。天然スレートは独特な青と黒の発色で高級感があるのが特徴です。一方、化粧スレートはカラーバリエーションが豊富で、外壁にあわせて色を選ぶことができます。天然スレートに比べて費用が抑えられるのも特徴です。

スレート材

天然スレート(左)、化粧スレート(右)

引用:天然スレート屋根は高級感たっぷり!本物は違いますね~!|kamisei
引用:屋根材「スレート」とは?その特徴とメリット・デメリットを解説!|外壁塗装ほっとらいん

参考 【建築用語】屋根材・スレートとは?基礎知識とメリット・デメリット外壁.com

2.招き屋根(まねきやね)|機能性を秘めた万能な屋根

切妻屋根をベースに、片面の一部が少し短くなった形の屋根です。切妻屋根に比べて屋根裏に大きな空間ができるので、ロフトや収納といったスペースを確保できるのが魅力です。

窓をつけると室内が広く見えるだけでなく、通気性もアップするので、夏場も快適に過ごすことができます。雨風の影響を2つの屋根にそれぞれ分散することで、頑丈なつくりになっているのもポイントです。

  • 屋根裏のスペースを活用できる
  • 窓を付ければ室内が広く見えて通気性も上がる
  • 雨風に強い
参考 最高の屋根、招き屋根の数少ないデメリットと5つのメリットとは?住宅総合研究所 ハウス情報ドットコム

招き屋根の施工例:ガリバリウム鋼板

招き屋根(まねきやね)

引用:リフォームで人気!ガルバリウム鋼板屋根の特徴・費用・メンテナンス方法とは?|リショップナビ

招き屋根と相性が良い屋根材
ガリバリウム鋼板、スレート材、瓦
現在、最も主流な金属素材

切妻屋根と同様に、どの屋根材とも相性が良い招き屋根。写真の例は、ガリバリウム鋼板という金属性の屋根材を用いた施工例です。ガリバリウム鋼板は現在、最も使われている屋根材のひとつで、一番の魅力は錆びにくさにあります。耐久性に優れていて、40年以上保つものもあるようです。

自然素材を使ったより強力な鋼板にも注目
ガリバリウム鋼板の表面に自然石を付着させた屋根材を「ジンカリウム鋼板屋根材」といいます。表面の自然石が鋼板の色褪せを防いでくれるので、さらに屋根の寿命を伸ばせるのが特徴です。「石粒付き鋼板」や「自然石粒仕上げ鋼板」、「ストーンチップ鋼板」といわれることもあります。
参考 【高品質・石粒付き】ジンカリウム鋼板屋根材についてテイガク屋根修理

3.寄棟屋根(よせむねやね)|安定感あるデザインが魅力

建物の四方向に面がある屋根で、雨風に強く安定感があるのが特徴です。建物のどの方向にも屋根があるので、方向を選ばずお家を建てることができ、バランス良く外壁の劣化を抑えることができます。切妻屋根や招き屋根に比べて水はけがよく、雪などが溜まりにくいといった点も魅力です。ただ、屋根裏のスペースは狭くなるので、収納やロフトを確保するのは難しくなります、換気などに気をつけて通気性を配慮した設計にしたいですね。

  • 雨風に強く、安定感がある
  • 外壁の劣化が抑えられる
  • 水はけが良い

寄棟屋根の施工例:スレート材

寄棟屋根(よせむねやね)

引用:スレート屋根はどんな屋根形状がいいの?寄棟屋根がいいですよ!|kamisei

寄棟屋根と相性が良い屋根材
ガリバリウム鋼板、スレート材
外観にとらわれず広々とした空間づくり

ここまで紹介した、切妻屋根や招き屋根に比べて勾配がなだらかなので、どっしりとした存在感がありますね。スレートやガルバリウム鋼板を使った施工例が多いですが、中には瓦を使った和風なデザインの寄棟屋根もあります。

屋根裏のスペースを確保するのが難しい場合は、天井を高くするなど、工夫次第で開放感のある屋内にできそうです。

寄棟屋根の裏側

室内からみた寄棟屋根の施工例

引用:寄棟屋根のメリット・デメリット|homify

4.方形屋根(ほうぎょうやね)|シンプルな構造で頑丈な屋根

ピラミッドのような正方形の間取りが印象的な方形屋根。四方向にバランス良く屋根が配置されているので、風圧や地震に対する強度が非常に高く、雨や雪をきれいに分散できるのが特徴です。シンプルな構造なので、ローコスト住宅でも多く採用されています。

  • 屋根の力をバランス良く分散していて安定感がある
  • 風圧、地震に強い
  • ローコスト住宅にも用いられている
参考 方形屋根ってどんな屋根?メリットとデメリット、補修方法についてご紹介千葉の屋根工事・屋根リフォーム・屋根塗装なら街の屋根やさん

方形屋根の施工例:ガルバリウム鋼板

方形屋根(ほうぎょうやね)

引用:【重要】屋根の種類、全て見せます!選ぶポイントは3つ|ハウス情報ドットコム住宅総合研究所

方形屋根と相性が良い屋根材
スレート材、ガルバリウム鋼板
屋根材選びには注意が必要

方形屋根は、日本においてお寺や神社などによく使われていました。そのため、瓦屋根のイメージが強い方が多いかもしれません。しかし、実際は頂上のつなぎ目付近が劣化すると、雨漏りのリスクが大きいため瓦屋根にはあまり向きません。最近では写真のように、金属やスレートなどを使ったモダンなデザインが増えています。

参考 方形屋根って何?メリットやデメリット、向いている住宅を紹介街の屋根やさん鹿児島店

5.入母屋屋根(いりもややね)|日本の建築を代表する瓦屋根

寄棟屋根の上に切妻屋根が乗っている、混合型のデザインが特徴の入母屋屋根。開口部分が多いので通気性が高く、湿度が高い日本では古くから重宝されてきた屋根です。しかし、構造が複雑なので、施工には高い技術が必要となります。近年では、施工できる職人さんが減っていますが、今後も残していくべき、瓦の良さが際立つ日本建築を代表する屋根です。

  • 通気性が良い
  • 職人によって丁寧に施工される

入母屋屋根の施工例:瓦

入母屋屋根(いりもややね)

引用:瓦屋根の名称とは?|kamisei

入母屋屋根と相性が良い屋根材
時代の流れで数が減少する屋根

基本的には瓦を用いた和風なデザインが主流の入母屋屋根。複雑な構造なので雨漏りのリスクがあり、施工する職人さんたちの腕に影響する部分が大きいのが特徴です。一方、最近は洋風でモダンなデザインの新築が人気を集めており、数が減っている屋根でもあります。

参考 ~入母屋(いりもや)屋根ってなに?(屋根の形状3)三州瓦の神清 参考 入母屋屋根のメリット・デメリット 屋根の形を選ぶ④ Reform life~お役立ち情報サイト~

6.越屋根(こしやね)|明るさと通気性に特化した屋根

屋根の上に乗っている、さらに小さな屋根を越屋根といいます。最大の魅力は建物の上部から入る光で、直接室内を照らす日差しとは違った働きをしてくれるのが特徴です。換気がしやすく通気性にも優れており、夏場でも快適に過ごすことができます。ただし、入母屋屋根と同じく複雑なつくりになるので、雨漏りのリスクがあり、施工にも手間がかかります。

  • 独特な採光で室内が明るくなる
  • 通気性に優れていて夏でも快適
参考 越屋根(こしやね)とは越屋根、こしやね 参考 越屋根(こしやね)について新人がまとめてみた群馬のハウスメーカー四季の住まい

越屋根の施工例:瓦

越屋根(こしやね)

引用:越屋根のある平屋|株式会社大河内工務店

越屋根と相性が良い屋根材
豊富な瓦の種類と特徴

越屋根もまた、日本建築を代表する屋根のひとつです。瓦を用いるケースが多く、和風なデザインが主流です。 なお、瓦にはさまざまな種類があり、それぞれに魅力があります。

特に、日本建築に欠かせない粘土瓦には、表面にガラス質のうわぐすりを塗って光沢を出す「釉薬瓦(ゆうやくがわら)」と、空気に触れさせずに蒸し焼きにすることで銀色の炭素膜をまとわせる、「無釉薬瓦(むゆうやくがわら)」の2種類があります。他にも、水や砂、セメントを主原料とする「セメント瓦」が一般的です。セメント瓦は粘土瓦に比べて加工し易いのが特徴で、豊富なデザインがあります。

瓦の種類 特徴
粘土瓦 釉薬瓦 耐水性が高く50年以上保つといわれている。
メンテナンスがほとんど要らないのが特徴。
無釉薬瓦 城や寺社でも多く見られる「いぶし瓦」と「素焼き瓦」が主流。
耐用年数は30~60年。
セメント瓦 さまざまな色や形がある。
耐用年数は20~40年
釉薬瓦(左)、無釉薬瓦(中)、セメント瓦(右)

釉薬瓦(左)、無釉薬瓦(中)、セメント瓦(右)

引用:屋根瓦の種類・形・価格を比較!リフォーム時期や費用相場は?|リショップナビ

参考 粘土瓦の種類について~無釉薬瓦とは~街の屋根やさん鹿児島店

7.片流れ屋根(かたながれやね)|奇抜なデザインが魅力の屋根

斬新なデザインで近くを通る人の目を惹く、片流れ屋根。一風変わった見た目で、存在感を引き立ててくれるのが最大の魅力です。屋根の斜面が一方向にのみ大きく広がるので、ソーラーパネルを設置した際に光を効率的に受けられる、という特徴もあります。さらに、シンプルな構造で屋根の結合部が極めて少ないので、建設費用を節約できるのもポイントです。

ただ、軒が一方向にしかないので、紫外線や雨風の影響を受けやすく、外壁が劣化し易いという注意点があります。

  • デザイン性が高い
  • ソーラーパネルを設置するのに向いている
  • 結合部が少ないので建設費用が節約できる

片流れ屋根の施工例:ガルバリウム鋼板

片流れ屋根(かたながれやね)

引用:片流れ屋根のガレージ|厚木市の優建築工房の住まいギャラリー

片流れ屋根と相性が良い屋根材
ガルバリウム鋼板、スレート、アスファルトシングル
構造上避けられない雨漏りのリスク

勾配が急な屋根の斜面が美しく、素材の質感でより魅力が引き立つ片流れ屋根ですが、一方で雨漏りが多い屋根としても有名です。原因は、屋根の頂上部に付いた雨水が、屋根の表面ではなく、裏面をつたって室内に侵入してきてしまうためです。

実際に、雨漏りの被害が多発している事例は多いので、施工してもらう業者さんは慎重に選びましょう。

メンテナンスを視野に入れた屋根材選び

片流れ屋根と相性が良い屋根材に「アスファルトシングル」があります。

アスファルトシングルの施工例

アスファルトシングルの施工例

引用:アスファルトシングル屋根の費用・メンテナンス方法と施工例!実際どうなの?|理ショップナビ

アスファルトシングルは、海外で開発された防水性の高い素材で、非常に柔らかく軽量なので扱い易いのが特徴です。特に片流れ屋根のように勾配が急な屋根との相性が良く、屋根材にアスファルトシングルを選ばれる方が多いです。

しかし、アスファルトシングルは、カビやコケが発生しやすく、強風の影響で部分的にめくれてしまうリスクが高いのも特徴です。劣化した箇所はどうしても目立ってしまうので、定期的なメンテナンスを視野に入れて選ぶようにしてください。

8.陸屋根(ろくやね,りくやね)|屋上が有効に使える

勾配がなく、屋上を生活スペースの一部として利用できるのが陸屋根です。陸屋根は、手軽にメンテナンスができるのも魅力のひとつで、シンプルな外観はモダンな雰囲気を感じさせてくれます。ただし、陸屋根は熱を吸収しやすく、夏場は最上階の室温が高くなる恐れがあるので断熱等の対策が必要です。

  • 屋上としてスペースを活用できる
  • メンテナンスの手間が少ない
  • シンプルなデザイン性が人気

陸屋根(ろくやね,りくやね)の施工例

陸屋根(ろくやね,りくやね)

引用:二階リビングを持つシンプルモダンな建物|季美の住まい

屋外の空間をプラスした生活

洗濯物を干したり、休日に家族と過ごしたり、屋上という外の空間が活用できると生活の幅が広がりますね。ただし、木造の場合、雨漏りの原因となるため陸屋根にするのは一般的に難しいといわれています。とはいえ、鉄骨やコンクリート造のお家は高額です。木造なら快適なベランダやバルコニーを検討して、経済的に外の空間を取り入れるのが良さそうです。

参考 【陸屋根とは】屋根材のメリット・デメリットと防水方法を徹底解説外壁.com

新築の屋根選びについてのまとめ

さて、この記事では屋根の種類や特徴と、屋根ごとに適した屋根材について詳しくご紹介してきました。ご紹介した8つの屋根にはそれぞれ特徴があり、どれも魅力的でしたね。

最後までご覧になった方の中には、「やっぱり屋根は外観だけじゃなくて、機能性にもこだわりたい」と、より一層、新築の計画を立てるのが楽しくなった方もいると思います。

もし、お家を一緒に建ててくれるパートナーがまだお決まりでない方は、建築家の先生や工務店の社長さんたちのインタビューを元に書いた、以下の記事も参考にしてみてください。

著者情報

コノイエ編集部

コノイエは、東京都港区に本社を置く株式会社アールアンドエーブレインズが運営するオウンドメディアです。累計80,000人以上が利用する「解体無料見積ガイド」の姉妹サイトとして、住宅関連コンテンツを発信しています。人が生活する基本となる「衣・食・住」の中でも、コノイエでは「住」にフォーカスして独自の情報をお届けします。

監修

中野達也

一般社団法人あんしん解体業者認定協会 理事
解体工事業登録技術管理者
公益社団法人 日本建築家協会(JIA)研究会員
一般社団法人東京都建築士事務所協会 世田谷支部会員

日本全国の解体業者1,000社超と提携し、約10年間で数多くの建物解体工事に関与。解体工事のスペシャリストとして、テレビ番組をはじめとする多数メディアに出演。大手から中小まで様々な規模の住宅メーカーへの販促支援、コンサルティング事業に携わり、住宅購入者心理の理解を深める。家を「壊す」ことと「作る」ことの双方に精通しており、全国の提携パートナーと共に家に関する様々な問題に取り組んでいる。

出演メディア
ひるおび!(TBS系列)、情報ライブ ミヤネ屋(日本テレビ系列)、バイキングmore(フジテレビ系列)、他多数...

当協会の運営サイト「コノイエ」は、工務店・ハウスビルダー・建築家・建築設計事務所等の500以上のインタビュー記事を掲載。また、新築・建て替えを検討中のユーザーにとって有益となる情報を発信しています。
当協会は、建て替えに伴うお住まいの取り壊しのご相談を年間で2,500件ほど承っており、各地域の住宅関連会社の情報が集まります。今後も「コノイエ」では、新築ユーザー様の発注先や評価、住宅関連会社様への独自インタビューといった当協会ならではの独自のリアルな情報をお届けします。


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